鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

やっと友引忌。

2005-05-16 11:29:27 | 映画(ホラー)

「友引忌」 2004年 韓国
監督:アン・ビョンギ
出演:ハ・ジウォン、ユ・ジテ、キム・ギュリ、チェ・ジュンユン、
   ユ・ジュンサン、チョン・ジュン

***

「ボイス」と同じアン・ビョンギ監督が、同じ主演女優ハ・ジウォンと組んだ映画です。
とはいえー。調べてみますと、どうも、この作品のほうが「ボイス」より前のものなんですね。
で、これで話題になった二人が再び一緒に作ったのが「ボイス」。
日本では先に「ボイス」が公開されて話題になり、後から「友引忌」が注目されたってことらしい。

「ボイス」が火サスでしたので、きっと今回も…と思ったのですが、案外ホラーな感じでした♪
うん、面白かったです。監督が同じだけあって「ボイス」と同じように、霊現象だけではなく、サスペンス系の要素も絡んではくるのですが、それほど気にならない。
特に弁護士を務めるエリート、ジョンウクのラスト近くの演技は鬼気迫る感じがあって○。

しかし、見終わった第一印象は、まず。
…ギョンア(幽霊役)…倉木麻衣に似てる…
(ファンのひと見てたらごめんなさい。倉木さんは私も大好きです)
ハ・ジウォン、ボイスの時は、全然そんな感じしなかったのに…きっと髪型のせい?

おっと、このまま書くと、ストーリーについての話をまた忘れてしまう…。
えーと、ですね。

主人公のヘジンのもとへ、突然、2年前黙ってアメリカの大学院へ進学し、それ以来音沙汰がなかった友人、ソネが尋ねて来る。
彼女はどこか疲れた怯えきった様子をしており「どこへ逃げても、ギョンアが来る」と謎の言葉を残して、翌日、再び去る。
「ギョンア」それは、かつて彼女たちが属していた大学のサークルに所属しており、2年前に、ビルの屋上から飛び降りて自殺した女性の名前だった。
「ギョンアが来る」彼女のその言葉を、最初は誰も信じなかった。
しかし、それは不可解な出来事とともに徐々に忍び寄り、そうして、彼らはひとり、またひとりと惨劇に巻き込まれていく。…って感じです。

いつも思うのですが、海外ホラーでもなんでも、割と「殺され役は性格が悪い」。
こんなヤツは殺されてもいんじゃないか? とか見る側に思わせることで、血みどろホラーの後味の悪さをカバーしているのかなー?
まあ、本当に善良な人間が惨殺されるようなのは…色々問題がありそうですもんね。

そして、どちらかというと幽霊役のギョンアも、もとを正せば可哀想な生い立ちなのですが、しかし理不尽に命を奪われたから正義の復讐をする、という感じではなくて…
ギョンアは「閉鎖的な村の迷信深さの犠牲者」として一応書かれていますが、作品中の様子を見る限り、それもまた完全に誤解だったとは言いがたいつくりなのですよー。
うーん、これは…アレっす。貞子。
昔はちゃんと人間としての哀しみや情を持っていたはずなのに、幽霊になったとたんに、既に化け物って感じの。
ことに、ラストでは、彼女をここまで突き動かしたのはもしかして復讐ではなく…?
と匂わせられて、彼女もまた悲劇の犠牲者というだけではない、と思いました。

それにしても、原題は「悪夢(カウィ)」と言うらしいです…。
誰? こんな妙に日本的な題名考えたの(笑)

せっかく借りてきたのに。

2005-05-14 22:43:26 | 雑事

昨日、ビデオを借りてきました。
韓国ホラー「友引忌」!

