鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

日本の夏・コンチューの夏

2006-07-26 03:57:52 | 雑事

さて、昨年から飼ってたカブトムシの幼虫たちですが、
先月末に、8匹中7匹が無事に羽化しました。
内訳は4匹オス、2匹メス。1匹が不明。
羽化し損ねて死んだやつもオスだったので、うちのカブトはオス率高かった~

ところで、不明って何よ、とお思いでしょう?
実は1匹、羽化して行方不明になりまして…

いや、今年も殆ど諦めムードだったとですよ。
もう多分みんな死んでるから土捨てようかなと思ってたくらい。
でも、捨ててサナギや幼虫の死体ごろごろっていうのも薄気味悪かったので、
放置してたら出てきちゃったっていう(汗)

ペットボトルに移してたぶんの幼虫なんて、土の表面はカピカピだわ
キノコは生えるわカビは生えるわ。
絶対出てこないと思ったから、去年みたいに、羽化したあと逃げないような
対策も打ってなくってね。
まんまと逃げられてしまいました。

ま、問題は、その1匹、どこに行ったか出てこないってことなんだけどね。
どのみち家のどこかの隙間で死んでるんだろうけど、
忘れたころにゴロンと出てきたら悲鳴もんだよ~(汗)

というわけで、うちにはカブト6匹、アトラスオオカブト1匹(親戚がくれた)
ミヤマクワガタのメス2匹(じいちゃんがゴルフ場で捕ってきた)
がひしめいております。
しかも子鬼は、これからの季節、キリギリスも捕るんだ、とはりきっております。
庭のサンショウの木には、アゲハの幼虫がうようよしており、
(近所には餌になる木を植えてないので、毎年うちに集中するのだ!)
真夏にはうちは立派な昆虫館と化すでしょう(汗)

虫が嫌いなひとには恐怖の館やね(笑)

***

さて、せっかく復活したのもつかの間、
明日から今週末にかけて、実家に行ってきます。
なんかまた新しい映画の情報でも仕入れてきますねん。

「陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) 」

2006-07-25 01:39:09 | 本(小説)

「陰摩羅鬼の瑕(おんもらきのきず) 」 京極夏彦
講談社ノベルス 2003年

***

やっと読んだよおんもらき!
ネットでの評判がみんなバッシング気味だったんで、あんまり期待しなかったのだけど…
うん、まあ…確かに物語の深みや意外性は無く平板。
京極を読みなれているひとなら、全体の三分の一読まないうちに、
犯人と事件の原因がわかると思うね。
そういう簡単な話でどうしてこんなに厚いのかって言ったら、
薀蓄の量がまた桁違いなのね。
読者が犯人の目星がついてる状態で、何故そんなことになってるのかという
説明&薀蓄がえんえんと…えんえんと…
これはね、本当にツラかった。ハイ。ごめんなさい。
途中部分を多少ナナメ読みしました。

===
白樺湖畔に立つ「鳥の城」と呼ばれる洋館。
関口は、探偵の榎木津に連れられて、何も知らされぬままそこを訪れ、
「伯爵」の5度目の結婚式に出席することとなる。
5度目の結婚式…そう、その家に嫁ぐ花嫁は、皆、結婚式の翌日に命を奪われているのだ。
無数の鳥の剥製に囲まれ、儒教思想に縛られてただ一人暮らす伯爵。
周囲から隔絶された異世界のような城の中で、再び事件は起こる。
===

他の作品は、薀蓄を読むことでいろんな謎や心理が腑に落ちてくる部分も
あるんですが、今回はちょっと無理があったような気が。
前作の「宴」が凄い大作でしたからね。ちょっと気が抜けたのかなぁ、
道具立ては、ちょっと乱歩や横溝を彷彿とさせるような猟奇性があって
面白かったんですがね。

ただ、一つ印象に残ったのは伯爵の「実体験を伴わないので理解できない」という設定。
これ、作中で使われている例は、あまりにも極端すぎますが、
今の世に生きる人間は多かれ少なかれ、誰しも「伯爵」と同じようになる
可能性があるんじゃないかと思いました。

以前のブログにも書きましたが、私はいまだに自分の近しい人間の死を知らない。
だから、その悲しみや、知人の誰か死ぬということを、多分本当には理解していない。
そうでなければ、死を娯楽として扱うホラーなんか好きなわけないけどね(笑)

