鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

タッタラドッタラTVショー

2018-06-30 00:00:02 | フリーゲーム(ノベル)
タッタラドッタラTVショー
ノベル・生き残りゲーム・それぞれの罪を暴け
制作者:生爪 万温(イヅメ マオン)様(pixiv

==================

原色カラフルな画面が目を惹く一品であります。
なんとなく「キミガシネ」に近い雰囲気?

いきなり見知らぬ部屋で目覚めた主人公・ロキちゃん。
どうやら何者かに拉致監禁されてしまったようです。
部屋を出るとそこには、同じように拉致されてきた幼馴染のインゲンと、見知らぬ9人の人物が。
不思議なクマ?型ロボットのタッタラは、ここにいるのはほぼ全員が罪人であると言い、この「タッタラドッタラTVショー」で互いの罪を暴きあい、視聴者の好感度が低いものから殺していく、と説明します。
最後に残り、ここから出られるのは、たったひとり。
タッタラの言う「罪」に身に覚えのないロキは、果たして無事、ここから出られるのでしょうか。

分岐がゆるめでプレイしやすいボリュームの作品でした。
エンドは3つ。途中いろいろありますが、エンド分岐に関係してくるのはラスト付近の、数個の選択肢だけ…かな?
あまり複雑な分岐はなく、途中はほぼ一本道の様相。
選択肢でちょっと文脈が変わるくらい…(だと思う)なので、気楽にプレイしていきませう。

あー、ちょっと最後が…生き残る人が意外といえば意外…?
いや、ある意味当然ではあるんだけど、あまり主人公と接点のない人だったから…
これ、途中のフリータイムにプレイヤーがロキちゃんを自由に動かして、いろんな人に話を聞けたりすると、全員に感情移入できて面白かったかも。

一応「人が殺されていく」話なので、それなりの殺人描写はありますが、絵はドギツくはない。
ていうか、原色チカチカの画面&タッタラやドッタラの見た目がゆるめ&ノリが軽め、なので、全体にあんまり残酷っぽく感じないんだな。

生き残りデスゲーム系、狼ゲーム系の好きな方におすすめですよー

雪に咲く薔薇

2018-06-16 00:00:31 | フリーゲーム(ノベル)
雪に咲く薔薇
ファンタジーノベル・マルチエンド
制作者:塩屋あにか様

==================

魔女の呪いによって、見た目が異常に生まれついた青年と、彼を支える使用人の少女の物語ですー

最初のほうのマリアンヌのあれこれを見た時は、仕返し?のためにここまでやるとは、なんちゅう性格の悪い女かと思いましたが…読み進めていくと、いろいろ納得!できる話運びになっております。

呪いや過去の出来事ではなく、主人公二人の恋愛模様だけに焦点をあてたシナリオは、なんとも物悲しく、せつないラブストーリー。
結局のところ、どんな酷いことを言われても、マリアンヌはゼビエを見捨てられないし、傍にいたかったんだなぁ…
自分の境遇や見た目にコンプレックスのあるゼビエの葛藤も、とても繊細に描かれていて、いい話でした。
それぞれのキャラの「素直になれない具合」が妙にリアルなので、なんか共感持ててしまうね!

ただ、えーと、マルチエンドではありますが…
どのエンディングも、シビア、というか…完全ハッピーとは言い難く…
綺麗だけれど、胸の痛みの残る終わり方でありますので、そのへんは覚悟のうえでどうぞ。


一人残された魔女ちゃんは、この薔薇の物語を、大事に守り、語り継いでいくのでしょうか…
アンハッピーエンドに耐性のある方におすすめですー









時代がもう少し未来なら…彼はふつーに「尖ったパンクなお兄さん」で通用しただろうになー

雨紡ぎの四葩

2018-06-15 10:01:25 | フリーゲーム(ノベル)
「雨紡ぎの四葩」
ノベルADV・人形と恋する物語
制作者:同人サークルMinuit(ミニュイ)様(公式サイト

====================

雨宮想一は、大学の夏休み前に付き合っていた彼女に別れを告げられ、カメラを片手に旅に出た。
向かったのは、彼女が以前、興味があると口にしていた土地だった。
ふらりと入った山の中で、雨に濡れた紫陽花の花など撮るうちに、ふと、視界に倒れた人の手のようなものを見つけ、そこに近づこうとして斜面を滑落してしまう。
意識を失っている間に、不思議な美しい人形の少女の夢を見て気が付くと、どうやら麓で医師をしている久坂氏に助けられ、治療を施されていたようだった。
怪我が治るまで、久坂氏の家に世話になることになった想一は、不思議な縁で導かれるように、その家の娘である紫津子…そして、夢に出てきた人形・オルタシアと出会う。


