鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

君の名は。

2016-11-23 00:05:12 | 映画(アニメ)
「君の名は。」
遅ればせながら見てきましたー。

時間ができたので映画でも…と思ったら、まだ放映してて。
や、ずいぶん前に話題になってたから、もう終わってるのかと思ったよ…
それだけ人気があるってことなんだね…

実は、深海さんの作品って…一つも見ていな…かったり。
なにしろ、この方の作るものは「ほしのこえ」からこっち、
基本テーマが「恋愛」だったでしょ。
ブログを見てくれてる方はおわかりのとおり、
私は恋愛よりも恐怖や殺戮が好みでありますので…
進んで見よう、とは思わなかったのですよね。

だから、氏が数々の作品で打ち出している
「少年と少女が、離れたところから想いをつなげあう」っぽいテーマも、
この作品で初めて触れた形になります。
ちなみに、あらすじとか感想も一切見ないで行ったので、ぶっつけ本番事前知識ゼロ。
…かえってそれが良かったかもしれない。

結論から言えば、面白かったです。
背景も映像も、カメラ回しもキレイで魅せてくれる。
話も、冒頭のコミカル&ありがちな設定から入ったと思うと、
中盤でいきなり意外性のある方向に話が展開し、
そこからさらに、なんとももどかしいすれ違い。

…まさか、あんな壮大なSFロマンスだとは思わなかった…
ああ、でも、確かほしのこえも、基本設定が壮大なSFだったんでしたっけ。
過去作からずっと追ってきた人なら、意外でもなかったのかなぁ。

なんにしろ、思ったのは…深海さんすごいロマンチストだな、と。

ここまで壮大な設定と道具立てで、ひたすら追い求めるのは、
少年と少女が、必死に手を伸ばし合って互いを求める物語。
宇宙も神も天体運行も、彼らを寿ぎ、その想いに彩りを添えるために存在し。
時を超えることも、運命をねじまげることも、悲劇を防ぐことも、
正義感や使命感からのことではなくて…
全ては、ただ一つの出会いのために。

男の人が作ったにしては、珍しいような…
いや、ここまでの純愛は、男の人だからこそ作れるのかな?

とても壮大なラブストーリーでした。
こう言うと忌避しちゃう方もいるかもしれませんが
まあ、ものは試しで、見てみて?


「鉄腕アトム」

2007-12-05 18:02:27 | 映画(アニメ)
「鉄腕アトム」新版

******

前回探しているといった「シティ・オブ・リビングデッド」は
近くのビデオ屋のお姉さんたちに、にっこり笑って
「無いようです。申し訳ありません」と答えられてしまいました。
うー、入荷の見込みないってことかーー。

で、代わりに、子鬼のために借りてきた、最新版の鉄腕アトム。
昔と比べてストーリー性が深くなっていて、面白かったですよ~。
天馬博士との親子?の葛藤とか、ロボットと人間の関係とか。
そして、子供向けに相応しく、難しい問題を次々と軽く凌駕してゆくアトムの強さ。
基本的に最後は絶対ハッピーエンドです。
なにしろアトムは、滅茶苦茶な強さですからね(汗)
こんなキャラがロープレゲームにいたら、一人でゲームバランス壊しまくり。

自分を破壊しようと企む極悪人であってすら、アトムは見捨てたりしません。
最後まで、諦めずに手を差し伸べ続け、不可能を可能にしてしまうのを見ながら、
これだけの強さがあれば、狡さも誤魔化しも悪知恵も、
最初から必要ないだろうよなー…とか考えてしまいました。
自分が傷つく可能性が無ければ、いくらでも他人に寛容になれるというもの。

物語は、ラストのほうに行くにつれ、ロボット対人間の様相を帯びてきますが、
そのへんも、子供向け漫画といいながら…けっこう見せてくれる。
他の物語の内容も、いかにも手塚さんが描きそうな、深みのある内容で、
脚本描いた人、きっと生粋の手塚ファンだな…、とか思ってみたり。