同じように、今の、平和に護られ決まりきった道を歩かされている子供たちは、
昔と比べて様々な『経験』が欠けているはず。
そして、テレビやネットで表面的な知識だけは豊富に垂れ流されていますから、
そういった「情報」から「理解したつもり」になっている事柄は、
とても大きいのじゃないかな。
…そしてそれが、思いやりの無さや人間性の欠如、という形で現れても
おかしくない…とも、思うんだな。

人が死んだら悲しむもの、と私は知識として知っています。
だから、アカの他人の葬式でも、ご愁傷さまです、と神妙な顔で言うわけですが、
そこに本当の共感はいまだに無い。
悲しむのが当然だから、悲しそうな振りをするだけです。

そんな感じで、今の人間たちの間では、恋愛や友情の面でも、
人を好きになるってこういうもの、こうしてこうしてこうするもの、
友人とはこうつきあうもの、こういう行動はこういう意味、
…なんて、知識だけのごっこ遊びが蔓延しているのではないか…
と、ちょっと怖い考えになってしまいました。

もっとも、私自身、それらを実体験として本当に知っているのか、
と言われると心もとない(汗)
この歳まで来ると、どれが知識からの思い込みで、どれが経験からの推測か、
なんて到底切り分けできません。

こればっかりは、そういう時代に生まれたのだ、と割り切って、
そのまま受け止めていくしか無いんだろうな…

あらしのよるに

2006-07-23 03:34:11 | 映画(アニメ)

「あらしのよるに」 2005年
原作:きむらゆういち
声優:中村獅童、成宮寛貴、竹内力、山寺宏一ほか

公式サイト

***

シリーズもの絵本として、NHK教育の読み聞かせなどでも有名な作品なので、
小さいお子さんをお持ちの方なら、一度は耳にしたことがあるのでは?
私自身も、数年前にNHKの番組で見て、好きになった話です。

…とはいえ、私が好きなのは一話目まで。
なんで続編作っちゃったのかなァと、少し残念に感じる絵本でもあるかな。
続編を求める声が多かったから、ってことなんだけど…
『あの話はあそこで終わるからいいんだよ、わかっちゃいねえなァ』て気分。
これからどうなるんだろう? って、読み手がそれぞれに、
その先を想像する楽しみがまるでなくなっちゃったよね。

ところで今回は、映画側のレビューは殆ど形を成していません。
だって…見たら、妄想しか出てこなかったんだもん…詳しくは後で。

===

ヤギのメイと、オオカミのガブ。
食うものと食われるものとして、仇敵の関係の二匹は、ある嵐の夜に雨宿りのため立ち寄った廃屋で、
お互いがなんであるのか知らぬまま、意気投合してしまう。
後日、相手の本当の姿を知ったあとも、二匹の友情は変わることはなかったが、
それは互いの仲間たちには決して明かすことのできない、秘密の関係でもあった。
しかし、ついにそれは明るみに出て…

===

ええと…映画なんですが。見てて、その…
…なんか、すっごい赤面モノだったんですけど!!
メゾン・ド・ヒミコの後でこういうレビュー続けて書くとナンなんだけど…
いや、これは…なんというのか…ホモっぽい…ような。

メイのあの鼻にかかった声と流し目で
『でも…いいんですか? 私なんかと付き合って』とか
『あなたといると、何故かホっとするんです(フフっ)』
なんてされると何故かドギマギしてしまうのですが(汗)

しかも夜中に(わざわざメイに気を遣って夜中に!)獲物を狩りに行ったガブに対して、
『また殺してきたんですか?』
『…でも、イヤなものはヤなんです(ここで拗ねたように背中を向ける)』
なんていうメイのツンデレぶりと、
『俺にどうしろって言うんでやすか!』と困り果てるガブの姿はどう見ても痴話喧嘩…。

そしてクライマックスの『ガブになら、食べられてもいい』というメイ。
その後記憶を失い、自分を食べようとするガブに対して、
『今のガブは、ただのオオカミだ。今のガブには食べられるのはイヤだ。
こんなことなら、出会わなければ良かった!』
と涙するシーンには…

一体こりゃ誰向けの映画ですか?!(腐女子向けか?!/汗)