雨の雰囲気と静かな音楽が、プレイしていてなんとも癒しをくれるノベルゲーです。
人形のような美少女・紫津子と、人間のように喜怒哀楽の激しい人形・オルタシア。
ちょっぴり背徳的なムードと、それぞれの愛憎がうっすら漂う屋敷の中で、彼女たちだけがどこか純粋で可愛らしい。

主人公が男の子で、ルートが紫津子&オルタシアで選べるせいか、もうちょっと突っ込めば男性向けにもなりそうな気配のあるゲームでした。
とりあえずオルタシアが幼げで可愛いぞ!

エンドは4つ。
途中のみっつの選択肢で、紫津子を選ぶかオルタシアを選ぶかで分岐します。
…まあ、どう選べばどういうエンドになるかは、大体予想がつくと思いますが…
バッドはどちらもホラー?というかスプラッタ度が強めなので、苦手な人はちと注意。

トゥルー?エンドには、スタッフロールのあと、後日談が入りますよん。
主人公のそーいちくんの顔は、ここでしか拝めないので必見です~


さほど長くなく、分岐も複雑ではないので、サックリ物語を楽しみたい方におすすめです。
人形っぽい女の子との恋愛ものが好きな方にはとくに良いかと!


アントールの犬

2018-05-16 00:08:23 | フリーゲーム(ノベル)
「アントールの犬」
無言劇・字の無いノベル・犬好きの犬好きによる犬好きのための作品
制作者:3色ぱん様(公式サイト

=================

「狂い月」と同じ作者さん(というか、サークルメンバーの一人の方)の作品になりますー。
ほぼ一年くらい前にアップされていたんですが、こちら、公式サイト内だけでひっそり公開されていたため、私が気付いたのはかなり後…半年以上経ってからでした。

何かタイミングを外してレビューしていなかったのですが、今回、過去DLゲームの入ったファイルを整理していて、目に付いたのでご紹介ー

モノは一本道のADV…ノベル?…ドラマ?
特に分岐や選択肢があるわけじゃないので、とりあえずノベルに突っ込んでありますが、いやコレ、ジャンルに迷いますねえ…
むしろイメージが近いのは無声映画…かな。
状況と細かな動作…パントマイムで、とある人物の一生を追っていく形の作品です。


些細な日常生活の一コマの中で、彼の隣に常によりそうのは忠実な愛犬。
子供が生まれ、少年になり、青年になり、恋人ができ、結婚して、また子供が生まれて…
一人のヒトの長い長い一生の中、種類を変え姿を変え、何頭も何頭も。
ただ、一緒に過ごす時間、一緒に歩いていく日々を繰り返し…愛情と思い出だけを残して、やがて去っていく…

「ただ、一緒に歩いただけ」っていうモノローグがカッコイイ!
ヒトと犬とは、種族も寿命も違うけれど…それでも、一時、同じ時間を共有することはできるのですね。
プレイして、なんともいえない余韻を残すゲームでした。
いやぁ、これは犬好きにはたまるまい!
私自身は、犬は好きでも嫌いでもないんですが、それでもじわ~っと来たものね。
主人公?と愛犬の、なんともいえない距離感というか、空気感がすごくイイんですよ。

…つみきのいえ、ってあったじゃないです?
水に沈んだ家が積み重なって、その時々の家族の姿や思い出がそこに残されているやつ。
形は違うけれど、アレと同じようなノスタルジックな気分になってしまう作品でした。

時の流れは、不思議と、物理的な「距離」に近い感覚を呼び起こしますね~
ときに振り返って「ああ、いつのまにか、こんなところまで歩いてきた」って気分になるの。
まあ、距離と違って、戻ることはできないんだけど。


で、シナリオの良さに負けないくらい、スゴイのがグラフィック!
三色ぱんさんは、狂い月でも美麗なグラフィックやマップを魅せてくれていましたが、ドットの表現力も群を抜いていますね~
たぶん、背景から何から、全部これ自作でしょう?
登場人物や、いろんな種類の犬たちのドットの作りの細やかさと、生き生きした動きは必見です。
また、キャラクターだけにとどまらず、彼らの過ごす「家」や、周囲の景色が、時代に合わせて移り変わってゆくのも良い!