月曜には返さなければなりませんが、もちろん、日中、小鬼がいるときには見られません。
ので、本日夜を狙っていたのです~。

しかし…とりあえず、ダンナが風呂からあがってから見ようと思った私が、
居間でボーっとテレビを見ていると、階段を「タンタンタンっ」と上がる音。
(我が家は二階にあります。一回は義父母が住んでいる)

あ。あがってきた。
そう思って、ちょっと待つ私。

しかし、待てど暮らせど、ダンナは来ない。

何やってんだかねぇ。と思いつつ隣の部屋を見に行くと、どこにも誰もいない。
そして、階下から聞こえる水音。

あれれ、戻ったのか? 何か取りにきたとか?
そう思ってまた居間に戻り、しばらくして本当にあがってきたダンナに
「なんか途中で取りにきた?」と尋ねると…

…はい、もう皆さん、お察しのことと思います。

「来てないよ。来るわけ無いじゃん。何取りにくるのさ」

……。
今夜は、見るのやめとこっかなー。

そう決心した、春の宵でありました。



…昨日の、ホラー小説4冊一気読みが悪かったのだろうか…
とりあえず、ゲン直しに可愛い雀たちでも見ることにしよう♪
スズメ三昧

人獣細工

2005-05-13 21:48:08 | 本(小説)

「人獣細工」 小林泰三
角川ホラー文庫 1999年
(単行本初出は1997年)

***

同じかたの書いた「玩具修理者」と共に古本屋でゲット。
読んで損が無いです。面白かった。
これは短編集で、表題作のほか「吸血狩り」「本」が収録されています。
どれも読んだあと、あー、ホラー読んだ!って気持ちにさせてくれました。

また、作品の影にクトゥルー神話の影が見えるのも、ちょっとお気に入り(笑)
それをメインに書いてるわけではなく、曖昧で意味不明で、だから余計に異界っぽくていい感じ。
そう、この方の作品には、「最後まで語られない」ことで感じる不安定感や恐怖があるのです。
もともと、恐怖という感情自体、形のはっきりわからないものなのですから、それを「ここでこんなことがあって、その時誰がこうなって、だから今こうなるのだ」というのがわかってしまうとどうも面白くない。
女が死んだ場所で女の幽霊が出るなんて至極当然、予想のつくことで、むしろそれより、普段は住み慣れた自分の部屋に何故かある日女がいた、のほうがずっと怖いと感じます。
だって自分の家じゃ、逃げ場ないじゃないですかー。

書かれていない部分を読者に予想させることで、なんともいえずゾっとする世界を作ったのが、2作目の「吸血狩り」。
普通に読んだらね、8歳の男の子の吸血鬼との対決&退治物語なんです。
でも…ひょっとしてこれ…と最語に思うと…地味に怖い!

そして「本」は、読書好きでネットを齧ってるひとなら、なお楽しめると思います。
「本を読む」という行為が「インストール」であると考える発想の斬新さが素敵でした。
確かに、両者は使う媒体や環境が違うだけで、同じ目的の行為ですね。

そして表題作。悲しいかな、途中でなんとなくオチが見えてしまいました。
でも、それ以上に強烈な作品のテーマと、傷だらけの身体の存在感。
実際に、ブタの内臓で臓器移植ってあるんだそうですね。
もう実用化したかどうかわかりませんが…確か、けっこう前にクローン豚が話題になっていたような?
いつか、それが身近な治療方法として普及するまでには、この作品の中の主人公のように「ひとぶた」なんて苛められる子供もいるかもしれません…


「たたり」雨宮町子

2005-05-13 21:23:43 | 本(小説)

「たたり」 雨宮町子
双葉社 双葉文庫 2002年
(単行本初出は2000年)

***

よくあるタイトル。よくある設定。
しかし、引き込まれるように最後まで読んでしまいました。
内容は、女性の書いた作品でありながら、物凄く冷徹。
あと、性的な部分の書き方が、妙に男性っぽく感じました。
読みつつ、…作者は女性なんだよな? と表紙を見直したくらい(笑)

あ、誤解の無いよういいますが、別にその部分を微に入り細に入り書いてあるわけじゃないです。(たまにありますねー。ホラーだかエロ本だかわからないやつ)
ただ、そういった行為への考え方が、男性寄り視点だなって。
なので、一応女性の私としては、えー?みたいな部分はありました。
作品の裏設定にはもともと男性の暴力圧制みたいなものがありましたから、
意識してやっているのかもしれませんが、後味ちょっと悪い…。