ブラックジャックのアニメ版は、原作の「毒」の部分が綺麗に抜かれていて、
イマイチ好きじゃなかったんだけど、
アトムは最初から、子供向けに作られていますからね~
アトムの純粋さも、周囲の人間の善人すぎる部分も、
全然違和感ないし、むしろ合ってる、と、思う。

昔のアトムが好きなひとには、どうも評判があまりよろしくなかったようですが…
私、昔のアトムをあんまり知らないから…素直にこういうものかって。
面白かったと思いますよ? 設定がちょっと暗めなとこが特に!
見終わったあと、「アイ・ロボット」とか「アンドリュー」とかを見直したくなる感じ。


さて、新アトムのDVDは全13巻であるらしいのです、が…
行きつけのレンタル屋、12巻までしか入れてくれていません。

ていうかどうなの?! よりによって一番最後の最終回お預けって?!

他のレンタル屋も数軒廻りましたが、そもそも、アトムを入れてくれてないんだよね。
チクショー!!


ゲド戦記

2007-08-31 17:19:02 | 映画(アニメ)
「ゲド戦記」もやっと見たー。
第一印象、ツギハギ&ギクシャク。従来の宮崎アニメと似て否なるもの。

うーむ…どうしてわざわざゲドなのかなぁ…
ゲドの原作は読んでませんが、レビュー見る限り全然違うみたいだし、
原作者自身が、映画の出来にトッテモ憤慨してるんでしょ?
ハウルの時からそのケはありましたが、仮にも原作付きと銘を打つならば、
原作の魂をきちんと踏襲するのが、同じ創作者として相手への礼儀かと思います。
変えて良くなる場合も中にはありますが、これはさすがに…
どう見ても、原作に感銘を受けて作りたいと思って作った感じじゃないしぃ

漫画家で「絵は綺麗なのにストーリーが超ヘボ!」という人がマレにいますが、
…それを映画でやった感じ。
ヘンに技術や音楽が良くて、キャストが豪華な分…
逆に物語の杜撰さが目立ってしまったかもー。

…だって、伏線全然無いのよ。
真の名を知ったら相手を支配できる、なんて話、一体どこで出てた?
確かに途中ゲドが魔法について話す部分で、それっぽいことを言っていますが、
それぞれの人間が真名を持ってるとしたら、
ゲドが教えたことなんかは常識として、皆とっくに知っていることなのでは? 
…だって、知ってないと自分の命あやういじゃん!

このへんはどうやら、原作読んでる人にはふつーに通じる部分らしいんだけど…
原作読んでないとわかんない話を映画にするのも好きじゃないなぁ。
しかも、原作の物語を大きく逸脱した挙句にコレっていうのは余計にどうなの?
テナーとゲドの過去エピソードも、わかるようなわからないような
ハンパな会話で終る感じだったし。
全篇通して、説明不足な感が…。想像力で補うにも限界ある~

というか、普通の人が、普通に無理なく映画を見る中で、
その世界や人物像をある程度わかっていけなければ作品として困るでしょう。
見てる側置き去り状態なハナシでは、ひとりよがりと言われても仕方ないっす。
そこで重厚な音楽や静かなシーンで盛り上がられても、こっちは醒めちゃうナ。

そして竜…テルーの竜!!
「親に半殺しにされて道端に捨てられた」って言ってなかったっけ…
冒頭のトモグイしてた竜がまさかそうなのかい?
それとも、竜って人間から生まれてもおかしくないタイプの生き物なの?
(だからぁ、そういうのがわかる伏線がどこにあるのだ!?)
魔法らしい魔法も使わないわりに、魔女扱いされて毛嫌いされてるのも謎。
最初に「うさぎ」に追われてるときも「お前魔女だな?!」って言われてるけど、
お前ら一体どこで見分けてるンだよぅ…

ただ、もしかしたらこの映画、ジブリ作品でさえなければ、
ここまでガッカリしなかったかもナー。
あそこならこのくらい、と、最初からハイレベルのものを期待してしまうしね。

