◇15年に27.4%と過去最高

 法人タクシー運転手に占める65歳以上の割合が、2015年に27.4%と、調査開始以降、過去 最高になったことが厚生労働省のまとめで分かった。10年前と比べ5倍に上昇し、年代別運転手数で初めて最多になった。平均年齢(15年)も59.0歳と 全産業平均の43.1歳を大きく上回り過去最高。一方、タクシー運転手による事故は高齢になるにつれ増加しており、専門家から新たな対策を求める声が上が る。【青木絵美】

 この調査は1964年に始まった厚労省の賃金構造基本統計調査。年代別就労者の割合を推計しており、10年前5.6% だった「65歳以上」が15年は27.4%を占めた。14年までの5年間は年代別トップが「60〜64歳」で、65歳以上が年代別でトップになったのは初 めて。15年のその他の年代別割合は「60〜64歳」27.1%、「55〜59歳」18.0%、「50〜54歳」11.1%−−などと年齢層が低下するご とに割合も下がった。

 一方、15年のタクシー運転手の平均年齢は59.0歳と05年より4.1歳上昇した。全産業平均では10年で1.5歳しか上昇しておらずタクシー業界の高齢化が際立つ。過去最低だった64年の33.4歳より、25歳以上上昇している。

 個人タクシーはより高齢化が進んでおり、全国個人タクシー協会によると、個人タクシーの運転手は15年3月末現在、「65歳以上」が52.6%を占め、平均年齢は63.6歳。

事 故率も高く 高齢者が起こす事故も深刻だ。国土交通省が14年1年間で発生したタクシーが絡む事故のうち、事故の主な原因がタクシーの運転手側にある 450件を年代別に分析したところ、「50〜54歳」34件(7.6%)、「55〜59歳」は69件(15.3%)、「60〜64歳」は136件 (30.2%)、「65歳以上」は157件(34.9%)−−となり、高齢ドライバーほど事故を起こす傾向がある。13年10月、大阪市で72歳の運転す るタクシーが反対車線を逆走し8人がけが。15年4月には京都市で71歳の運転するタクシーが暴走して2人が重軽傷を負った。昨年12月には福岡市で64 歳の運転するタクシーが病院に突っ込み、10人が死傷した。

 国交省の推計によると、タクシー運転手の年間平均所得は約302万円(14年)。全産業平均(約536万円)に比べ低く、若年層確保が困難な理由の一つになっている。

 法人タクシーの場合、65〜74歳の運転手には3年ごと、75歳以上は年1回、運転シミュレーターなどによる適性診断が義務づけられている。

 ◇賃金構造基本統計調査

  業界別に従業員10人以上の民間事業所を抽出。雇用形態、賃金、従業員の年齢などを調べ、業界全体の実態を推計する。同種調査を引き継ぎ、1964年に始 まり、2015年は16業界計5万785社から回答を得た。職業別の統計は、各産業で主となる性別を取り上げ、法人タクシーの場合は男性が対象。法人事業 者でつくる全国ハイヤー・タクシー連合会によると、全運転手(15年3月末現在、回答率約90%)27万7728人のうち女性は6878人(約2.5%) で運転手のほとんどは男性。』

法人タクシー運転手に占める65歳以上の割合が、2015年に27.4%は後継者不足を意味しています。

若い人がタクシー運転手にならないのは、将来性のある職種とは言えないのではありませんか。

景気の良し悪しは、タクシー運転手さんに聞けと昔から言われています。

倒産するところも有り、法人タクシー業界も経営が難しくなっていると思います。

以前運転免許更新の時にバスを二つ乗り継がないと警察署に行けず時間が間に合わずタクシーに乗りましたら 、珍しく女性の中年の運転手さんでした。

警察署に付くまで、お話しましたら眼が疲れて、更新の視力でだめになり、眼を休めて更新出来たと言いました。

手取り10万円で、家賃は公営住宅で遅れて払い、民間住宅なら追い出されるところで介護保険滞納していると言いました。もう長生きしたくない言いました。

法人タクシー運転手さんの厳しい日常生活の現実です。