私の中には
未だに死に切れない5歳児が住み着いていて
こいつは怨念の塊だ。
血を吸ったダニみたいに
頭が怨みと呪いでパンパンに膨らんだ
いつも壁を向いて座っている
醜い5歳の子供。
この子供を封じて
二度と生き返らないように
足で踏み潰そうとしても
なかなか死なない。
この子供、
テレビやネットに
子殺しや虐待する親が登場すると
生き返って呪う。
「お前達はゴキブリだ。蛆虫だ。
お前達に遺伝子を残す価値なんかないんだ。
クズが劣悪な遺伝子を撒き散らして
こんな事になったのだ。
お前達がじじばばになって
足腰立たなくなって
歯が抜けて食えなくなって
大小便垂れ流しになった時に
同じ目に遭わされろ。
思い知れ。」
この子供、
イエス・キリストに話しかける。
「あのね、
うちのあの女がさ、帰って来ない。
買い物に行ったまま
ずっと戻って来ない
もう暗くなったから
いつも行く八百屋まで行ったけど
来てないって。
あの八百屋、キリストの仲間だね。
玉葱みたいなガンガン寺の人だよ。
八百屋にいないから、
ショッピングセンターかと思って
でもどっちに行けばいいかわかんない。
とうとうカトリック教会まで来てしまった。
あそこの幼稚園の子達は
ひよこみたいな黄色い帽子被って
白黒のマザーとかシスターに
ホウキで叩かれるんだ。
知ってる子が言ってた。
中に入っちゃダメだよ。
白黒のおっかないのが出て来るから
もう戻るよ。
あの女はきっと先に家に帰ってるんだ。
また往復ビンタだね。」
この子供、
イエス・キリストに文句を言う。
「短冊に書く事なんて何もないよ。
何書けばいいの。
願ったり祈ったりしても聞かれないよ。
聞かれないのは
自分の欲のために不純な動機で願うからだって
キリストの仲間が言ってたよ。
でも司祭も牧師も
素直に甘えろとか信頼しろとか言ってるよ。
別の司祭は
願ったり祈ったりして
それが叶わないのは
そんな小さいみみっちい願いじゃなくて
もっと大きいものを与えたいからだと言ってる。
それが『霊的成長』だって。
これは私の欲しいものじゃなくて
別の誰かのだね。
でも
これを欲しがりなさいって言われてる。
短冊にこれを書けって。
全然欲しくないよ。
でも書く事が何も無いんだから仕方ない。
書くよ。
それでいいんでしょ?」
この子供、
イエス・キリストに駄々をこねる。
「あのさ、本当は、欲しいものはあったんだけどさ、
捨てられたんだ。
トラ猫のぬいぐるみ。
あの男が自分の子供に初めて買って来たものだよ。
トラ子って呼んでずっと抱いて寝てた。
5年間ずっと抱いてたから
擦り切れてぼろぼろになって
毛がなくなったところから針金の肋骨が見えてたけど
一番好きだった。
あの女がもう汚いから捨てて来いって。
私、自分で外の焼却炉に入れたよ。
トラ子はこっち見てた。
まだ燃やす日じゃないから
私も焼却炉の中をずっと覗いてて
トラ子を見てた。
あの女が怒って出て来て
また往復ビンタされたけどね。」
「もう付き合い長いよね。
短冊なんか書いたって始まらないけどさ、
あのトラ子のぬいぐるみがあったらな。
新品のじゃないよ。
同じような猫のぬいぐるみでもないよ。
ずっと抱っこしてぼろぼろになった私のをね。
あのトラ子を焼却炉から取り返したい。
5歳から後もずっと時間が続いて、
まだこの先に40年も50年もあるのかも知れないけどさ、
その40年50年の間に
もっともっと大きな、
もっともっといいものを、
何だかわからない『霊的成長』とかをさ、
貰えるのかも知れないけど
いらない。
40何年かの間に貰ったもの全部返すよ。
これから貰うはずだったものも
全部いらないからさ、
トラ子のぬいぐるみを取り返しに焼却炉に入りたいな。
入るからね。
いつか。」
未だに死に切れない5歳児が住み着いていて
こいつは怨念の塊だ。
血を吸ったダニみたいに
頭が怨みと呪いでパンパンに膨らんだ
いつも壁を向いて座っている
醜い5歳の子供。
この子供を封じて
二度と生き返らないように
足で踏み潰そうとしても
なかなか死なない。
この子供、
テレビやネットに
子殺しや虐待する親が登場すると
生き返って呪う。
「お前達はゴキブリだ。蛆虫だ。
お前達に遺伝子を残す価値なんかないんだ。
クズが劣悪な遺伝子を撒き散らして
こんな事になったのだ。
お前達がじじばばになって
足腰立たなくなって
歯が抜けて食えなくなって
大小便垂れ流しになった時に
同じ目に遭わされろ。
思い知れ。」
この子供、
イエス・キリストに話しかける。
「あのね、
うちのあの女がさ、帰って来ない。
買い物に行ったまま
ずっと戻って来ない
もう暗くなったから
