鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

群青ノ雪

2017-02-28 08:39:26 | シェアゲーム
「群青ノ雪」 
シェア乙女ゲ・大正時代にトリップ・惨劇の過去を改変せよ
制作者:サークルStellatica様(群青ノ雪公式サイト

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規約が見つからなかったんで、スクショは公式に公開されてるスチルからいただきましたー。
…フリー版もあるから、たぶんゲーム画面出しても大丈夫だとは思うんだけど…念のため…

このゲーム、最初は2014年冬に頒布予定でした。
開発中から楽しみにはしていたのですが、そこからどんどん完成が伸びて…
やっとこのたび、公開の運びに!どんどんぱふぱふ~♪
いやぁ長かった…実に長かった…!

ゲーム作成は時間と手間のかかる作業ですからね…
制作途中で作者さんたちのリアルの環境や状況が変わってしまい開発中止になることも珍しくはありません~
これ面白そうだな、と思って楽しみにしていた開発中の情報ページが、ある日突然ばっさりなくなる…とか、誰しも経験あるんじゃないでしょーか。

でも、もとより、同人ゲームは作者さんが趣味で作って、好意で公開してくれているもの。
それに対して、プレイヤーが何を言う権利もございませぬ。
正直、このゲームはもう完成はないのではないかと、内心諦め入っておりましたので…
それだけに、完成と公開のお知らせが出た時は感無量でした。


主人公の七瀬ちゃんは17歳の女子高生。親に片付けてくるよう頼まれた蔵で古い日記帳を見つけます。
開くと同時に、不思議な声に導かれるように吸い込まれ、気付けばそこは大正時代の日本でした。
その時代の常識など何も知らず、寝るところもお金もない七瀬ちゃん。季節は冬で外は雪、薄い制服一枚では凍えるばかり。
偶然知り合った金髪の青年、鷹見冬真に「記憶喪失」だと主張し、なんとか鷹見家のメイドとして勤めることになったものの…突然現れた怪しい女として、冬真の兄・司や、使用人の藤間、主治医の荻原からは疑いの目を向けられる日々。
唯一優しい冬真の思いやりに救われるうち、七瀬はだんだんと彼に惹かれていきました。

そして…運命の2月23日。鷹見家の別荘に、メイドとして同行した日。
陰ながら鷹見家を覆っていた悪意が露わになり、惨劇の幕が切って落とされます。

惨劇までの鷹見家の時間を、幾度も繰り返し再生する日記帳。
犯人は一体だれなのか、なんのために鷹見を恨むのか。
果たして七瀬は、その謎を解き、悲劇を防ぎ、お世話になった人たちを…冬真を助けることができるのでしょうか。


体験版でプレイできる序章では冬真くんとの絡みが多く、ごく普通のトリップ乙女っぽい感じですが、
本編に入って、他の人のルートに入ると、いきなり推理サスペンスとかバイオレンス色が強くなります。
ルートごとにカラーが違うので、飽きずに周回できました。面白かった!
冬真、藤間、司のエンディングを迎えると、最後の一人のルートが開きます。
まさしく、全員が救われるエンドで締めくくられ、幸せな気分で終われました。

七瀬ちゃんは、タフで根性あっていいですね~。
何があっても諦めない子、好きですよ!

冬真くんは安定の王子様キャラ。
ソフトな優しさと適度な強引さで、一番乙女らしいルートでした。
キャラエンドでビックリの選択をしてくれましたが…なかなか苦労しそうですね;

藤間さんはお兄ちゃんポジション。
酸いも甘いも噛み分けたオトナの落ち着き!
彼のルートは、この世界の作りと謎に迫る、内容の濃いシナリオです。
本編では七瀬ちゃんにとって、唯一無二の頼れる味方となってくれました。
キャラエンドは…よくぞ長い時間を待ちました!って感じかな。

司さんは…見た目通りの俺様キャラですねぇ。
このルートは、あとから追加になったんだったかな。
乙女としては、やや甘さ控えめのシナリオながら、鷹見家の秘密について語られる、重要なルートでした。
キャラエンドは果たしてハッピーなのかどうか…ある意味悲恋っぽい感じ。
まあ、弟とエンディングを被るわけにもいかなかったのだろうしな…

そして最後の一人…は、ある人の救済ルート。ネタバレると面白くないので内緒で。
彼のルートは冬真くん以上にグイグイ来るので覚悟してね!