小品ながら、全てにおいて手がかかっている…作者様の想いがこもった良作品でした。
どうして、もっといろんなところにアップしないんだろう?勿体ないなぁ…


それなりに大人な年齢の人…そして犬好きな人におすすめしたいゲームです。
じっくり、ゆっくり、大切に…味わいつつプレイしてみてくださいまし。


紅く追憶の水葬

2018-05-08 12:46:52 | フリーゲーム(ノベル)
「紅く追憶の水葬」
推理ADVノベル・多重構造の謎と嘘
制作者:kotonoha*(蒼木ことり)様(言葉の書庫)キャラデザ:つれ様

==================

ラハの人・kotonoha*様の新作になりますー。
計算されつくした戦闘システムや難易度調整で、戦いごたえのあるゴリゴリのRPGだった「ラハ」シリーズから一転、今回は「文章」に重きをおいた推理ノベルへの挑戦でした。
シナリオの作りの良さにも定評のあるかただけに、今回も独自性のある「場」を作られてますんで必見ですよ!

ゲーム内容としては、普通に…シナリオの途中にある選択肢を選んでいくだけ。
そのすべてで正しいものを選んでいけば、トゥルーにたどり着ける仕様です。
選択肢でのセーブも可能なので、全ポイントでセーブしておけば、クリアはそう難しく…ない…?

…いや、私はけっこうクリアまで時間かかったんですけどね…orz;

推理ゲームほんと苦手なんですよ。
推理小説は読みますし、作者さんの仕掛けにハマりながら、最後に「そういうことだったんだ!」って思わされるのも大好きなんですが…自分で推理しろってなるとねぇ…
考えれば考えるほど、こんがらがってわからなくなってしまう。
…思えば私「この中の誰かがウソをついている」系の謎解きも不得意なんだわ…;

特に今回は、二重三重に知るべき「前提」と解決すべき「事件」があって、よけいに惑わされました。
ほぼ全選択肢総ナメでクリアした、推理のスの字もないプレイスタイルです。ははは;
いいの。私にとって推理小説は、作者さんの思考の形を愉しむものだから。
翻弄されてナンボですよええ!!

さてさて、今作の主人公は記憶喪失で入院している、名もない人物です。
わずかに心に残っているのは、血に染まった曖昧な記憶と誰かの悲鳴。そして自身の血への渇望のみ。
身に付けていた漆黒のコートはまるで不審者の装いで、一体自分が何者なのか、判断がつきません。
行き場のないまま入院生活を過ごすうち、やがて主人公は、ふとしたきっかけで紅家の令嬢・静莉に出会います。
静莉は重度のミステリーマニアにして、当の本人も「刹那の探偵」としていくつもの事件を解決し、世に知られる存在。
彼女に気に入られた主人公は「オセロ・カーディナルロート」の名を与えられて、記憶が戻るまで、その屋敷でお世話になることになりました。
しかし、オセロが屋敷に来てすぐに開かれた、静莉のバースデーパーティの夜。出席者の一人が殺される…という事件が起こります。


シナリオ面では安定の仕上がりでした。
途中でさんざん、十戒とか出てきた割には設定にファンタジックな要素がありますが…プレイしていただければわかるとおり、推理自体にはあんまり影響しないんですよね。
たとえば、本来なら聞こえないはずの声を聞くことができたとしても、そこで得た情報は現実的な範囲なので…超常的なフライングはない。
強いて言えば、主人公が記憶喪失のため、本来「語り手」が知っているはずのこともプレイヤーには隠されている…というのはちょっとギリギリ感があるかなあ。
特に、登場人物の一人が身に付けていたアレについては、過去の記憶のフラッシュバックか何かで、一瞬でも画像が出てたら、かなり違うと思うんだよねん…

まー、謎解きに関しては…これ以上語ってはいけない部分なので割愛。
選択肢は、事件に関する部分が何カ所か…あとは、主人公の「血」への姿勢が主に問われます。
主人公が最初、やたら物騒な印象なので、血に関する部分では迷いが出るかと思いますが…
とりあえず自分を信じてみましょう。

えーと。あとはグラフィック?
RPGの時はデフォのキャラグラを使っていたのですが、今回はオリジナル!
絵師様を迎えて、美麗な立ち絵をつけてくれました。
立ち絵の微妙な表情付け良いですね! 薄く笑う静莉ちゃんがとても印象に残ります。
あと、ところどころ入る一枚絵がとても良かった。
静莉ちゃんがオセロに押し倒されてるところとか、おお!?と見入ってしまいましたです(←どこを見ているw)
後半の、オセロの素顔も端正でイイ!
フードで隠しているうえ、途中で素顔に何か…?と思わせるようなシーンもいくつかあったので心配しましたが…そういうことだったのね~

