鼠喰いのひとりごと

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妄想代理人

2005-05-30 14:20:37 | 映画(アニメ)

「妄想代理人」
WOWWOWオリジナルアニメ 2004年
DVD 全6巻
原作、総監督: 今敏
声優: 能登麻美子、桃井はるこ、阪口大助、飯塚昭三、関俊彦


***

何かに追い詰められたとき、
「今この瞬間、世界が終わっちゃえばいいのに」
そう思ったことはないですか?

これは、そういうお話です。



あらすじ。

人気キャラクター「マロミ」の産みの親であるデザイナー鷺月子。
彼女は内向的で自分の世界に閉じこもりがちな性格だったが「マロミ」がブレイクしたことで一躍「時のひと」に。
所属事務所からは、マロミを越える新たなキャラクターを早く作ってくれという強い希望も出ており、思うようにデザインが進まない彼女は精神的にも追い詰められることとなる。
そんな中、夜に一人で帰途に着いた月子が何者かに襲われる事件が。
金属バットにローラーブレードを履いた少年に襲われた…その月子の証言が全ての始まりだった。
月子を追い掛け回していたブン屋、優等生であることに行き詰まりを感じていた小学生、二重人格に悩むOL…次々と被害者が増えていく中で、犯人は誰からともなく呼ばれはじめる。
犯人は…「少年バット」



途中でお遊び感覚の表現が入ったり、直接ストーリーには関係の無い話が挟まったりと、
いかにも深夜枠で放映されていた作品らしい仕上がりのように感じましたー。
ことに、後半になると、アニメ製作者側を舞台にした身内ネタ(しかもブラック)のような話もあったりして、その業界裏側を知りたいひとには面白いかもしれません。

前半は、それぞれの「少年バット」の被害者たちが襲われるまでの、精神的に追い詰められた様子を描いており、後半は謎解き部分。
いわゆる「まっとうでない」犯罪に四苦八苦するオジサン刑事はいい味出してます。
それとは逆に、若手刑事はバーチャルな犯罪意識にさほど抵抗がなくて、そこに二人の世代の相違が感じられてみたりー。

ただ、最後から少し前のあたりの数話は、息継ぎ話(っていうか…なんていうの?本筋と関係なく挟まってちょっと間をとる話?)にしてはくどくて長くて(汗)正直「中だるみ」を感じてしまいました。
中でも、団地主婦の話は特に、ストーリーにメリハリが無くて見ていて辛かった。
もうちょっとなんとかならないかな、このへん。

でも、全体としては面白かったっす。
ことに、ラスト2話で色々明らかになる場面では、それまでのダラダラっぷりが嘘のような盛り上がりでした。オジサン刑事が妙に格好いいし♪

また魅力のひとつは「音楽」
このアニメのオープニングは物凄く印象的です。曲も映像も。
やけに爽やかに不気味な歌詞を歌い上げる主題歌に乗せ、
(初めっから、空に見事なキノコの雲♪、とか歌ってますし…/汗)
廃墟や車の飛び交う交差点の真ん中、ビルの屋上、といった物騒な場所に立ち、
ひたすらに楽しげに笑う登場人物たち。
不気味なのに爽やか、というどうにも落ち着かない、居心地の悪い感じがグー!
絶望も落ち込みも全部突き抜けたところに行くと、人間もう笑うしかないらしい、とか思わせられる画像でした(笑)なんか怖い。

このオープニング、放映当時にとても評判良かったらしいです。
歌詞のわかんなさはともかく、曲調はすごくいいですよ。

妄想代理人 オフィシャルサイト