ストーリーは、作家の男性が夫婦で、昔、華族の館だったという洋館で過ごすことになり、
それから彼らの身に起こる不可解な出来事や、徐々に変わっていく二人の人格を克明に書いていきます。
もちろん、心霊現象じみたことも起こるんですが、それは全然たいしたことはない、物音や足音、勝手に電気がついたり消えたり、といったことに終始しますのでいいんですが、
何が怖いって、人間の性格が変わっていくのが怖いんですよー。
もうね、理屈じゃないし、人間らしい情の入る余地がまったく無いですね。
最後までばっちり砂糖抜き! 甘くないです現実は…

とはいえ、登場人物がみんな、その家の主人にアタマがあがらない、言いたいことも言えない、というのは見ていて不愉快でした。ことに奥さん…いつの時代のひとですか(汗)
私ならそんなことは到底できませんから(笑)余計にストレス溜まっちゃいますね。
もちろん、親しいからこそ言っちゃいけない言葉はあると思いますが、言いたいことをちゃんと言わずに内心不満を持ってるなんて状況は、むしろ相手に失礼だ、と考えます。
だって、後々それがバクハツして「あの時こうだったー!」なんて言われたら、大抵のひとは「じゃあその時なんで言わないんだよ!」と返すもんじゃあないですか?(笑)

なんて文句を言いつつ、きっと私、このテの「幽霊屋敷もの」は嫌いじゃないです。
登場人物と一緒に、知らない空き屋を探検してるような感じがたまらなく好き♪
これは、ちゃんと管理されている屋敷に引越してきた夫婦の話なので、空き屋探検とはちょっと違うのですが…そうですね、どちらかというとスティーブン・キングの「シャイニング」っぽい。
というわけで、そういうのが好きなかたは、一読してみてくださいませ。

ゼブラーマン

2005-05-11 13:36:45 | 映画(邦画)

「ゼブラーマン」 2004年
監督:三池崇史
出演:哀川翔、鈴木京香、市川由衣、大杉蓮、渡部篤郎 他

***
「俺の背中に立つんじゃねぇ!」…というわけで、ゼブラーマン。
感想を一言で書くとすれば…「本気で特撮!」

昔の特撮のイメージを巧みに踏襲しながらも、人間関係や社会のあり方には、
今現在のものを盛り込み、凄く微妙な味わい。
なんて言ったらいいか…爽やかさの無い特撮?(笑)

昔、仮面ライダー一号二号系の特撮が好きだった世代のひとなら、
きっと見て「うあー」と思うことうけあい。
私はよく知らなくて、気がつかなかったのですが、特撮好きな人であればニヤリとしてしまう小ネタが満載の作品であるらしいです。

しかし、昔の特撮と大きく違うのは、昔のままのベタなつくりの怪人が、やたらとリアルな状態で出てくるということ。
しかも、ゼブラーマンが倒すのは、普通の人間に取り憑いて怪人化したものなので、倒した後は人間の死体が残る。普通は爆発して消え…ますよね?
で、その残った死体の状態がまた、けっこうグロなの!!

最初、ヒーローものなのね、と思い、子供と一緒に見られるかしら?と思ったのですが…
始まってすぐの、主人公が見ていたテレビのヒーローもの(放射能戦隊アレキサンダー)に出てくる怪人が、まるっきり貞子で…しかも、馬鹿みたいな役なのに、ビジュアルだけは無茶苦茶怖いつくりだったので…これは、幼児には無理だ!と断念しました。
これは、その後に出てくる怪人にも言えることで、どこから見ても笑っちゃうような、カニだのイカだのの怪人だというのに、顔の部分「だけ」やけにリアルな死体顔になっていて、見ているうちに物凄く怖くなってくるという…(汗)
なんて微妙な映画なのー(汗)

