鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

イーオン・フラックス&ウルトラ・ヴァイオレット

2007-01-22 15:33:24 | 映画(洋画)

「イーオン・フラックス」 2005年
監督:カリン・クサマ
出演:シャーリーズ・セロン、マートン・ソーカス、アメリア・ワーナー
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「ウルトラ・ヴァイオレット」 
監督:カート・ウィマー
出演:ミラ・ジョヴォビッチ、ウィリアム・フィクトナー、キャメロン・ブライトほか
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***

似た感じの「たたかうおねえさん」映画2編。
何も考えずに映像を楽しむなら、ヴァイオレットも悪くはないのですが、
ストーリー重視の方にはイーオンをお薦めします。
…まあ、どっちも主演女優のための映画であることに、
変わりは無いんですけれど…
なんかね、プロモ見てるみたいだったよん(笑)
===
イーオン・フラックス

品種改良の際、発生したウィルスによって、人類の99%は死滅。
その後、科学者グッドチャイルドが開発したワクチンにより、
なんとか滅亡は免れたものの、生き残った人類はブレーニャと呼ばれる、
外界を遮断した都市に住み、グッドチャイルド一族の支配のもと、
一見、平穏な暮らしを営んでいた。
しかし、時折起こる市民の失踪事件の裏に、政府の力が関与していることは、
暗黙の事実であった。

反政府組織「モニカン」の一人で、優れた暗殺者であるイーオン・フラックスは、
かつて妹を政府の手で殺され、グッドチャイルドへの憎しみを募らせていた。
そしてついに、彼女にグッドチャイルド暗殺の指令が下る。

===

ウルトラ・ヴァイオレット

謎のウィルスの蔓延により、生まれた新人類「ファージ」。
彼らは、人間よりも優れた身体能力を持つ代わりに、
感染後12年間しか生きられない種族だった。
ファージの生命力に恐れを感じた人間は、彼等を狩り、抹殺しようとこころみる。
やがて人間たちは、ファージを一掃するための兵器を開発し、
その情報を受けたファージたちは、兵器を奪うために一人の殺し屋を送り込む。
それは、かつて妊娠中に感染し、そのために政府の施設で過酷な実験を強いられ、
家族も子供も、平凡な女としての人生をも奪われた、
ヴァイオレットと呼ばれる存在だった。

無事、兵器を奪い、帰途につくヴァイオレット。
途中で好奇心にかられ、彼女は「兵器」の入ったケースを開けてしまう。
そこに見たのは、機械でも装置でもない…人間の少年だった。
仲間たちに背いて、少年を守る決意を固めるヴァイオレット。
しかし、感染したのち12年しか生きられないファージの例に漏れず、
彼女の命も、残りわずかだった。

===

イーオンは、随所に散りばめられた日本風の意匠が気になります。
日傘がカラフルな唐傘だったり、アジア風の衣装とか円形の窓
(なんとなく和テイスト)とか、グッドチャイルドのポスターの後ろに
「日の丸」があったりするとか~(汗)
原作アニメは韓国系、監督も日系とのことで、あちこちにアジア~ンな雰囲気が。
それはそれで楽しいといえば楽しいんだけども。

ウィルスによって人類が不妊になり、死んだ人間をクローンでリサイクル(?)
して凌いでるって考えは、面白いと思いましたよ~
なるほど、生き残った人類を都市に閉じ込めておくのはその為だったのかと。
地球上に好きに散らばらせたら、そんな管理は無理ですもんね。
でも一般市民はともかく、支配者のグッドチャイルドがいつの時代も顔同じって、
誰も気がつかないもんでしょうか(汗)

作中では、イーオンの同僚、シサンドラがいろいろと哀れでした。
憧れの先輩(?)に裏切られ、水中に沈められ、
最後は上司を裏切ってイーオンにつくも、あっさり殺されてしまうという…(汗)


対してヴァイオレット。
ミラ・ジョヴォビッチ…バイオハザード一作目は好きなんですが…
それ以外は、あんまり…。
今回の作品も、どちらかというとフィフス・エレメント系の…って言ったら、
大体判ってもらえるでしょうか(笑)
「隠された意外な秘密」って別に意外でもなかったよ。
「命の期限」が、ヴァイオレットと少年(シックス)ともに課される部分は、
見ていてちょっとわかりづらい。ていうかくどいカモ。