いやいやいやいや! 私は決して所謂腐女子では…
た、確かに、そういう世界があるのは知ってますし、ディープ過ぎないものは好きですけど…
でも、この映画はあまりにもッ!(汗)

一体、何がそう思わせるんだろう…オオカミとヤギ、という関係が悪いのか、
それとも、メイ役の成宮くんのあの甘えた声がそもそも悪いのか(汗)
こんな子供向けの感動サワヤカ話で、妄想ぐーるぐるだった私は、一体どうしたら良いのでしょう(汗)

このレビュー(?)を見て、素直にこの映画を見られなくなった方に、最後にごめんと謝っておきます。

メゾン・ド・ヒミコ

2006-07-22 03:32:35 | 映画(邦画)

「メゾン・ド・ヒミコ」 2005年
監督:犬童一心
出演:オダギリジョー、柴咲コウ、田中泯

公式サイト

***

思考の偏りを正すためにも、百合の次は薔薇ですよ(何?!)
というわけで、ゲイもの行きまーす。

===

有名ゲイバー「卑弥呼」の二代目ママを勤めたヒミコは、
引退後に古いホテルを買い取り、ゲイのための老人ホーム
「メゾン・ド・ヒミコ」を開設していた。

そんな父親を嫌い、長く断絶状態だった娘、沙織のもとを、ある日若い男が訪れる。
ヒミコが余命いくばくもないことを告げ、一度会って欲しいと言う、
「春彦」と名乗るその男はヒミコの今の愛人だった。
一度はそれを断った沙織だったが、やがて、お金に困る彼女に、
春彦はひとつの提案をする。
…メゾン・ド・ヒミコでアルバイトをしてくれないかと。

===

おじいちゃん達の演技がお見事でした。
流行の言葉でいうならキモ可愛いというのでしょうか(笑)
そこらへんの女の子よりずっと女性の感性してて、なんか不思議。
そして、どうにもオダギリジョーのハマリっぷりが、まさかこの人本当に…
という気持ちにもなってしまうのですが、どうなんでしょう?
学生時代、ルームメイトがゲイだった、って話が、メゾン・ド・ヒミコの
インタビューでありましたけど(笑)
まぁ、本当にそうかどうかは別としても、なにしろ、この映画の中の彼は
ヤケに色っぽくて美しく、とても昔仮面ライダーやってたとは信じられないっす。

対する柴咲コウも、見た目の派手さは負けてないけど…
なんかこの人見た目と対照的に、いつも硬い不器用な性格の役ばっかりやるね。
「沙織」の頑なさと「春彦」を初めとするゲイ達のしなやかさが対照的カモ。

途中で、自分の容姿がオトコなのでドレスが似合わない、と嘆くゲイのおじさんが、
勇気を出してドレスアップして、夜遊びに繰り出すシーンがあるのですが、
見ながら素直に応援できました。妙に健気で可愛くてね。
その後、彼(彼女?)を笑いものにするサラリーマンのほうが余程醜かったな。
いや、まぁ、中身がわからない状態で街でアレに会ったら、やはり驚くだろうけれども。
つか、せめてヅラを被れ。

ゲイの皆さんへの理解を得るためには、これ以上に無い効果があるように思えます。
うん、面白かったですよ(笑) とくに、腐女子の皆さんは要チェキ!


「誰のための綾織」 飛鳥部勝則

2006-07-22 03:25:50 | 本(小説)

「誰のための綾織」 飛鳥部勝則
2005年 原書房

注:2005年11月に絶版回収。

***

最近、読書といえば、図書館で子鬼のために借りてくる「かいけつゾロリ」
ぐらいだった私ですが、先日ふと目にとまって、読んでみました。
以前の記事でもチラっと書きましたが、盗作…というか、アイデア盗用?があり、絶版回収となった作品です。
今を逃したらもう読めません(笑)

どーれどーれ。どんな風になってたのかなー? と見てみたのですが、
んんー、微妙な味わいですね。

盗用された「はみだしっ子」。名作ゆえ名前くらいは存じてますが、
全話通じて読んだことはなく、今回問題になった部分など目も通してません(笑)
んー。だって、私の世代のころでも既に絵柄が古く感じたし、内容が重かったんだもんよ。
そんなわけで、さほど気にならずに最後まで読めてしまいました。