キャラグラもスチルも綺麗で可愛いし、立ち絵がよく動いて、表情豊か~
ボイスもそれぞれによくあってると思います。
ただ、初期はBGMの音量がやや大きめなので、少し落としたほうが声を聴きやすいかな。

いろんな意味で待った甲斐がありました。面白かったです^^
フリー版もありますが、一部ルート制限がかかっているようなので、個人的には、シェアをお勧め。
値段もそんなに高くなくて、お手ごろだと思うよん。

少女勇者と魔王様

2017-02-25 22:33:59 | フリーゲーム(ファンタジー)
少女勇者と魔王様」 
レベ上げのいらないRPG・乙女向け
制作者:サークルRomanceLoid様(twitter

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ごく普通の村で、ごく普通に暮らす、ごく普通の少女ミルフィ。
ある日彼女のもとに届いたのは、なんと王様からの召喚状。
そこに書かれていたのは「勇者となって、悪の化身である魔王を倒しに行ってほしい」というとんでもない命令だった…!?

何かすごく可愛かったわ~^^ほのぼの♪
出てくるキャラはみな無条件で主人公に好意を抱いているのは、乙女向けゲームのお約束!
でも、それだけではない魅力でシナリオを引っ張っていくのが、ミルフィちゃんの素直な目線です。

最初、バカボンパパみたいな口調で喋るヒロインの姿に、これは珍しいタイプだなぁと思ったんですが…
魔王は存在自体が悪と口々に言う村人の話を聞いて『会ったこともない人のこと、どうして悪く言えるのだ?証拠もないのに』と入るモノローグで、一気に好感度があがってしまいました。
うわさ話や、周囲の根拠のない常識感に惑わされずに、自分の目で見極めようという姿勢はとても好きです。この子可愛いなぁ。

「倒せとは言われたけど、殺せとは言われてないのだ!」
「そんなとこに全力出さないで、目の前の問題に立ち向かえなのだ!」

天然な雰囲気で、魔王相手にもズバっ☆と滅多切り!する姿は微笑ましくも痛快でした~^^
そんなミルフィちゃんにベタボレの二人も、なんとも可愛い。
「りぼん」とか「なかよし」的な少女漫画に抵抗のない方はぜひプレイしてみてね~


一応RPGなんですが、レベ上げは必要ありません。
王様のところで、困らない程度のステ上げはしてくれますし。強い武器もくれますし。
ヨロイは道端で良いの拾えますんで、無理して買う必要はない…かなぁ。
ただ、お金だけは必要になるので、探索は手を抜かずしっかりと!
魔王戦直前のワープポイントに入ると、その奥にステ上げアイテムを売ってる場所があるので、そこで簡単にパワーアップできちゃいますよ^^
詳しくは、DLファイルに攻略メモが入ってるので、そちらをどうぞ!




実は攻略対象??の二人だけでなく、王様や鳩までフルボイス…!!
冒頭、王様がフルで喋ったときは思わず笑ってしまった…!


ビブリオテーカ

2017-02-24 22:47:03 | フリーゲーム(ファンタジー)
ビブリオテーカ 全年齢版
地底脱出ADV・ちょっと工口
制作者:持平勇賢様(カンテラの喫茶店

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「アデル」と「屍のメイソン」の作者さんですね。
今回は、マップ・ドット・プロローグ部分に至るまで、凝った作りで良かったです~
キャラグラはもともと魅力ある方だったけど、今作はより整って綺麗になった印象。
色調も背景との違和感がなく、キャラが浮いて見えないのがいいですね!



舞台は地底世界プロフォンドム。
かつて戦いにあけくれる地上を捨て、地下で生きることを選んだ人々が暮らす平和な世界。
彼らは地下資源である「魔力」を使って何不自由ない生活を送っていた。
しかし、プロフォンドムの創世記には、理想郷として地上世界の素晴らしさが説かれ、憧れを持つものも少なくはない。

図書館でメイドとして働くユリアもその一人。
地上について研究している姉を持つ彼女は、図書館館長を務めるルーカスにお伽話だとからかわれながらも、いつか実際に地上世界の花を見たいという夢を持っていた。
そんなある日、ユリアの姉が「図書館にあるという地上への出口の話を聞きに行く」という書置きを残して姿を消し、ユリアはルーカスを頼って夜の図書館へとやってくる…



このゲーム「全年齢版」と銘打ってあるとおり、他に年齢制限版もあるとのことで…
全体的に、ちょいと工口めの会話が多く、ルーカスのセリフはほぼ下ネタ一色。
ただ、なまじ、そのものズバリのシーンがカットされて、そういう場面のグラは一切ないため、ルーカスがひたすら全てをシモに結び付けて喋る、思春期の中学生みたいな感じになっちゃってて不憫…^^;