ノベルゲームはもともと、文章がメイン。
とはいえ、ゲームとして公開するなら、グラフィックは重要だと思いますです。
だって、本当に文章だけなら…わざわざゲームにしなくても…?(とか言ってしまったら暴論か?)
いや、まあ、とりあえず文章だけだと、とにかく最初にこれをDLしてプレイしようと思うまでの切っ掛けがなかなか…ね。
サムネに文字が並んだ絵面では、内容の面白さはわかりませんから…「軽い小説」だって表紙絵で選んで手に取る人が多かろう~
そういう意味でも、今回はかなり効果的だったし、人を惹きつける、魅力あるグラフィックだったと思います。



そして、トゥルーエンド後に、最後に追加される「オマケなエピソード」は、本筋の重さがウソのように明るくて和気あいあいとしていて素敵でした。
そういうノリの日常話も読んでみたい気分になりますねえ。
これって、この一作で終わりなんでしょうか? 
何かキャラと設定が勿体ないっすね…シリーズ化とかしないかな~












主人公の能力……もしかしてその人の健康状態チェックとかもできたりして。
脂っぽいとかもっと野菜喰えとか、薄いからタンパク質多めにしなさいとか。
病気の発見もできたりしたら便利そう。

Scarlet illusion -Episode1:崩壊の螺旋-

2018-03-23 00:00:06 | フリーゲーム(ノベル)
「Scarlet illusion -Episode1:崩壊の螺旋-」
ノベルゲーム・主人公踏んだり蹴ったり
制作者:キサキシノ様(Shino~n~Side

=====================

没落した貴族の出である主人公・アエリは、生活のため、王城のメイドとして働くこととなった。
仕える相手は、不吉な噂の絶えない異端の科学者・ニコラ。
癖の強い性格のニコラに戸惑いつつ、庭で出会った王子の優しさを支えに真面目に働く日々だったが、やがて、王城の中では残虐な殺人事件が起き始める。

という感じの…とある国の、城勤めのメイドさんの身に起こるアレコレです。
殺人事件そのものは、あまり意外性やヒッカケはない素直な作りで、ああ、やっぱり…?という結末になりますが、その先の…王様のキャラがものすごく意外でした。
ラスト付近になるまでまったく出てこないキャラですし、それほど重要でもないのかなと思っていたら…
怒涛の展開にびっくり。
そこまでやるの?王様!!

エピソード1、ということで、おそらく続き?があるのだと思いますが…
エンディングでは、ほぼ登場人物がアレなことになってますのでね。
果たしてこの先、どう続くんだろう?と、逆に興味が沸きますね~

とりあえず、アエリちゃんと王子の関係が最後まで明かされなかったのが気になります。
そのあたりの設定、今後、何か鍵になったりするのでしょうか…


グラフィックは仮…とのことですが、それでもかなり美麗です。
アエリちゃんの憂いを含んだ表情がたまらない!
個人的にはキッツイ性格の赤毛のメイドさんも好みだなぁ









前作「MAD☆KNIGHT」との温度差が激しすぎて、思わず作者名を二度見してしまいました。

前作はこんな感じの話です。
最初から最後まで、ずっとボケツッコミハイテンションで進むので、人を選ぶゲームではあるかな…
私はMADの強烈なキャラがものすごく好き。ポテチ喰った手でコントローラー触るのやめれww


ととと ~私と狐と/十月十日と/さと帰り~

2017-12-22 03:27:44 | フリーゲーム(ノベル)
「ととと ~私と狐と/十月十日と/さと帰り~」
ノベルゲー・乙女+異形+忍者+SF
制作者:伊藤トモオ様(Kontiki

===================

同じ世界に暮らす3人の主人公たちの生き様を、それぞれの視点から描くノベルゲーです。
ざっくり一話目のあらすじを言うと…
とある忍者の里にある日突然やってきた正体不明の謎の女が、弟子入りを迫る話?かな?