むしろ読んで思ったのは「…この人、腹芸のできない人なのかな」ということ。
最初の部分の「飛鳥部」と編集者のやり取りの中で語られる、
『死体はそこにあったが見えていなかった、なんていうのが通用するならなんでもアリだ』
という趣旨の発言は、間違いなく実在の某先生を名指ししているようなものだし。
新潟地震のときの、救助や寄付についての批判めいた暴露話も、
あまりにも書いてる作者の姿が背後にスケスケで、ちょっと照れてしまう。
ついでにいえば、作中の中で自分の作品を引き合いに出すのも…(汗)
なんだかね、物語の世界を読むのではなく、作者の言いたいことを
ただ書き写してるだけのように感じてしまったんだな。作者の自己主張強いっていうか。

===

物語は、とある作家と編集者の会話から始まる。
推理小説の定義と、読者の予想を裏切る「禁じ手」を越えた作品を語るうち、
彼らの話題は、作家の教え子が書いた作品「蛭女」へと移っていく。

誘拐され、無人島へ閉じ込められた少女たち。
彼女達は、その島で自分達の過去の罪と向き合わされ、
恐ろしい「蛭女」の復讐が始まった。
おりしも中越地震が起こり、その余震にさらされる中、
彼女達は一人、また一人と惨殺されていく。
果たして、蛭女の正体は誰なのか。

噛みあわない文章と奇妙な違和感。その理由こそが、事件のすべての真相を語る。

===

盗用部分については、以前検証サイトで見たとき、何もこんなに丸写しにしなくても…
と思ったけど、今回読んでみて、何も全部セリフで伝えなくても…という気分がさらに追加。
あんな説明セリフでなくても、もっと伝えようがあったんじゃないかな。
そして、丸写しでさえなければ…ここまでの問題にはならなかっただろうに。
(まぁ、あれだけ類似箇所が多いと、わかる人にはわかるだろうけど)

さて、物語そのものは「砂漠の薔薇」という作品と通じる、女同士の愛の物語(汗)
ただ、彼が書く世界はいつも、普通の(?)百合モノと違って、
女の子達がやたらバイオレンス。

私は殆ど女子高みたいなところの出身なのですが、
確かにあの年齢の女生徒は、可愛いだけではないですよ。
同じ年頃の男の子がそうであるように、粗野で凶暴で動物的で、
爆発しそうな不満とエネルギーとを持て余している。
私の世代ではまだ、この作品の中に出てくるような酷いリンチめいた事件は
ありませんでしたが…そうですね、中学の時には、隣のクラスの苛められていた
女の子が、休み時間にトイレの水に頭を突っ込まれてた、なんて話はありましたっけ。
そんなことをして一体何が面白いのか、私には今も昔も理解できませんが、
だからといって彼女を助けようって気もなかったことは事実です。
集団の中で自分が泳いでいくだけで精一杯だったしさ。

もちろん、作中の彼女達は、飛鳥部さんの好みであろう理想化された容姿と
性格なんだけど(笑)そのバイオレンスさが妙にリアルっぽくってね。
さすがは美術教師。身近でいつも女子学生を見ているだけのことはある。
オンナの本性まるわかり。(なんてね、男子校の教師だったらどうしよう♪)

とりあえず、この作品と「砂漠の薔薇」をあわせて読むと、
作者は、美しいけど野獣っぽい、互いに傷つけ血を流し合う少女達(比喩ではなく)
っていうモチーフが基本的に好きなんだろうなぁ…と思わずにいられない。

物語の特殊な組み立て…物語の中で、登場人物の書いた小説を展開する、
という異例な手法については、いろいろ論議を呼んだようですが、
私はさほど気にならなかったな。
この人、ほかの作品も同じような反則だらけだし。

というか、最近の「ミステリ」ジャンルは、今までの推理・探偵小説とは
違ったものだと思ってます。
作中でも引き合いに出されている京○さんの作品にしても、
館シリーズの綾○さんにしても、アレを探偵小説とは…言わないんじゃないかと(汗)

この人の作品は「砂漠の薔薇」と「冬のスフィンクス」しか読んでません。
ですが、「砂漠の薔薇」は面白かったですよ。

1.百合ネタがへーき
2.美少女残酷モノがへーき

な方なら読めると思います。