なにがどうしてこうなっちゃったんだろう…という疑問ばかりが残る映画でした。

長男・勤氏はもともと、アニメ畑とは全然エンの無いひとと聞いているし、
多分周囲も本人も、『無理』てのは早くから承知の上だったんじゃないのかな。
それなのに、どこがどーなって、ここまで来てしまったのだろう…


あー、テルーの歌は良かったよ。うん。

ポ○モンの映画

2007-08-19 23:53:48 | 映画(アニメ)
見てきましたよー。

感想:「…製作は円○プロですか?」

なにしろ、タイトルにもなっているDとPは、
最初ッから最後まで理由もなく(?)戦い続けていて、
誰も手出しができず、人間たちは遠くからハラハラと眺めるだけ…
その有様は「ゴ○ラ」とか「ガ○ラ」とかをどこか髣髴とさせます。
「神と呼ばれしポ○モン」なんて二つ名がつくくらいだから、
もうちょっと高等なものかと思ったんですが…
原初の存在=原始的な存在なんでしょうかね?

対して、いいとこ取りなダーク○イ。
石○浩二が声をやると聞いて、てっきり他のポケ○ンたちと同じように
「ダァァク!ダクダク! ライッ!」
なんて喋るのかと思っていたら、ふつーに人間語喋っていたので少し残念?(笑)

突っ込みはともかく、面白かったですよ~ 画面綺麗だったし。
コドモに安心して見せられる、優良アニメ♪
最近、子供向けといえど映像がチョイ怖かったり、
大人視点のリアルな醒めた展開だったり、
小学校低学年層にはなかなか見せられないものも多くてのう。

正義は勝つ!とか、一生懸命やれば報われる!とか、
そういう綺麗さをきっぱり打ち出してくる「まっとうさ」。

世の中は実際、甘いものでも綺麗なものでもないけれど、
子供のころに、そういうものをちゃんと信じられること、
大人が信じさせてあげられることは、とても大切なことじゃないかと思うので。

「ハッピーフィート」

2007-07-29 02:44:58 | 映画(アニメ)
「ハッピーフィート」
監督:ジョージ・ミラー
公式ページ(激重)
****

ペンギンのヒナヒナが踊る様子が可愛いかも!と、半ば「癒し」目的で借りた映画だったんだけど。
…内容は…うーん、あんまり癒されない…
皇帝ペンギン達が、ペンギンの癖に妙にメリハリボディなのは気色悪い…
主人公のマンブルが一人だけヒナ毛のまま身長が伸びているのも、なんか異色…
これは「可愛い」って感じじゃないよぅ(涙)

とりあえず、主人公の声はイライジャ・ウッドらしい?

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歌で愛を語る皇帝ペンギンの中でも、優れた歌い手である両親のもとに産まれたマンブルは、
どういうわけか天性の音痴。ただ、その代わり、たぐいまれなダンスの才能を持っていた。
しかし、伝統に拘る一族は、ダンスを下品なものと決め付け、受け入れようとしなかった。
歌の才能がなければ恋することさえ許されない。
周囲の冷ややかな目の中で、孤独に生きるマンブル。
ある日、陽気なアデリーペンギンたちと出会ったマンブルは、彼らの手を借りて、
幼馴染のグローリアにダンスで告白するが、それが長老たちの怒りを買い、
ついには群れから追放されてしまう。
『魚が獲れなくなったのは、お前のような異端者がいるからだ』
そんな長老の考えに疑問を抱いたマンブルは、友人達とともに、魚が獲れなくなった原因を探るため、
「エイリアン」…何もかも破壊し、殺し、食べてしまう化け物たちのいる場所へと向かう。
そこに現れた人間の漁船を追って泳ぎ続けたマンブルが、力尽きた末に行き着いたのは、
動物園の檻の中だった。

====

可愛いハッピーな話なのかと思ったら、マジな部分も多くて…しかも気になることがー…
ねえねえ、これに出てくる「エイリアン」て日本人じゃないの?(汗)

