天路歴程

日々、思うこと、感じたことを詩に表現していきたいと思っています。
なにか感じていただけるとうれしいです。

蜜に溺れる

2017-01-26 20:01:16 | 
「私の胸でお泣きなさい」

絶望の海に溺れていた夜

一筋の光をくれた女神

ロープを投げてくれた恩人

胸を開き

包み込み

甘やかしてくれた

僕は

うつらうつら

たゆたう波に

ゆられていた

彼女は

柔らかな手で

僕を撫でている

僕は

まだ

この花弁の中で

この薄明の中で

彼女に守られている

何かを忘れていくような
何かを失っていくような

そんな気もするのだけれど

日々

そんな気も薄れていく

ただ

彼女に

抱かれ

目を細め

考えることをやめ

彼女の香りだけを

感じている