これだけ聞くと、日本の武士の時代の話かしら…とか思うかもしれませんが、話が進むにつれ…
また、別な主人公の別視点の物語になるにつれ、いったいいつのどこの話なのか、どんどんわからなくなるという…^^;
つまるところ、この世界はこういうものなのだ!と丸飲みして、ここは日本によく似たまったく別世界の話、と捉えた方が良いかもしれませぬ。

ちなみに、混然としているのは時代考証ばかりではなく…ジャンル分けも、かなり難しい作品でした。
うーん…強いてあげれば…女性向け…?でも、それにしては、あのラストは相当シビアだったし…?
どうとらえれば良いのか悩みますねぇ。


とりあえず、3部構成の物語のうち、最初の一話はいちばんほっこりした話でした。
主人公のアッコのゆるーい口調と性格がなんとも自然体。
まっすぐ素直に、そして一途にククを想う姿が、なんとも可愛らしい。
この章と、一番最後の章での彼女の、『ヒトとは違う』ものの考え方や達観した態度の描写も良かった。
ラストも希望のある終わり方で、ここだけなら、乙女でも通じる感じの話運びでした。

2話目、3話目は、一転して、話がやや陰惨な方向に。
2話目は1話目より過去の話。3話目は1話目より未来の話になります。
この2話目3話目、ネタバレになってしまうので、詳しく話せないのですが…
3話目より先、さらにさらにずっと未来に…どうか、幸せな結末が待っていてほしい、と切に思います。

…しかし、ククは一体いくつなんでしょうかね???
この話、登場人物の年齢もボンヤリボカしてて、よくわからないんですが…
たぶん小学生くらいで最初の仕事に行って…そこから3年…15、16くらいでイモリと再会…
アッコとリセが会ったのは、リセが子供のときで…やっぱり10~13才くらいかなぁ
おおざっぱに考えて、30代初めから半ば…ってとこですかね。おお、確かに童顔。

なんとも捉えきれない世界観でありながら、不思議な魅力のある作品でした。
欲を言えば、それぞれの登場人物の顔グラが、もっと見たかったかなぁ。







2話目と3話目は、ある意味、人間の業を語る物語だったようにも想えます。
(特に3話目。仲間想いの、情に篤いヤンキーの暴走って、すっごい迷惑!)

1話めがとてもキレイな話なのは、きっとアッコがアッコだったから。
もし彼女が普通の人間であれば、これほど純粋であれたかどうか…?

ぼくの帰る町

2017-10-21 00:06:56 | フリーゲーム(ノベル)
「ぼくの帰る町」
ノベル・アメリカ映画風・スタンドバイミー
制作者:長根様(ナガネギ舎

===================

学校でも家でも苛められ、いつも殴られているマック。
学校が長い夏休みに入ったその日も締めくくりとばかりに殴られて、ついに我慢の限界に達した彼は、誰もいなくなった後、「あいつらなんて殺してやる!」と口にする。
そこへ、ふいに現れた少年セオドアは、軽い口調でマックを宥めたあと、その殺人計画に自分も協力すると申し出た。
そこにどんな思惑があるのか、なんのためなのか…本心を見せないセオドアのペースに巻き込まれるようにして、マックは穴だらけの殺人計画を練り直し、準備を進めてゆく。



水彩っぽい塗りの、美麗なグラフィックで語られるのは、アメリカの田舎町?を舞台にした、少年たちの青春物語。
この方の前作も、少年同士の友情をテーマにしたものを作られていて、それも雰囲気がかなり良かったんですよね。
スタンド・バイ・ミーの雰囲気が好きな方なら、きっとこの作者さんのゲームは好みだと思うな。

淡い色彩のグラフィックはふわふわして現実感がなく、彼らの「計画」すらもどこか架空のもののよう。
なんとなく、この物語自体が誰かの過去の回想か、思い出のようにも見えて、どこかノスタルジック。
シナリオそのものは「殺人計画」に沿って進んでいくんですが、セオドアとマックの少年らしい会話や、アメリカンなジョークを交えた軽口が心地よく、ハートフルな仕上がりです。

いや、子供の世界って過酷だわあ…自分の力で生きていけないうちは、与えられた環境にしがみついて順応して、必死に大人になるしかない。
そして、マックとセオドアは、ちょうどティーンエイジャーにさしかかる年頃で、ただ泣いているだけの子供ではなく、さりとて、自分でなんでも決められる大人でもなく。
まだまだ「作りかけ」の心と体でなんとか現状を変えようとあがく姿が、時に強く頼もしく…また時には哀しくも見えました。

最終的に、彼らが現実と、どうカタをつけていくのか…
その答えは、皆さんが自分の目で確かめてみてくださいな。



なにしろ、物語は夏休みの…ほんの短いインターバルの中の出来事です。
この休暇が終われば、もしかしたら、また打ち伏せられて絶望するときもあるのかもしれない。
けれど、それを一緒に受け止められる誰かが、そばにいてくれるなら…もしかしたら?