途中で「エイリアン=人間」に対して「奴らは鯨を殺して食べる」と
やたら強調して言う部分があることもそうだけど、
わざわざ南洋まで遠洋漁業して、あれだけ魚をがっつり獲る国を、私は日本以外に考えられない。
悪役か、悪役なのかわしらは!(汗)

うーん、まぁ、鯨に関してはさー。
簡単に繁殖できて頭数を管理できる牛豚のような家畜と違い、
まだまだ生態に謎のある動物ですから、そこを獲るのに抗議が来るのは、
まだ納得もできるんですが。
ていうか、鯨喰わなくても別に困らないし。
でも、魚を食べる国の文化や歴史の違い、というものもきちっと認識してから抗議して欲しいのねん。
感情的に、あんな神秘的な生き物食べるなんてアンビリーバボー!なんて言われても、
ぜんっぜん心に響かないし。

…ただ、普通の漁に関しては、網で一気に何トンも獲られる魚のうち、
一体どれだけ実際に人間の口に入っているのかは、ビミョーなところ。
売り物にならない、いわゆる『雑魚』として肥料や飼料に使われたり、その場で捨てられる魚…
それに、スーパーで売れ残って捨てられる魚は、一日どのくらいあるのだろう?

日本人は魚をよく食べる…とはいえ、最近は国民の魚離れも進んでいると聞くし。
うちだって、そうそう魚食わんよー。料理面倒だし、鮮度で全く味が違うから選び難いし、
料理した後の生ゴミ匂うし。
刺身とか干物とか。いいとこ切り身。新巻一本貰うと、むしろゲンナリする。
アタマ落とすところからして、非力な私には大変なのよ!

話が若干それましたが。
現実、南極のペンギンたちは本気で大変らしいですヨ。
以前特番でやってたのですが、温暖化の影響で、本来降らない雨が降るようになり、
ヒナたちが死んでしまうケースも多くなっているのだとか。
(ヒナ毛は寒さには強いけど、防水機能が無いので濡れると体温奪われてアウトなんだって)

…どうせなら、漁業反対運動じゃなくて、こっちをテーマにすれば良かったのに。
 個人非難みたいなテーマは器が狭いよな…
なんて、思ってしまうのは、私が日本人だからかな?(笑)


「時をかける少女」

2007-06-11 00:02:25 | 映画(アニメ)
「時をかける少女」 2006年
監督:細田 守
公式ページ

*****

いやいや、期待を外さない、超甘酸っぱ~い青春SF映画でした。
私の年齢だと、見ていてすごく、こそばゆいような気恥ずかしいような…って感じですが
リアル青春の人たちが見ると、いろいろ共感するのかな? 多分?

…実は私は実写映画の「時をかける少女」をリアルタイムで知っている世代。
さらに、古~いテレビドラマを小説化した「続・時をかける少女」(石山透著)は、
何故かうちの実家にあって、小学生の時読んだため、なんというか身近なイメージのある話(笑)
(この本、もう手に入らないらしいです~。さすがに今はどこに行ったかわかんないんだよなぁ)

原作つきとはいっても、やはり1960年代の作品をまんま映像化するのには無理があったのか、
(ま、そりゃそーだ)
今作は、原作版の主人公「芳山和子」は映画版の主人公「紺野真琴」の叔母として登場。
真琴のタイム・リープの秘密を唯一知っている相談役として、いろいろ役に立つんだか立たないんだか
わからないアドバイスをくれていました。
和子が出てくるなら、もしかしたら「ケン・ソゴル」も出てくるのか?と、一瞬期待しましたが、
それはナシ。

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紺野真琴は17歳の高校生。
彼女は朝寝坊した日に、最悪なツイてない一日を過ごすことになる。
学校に遅刻しかけ、小テストで失敗し、家庭科で火事を出しかけ、理科室で転び…
そして、帰り道、踏み切りに向かって坂を自転車で下っていく途中、それは起こった。
ブレーキが、効かない。
降りていく遮断機、そこにぶつかる前輪。宙を舞う自分の身体。
死ぬ、と思った瞬間。真琴の身体は時間を飛び越え、事故の起こる前に戻っていた。