しかし、いくらファージの身体能力が高いっても、寿命12年。
人間が殲滅を急ぐほどの脅威では無いのでは。
ファージに妊娠能力があるかどうかは作中で触れられなかった(多分…)けど、
ヴァイオレットがここまで子供を失ったことをトラウマにしているということは、
少なくとも彼女にはもうその能力は無かったんじゃないかと。
ファージが自力で増えられないなら、人間の存続が不可欠じゃないのかい?(汗)

サイレント・ヒル

2007-01-22 13:24:17 | 映画(ホラー)

「サイレント・ヒル」 2006年
監督:クリストフ・ガンズ
出演:ラダ・ミッチェル、ローリー・ホールデン、ジョデル・フェルランドほか

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これは出来が良かったですよぉ!!
同じようにゲームがモトネタだった「サイレン」に、
爪のアカを煎じて流し込んでやりたいくらい。
姿、動きともに、肉々しくも洗練されて美しいクリーチャー達…
とくに、レッドピラミッドのあの威圧感と魅力はイチオシでした!!
子役のジョデル・フェルランドのまた怖いこと怖いこと♪
ストーリーには、ゲームと比べ若干の改変があるようですが、
とにかく、どこから見ても手抜きナシ!
作ってる側の熱意が伝わってくるような良作です。

===

『おうちに帰る…帰るの…サイレントヒルへ…』
ローズとクリストファー夫妻は、愛娘シャロンの夢遊病に悩まされていた。
病院の薬物療法も効き目はなく、困り果てたローズは、夫の反対を押し切り、
シャロンが無意識に口にするその街へ、シャロンを連れていくことを決意する。
サイレント・ヒル…
30年前に大火災が発生した折、多くの命が奪われた忌まわしい街。
いまなお地下の石炭層で炎上を続け、誰も近づくことの無い、廃墟の街へと。
何か、娘を治す手がかりが得られることを祈りながら。

二人の様子がおかしいことを怪しむ婦人警官をふりきり、車を走らせるローズ。
サイレント・ヒルまでの道は白く霞み、そのぼんやりとした視界の中、
飛び出してきた少女の人影に、ローズは運転をあやまり、山肌に激突してしまう。
そして、気がついたとき、シャロンの姿は消えていた。
ローズは娘を探して霧の中をさまよい、ついに「サイレントヒル」へと
足を踏み入れるのだった。

===

映像的には、ヌメ感のある異形のクリーチャーが出たり、
人間が生皮を剥がれたり、黒焦げになる場面があったりと血腥い部分も多々。
でも、それが平気なひとは是非見て欲しいー。幻想的なラストも素敵だったしー。
同じ場所でありながら、時間や状況によって多様に姿を変える設定の
「街」そのものがとってもいい感じ。
ていうか、同じように日本産のゲームをもとにして、
なんで外国人のほうが、あれだけ愛のある映画を作れるのか、正直悔しいですね。
確かに、サイレントヒルはバイオハザード同様に、舞台もキャラクターも、
もともとあっち仕様ではあるのですケド…

そういえば、ジャパホラーの流れを汲む「零」シリーズも、
ハリウッドで映画化なんですよぅ!(製作はドリームワークス)
零シリーズは、絶対映像化してもイケる!と思っていただけにー、
なんでハリウッドやねん!!と超不満!!
うん…技巧的にはそのほうが出来がいいのは認めるけどさ…
内容やキャラクターがね、絶対アメリカナイズされちゃうのがね…ぶつぶつ。

…ちょっと話が逸れてしまいました~。
ええと、サイレントヒル。
ゲームをやってた人からは、ちょっと物足りないってレビューがいくつか。
ゲーム版に近いシナリオのせいかなーと思うけど、
(シャロンが残した絵をもとに次の場所を決めたりする所が、もろにロープレ)
でも、このものすごく念の入った作りの街のセットや、
クリーチャーの最高の演技(なんと全部着ぐるみ!グラフィックじゃない)など
数々の道具立ての前には、些細なことだと思いますよ。ええ。
プラスチック製眼球を使用した『水霊』にぜひ見習ってもらいたい所です(笑)

今回は、兄がDVDを購入していたため、特典ディスクも見てきました。
(同じ趣味の兄弟って貴重だなっ♪)
語られるスタッフの熱意もさることながら、クリーチャー役の人たちの苦労が…
特に、あの迫力のレッド・ピラミッドが、後ろから見るとお尻丸見え!と
いうのには…(笑)

見られるチャンスがありましたら、本編ともに、是非ご覧くださいませ。

最近見たもの読んだもの

2007-01-18 13:44:49 | 雑事

実家でいろいろ見てきましたー。
映画は「サイレント・ヒル」「ザ・フォッグ」
「イーオン・フラックス」「ウルトラヴァイオレット」
読んだものは、
「夜市(今更…)」「暗いところで待ち合わせ」「ZOO」

