鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

「口裂け女」

2008-01-30 12:45:05 | 映画(ホラー)

「口裂け女」
監督:白石晃士
出演:佐藤江梨子、加藤晴彦、川合千春、桑名里瑛、他

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記事を書くだけ書いて、そのままアップしてなかったのよね…
ちょっと今、連続でアップしてますよ~。

さてさて。「ノロイ」を作った監督さんです。
ただし、今回は、ノロイの時のようなマニアックな作りではなく、
一応映画としての体裁は取っていますが…
相変わらず、爽やかさやほのぼの感は殆ど無いので注意です。

「幽霊と、イっちゃった人と、どっちが怖いですか?」
…と聞いたら、大抵の人は少し悩むかと思いますが。
この作品は悩む必要はありません。いっつのーぷろぶれーむ!
なにしろ今回の主人公、その両方を兼ね備えておりますです。

イっちゃってる殺人鬼の幽霊! 説得も供養も効果ゼロッ。
まさしく、高枝切りバサミに脚立がセットになったかのような万能感を
ぜひお楽しみください。

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小学校の子供たちに、昔流行ったある噂が再び広がり始めた。
コートを着て、マスクを被った女が子供を浚う。
その女のマスクの下の顔は、口が耳まで裂けている。

そして、その噂に呼応するように、
小学生の子供たちが次々と行方不明になっていく。

教師をしている山下京子は偶然、
生徒の一人が口裂け女に浚われる瞬間を目撃してしまい、
真相を追って、噂を聞き集めるようになる。
そんな京子の前に現れた同僚の松崎昇は、
彼女に一枚の写真を見せるのだった。

そこに写っていたのは、顔に傷こそ無いまでも、
充分にその面影を残す、口裂け女本人の写真だった。

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この映画は…人によっては、全然受付けられないと思う。
何一つ罪の無い小学生くらいの子や、その母親たちが、
何人も怯えながら切り刻まれたり、惨殺されてしまうのだから。

「エクステ」もそうでしたが、子持ちの私としては、
ちっさい子が虐められる場面は見るに耐えません。
残酷なのも怖いのもグロいのも(フィクションである限りは)大好きですが、
それはソレナリに自立している年齢の主人公の話オンリーであって、
子供に限らず老人とか病人とか動物とか、
抵抗できない弱いものがいたぶられるのって大嫌い。

こういうのに慣れちゃった身にとって、おぞましいと言えば、
これくらいおぞましいモノも無いんですが。

グロ度は…画面的にはそんなにバシっと写さないんだけど、見てて
『あ、痛い痛い痛い、痛いから、痛いから!』っていう部分が多いかな。
寸止め、とか、ギリギリで助けが入る、とかいうことは一切無いです!
とにかくザクザクのジャキジャキなので、覚悟して見てね♪うふ。

うーん、それにしても、このラストは…
まさしくホラーの王道、ではあるんだけども。
…つまり、主人公の京子と昇が必死になってやり遂げたことは、
全くもって、効果ゼロの意味ナシ行為だったってことかい?
報われんなぁ…

もっと明るく楽しい猟奇のほうがいいっすよ(どんなんや)


「メイド(冥土)」

2008-01-29 18:08:29 | 映画(ホラー)
「メイド(冥土)」2005年 シンガポール
監督:ケルヴィン・トン
出演:アレッサンドラ・デ・ロッシ、チェン・シュウチェン、ホン・フイファン、ベニー・ソウ

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シンガポールでも映画撮ってるんだ! 
……なんて言ったら失礼か。
でも、今までシンガポールから映画が輸入されたことってあったっけ?