美術館に勤める叔母に、それはタイム・リープという能力だと教えてもらった真琴は、
そのちからを使って、自分の都合の良いように、日々のできごとをやり直しはじめる。
だが、そうしてやり直しをしたことが、また新たな犠牲や問題を産み、
なかなか真琴の思うように、現実は変わっていかない。
細かな出来事を「修正」するために、ひたすら真琴はタイム・リープを繰り返すのだった。

腕に書かれた文字は、タイム・リープの限度数。
そして、それがゼロになった時、本当の悲劇が…

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絵柄もキレイ。物語も自然。すごく見やすい仕上がり!
タイプの違う二人の男友達相手に「今のまんまの三角関係」を続けたいと願う主人公には
なかなかそりゃあウマすぎる展開じゃん?と思わないではいられないけどね(笑)
何回もプリン食べに戻ったり、カラオケ10時間ぶっつづけで歌ってみたり、
…主人公、いろんな意味で本能に忠実すぎで面白い(笑)
まぁ、よく言えば自分に素直な子ってとこ?

一回一回タイムリープするたびに、実際にジャンプする!っていうのはちょっと…
その時の画像がいかにも~な演出で、ちょっと引く~。
あと、細かいところに「アレ?」と思う部分多々。タイムパラドックスって何ですか?って感じ。
細かく細かくあっちこっち時間を戻してるから、見ててもわけわからん。
多分、そこが主線じゃないからこうなったんだろうけど~。

うん、でも、最近のアニメでは素直に面白いって思えるものなかったし、
これはこれで良いんじゃないでしょーか。
女性はきっとみんな、自分がこの立場だったら二人の男友達のどっちを選ぶか
意識しながら見てたに違いない(笑)
ちなみに私なら功介がいいな! 外見的に!

ラストは少し、ご都合主義っぽいかなぁ。
すごく綺麗にまとまりすぎちゃって、ええ?て感じ。
最初~中盤まで見たときは、最後はきっと、過去を変えることそれ自体の無意味さに気づき、
真琴は最初の日に戻って、不運な一日をあえて避けずに受け止めるのか、と思ってたンよ。
で、多分、死の運命だけは誰かが助けてくれるのかなって。
そしたら、そのへんは見事にスッコーンと抜かして、他人と自分の恋愛ばかりに
うつつを抜かし始めたもんだから…とほほのほ
いや、そこがいかにも青春映画らしいといえばそのとおりなんだけれども!

ついでにいえば、過去の人間にタイム・リープのことを知られてはいけないってとこで…
「記憶消すのか?」と思ったらそのまんまだしなぁ…
(叔母さんの和子も覚えてるみたいだから、いいのかな?)

あらしのよるに

2006-07-23 03:34:11 | 映画(アニメ)

「あらしのよるに」 2005年
原作:きむらゆういち
声優:中村獅童、成宮寛貴、竹内力、山寺宏一ほか

公式サイト

***

シリーズもの絵本として、NHK教育の読み聞かせなどでも有名な作品なので、
小さいお子さんをお持ちの方なら、一度は耳にしたことがあるのでは?
私自身も、数年前にNHKの番組で見て、好きになった話です。

…とはいえ、私が好きなのは一話目まで。
なんで続編作っちゃったのかなァと、少し残念に感じる絵本でもあるかな。
続編を求める声が多かったから、ってことなんだけど…
『あの話はあそこで終わるからいいんだよ、わかっちゃいねえなァ』て気分。
これからどうなるんだろう? って、読み手がそれぞれに、
その先を想像する楽しみがまるでなくなっちゃったよね。

ところで今回は、映画側のレビューは殆ど形を成していません。
だって…見たら、妄想しか出てこなかったんだもん…詳しくは後で。

===

ヤギのメイと、オオカミのガブ。
食うものと食われるものとして、仇敵の関係の二匹は、ある嵐の夜に雨宿りのため立ち寄った廃屋で、
お互いがなんであるのか知らぬまま、意気投合してしまう。
後日、相手の本当の姿を知ったあとも、二匹の友情は変わることはなかったが、
それは互いの仲間たちには決して明かすことのできない、秘密の関係でもあった。
しかし、ついにそれは明るみに出て…