はっ、そういえば、ストーリーに全く触れていませんでした。
主人公は、暗くて生徒にも馬鹿にされている駄目教師。
妻は浮気、娘は援交、息子はいじめと、家庭も半ば崩壊状態。
彼は、子供のころ放映されていて、しかも人気が無くて7話で打ち切りになったヒーロー番組「ゼブラーマン」の大ファンであり、それが高じて、コスチュームまで自作し、ひとり自分の部屋で「ゼブラー、パァァンチ!!」などとヒーローごっこを楽しむ毎日を送っていた。
ある日、自室でだけ楽しむことに飽きた彼は、そのままの格好でついに外出!
そこで、怪しい男と出会って乱闘になってしまう。
実はその男は、地球侵略を目論む宇宙人に寄生された怪人で、そのころ、ひそかに街では陰惨な事件が頻発し始めており、そのための調査チームも作られていた。
最初はごっこ遊びから始まった「ゼブラーマン」。何者の導きによってか、彼はやがて、本物のヒーローとなって、悪の宇宙人に立ち向かっていく。

…ストーリー書いてて、あまりの胡散臭さに倒れそうになりました(汗)
でも、それを大真面目に! しかも、演技派の哀川翔が!あるいは渡部篤郎が!演じているので、なんだかストーリーは胡散臭いのに、出てくる人間そのものは妙にリアルで、コメディなんだか感動ものなんだか…見ているほうが位置づけに困るー。
最近、こういう作品多いですね。
コメディ…だよね? これで笑っていいんだろうか? とか思わせるような物語。

最後に一言…これから見ようと思うかたがいましたら、とりあえず、鈴木京香のゼブラナースは必見です。あれにはびっくりしたー。参ったー。

ゼブラーマン

日々是休日。

2005-05-10 22:06:30 | 雑事

どこにも行かない主婦にとってはサバイバルに等しい大型連休も終わり、
日々ぼやーんと過ごしています。
何かー、ブログに書く出来事はないかなー、などと、つらつら考えているうちに、
はっと気付けば何故か
「これはオチが無いからボツ!、これはイマイチ面白くないからボツ!」と
まるでネタを練る漫才師のような思考をしている自分に気がついてみたりして(汗)

いや、だって、どうせ読んでもらうなら、楽しいほうがいいに決まってるしー。
最近映画もあまり見ていないので、とりあえずテレビドラマの話でも。

テレビドラマ、は最近殆ど見ていなかったのですよね。
凝っているときは、そのクールで放映していたドラマの大半を録画し、網羅してもおりましたが…そこはB型(笑) あるとき、ぷつっと憑きものが落ちてそれっきり(笑)
見ても、ひとつとかーふたつとかー、だから、話題になった「僕の生きる道」も「救命病棟2」も、キムタクのホッケーのドラマや、織田雄二のクリスマスの恋愛ドラマも見てないしー。

でも、最近ちゃんとビデオを取っているもの、それは「エンジン」
…うちのダンナは、どういうわけかキムタク好きなんですよ。クルマもバイクも好き。
それゆえ、キムタクとF1がセットで見られるこのドラマが好きみたい…

ことに、TOYOTAは今、富士スピードウェイもリニュオープン(?)して、
すごく力を入ってるらしく、今回のドラマで使われる映像やクルマで
ばっちり宣伝入ってるなー(汗)て印象。
いつも手堅い経営のTOYOTA。去年度も確か低迷するクルマ業界の中、
ダントツで黒字だった…と、確かニュースで見たような?
その分を、今年はレースに回すのでしょうか? …頑張ってるなぁ。

とはいえ、レースな話だけではなくてですね、基本は児童養護施設における、子供たちとのふれあいと人間ドラマ。
ベタな内容であるにも関わらず、子持ちの私はいつも引き込まれて見てしまいます…ああ、テレビ局の思う壺だわ…(汗)
しかし、個人的に一番気になるのは、家政婦さん?食事担当のおばさん?の役が「高島礼子」なことなのだった。し、白い割烹着に三角巾してる…高島礼子が!