セオドアとマックの友情に幸あれ。
とても、読後感の良い物語でした。お勧めですよ~



フユツバキ

2016-12-14 13:18:32 | フリーゲーム(ノベル)
「フユツバキ」 ノベル・心中もの
制作者:ミヤマスズ様(BismuthWare

====================

時代は昭和初期、第二次世界大戦より少し前のころの…
青年と少女との心中物語、です。
身寄りを失った幼い女の子が、それでも誇りを失うまいと必死に生きて、結果悲劇に至る。
そんな少女に惹かれて、運命をともにする青年。
花なら散り際、人は死に際。誇りを重んじ、潔きことを愛でる。
こういうのを美しいと感じるのは、日本独自の感性かもしれないですね~

その時代にあっては、ほかに道がなかったゆえの選択だろうとは思いますが…
いまの感覚での彼らは、高校生と中学生くらい。
誇りに準じて死を選ぶには、いささか早すぎるようにも感じます。

まあ、若くて、まだ余計なことを知らないからこそ潔くいられる…とも言えますが。
だからこそ、美しくも哀しく感じる物語でした。

エンディングは二つ。
青年…秀次が覚悟をもって幸についていくか、
当たり障りなく過ごそうと思うかで分岐します。

印象に残るのは、トゥルーエンドルートの「幸の在り方が好きだ」というその言葉。
それこそが幸の心を開く鍵であり、また、
それ以外の選択を断ち切る刃でもあったことが、なんとも物悲しい。
「在り方」を通せば、おめおめと生きてはいられず、
それを捨てれば「好きだ」と言われた幸ではいられないという。

秀次はまさかそんなつもりで言ったわけでもないのだろうけど。
あれが最後の一押しになったと思うと、ちょっと複雑な気分に…


毒式エンカウント

2016-08-06 08:38:55 | フリーゲーム(ノベル)
毒式エンカウント」 特殊部隊モノ・ガスマスク・中身はイケメン
制作者:しょうが100%ゆず(すざ)様(生姜or柚子

=========================

3日間の休暇を楽しむために、
真夏のリゾートホテルにやってきた女性、浅葱あかね。
しかし、これから存分に楽しもうというその時に、
いきなり有名アイドルが部屋に入ってきて…
そのまま死んでしまった!?
何が何だかわからないまま、死体と一緒に部屋に監禁され、
窓の外からはガスマスクの特殊部隊が銃で狙っている状況。
天国から一転、地獄。
これから一体どうなるのー?…みたいな?

物語の出だしのチャプターは、あかねちゃん目線で始まるんですが、
彼女は最後まで、巻き込まれた被害者的な立ち位置。
本作の本当の主人公といえるのは、特殊部隊の面々ですね~
青い海!澄んだ空!そしてガスマスク!←w

真夏のリゾート地に、黒づくめのガスマスクの一団って、
アンマッチすぎて面白い。(そうとう汗臭そうですけどね!)
それぞれがコードネームで呼び合ったり、
作戦行動の指示を出したりする姿が、かっこ良かったです。

スティンガーとシーザーのコンビと、隊長とのやりとりも面白かった。
そして軍医最強。

ボリュームもそれほど長くなく、読みやすい感じ。
惜しいなと思うのは、立ち絵っぽい絵が出るのに、
文章が全面に被さって表示されることかな。
せっかくのガスマス…いえ、見場のいいスクショが撮りづらいっすよ。

あと、一度クリアすると選択肢が増えたりしますが、
そのほとんどが、メインシナリオに関係ない途中エンドなのが物足りない…
余計なことを言って墓穴掘るスティンガーはすごく可愛かったけどね。
メインシナリオが手堅い印象で、あかねちゃんの影が薄かったから、
てっきり分岐で、別なルートに行けるのかと…ね。

とはいえ、この追加エンドの一部は、ある意味「本当の真相」がわかる話でもあります。
もうちょっと、これ、ボリュームのあるルートだったら嬉しかったかも…



最終的に、顔バレ?するのは一人(スマホ画面入れると二人?)だけですが、
きっと他のメンバーもそれぞれイケメンに違いない…!
おまけを見ると、あの子もお仲間に入るっぽいし、
もしかしたら、続編出るのかなぁ…?

ガスマスクが好きな人には、特におすすめですよ!