===

ええと…映画なんですが。見てて、その…
…なんか、すっごい赤面モノだったんですけど!!
メゾン・ド・ヒミコの後でこういうレビュー続けて書くとナンなんだけど…
いや、これは…なんというのか…ホモっぽい…ような。

メイのあの鼻にかかった声と流し目で
『でも…いいんですか? 私なんかと付き合って』とか
『あなたといると、何故かホっとするんです(フフっ)』
なんてされると何故かドギマギしてしまうのですが(汗)

しかも夜中に(わざわざメイに気を遣って夜中に!)獲物を狩りに行ったガブに対して、
『また殺してきたんですか?』
『…でも、イヤなものはヤなんです(ここで拗ねたように背中を向ける)』
なんていうメイのツンデレぶりと、
『俺にどうしろって言うんでやすか!』と困り果てるガブの姿はどう見ても痴話喧嘩…。

そしてクライマックスの『ガブになら、食べられてもいい』というメイ。
その後記憶を失い、自分を食べようとするガブに対して、
『今のガブは、ただのオオカミだ。今のガブには食べられるのはイヤだ。
こんなことなら、出会わなければ良かった!』
と涙するシーンには…

一体こりゃ誰向けの映画ですか?!(腐女子向けか?!/汗)

いやいやいやいや! 私は決して所謂腐女子では…
た、確かに、そういう世界があるのは知ってますし、ディープ過ぎないものは好きですけど…
でも、この映画はあまりにもッ!(汗)

一体、何がそう思わせるんだろう…オオカミとヤギ、という関係が悪いのか、
それとも、メイ役の成宮くんのあの甘えた声がそもそも悪いのか(汗)
こんな子供向けの感動サワヤカ話で、妄想ぐーるぐるだった私は、一体どうしたら良いのでしょう(汗)

このレビュー(?)を見て、素直にこの映画を見られなくなった方に、最後にごめんと謝っておきます。

FINAL FANTASY Ⅶ ADVENT CHILDREN

2006-01-30 02:15:06 | 映画(アニメ)

「FINAL FANTASY Ⅶ ADVENT CHILDREN」 2005年
制作:SQUAREーENIX
声優:櫻井孝宏、伊藤歩、森久保祥太郎、森川智之

公式ページ

***

えー、ファイナルファンタジー7のその後を映像化したヤツですね。
ゲームをやったひとには堪らないでしょう。
でも、やってないひとは、何がなんだかわかりませんやね。

私ですか? もちろんやってますよ~。 いい話でしたよ~。
ヒロインが二人いるのは何故だろう?と思ったら、途中でひとり死んじゃうんですよね。
そこも斬新だったな。ネットではしばらく、
「エアリス(死ぬヒロインの名前)が死なないで済むシナリオがあるらしい」
というガセネタがまことしやか~に囁かれたくらい。
もちろん、そんな分岐シナリオはありませんでしたが。

====

セフィロスとの戦いから2年。
平和をとりもどしたかに見える世界だったが、今また、新たな脅威として、
原因不明の「星痕症候群」と呼ばれる奇病が人々の間にはやり始めた。
治療法もなく、かかれば死を待つだけの病。その罹患者数は着実にその数を増していた。

そんな中、前回の戦いを生き残ったティファとクラウドは、
孤児達とともに暮らしながら、デリバリーサービスを営む日々を送っていた。
ある日の仕事の途中、クラウドは、突然見知らぬ男たちに襲われる。
カダージュと呼ばれる男とその仲間は、同時にティファを襲い、また、町に住む、
「星痕症候群」にかかった者達を連れていってしまう。

クラウドを兄と呼ぶ、彼等の目的と正体は何なのか

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絵はすごくキレイ。
もとがゲームなんで、いくらアクションしても乱れないクラウドの頭、とか(笑)
不自然な点は多々あるものの、見ごたえはありました。
てか、この絵でゲームの本筋を映像化してほしいなぁ。