とはいえ、壮大な世界観と、上手なシナリオ構成のおかげで、工口抜きでも十分楽しめました。
RPGとしては簡単なレベルと作者様は仰ってますが、一戦闘ごとに全回復するHPに比べ、MPはアイテムでしか回復できないんですよね。(…できないよね?回復ポイントってなかったよね?)
しかもMP回復はなかなか手に入りにくいアイテムのため、それなりにレベルを上げ、雑魚を物理で殴り殺してアイテムを温存して進まないと、中ボス?戦でMP枯渇して困るかも~

ラストは……かなり意外な展開でした。うん、面白かった!
ユリアが動揺から立ち直って心を決めるの早すぎ、とは思いましたが…
考えてみれば、全年齢版はエピソードがゴッソリ足りないんですもんね。

こうなると年齢制限版が俄然気になりますねぇ…!
作者様サイトには特に情報出てなかったけど、シェアなのかな?
それとも裏夢現あたりで公開するのだろうか…
公開したら、ぜひプレイしてみたいと思います~


Nightmare+SnowWhite

2017-02-24 11:21:13 | フリーゲーム(ファンタジー)
「Nightmare+SnowWhite」 
探索ADV・ダークな白雪姫・残る多くの謎
制作者:爽様(公式サイト

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人間の魂を書物としてあらわした「魂の写本」。
それは誰もが生まれたときから持っていて、日々の出来事や魂の成長につれて内容が書き足され、完成されていくもの。
作者が強く意識することで顕在化でき、第三者にも読めるようになる。
そうしてできた「写本」の中でも、読むに値すると思われる人生を記したものは専門の図書館に収められ、人に読み継がれることで「永遠の命」を得ることができるとされており、世の人々にとっての憧れとなっていた。

そんな「魂の写本」を扱う図書館の一つ。プレギエーラ大図書館。
主人公・エリックは、謎の手紙の導きのまま、失踪した妹を求めて、そこに足を踏み入れる。



前半は図書館で出会う不思議な人たちと探索、後半はエリックのみで「白雪姫」の本の中の探索と、大きく二つに分かれた物語のあるゲームです。
一応、今作の主人公はエリックなんですが、彼と妹の物語の外側に、図書館の管理者…「フラグメント」達に関する別軸の物語がある気配ですねぇ。むしろそっちが、本来のこの物語のメインっぽい。
ですが、フラグメントたちに関しては、今のところ伏線どまりの内容しか出ていないので、4種のエンディングを全て見ても、多くの謎の残る結末となってます。

ていうか、トゥルーと思われるエンド1の後で、図書館の面々の会話シーンがありますが…
殆ど内容がわからなかったっす; 

「あの女の暇つぶし」の「あの女」はラングの管理人なのか、鏡なのか。
かくれんぼ?鬼ごっこ?してたあの子は、たぶんペローかアンデルセンのフラグメント?
そして結局メリーはどういう存在だったのか…;普通の人間ではなさそうだし、名前と展開からしてラングの書庫の関係者っぽいけれど。

トゥルーエンドの結末こそが、鏡の望みであり、手助けしたw・w・w?とラング?の計画のようですが…
すると、兄妹は、眠り続けるハンプティを起こして、鏡を実体化させるために利用されただけだったんですかねぇ。
なんとなく「こうかなー」というボンヤリ感はあるものの、一体だれがどういう思惑で動いているのか、ちょっとモヤモヤする…
そもそも、書庫の名前とキャラ名が一致してないので、誰がどこ位置なのかサッパリ~。
ハンプティ達に関しては、何か過去の事件と「アリシア」がいろいろ関係しているのだと思いますが…
次作の「眠り姫」では、もう少しそのあたりを紐解いてくれるのでしょうか~?


「白雪姫」の本の世界の設定は、すっきり纏まっていて面白かったです。
世界で一番美しいお姫様は、王子と結婚して、世界で一番美しい王妃になり、世界で一番美しい子供を産む…
この設定は、綺麗にハマっていて、なるほど!と思いました。確かにこれなら、終わらない物語になりますね…

ちなみに私、「塩ゆで」なのに塩がどこにもない!としばらく探し回ってしまいましたが、実は塩は最初からお湯に入っています。そのままゆでればいいだけなのでよろしく!
エンディングは4つ。
ほぼ全てが悲劇的な内容なので、大団円のハッピーエンドが好きな方は要注意のこと。

分岐のタイミングは、ラングの書庫でのメリーの行動と、白雪姫の中で、毒リンゴを持っていけと言われたあとのエリックの行動。
分岐があるとしたら白雪姫に入ってからと思っていたので、最初メリーのフラグを見落として、なかなかエンド1にたどり着けませんでした。