いつも行く八百屋まで行ったけど
来てないって。
あの八百屋、キリストの仲間だね。
玉葱みたいなガンガン寺の人だよ。
八百屋にいないから、
ショッピングセンターかと思って
でもどっちに行けばいいかわかんない。
とうとうカトリック教会まで来てしまった。
あそこの幼稚園の子達は
ひよこみたいな黄色い帽子被って
白黒のマザーとかシスターに
ホウキで叩かれるんだ。
知ってる子が言ってた。
中に入っちゃダメだよ。
白黒のおっかないのが出て来るから
もう戻るよ。
あの女はきっと先に家に帰ってるんだ。
また往復ビンタだね。」
この子供、
イエス・キリストに文句を言う。
「短冊に書く事なんて何もないよ。
何書けばいいの。
願ったり祈ったりしても聞かれないよ。
聞かれないのは
自分の欲のために不純な動機で願うからだって
キリストの仲間が言ってたよ。
でも司祭も牧師も
素直に甘えろとか信頼しろとか言ってるよ。
別の司祭は
願ったり祈ったりして
それが叶わないのは
そんな小さいみみっちい願いじゃなくて
もっと大きいものを与えたいからだと言ってる。
それが『霊的成長』だって。
これは私の欲しいものじゃなくて
別の誰かのだね。
でも
これを欲しがりなさいって言われてる。
短冊にこれを書けって。
全然欲しくないよ。
でも書く事が何も無いんだから仕方ない。
書くよ。
それでいいんでしょ?」
この子供、
イエス・キリストに駄々をこねる。
「あのさ、本当は、欲しいものはあったんだけどさ、
捨てられたんだ。
トラ猫のぬいぐるみ。
あの男が自分の子供に初めて買って来たものだよ。
トラ子って呼んでずっと抱いて寝てた。
5年間ずっと抱いてたから
擦り切れてぼろぼろになって
毛がなくなったところから針金の肋骨が見えてたけど
一番好きだった。
あの女がもう汚いから捨てて来いって。
私、自分で外の焼却炉に入れたよ。
トラ子はこっち見てた。
まだ燃やす日じゃないから
私も焼却炉の中をずっと覗いてて
トラ子を見てた。
あの女が怒って出て来て
また往復ビンタされたけどね。」
「もう付き合い長いよね。
短冊なんか書いたって始まらないけどさ、
あのトラ子のぬいぐるみがあったらな。
新品のじゃないよ。
同じような猫のぬいぐるみでもないよ。
ずっと抱っこしてぼろぼろになった私のをね。
あのトラ子を焼却炉から取り返したい。
5歳から後もずっと時間が続いて、
まだこの先に40年も50年もあるのかも知れないけどさ、
その40年50年の間に
もっともっと大きな、
もっともっといいものを、
何だかわからない『霊的成長』とかをさ、
貰えるのかも知れないけど
いらない。
40何年かの間に貰ったもの全部返すよ。
これから貰うはずだったものも
全部いらないからさ、
トラ子のぬいぐるみを取り返しに焼却炉に入りたいな。
入るからね。
いつか。」
不良カトリック信者の美らんケイティと申します。どうぞ、よろしく。
イエス様は、こんなふうにおっしゃるような気がするのですが……。
「トラ子は、今は私のところにいるよ。
私のところに来たら、トラ子にも会えるよ。
なぜなら、トラ子の中に私もいて、
トラ子と一緒にあなたを愛していたのだから」
違いましたら……、お気に触りましたら、お許しください。
margaritaさんのところで
読ませて頂いてました。
美らんケイティさんは
小説を書かれるんですね。
血迷った事ばかり書いてますが、
この子供は現実に
私自身の中にある
親に対する恨みと
自暴自棄と
自殺企図とを
自己分析の過程で
昨日やっと文章にする事が
できたものです。
この子供を哀れんだり
同情してはいけません。
この子供は悪霊です。
被害者意識という毒を吐いて
神様と私との間の和解と
家族と私との間の和解を
邪魔して壊そうとします。
この子供は神様にさえ
被害者意識を抱いて敵視している。
私は自分の中のこの子供を
封じて殺さなければなりません。
かつて私に手を挙げた者達は
既に人の助けがないと生きられない状況。
歳をとり弱って足腰も立たない。
この子供は
そんな弱った彼らに仕返しをしたがる。
でもキリストは
私に和解の道を示して
その道に私を追い立てて来られました。
しかしうまく和解出来そうになると
この子供が生き返って怨みを吐きます。
だから私は自分の子供時代の自意識を
踏み潰して殺して消してしまわなければ
なりません。
秋田の子殺しのニュースが
連日耳と目から入って
似たような虐待のニュースもあって
触発されたかも知れません。
あの類のニュースを見ると
物凄く気分が悪くなって
自分の中の子供が騒ぎ出します。
美らんさん、
コメントありがとうございます。
またいらして下さい。