そしてついでに、「すごい目ェ疲れる!!」
戦闘シーン・アクションシーンが、ものすごく速いの!!
目にもとまらぬ、というのはこういうことなんだな、と思うくらい、
めまぐるしく変わる視点、何やってんだかわからないうちに進む物語。

もひとつ言えば、登場人物がみんな人間じゃない(笑)
足持って振り回されて、石壁に叩きつけられて壁壊れてるのに、
本人傷ひとつついてないティファには驚愕(笑)
でも、本当に映像的にはキレイだったので、7をやって感動したひとには、
ぜひ見ることをおすすめします♪ エアリスもちゃんと出てきますよ♪


妄想代理人

2005-05-30 14:20:37 | 映画(アニメ)

「妄想代理人」
WOWWOWオリジナルアニメ 2004年
DVD 全6巻
原作、総監督: 今敏
声優: 能登麻美子、桃井はるこ、阪口大助、飯塚昭三、関俊彦


***

何かに追い詰められたとき、
「今この瞬間、世界が終わっちゃえばいいのに」
そう思ったことはないですか?

これは、そういうお話です。



あらすじ。

人気キャラクター「マロミ」の産みの親であるデザイナー鷺月子。
彼女は内向的で自分の世界に閉じこもりがちな性格だったが「マロミ」がブレイクしたことで一躍「時のひと」に。
所属事務所からは、マロミを越える新たなキャラクターを早く作ってくれという強い希望も出ており、思うようにデザインが進まない彼女は精神的にも追い詰められることとなる。
そんな中、夜に一人で帰途に着いた月子が何者かに襲われる事件が。
金属バットにローラーブレードを履いた少年に襲われた…その月子の証言が全ての始まりだった。
月子を追い掛け回していたブン屋、優等生であることに行き詰まりを感じていた小学生、二重人格に悩むOL…次々と被害者が増えていく中で、犯人は誰からともなく呼ばれはじめる。
犯人は…「少年バット」



途中でお遊び感覚の表現が入ったり、直接ストーリーには関係の無い話が挟まったりと、
いかにも深夜枠で放映されていた作品らしい仕上がりのように感じましたー。
ことに、後半になると、アニメ製作者側を舞台にした身内ネタ(しかもブラック)のような話もあったりして、その業界裏側を知りたいひとには面白いかもしれません。

前半は、それぞれの「少年バット」の被害者たちが襲われるまでの、精神的に追い詰められた様子を描いており、後半は謎解き部分。
いわゆる「まっとうでない」犯罪に四苦八苦するオジサン刑事はいい味出してます。
それとは逆に、若手刑事はバーチャルな犯罪意識にさほど抵抗がなくて、そこに二人の世代の相違が感じられてみたりー。

ただ、最後から少し前のあたりの数話は、息継ぎ話(っていうか…なんていうの?本筋と関係なく挟まってちょっと間をとる話?)にしてはくどくて長くて(汗)正直「中だるみ」を感じてしまいました。
中でも、団地主婦の話は特に、ストーリーにメリハリが無くて見ていて辛かった。
もうちょっとなんとかならないかな、このへん。

でも、全体としては面白かったっす。
ことに、ラスト2話で色々明らかになる場面では、それまでのダラダラっぷりが嘘のような盛り上がりでした。オジサン刑事が妙に格好いいし♪

また魅力のひとつは「音楽」
このアニメのオープニングは物凄く印象的です。曲も映像も。
やけに爽やかに不気味な歌詞を歌い上げる主題歌に乗せ、
(初めっから、空に見事なキノコの雲♪、とか歌ってますし…/汗)
廃墟や車の飛び交う交差点の真ん中、ビルの屋上、といった物騒な場所に立ち、
ひたすらに楽しげに笑う登場人物たち。
不気味なのに爽やか、というどうにも落ち着かない、居心地の悪い感じがグー!
絶望も落ち込みも全部突き抜けたところに行くと、人間もう笑うしかないらしい、とか思わせられる画像でした(笑)なんか怖い。