えーと、話をキムタクに戻しまして…
なまじ先に「キムタク」として売れて、存在感がガッチリあるから仕方ないんだけど、
キムタクのドラマって、いつも役名が残らないように思います。
「○○を演じたのがキムタク」ではなく、「キムタクが演じた○○」って印象になってしまって…。
あれはきっと、脚本も、もともと「キムタクのための役」として作ってあるんだろうなー。
なんだか、私が知るドラマだけ見た限りでは、どれも基本キャラクターが一緒なのよねん。
一本気で頑固で、周囲の価値観に惑わされない行動を取るけれど、自分の中にちゃんとルールを持ってるような…職人気質な、てやんでェっ!てタイプ(?)
どれも、凄く魅力のあるキャラクターだと思う。格好よすぎるくらい(笑)
「HERO」は毎回、最後が爽快で好きだったな。
でも、みっつくらい見ると、ああ、またか…って気分になるのも本音。

初期のころの…本当に駆け出しのころの方が、演技は下手だったけど、物語の中でちょうどいい存在感だったような気がする。
あ、とはいえ、今がダメってわけじゃないですよ。
もともと俳優ではなく、アイドルが本業なのだし、やはり、ファンなら役名のつかない「キムタク」が見たい!と思うだろうし。そこは需要と供給で。

それにしても、いつも思うンだけど…雑誌や一部のネットの批評では、キムタク叩かれがちですね。
去年封切られた「ハウル」。最初批評を見たとき、割とどこも「全然ダメ」みたいな書かれかたをしていたので、えー?そうなの? と思ったのですが、映画見たらそうでもなかったよ…。
そりゃあ、ダントツ上手いって感じじゃない。
でも、ジブリの声優が素人くさいのいつものことだし。
その中では、聞いてて「キムタクっぽさ」を感じさせないくらいに上手かったと思う。
勿論、封切り後は、ファンもファンでない人も、また事前に「声優:キムタク」に難色を示していたひとも、大体は納得した旨の感想が多かったと思いますし。

単に、人気があるものは叩いとけ、って感じなのかなぁ。


「エンジン」 オフィシャルサイト


料理、それはサバイバル

2005-05-08 21:25:49 | 雑事

本日、刺身にして食べなされ~と「活ツブ」をひとつ貰いました。

ツブ貝、好きですよ♪
夜店や水族館で売ってる、網の上でジュージュー焼けて、醤油と生姜の匂いも香ばしいアレ。
そっと楊枝を刺してぐるっと回すように取り出し、うまく全部がスポッと取れたときの快感!
身を食べた後、貝に残ったスープをすする時の、あの堪らない魅惑の香り! ああ!

しかし、ツブの刺身はパックで売ってるのくらいしか食べたことはなく、
自分で造ったことはありませんでした。
造り方だけは聞いて知ってましたけどー。

しかし、聞くとやるのじゃ大違い。
貝って、死んでるヤツは食べられないじゃないですか。アタるから。
しじみ然り、あさり然り…半死半生ではあっても、一応生きたやつを売ってますよね。
というわけで、活ツブは…もちろん生きているのです。

しじみの味噌汁やあさりの酒蒸しも、考えてみればオソロシイ料理法ではあるのですが、
ツブの刺身もなかなかでした。
生きた貝は、まず貝から出てきません。そこで、外から殻を砕き割るのですが…
まな板の上に固定し、包丁の背で叩く!叩く!叩く!
そうして割れた部分から、まるで風船が膨らむように「ぐに~」と飛び出してくるツブ(本体)。
そう、外からの打撃に危機を感じた彼(彼女?)は唯一の防御法として、貝の中に閉じこもろうとしているのです!結果、割れたところからぐーっと出てきちゃうわけ。

巻貝は、尖った部分が丈夫ですのでなかなか割れません。
…が、そっちに入っている部分は普通食用にしませんので、半分身があらわになった状態で引っこ抜きます。力技です。
…ぶちっ…

…千切れてしまいました…。
しかし、身(食用)のほうは、まだゆっくりと動いています(ぎゃー!)
い、い、いつ死ぬの? もう死んでるの? これってタコの足みたいな単なる反射? 断末魔?

正直、これから刺身にするために切り刻んでスライスすることを考えると、
もし生きているなら今のうちにトドメを刺してやりたい衝動にかられたのですが、
いかんせん、貝。
人間なら心停止、あるいは脳死で判断するところでしょうが、貝ってどの時点で死んでると判断するのでしょうね?

