浅野秀弥の未来創案
【志なき首長の醜態】
権力者よ謙虚に
大阪府内で当選した市長が選挙公約違反を問われ各地でやり玉に挙がっている。首長選は勝敗が明確なので、「当選するため何でもするし、誰とでも組む」という態度の候補者の立ち振る舞いに批判が集まっている。
人が事を成すにはまず自分を捨てねばならない。「是々非々」を信念とし、ブレない志を持って自身を高めて世に通じる人となり、目的目標に向かって 突き進む事で、人々が集い活躍できる環境を創(つく)り出せる。その旗印として支えるに足る人物を神輿(みこし)に乗せるのが有権者の責務だ。人にはそれ ぞれの得意分野を生かす目標がある。そのためのコンセプトを示し、短期から中長期への計画を作成し具現化する。担がれた神輿上の首長とそれを支える意欲あ る人々が本気で掛かれば、小さな動きがやがて大きなムーブメントに成長し、時代のうねりを創り出せる。
有権者は1票を投じるだけでなく、「選んだ首長が本物だったのか否か?」の検証はその後ずっと注視していかなければならない。
政治家を目指し勉強会や集会に続けて参加し、SNSに投稿しても、それだけでは次につながらないし、単なる自己満足に過ぎない。今は知識より知力 が必要な時代。そのためには誹謗(ひぼう)中傷論を声高に訴えるのではなく、竹中半兵衛・黒田官兵衛・諸葛亮孔明のような緻密(ちみつ)で正確なコンセプ トで、世論の声を聞いてマーケティングを行い、根回しや人心掌握に当たらなければならない。
策を練り上げる人間が参謀として絶対必要であることが分からない権力者は、自信や満足だけに頼り、連携している人にも少なからず害を及ぼし、無駄な金をドブに捨てる“井の中の蛙(かわず)”となる。
大海を知らざる者が、勘違いの末に生じる無理無駄ムチャを私は数多く見てきた。会社経営だったら半分以上の成功の可能性がないとまず事業を進めな い。あまりにも低い成功率で突進する首長に対し、方針転換して次へと続く環境を整える大切さを説くのも支援者や政党の役割だ。私が今考える事は「いかに大 きなうねりを現実へと持ち込めるか?」という具体策そのものなのだ。