サイレント・ヒルはかなり良かったです。
フォッグは…ラストがイマイチ。
イーオンとヴァイオレットは、似たようなカラーの話ながら、
個人的にはイーオンのほうが面白い、かも。
ヴァイオレットは物語にヒネリがなくてちょっと単調な感じ。

「夜市」やっと買ったよ~ 古本屋さんで!
作者・恒川さんの書く作品は、雰囲気がとっても良い感じ。
夜市も、同時に収録されている「風の古道」も、
これ一作で終わるのは勿体無いと思わせる、いい味の世界感です~。
いつまでも、この世界に浸っていたいと思わせるような空気があるのよ♪
ぜひ「雷の季節の終わりに」も読みたい…けど、ハードカバーなんだよなぁ。
早く文庫化して欲しい…でないと我が家の本棚事情では蔵書にできない(涙)

「暗いところ…」「ZOO」
乙さん、相変わらず泣かせてくれます。
「暗いところ…」は映画化され、昨年12月(先月)封切られたばかり。
(残念ながら、私の地元では、既に上映終了してしまいました)
主演も田中麗奈だし、もちょっと扱い大きくても良さ気だけどな~。

そして、「ZOO」は相反して硬質な味わい。
短編のひとつひとつそれぞれが、違う魅力を持つ珠玉の作品集でした。
こちらも2005年に映画化…なんだ、けど、
レンタルで見つからないので、いまだに見られません…
…注文しないとさすがにダメかなぁ…

とりいそぎ、忘れないうちに覚書としてのアップでした。
レビューは後でねー。

ノロイ

2007-01-04 11:58:27 | 映画(ホラー)

「ノロイ」 2005年
監督:白石晃士
出演:小林雅文、矢野加奈、堀光男、松本まりか他
   (構成上、役者名は公表されていません。そんなわけで、役名のみ)

公式ページ
(ポップアップが出ます。後、最初に怪しい演出が入るので覚悟して)
 
 ***
レンタル屋で見かけてはいましたが、
あまりのアヤしさに借りてなかった映画です(笑)
ネットでのレビューの評判はさほど高くはなく、
和製「ブレアウィッチ」として、バッタもん扱いされてる感じだった。
うん、確かに演出はブレアウィッチに似てますね。
わざわざ、架空の作者をデッチあげ、
その人がある事件を調べていて行方不明になった…
残された記録を映画化した、という物語のつくりかた、
行方不明になった「小林雅文」のHPや、
著作紹介サイトまで作りこむ芸の細かさ(笑)
とはいえ、ブレアウィッチをこれを比較するなら、
私はこちらのほうがいいと感じます。
ブレアウィッチ、最初から最後まで森の中だしー。
飽きるんだよね。酔うし。

===
一人の怪奇実話作家が、呪いに関するドキュメンタリーを製作中、
失踪を遂げた。
その日、作家の自宅は火災で全焼。焼け跡からは妻の遺体が発見された。
何故、作家は失踪したのか。
作家が関わり、取材してきた数々の出来事…隣家から聞こえる子供の声、
超能力少女の失踪、霊感の強い女優、自称霊能者の男、
ダムに沈んだ村に伝わる怪奇な祭り…そして「禍具魂」。
映画「ノロイ」の中で、その全ての謎が明かされる。
===

これはこれで面白いな、と思いましたですよ。
いかにも、テレビ放映の胡散臭い心霊番組を彷彿とさせる
画面やセリフ回しがね~
私のような世代には、なんとなーく懐かしくて、何かそそられる(笑)
新倉イワオ氏(故人)や黒田みのる氏が出てきて
解説してくれないのが不思議なくらいだー。
いかにもニセモノ臭い、「霊体ミミズ」を恐れる自称霊能者や、
取り憑かれてぎゃーぎゃー騒ぐ女優もどこかコミカルで、
マニアはきっと「だっせー」とバカにしながらも、
ニヤついて見てると思うな。

それでいて、けっこう「禍具魂」のお面が怖かったり、
水子に集られて佇む少女の霊が怖かったり、
狂った女の演技が怖かったり、
自称霊能者の死に方がチョイグロだったり、
なかなかポイントついてるあたりが良い。

全体に、心霊番組に特有の
「みんな嘘だと知っているけどあえて騙されて楽しむ感」
があるっぽい映画でした。

昔の心霊特番が好きだった方、どうですか?
一緒に騙されてみませんか?(笑)