とはいえ、貝の死に際をちゃんと見極めようと思うと、どんどん活きが下がってしまいますので、とりあえず作業続行(鬼)。
刺身にするには邪魔なフタの部分を切り落としました。
すると…
切られた部分が、そこにあるはずのフタを掴むようにくーっと内側に曲がり、びろーんと伸びていた他の(多分、足とか手とか?)も空を掴むように折り曲げられ…
ころりと小さく纏まって、ついには、動かなくなったのでありました。

あ、あ、後味わりぃぃ!!

心の中で、成仏しろよ!と唱えつつ、スライスした私でありました。

…その刺身ですか?
ツブ一匹なんてそんなに量もないですしね。全部ダンナにやっちゃいましたヨ。

下妻物語

2005-05-07 01:22:15 | 映画(邦画)

「下妻物語」 2004年
監督:中島哲也
出演:深田恭子、土屋アンナ、安部サダヲ、小池栄子他

***
笑った! 面白かった!
以前、陰陽師2ではその演技のカルさに「…?」って感じだった深田恭子ですが…
この作品の彼女は最高ですね!
とにかく、最後までぐいぐいと引っ張られて見てしまう映画です。
そして、見た後がとても爽快。

さて、ストーリーはといいますと…
ロリータもレディースも、いわば「私の知らない世界」だったせいか、現実にある「茨城県下妻」が舞台であるにもかかわらず、ファンタジックな物語のようにも思えました。
フリフリのロリータファッションに身を包み、見た目可愛いのに中身は醒めてて、自分の好きな道を歩いてどこが悪いかという生き方を貫いている桃子(つーか、彼女を見てて、すごく侠な生き方に見えたのは私だけですか?)とレディースに入っていながらバイクは原付(!)、突っ張ってるけどなんか間が抜けていて憎めなくて、この子実は凄い素直なんじゃないだろうかと思わせるイチゴ。
二人のキャラの作りも良かったし、深田恭子と土屋アンナもぴったり役柄にあっていました。
見た目の組み合わせも強烈なんですが、見ているうちに、ああ、この二人って本当にいい組み合わせなんだなーと思うシーンも多く、面白いけどいい話!って感じ。

そしてその二人の脇を固める、誰をとっても個性的で強烈な面々。
桃子の母親役の篠原涼子は、ソフレのカッパのCMを髣髴とさせる感じで面白く、父役の宮迫博之はいかにも吹っ切れたダメ親父っぷり。
レディース総長役の小池栄子は本当にやってたんじゃないの?と言いたくなるくらい、なんだかやたらとハマっているし(汗)ロリータブランド「BABY」の社長は、さすがに良い役を振られてはおりましたが…仮にも実在するだろう人物をこんなにデフォルメしちゃって大丈夫かいな?という感じ。
そして…強烈な髪型で視聴者に印象深い安部サダヲ演じる「一角獣の龍二」は…いや、見てもらえばわかります。一角獣。まさしく彼は一角獣。

そうですねー、「湘南爆走族」が好きなひとなら、きっと楽しめると思います。
暴走族を扱ってる部分が大きいせいか、ギャグの感じとかがなんかちょっと似てる?

また、曲も良かったので、公式サイトを見てみたら…管野よう子?
友人が、やたら好きなんですよね、管野よう子!
以前、「攻殻機動隊」のテレビ版一作目のオープニングがいいね、と話したところ、それが管野よう子の曲だと教えてくれたことがあったんですが…今回も、聞いていいなと思ったらこの人!
私は無知だったのですが、どうやらとても良い曲を作る、話題&人気の方であるようです。
最近公開された「阿修羅城の瞳」でも、音楽を担当されております。

とにかく、全編通しておバカで可愛くてちょっといい話。
さりげないセリフのひとつひとつも、良く考えるといいこと言ってるしー。
中でも桃子の「幸せを勝ち取るのにも、勇気がいる」という言葉は、真理だなぁと思います。

ぜひぜひ、見てみてくださいな。
きっとこの映画を見たあとは、決して悪い意味でなく、ジャスコへの認識が変わるはず!(笑)

下妻物語 公式サイト

VILLAGE

2005-05-07 00:24:49 | 映画(洋画)