雰囲気はアジアンホラー独特の、アヤしい感じ。
他国の宗教行事って、なんか妙にみんなアヤしく怖く見えるのは何故だろう。
ヨーロッパ圏の教会行事とかもさりげに怖いし。
外国人から見ると、日本人がキュウリやナスで動物作るのも怖く見えてるのかな。

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太陰暦の7月は、死者たちがこの世界に戻ってくる月でもある。
その間、生者は身を慎み、タブーを犯さないよう、気をつけなければならない。

「儀式で燃やした灰を片付けてはならない」
「夜、名前を呼ばれても振り向いてはいけない」
「誰もいない場所で知らない人と話してはいけない」
「泳ぎに行ってはいけない」

難病の弟の薬代を稼ぐため、ある家にメイドとして働きに来た
フィリピンの少女ローサ。
雇い主夫妻は優しく、新しい服を彼女に与えてくれるし、
知能障害を持つ息子アスーンも彼女によく懐いている。
この先暮らしていくのに、何一つ問題はないと思われた。

しかし、彼女は知らず知らずのうちに、太陰暦のタブーを犯してしまい、
それから次々と周囲に気味の悪い出来事が起こり始める。

ある日、街で見知らぬ少女に声をかけられたローサは、
自分の前に勤めていたメイドの少女が行方不明になっていることを知る。
今、自分が着ている服が、かつてはその少女のものであったということも…

屋敷に現れる、赤い服の少女の霊が何者なのかを知ったとき、
ローサに、本当の恐怖が訪れる
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雇われた家は間違いなく中国系。主人公ローサはフィリピン人。
その家の宗教行事は当然わからないので、いろいろやっちゃうわけですが…
映画だけあって、いろいろと要求が無茶すぎる~。
道のど真ん中で迎え火(?)を焚いて、それを踏むなとか。
(道のはじっこでやんなさいって)
道を走っていく霊柩車の影に入るなとか。
(それなら最初から、影のできない真夜中にでも移動すればいいのに)

シンガポールって中国系の国民の多い国なのかなぁ。
その国の常識がわからないってツラいですね。

結局最後は、幽霊よりも生きた人間が怖いってオチになるわけだけど…
うん、まぁ…王道です。

とりあえず、香港でのお盆の様子についての詳しいレポがあったのでリンク。
古い記事ですが、写真入りで読みやすく面白い。

Blog版香港中国熱烈歓迎唯我独尊

こんぐらちゅれいしょんず

2008-01-28 17:58:00 | 雑事

変にすぐ書くと、どこから特定されるかわからないので
かなり時間がたってから記事を書いております。
そろそろいいかな?

高校時代の友人の結婚披露宴がありました。
とはいえ、ホテルなどで、司会のお姉さんが
名前の部分だけを変え、同じように美声で囀る既製品ではなく、
新郎新婦の友人と、近しい親族だけで、町のお店を借り切ってする
こじんまりと暖かいパーティでした。

友達のお手製のドレスに身を包んだ友人は、さすがに可愛らしく幸せそうで、
ケーキ入刀から司会や挨拶まで、全てハンドメイド感覚で暖かい、
なかなか良い披露宴でしたよ~

入刀したケーキは、その場で切り分けられてデザートに。
地元で有名なケーキ屋の特注品だけあって、美味かった~(ほくほく)


色々人間関係に恵まれず、一時期はかなり追い詰められた事もあった彼女。
環境が荒れると、まず、人間も段々荒んでくると思うのよ。
ものの考え方とかがグチっぽくなったり、妬みや嫉みが出てきたり。
でも、彼女はもンのすごく、限界ギリギリだったにも関わらず、
そういうのを見せない人だったんだよね。

素直に恨んだり、憎んだりしてしまえば、まだ楽だろうものを。
ちょっとグチっても「ごめんね。ダメだなー私」なんて謝ったりして(笑)
結局、最後まで理性を失わないまま…
心のキレイなまんまで、その状態をなんとか乗り切ってしまった彼女には、
ほんと、純白のドレスがよく似合うー、とか改めて思ってみたり。
(友人の贔屓目と言われれば、そうかも?/笑)

ま、乗り切れたのは、今回結婚したダンナ様のおかげも、あるかな?
なんにせよ、今まで苦労した分、最高に幸せになって欲しいもんです。



さてさて、この披露宴で、私自身に関しては笑い話が一つ。

…専業主婦など長くしていると、
こういう公の場は、ブラックフォーマル一つで間に合ってしまいます。
ていうか、トシを重ねるにつれ、慶事よりは弔事のほうが、
はるかに出番が多くなってくるんでね。

