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「放出がもっと早ければ…」政府の対応に業者からは苦言 注目の価格の行方は 備蓄米間もなく店頭へ 放出量足らず影響は限定的との見方も
SBC信越放送 2025/03/30 14:00
「放出がもっと早ければ…」政府の対応に業者からは苦言 注目の価格の行方は 備蓄米間もなく店頭へ 放出量足らず影響は限定的との見方も
価格が高騰している「コメ」。
農林水産省がまとめた全国のスーパーおよそ1000店のコメの小売価格によりますと、直近の価格は5キロ当たり4,172円と1年前の同じ時期の2倍になっています。
コメの高騰に対して政府は備蓄米の放出を決定しましたが、どれだけの効果があるのか?
県内の流通、そして小売り現場のホンネに迫ります。
長野市内で聞きました。
女性:
「高い。とりあえず安いところを探してそこで買ってます」
女性:
「めちゃめちゃ高いです。倍ぐらい」
「若干増えましたよね、麺類が」
女性:
「ちょっとありえない値段ですよね。お米って一番安くてみんなおなかがいっぱいになったのに」
実家からコメを調達している夫婦:
「実家は近所の作ってる人から買ってるみたいで、でももうお米作りしなくなってしまって(これで)最後だよと」
「なくなったら買うしかない」
「でもいま、もち麦混ぜてかさ増ししてます(笑)」
菓子類を主力とする長野市の食品の専門店。
長年、コメも扱っていますが、1年前と比べて値段は大きく上昇しました。
台東C&C 掛川健彦店長:
「ものによってですけど、自分の感覚ではほぼ倍ですね」
「長野県で生まれた風さやかという品種なんですが、去年5キロで1700円だったんですけど、現在の価格が3400円」
SBC
1年前は10キロ3500円前後だった別の銘柄も今は7000円近くなっています。
しかし、高値にもかかわらず売れ行きは好調で、3月は前年比で4倍以上という商品もあると言います。
掛川健彦店長:
「2月ぐらいからですかね備蓄米の報道がされるようになってから、少し売れ行きはよくなってきている」
しかし、不安要素も。
4月からさらに価格を引き上げるという連絡がコメの仕入れ先から届いたのです。
小売店など取引先に宛てた書面。
この業者は、インバウンド需要の拡大や家庭での消費増加などによる価格の高騰は、備蓄米が放出されても急には解決されない、としています。
掛川健彦店長:
「いままでで2倍、つまり10割上がっちゃってるんですけど、もう1〜2割上がるんじゃないかという感覚ではいます」
精米機に流れこむのは、学校給食向けのコメ。
入倉米穀 入倉一郎社長:
「月に10トンくらいが3市町村の学校にご飯になっていく前にここで精米してます」
茅野市で100年以上続く、入倉米穀。
毎日3トンから4トンを精米し、スーパーや飲食店、病院などに販売しています。
入倉一郎社長:
「スーパーは前年並みに置くとすぐに売れちゃうんですよ」
「この辺の方じゃない方、県外あたりからかなり来てるみたいで、そういう方が買っていく」
ただ、スーパーからの前年を上回る量の注文は受けないことにしています。
理由のひとつは地域の総合病院や福祉施設に安定してコメを納めるため。
さらに、例年に比べて、確保できたコメが少なかったことも響いています。
入倉一郎社長:
「(例年と比べて)8割がたは集まりました・・。なんだけど、農家さんに直接行っているような方(業者)がいっぱいいて、そういう方に直接売っちゃった農家の方もいっぱいいます」
2024年夏の「令和のコメ騒動」の再来も懸念材料。
水田の減少に加え、例年より前倒しで消費が進んでいると見ています。
入倉一郎社長:
「一か月くらい早食いが進んでいると思います」
「備蓄米21万トン出るって話がありますけど、早食いしてるのと差し引くと、7月8月に足りなくなる可能性はありますね」
3月中旬に行われた備蓄米の初回の入札では、9割以上の13万トンあまりをJA全農が落札。
SBC
JA全農長野によりますと県内への配分は8000トン近くになるということです。
価格への影響について県内の米穀店で作る団体の会長も務める入倉さんは。
入倉一郎社長:
「多少安くなると思います。多少、ですね」
「(長野県への配分は)長野県で消費する2週間分になると思います。2週間だとちょっと足りないかな」
また、備蓄米の放出がもっと早ければ、価格の高騰は抑えられたのではと指摘します。
SBC
入倉一郎社長:
「ほんとは去年の8月に大阪の知事が(備蓄米を)出してくれって言ったときに出していれば、まるっきり違っていたと思う」
「タイミングがずれたらひどいことになっちゃったんで」
24日に開かれた、JA長野中央会の会見。
現状のコメ価格について「生産者の適正な利益も必要」とした上で神農(しんのう)会長は。
神農会長:
「私どもとすれば消費者の皆さんがおコメから離れてしまうという危惧のほうが強く持ちます」
全農長野の担当者は県内分の8000トン近い備蓄米について、速やかに流通させるよう準備していると説明しました。
JA全農長野 長谷川孝治(はせがわ・こうじ)本部長:
「(商品になるのは)おそらく4月10日前後ぐらいになるのではないかと」
「これだけの量が出てまいりますので相当の効果はあるだろう」
県内のコメの卸売業者やスーパーなど小売店を取材すると共通していたのが「コメが足りていない」という声。
また、今回の21万トンという備蓄米の放出量では、価格に与える影響は限定的なものに留まるのではという見方も多く聞かれました。