「VILLAGE」 2004年
監督:M・ナイト・シャマラン
出演:ホアキン・フェニックス、エイドリアン・ブロディ

***

森に囲まれたその村には、いくつかのタブーがあった。
「森に入ってはいけない。不吉な赤い色を封印せよ。警告の鐘に注意せよ」
村を囲むその森には、肉食で凶暴な存在が住んでおり、住み分けの契約によってのみ、彼らの平和は守られていたのだ。
閉鎖された村では、当然高度な医薬品は手に入らず、ある日幼い少年が命を落としたことをきっかけに、若者ルシウスは、医薬品を手に入れるため森を抜ける許可が欲しいと、村の「年長者」たちに申し出る。

うーん、うーん、これは…どう書いても、ネタバレになるような…?
映像の印象としては、全体に抑え目の色彩の中、黄色やら赤やらがくっきりと浮かび上がって、幻想的な感じ。
どこにあるのか、いつの時代なのかも明かされないまま「大草原の小さな家」風の生活を送る村人と、それに対する村のしきたりの奇異さが目立ち、前半はとにかく「何ここ?何なのこの村?」という気持ちになります。
というか、当初「これはホラーだ」と思い込みがあったので(笑)村人全員実は既に死亡済み!ここは死後の村!という仮説まで立てて見ていた私(汗)…そんなワケないっての。
むしろホラーというよりは…「愛」の物語かもしれない。

詳しい説明は省きますが、色々と意表をつかれました。
さすがは「シックスセンス」のシャマラン監督。
特に…平和な生活を望むものたちの楽園を壊したのが、ある意味一番純粋であるともいえるものであったということには、人間の悲しさを感じます。

ああ、もうネタバレにならないようにするためには、こんなことしか書けないよん~。

緑の少女

2005-05-02 03:25:03 | 本(小説)

「緑の少女」上下巻 エイミー・トムスン
ハヤカワ文庫 1996年

***

SF小説です。
未開の惑星調査のために降り立ったクルーの中でただ一人、原住民に助けられ、身体を改造されることで生き残ったジュナ。
母船の帰還に間に合わず、再び再調査に帰ってくるまでの数年間を、見知らぬ緑の星で過ごすことになった彼女の、原住民テンドゥとの心の交流を描いた作品…かな。

読んで思ったのは…テンドゥって、少し、日本人をモデルにしてるんじゃないの?ということ。
礼儀を極端に重んじること、敬語があること…クアルビッリという、無言の伝統芸能は、なんとなく能とか狂言を思わせるし、作中に出てくる「ケンジャ」という順番決め(?)の方法はモロにじゃんけんだし。
もともと、作者本人が親日家であるというのもあとがきには書いてあったので、余計に思い込みが入ってるのかもしれませんけど…。

ここで、未開惑星の原住民のモデルが日本人? と思ったかたはご安心。
もちろん、何もかもが全て、風刺だということではありませんし、大体作中でのテンドゥは、物質よりも精神を重んじる高等種族として書かれています。

作品は、ジュナがテンドゥの中で暮らすことで異星人の文化に触れ、またテンドゥの側もジュナの考え方から新しい何かを学んでいく…という、単純で、でも希望に満ちた物語になっています。
人類とは何もかも違うエイリアンの文化を、読者はジュナの目線で一緒に発見していく形。
ジュナを憎みつつも、自分の仕事のために同行しているテンドゥ、アニトが、徐々に彼女に心を開いていき、親友と言ってもよい関係になるところは、最後の「二つの種族の相互理解」へ繋がる精神的な伏線としても感じられ、とても清々しい。

エイミー・トムスンの作品は、他に「バーチャルガール」(ハヤカワ文庫1994年)があります。
こちらの主人公は、あるコンピュータ学者が、自分の理想の女性を形にするために作り上げたロボット、マギー。人工知能の開発が規制されている社会で違法である彼女が、作り手である男と離れ、ひとりで人間の世界を彷徨いながら「自分」を探す物語。
二つの作品は共通して、主人公が「世界」と出会う物語である、といえるかもしれません。

緑の少女が面白かったので、物凄く次作にも期待したのですが…残念ながら、今現在、他の著作は出ていないようです。それとも、翻訳してないだけなのかなぁ?