このオープニング、放映当時にとても評判良かったらしいです。
歌詞のわかんなさはともかく、曲調はすごくいいですよ。

妄想代理人 オフィシャルサイト

イノセンス(攻殻機動隊)

2005-04-30 19:02:01 | 映画(アニメ)

「イノセンス」 2004年
原作:士郎正宗
監督:押井 守
声優:大塚明夫、田中敦子、山寺宏一、大木民夫

***

巷で話題になった「攻殻機動隊」に出てくるバトーを主人公にした物語です。
私はバトーがお気に入りなので素直に嬉しかったのですが、見終わった後の感想は…
「人形の顔が怖すぎ」ということ。
これがセクサロイドだというのは納得いかないぞ(汗)
一体どこの物好きが使うというのですか(汗)

ストーリーそのものは、原作にもあったエピソードを流用しておりましたので、
仕掛けは早くから見えていました。
それにしても、原作ではきゃらきゃらの美少女だった「トムリアンデ」が、
どこであんな怖い顔の「ハダリ」に変わってしまったのかなぁ(←まだ言うか)

しかし、いつも思うのですが、攻殻機動隊を初めとするこのシリーズは、
本当に初心者には優しくない(汗)
原作本を隅々、注釈まで読み込み、しっかり世界観がわかっている人なら、
なんとかついていけるかもしれませんが、テレビで「これは凄いですよ」と聞いて、
どれどれと見に行くひとには、あまり判らなかったんじゃないかな?

セリフが難しい、というのも、理解を阻む要因の一つですね。
普段使わないような難しい単語と理論がセリフの中で出まくるのは、
頭の中で漢字変換が追いつかない…。
万人向けでは決してないです。わかる人にはわかる、って感じかな。

私個人は、OVAでも深夜枠のドラマでもなく、映画として一般に公開するのなら、
それなりに判るものを提供するのがスジかと思います。
どんな映画も、そこから何かを「感じる」人とそうでない人、という区分けはできてしまいますが、
ここまで明瞭に理解できる人とできない人が分かれる物語は…。
わかる人間には優越感を、わからない人間には嫉妬や不満感を呼ぶんじゃないかと。
ある意味、押井さんの作品は、そこがウリでもあるんでしょうがー。


ただ、じゃあ噛み砕いてあればいいのか? と言われると…それも難しいー。

科学をつきつめれば、それは宗教にもつながり、また精神論にもなり、哲学にもなり。
理論の上に理論を重ね、仮定の上に仮定を重ねることで築いた、幻の城。
それはとても美しいけれど、目を凝らせば凝らすほどぼやけ、掴もうとすれば消えてしまう。
数学で定義する真円や正方形が現実には存在せぬように、それは理論の中にしか存在しない。

攻殻機動隊の世界観について思うとき、どうしても私にはそんな風にしかとらえられないのです。
わかりづらいですね。すいません(汗)


さて、話変わって、いつもこのシリーズを見て思うのは、義体、という考え方はスゴイな、と。
完全に人間をサイボーグ化しようと思ったとき、一番扱いに困るのが「魂」「心」「精神」といったものじゃないかと思うのですが、このシリーズでは、それを丸ごと「ゴースト」という名の「部品」の一つとしてすぱっと定義してしまっている。
脳がどうこうって世界じゃないのですよね(汗)

ちなみに、先日見た「アップルシード」のほうが、物語としては数段わかりやすかったです。
それなら、攻殻はよくわからないからダメって人でも、楽しめると思いますよー。

でも、士郎正宗さん…私が学生のころからずっと描いてらした方なのですが、
最近の大フィーバーぶりはどうしたことか…
ネットが広く浸透したことで、やっと彼の作品が、多くのひとに理解される基盤ができた、ということなのでしょうか…

イノセンス オフィシャルサイト
アップルシード オフィシャルサイト
攻殻機動隊 S.A.C 2nd GIG