そんなわけで、今回の、ハレの日のための服も黒。
…わざわざ買わないですよ。一回しか着ないかもしれんのに。

で、せめてメイクはきっちり、と思ったんだけど…
数年使わなかったビューラーは劣化してるし、アイライナーもマスカラも、
乾いちゃって全然ダメ。
そのへんくらいは、と新調して、頑張ったんですが…

北国の冬の夜は寒いです。
どのくらい寒いかというと、ただ歩いてるだけで涙目になっちゃうくらい。
別に辛いとか切ないわけじゃなくて…
目を寒さから護るために、生理的に涙が出るんですね。うるうると。

披露宴は夜7時からでした。
少し余裕を持って会場につけるよう、早めに家を出た私。
行くのは、普通の個人経営のレストランです。
しかし、駅から5分…とか書いてあるのに、周囲にそれらしき場所はナイ。
しばらく、そこらへんをうろうろと歩き…
い、いかん。このままでは遅刻する、と近くのクリーニング屋へ。

「このお店なんですけど…」
「あ、それならここのすぐ隣ですよ」

隣とな?!

そこはウロウロしていた、まさにまん前。
ハイ。目指す店は、ビルの奥側にあったことに加えて、
外の地面に置くタイプのカンバンが、駐車していた車の陰になっていたのです。


そして…会場に入り。無事、披露宴も始まり。
会場でにこにことひとしきり話したあとで、
トイレのカガミの中に私が見たのは…
目の周りが真っ黒タヌキ状態のジョニー・デップ!

ぱ、パイレーツオブカリビアン? スパロー船長?

…ていうか存在がホラー?
昔のオバケ屋敷の幽霊役というか、ヤク中患者というか…
しかし、これは私らしいといえば、この上もなく私らしいのか?

…帰りに遠方から来ている友人のホテルに寄ったおり、
これで帰るのはあんまりだと化粧直しを試みたのですが…
最近のアイメイクは、水くらいじゃ取れないのだ!
さらにティム・バートンかシザーハンズかって状態になった私に、
そのホテルに泊まっている友人は一言
「イチからやり直せ」
とメイク落としを放ってくれたのでした。感謝。

いやまー、普段やりなれないことは、するもんじゃないな。


「エクステ」

2008-01-28 15:23:32 | 映画(ホラー)

「エクステ」
監督:園子温
出演:栗山千明、大杉漣、佐藤めぐみ、つぐみ、他

公式サイト

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公式サイト開いて、コーヒー吹きそうになりました。
まさに臨毛体験!! ぎゃはははー!

さて、大笑いの公式サイトとウラハラに、映画の内容はオーソドックス。
『虐げられたものの復讐劇(でもちょっと的ハズレ♪)』でした。

この映画の何が見どころかと言われれば『生理的嫌悪感』でしょうね。
口の中とか皮膚の中、目の中(!)を、髪の毛がざわざわ動き回るシーンは、
なんか見てて体中が痒くなるー。

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横浜港に到着したコンテナの中から見つかった、外国の少女の死体。
コンテナ一杯にみっしりと詰まった髪の毛の中から発見された彼女は、
内臓を全て抜き取られており、おそらく、臓器密売組織の犠牲者と思われた。
そして、一通りの検死を終えた彼女の死体は、安置所にひきとられ…
そのまま、姿を消したのだった。

主人公・優子は、かつて実の姉から虐待を受けていた過去の持ち主。
今は家を出て、友人と一緒に暮らしていたが、
そこに、姉が小さな娘を連れてやってくる。
断りきれずに、嫌々ながらも姪を預かることとなった優子だったが、
姪の身体に残る無数の虐待の痕を見て、
助けてあげたい、という気持ちを強く抱くようになる。

そして、優子が美容師のタマゴとして働く美容室に、
ある日、エクステを売っているという男が現れる。
見た目も異様であり、優子とその姪の髪をじっと見つめる奇妙な男だったが、
扱うエクステはとても上等。美容室で、試しに使った結果も好評だった。

だが、そのエクステを使ったものたちは、何故か次々と、
不可解な死を迎えていく。

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大杉漣が髪フェチの変質者を好演(?)していました。
怖いとかブキミというよりは、見てて笑いしか出てこないんですけどね。
髪の伸び続ける少女死体役の人形は、ちょっとブキミながらも美しい出来栄え。
ホラーのよく似合う栗山千明は、今回は幽霊でも殺人鬼でもなく、
最後まで生き残るヒロイン・優子役です。

