鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

ゼブラーマン

2005-05-11 13:36:45 | 映画(邦画)

「ゼブラーマン」 2004年
監督:三池崇史
出演:哀川翔、鈴木京香、市川由衣、大杉蓮、渡部篤郎 他

***
「俺の背中に立つんじゃねぇ!」…というわけで、ゼブラーマン。
感想を一言で書くとすれば…「本気で特撮!」

昔の特撮のイメージを巧みに踏襲しながらも、人間関係や社会のあり方には、
今現在のものを盛り込み、凄く微妙な味わい。
なんて言ったらいいか…爽やかさの無い特撮?(笑)

昔、仮面ライダー一号二号系の特撮が好きだった世代のひとなら、
きっと見て「うあー」と思うことうけあい。
私はよく知らなくて、気がつかなかったのですが、特撮好きな人であればニヤリとしてしまう小ネタが満載の作品であるらしいです。

しかし、昔の特撮と大きく違うのは、昔のままのベタなつくりの怪人が、やたらとリアルな状態で出てくるということ。
しかも、ゼブラーマンが倒すのは、普通の人間に取り憑いて怪人化したものなので、倒した後は人間の死体が残る。普通は爆発して消え…ますよね?
で、その残った死体の状態がまた、けっこうグロなの!!

最初、ヒーローものなのね、と思い、子供と一緒に見られるかしら?と思ったのですが…
始まってすぐの、主人公が見ていたテレビのヒーローもの(放射能戦隊アレキサンダー)に出てくる怪人が、まるっきり貞子で…しかも、馬鹿みたいな役なのに、ビジュアルだけは無茶苦茶怖いつくりだったので…これは、幼児には無理だ!と断念しました。
これは、その後に出てくる怪人にも言えることで、どこから見ても笑っちゃうような、カニだのイカだのの怪人だというのに、顔の部分「だけ」やけにリアルな死体顔になっていて、見ているうちに物凄く怖くなってくるという…(汗)
なんて微妙な映画なのー(汗)

はっ、そういえば、ストーリーに全く触れていませんでした。
主人公は、暗くて生徒にも馬鹿にされている駄目教師。
妻は浮気、娘は援交、息子はいじめと、家庭も半ば崩壊状態。
彼は、子供のころ放映されていて、しかも人気が無くて7話で打ち切りになったヒーロー番組「ゼブラーマン」の大ファンであり、それが高じて、コスチュームまで自作し、ひとり自分の部屋で「ゼブラー、パァァンチ!!」などとヒーローごっこを楽しむ毎日を送っていた。
ある日、自室でだけ楽しむことに飽きた彼は、そのままの格好でついに外出!
そこで、怪しい男と出会って乱闘になってしまう。
実はその男は、地球侵略を目論む宇宙人に寄生された怪人で、そのころ、ひそかに街では陰惨な事件が頻発し始めており、そのための調査チームも作られていた。
最初はごっこ遊びから始まった「ゼブラーマン」。何者の導きによってか、彼はやがて、本物のヒーローとなって、悪の宇宙人に立ち向かっていく。

…ストーリー書いてて、あまりの胡散臭さに倒れそうになりました(汗)
でも、それを大真面目に! しかも、演技派の哀川翔が!あるいは渡部篤郎が!演じているので、なんだかストーリーは胡散臭いのに、出てくる人間そのものは妙にリアルで、コメディなんだか感動ものなんだか…見ているほうが位置づけに困るー。
最近、こういう作品多いですね。
コメディ…だよね? これで笑っていいんだろうか? とか思わせるような物語。

最後に一言…これから見ようと思うかたがいましたら、とりあえず、鈴木京香のゼブラナースは必見です。あれにはびっくりしたー。参ったー。

ゼブラーマン