美容師さんって、お互いにカットモデルになったりするせいか、
みんな髪の毛をコテコテに加工してる人が多いように思うんですが。
こんな真っ直ぐ黒々ツヤツヤの、未加工100パーセントの長髪では、
客はかえって美容師としての腕に不安を感じるよーな気もします。
(自分で自分のアタマはカットしないだろうけどさ。気分的にネ)

しかし、結局、死体の少女は内臓を奪われたことよりも、
髪の毛切られたことのほうがショックだったんでしょうかねぇ。
死んでも髪の毛だけでなく、目だの口だのからもひたすら毛を生やして、
部屋中を埋め尽くす…ってどんな執念やねん!

とりあえず、今回の犠牲者たちは、何の関係もない人が一部いる他は…
あんまり同情的になれないタイプばかりでしたので、
見ていてこころおきなく楽しめるホラーではありました。

ただ残念だったのは、自分の娘を奴隷のように躾けて虐待していた、
主人公優子の姉とそのオトコが犠牲になるシーンで…
あんまり二人が怯えていないように見えたこと。
こういうタイプの人達には、ぜひとも恐怖に絶叫し、
自分の死を実感し怯えながらの最期を迎えて欲しいものです。
(いや、あくまでフィクションの中の話ですからね)


「ゴースト・ハウス」

2008-01-15 06:17:20 | 映画(ホラー)

「ゴースト・ハウス」2007年アメリカ
監督:ダニー・パン、オキサイド・パン
出演:クリステン・スチュワート、ディラン・マクダーモット、ペネロープ・アン・ミラー
   ジョデル・フェルランド、ジョン・コーベット
   
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この監督、THE EYEの人たちだよね?
あの映画ではアジアンな雰囲気全開&新しい切り口がなかなかステキだったのに、
今回はやたらありがちー。

画像の感じや怖がらせ方は、ジャパホラーに近い感じで見やすいんだけど、
夜中に見終ったあと、すぐに眠れるホラー映画ってどうなんだろう?

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アメリカの片田舎の古い空き家に、シカゴから引っ越してきたソロモン一家。
長女のジェスが引き起こした交通事故が原因で、家族仲はギクシャクしていたが、
再び新しい場所でやりなおそうと、両親は必死だった。
そのため、喋れない息子ベンが時折見せる不思議な行動も、
ジェスが経験する気味の悪い出来事も、全て気のせいや反抗心として片付けてしまう。

地下室に現れる女、壁から染み出してくる女、部屋を這い回る少年。
彼らは、かつて、この家で起こった悲惨な出来事に関係していた。

隙を見て襲い来る悪霊に、思い余ったジェスは、地元の高校生ボビーに助けを求めるが、
そこに待っていたものは、悪霊ではなかった。
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今、記事を書くために検索して、ジョデルちゃんが出てたのを知りました。
どうやら、過去にその家で殺された少年役だったらしい。
確かに、男の子にしては随分カワイイな、とは思ったんだけど、
あれがジョデルちゃんだったのかぁ~(汗)アップで見たのに気付かなかった~

グロ度は低め。殺された人が自分の無念を伝えるために(?)
無関係な人間相手に姿を現していろいろアピールしてくる、という王道な話です。
いつも思うけど、怖がらせる相手を間違ってるよキミ達…

ただ、すごくグロいとか怖いとかが無いかわりに、
いきなり『ワッ』とくるビックリ効果がそこかしこに。
しかしそれも、兄貴に言わせると
「最初は驚くけど、二回目以降はなんともないから見る気しない映画」
だそうで…確かにそうかもなー。

意味ありげにそれぞれの場所に出てくる幽霊たちは、もしかして、
そこに死体が隠されているってことなのかな?
娘は地下、母親は壁、息子は納屋?
メイキングでは、地下から死体が出てくるシーンがあるのだそうだけど、
本編ではカットされてたみたい。

それにしても、向こうの人って、すごく小さい子でも一人で寝かせるよね。
幽霊見たとか言って怖がってるときくらい、皆一緒に寝たらどうかと思うんだけど。
あと、死体が出てきた家にそのまま住み続けるのってどうなの?

…アメリカンホラーには珍しく、薄味な映画でした。
メインディッシュには物足りないけど、ちょっと恐怖を摘みたい時にはいいかも?

実家での収穫

2008-01-13 03:31:19 | 雑事

嵐の正月が今年も終り、しばらく実家に里帰りしていました。
シュミを同じくする兄の部屋でホラーDVDを漁る日々…

収穫はこんな感じ。
「ゴースト・ハウス」「メイド(冥土)」「エクステ」
うまい具合にアメリカ・アジア・日本とバラついてます。

アメリカのゴーストハウスは…まぁ、こんなもんかな、と。
メイドはアジア人の死生観?みたいなのが新鮮。
(これはシンガポールの映画ですが、多分に中華っぽい感じ)
エクステは…ついこの間、アジアンホラーで鬘がテーマのを見ただけに、
あれ?と思ったんだけど、全然違ったわー。
内容は怖いというより、理不尽さにムカつく映画だったかも。

まあ、詳しくは後日、レビュで。

うーんと、あとは…「トランスフォーマー」を見ました。
子供向けだけど、大人も楽しめると聞いていたんですが、
これはオトコの人向けかもしれないナー。

だって、クルマの見分けつかないんだ!

戦ってるの見ても、どっちが正義の味方だか。
基本的に、色ついてるのが善玉、と大雑把に見分けてました。
それでも見ながらつい悪玉を応援して「違う!」とツッコミ入る入る(汗)

とりあえず、普段、そんなことにカケラも興味なさそうなうちのダンナが、
アメリカの戦闘機や戦車を見て、これは○○?いや××…?とか
呟いていたのがちょっと意外でしたね。
そーゆーのも好きだったのか…と思わぬところで新発見。


ハンニバル・ライジング

2008-01-13 03:08:47 | 映画(ホラー)

「ハンニバル・ライジング」
監督:ピーター・ウェーバー
出演:ギャスパー・ウリエル、コン・リー、リス・エヴァンズ他

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若レクターを見ましたよ~♪

ざっと説明いたしますと。
子供の頃…戦時中に、餓えた軍人に妹を喰われたトラウマで、
半分壊れてしまったお兄ちゃんが、大人になってから復讐を企てるお話。
正義の殺人鬼ここにあり! て感じかなー。

殺人シーンは確かに惨殺なんですが…うーん…あんまり…
これは一体、どこのカテゴリに入るのか悩むー。
なんちゅーか、これはホラーというよりは、戦争被害に遭って人格変わった、
可哀相な人の話じゃないですかい。

若いだけあって、今作のレクターはまだ人間ぽいです。
そしていろいろな面でアマい。
殺すことと喰うことに、そこそこ快感を見出してるわりに、
「妹の復讐」という大義名分を必要としているところが特に。
そこにこだわるから、最後に足元を掬われるのさ~

…ていうか、本当は、「殺すの楽しい」んだよね?
どう見ても、すっげタノシそうだもんな~(笑)

妹の存在は、レクターにとっては自らの異常性を見出す切欠であり、
また、それへの言い訳であり、免罪符であろうと。
だからこそ、最後にその「言い訳」を突き崩されたとき、
彼はホンモノの怪物になったのかもしれない…ね。


そして、名前も服も剣道もご先祖の鎧の祀り方も、すべてにおいて、
「外人の誤解に満ちたナンチャッテ日本」という感じの、レディ・ムラサキ。
彼女の性格は一途で凛々しくて好きなんだけど、これで見ると、日本文化そのものが、
泥臭くて凶暴で原始的な印象に見えちゃうのがな~。

とりあえず、あのキモノは無いだろう。
鎧をあんな怪しい部屋に祀って拝んでみたりもしないだろう。日本人は。

そのムラサキは、終盤に、色仕掛け込みでレクターを止めるシーンがあるのですが…
どう見ても「妹を取るの?私を取るの?!」と迫ってるように見えてしかたない(笑)
結局ハンニバルが「復讐は諦められない」とムラサキを振ってしまうのを見て
思わず画面を見つつ、「このシスコンめが」とか呟いてしまいましたよ。