シナリオの中で、重要な基本設定となる「写本」。
コレ、かなり特殊な設定なので、サラっと読んだだけだと「ん?」って思うかもしれない。
とりあえず私は一周してよくわからなくて、もう一周目でセリフや説明をかなり熟読しました。

えーと…自分の魂を「本」の形で物質化できる世界…ってことです、よね。
もともと自分の魂…人生そのものが「原本」で、それを本の形に顕在化したのが「写本」。
じゃあ、白雪姫の本が「原本」ということは…あれは白雪姫の魂そのもの?
「鏡」はもしかしたら、本に憑りついた魔物ではなく…かつての白雪姫の成れの果てだった?

重要アイテムっぽい「純白の写本」もどういうものなのか、今の情報ではよくわかりませんね…
タイトルの無い写本を見て、「知らないだけで、そういう魂もあるんだよ」と作中で語られますが、それを推測できるだけの情報は、まだなさそう…


キュノロドンの牢獄

2017-02-23 01:36:34 | フリーゲーム(その他)
「キュノロドンの牢獄」 ADV・死刑囚に施しを
制作者:サークルpinetea様(公式サイト

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3人の死刑囚に施しを与えるためにやってきたシスター・エナ。
三日間という限りある時間の中で、彼らを癒し、救いを与えることはできるのでしょうか。
…という、なかなか目新しい設定のゲームです~

やることは、市場で買ってきたアイテムを、3人の死刑囚に一日一個づつ与えるだけ。
囚人はみな、死を前にして諦め荒んだ様子ですが、与えるものの組み合わせや順序によっては、やがて心を開いて自らの罪を告白してくれるかもしれません。


私は現在、エンドコンプまであと二つ!
ダモンが埋まらないんですよねぇ…
残っているエンディングは「最期の挨拶を聞かない」パターン二種なんですが、どういうわけか、コイツ、いつも最後にしゃしゃり出てきてしまうんですよ…
何か優先順位が高いキャラなのかなぁ。

とりあえず、コンプしたあとについては作者様も特に言及はしていないようですし…
これ以上の隠し要素はない…のかな??ということで、一足早くレビューをば。


アイテムの種類が多いので、最初はどうしていいか組み合わせに迷うと思いますが、攻略パターンを一人掴めば、あとは大体同じ要領でクリアできます。
作者様のサイトに、ざっくりしたヒントがありますので参考に!
ちなみに、特別な品は4種類ありますが、最後の一つ以外の3種はそれぞれ、3人の死刑囚にとって特別なアイテムになっています。
普通の品は、大体、食べ物系と教会系の2種。
私は最初「聖書やロザリオなんて貰ってもしゃあないだろう」と殆ど渡さなかったのですが←w
なにしろ彼らは死刑囚。自分の死を目の前にして、やはり何かに縋りたい部分もあるようで…
一番良いエンドには、教会系の品は必要不可欠ですのでよろしく!


しっかりした色付けの、あまり漫画漫画していない感じのキャラグラは、重厚なシナリオに合っていていい感じ。
看守さんを含めて皆イケメンなので、何周かすると、一番いいエンドよりもっと救いのあるエンドが欲しくなりますが…私がプレイした範囲では「死刑」そのものは避けられないっぽいですね。
そのシビアさと無残さが、なんとも不思議な余韻を残すゲームになってます。


思えば、同作者さんの過去作「獣の国の花嫁」や「Destroy」も、乙女ゲーとは言いながら、かなりシビアな話運びだったっけなぁ…
興味のある方は、そちらもぜひどうぞ~


追記:作者様がサイトに完全攻略を出してくれました。
   無事ダモン地獄から解放されました。
   ほか二人、教会アイテムそんなに好きだったなんて…;
   食材ばっかり試してたよ;

Myosotis -ミオソティス-

2017-02-22 01:20:32 | フリーゲーム(ホラー)
「Myosotis -ミオソティス-」 脱出ADV・逃げ&ステルスあり
制作者:夜雨ドッド様(ドッド工房

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夜雨ドッド様の新作です。

気が付けば見知らぬ部屋にいた自分。
どうやら、怪物に監禁されているらしい。
怪物は注射器を持って追いかけてきて、薬を打たれると頭がぼんやりしてしまう。
なんとか逃げつつ、この家から脱出しよう!…というお話です。

家自体はそれほど広くないし探索も難しくはないのですが、追ってくる怪物は、プレイヤーと同じくリアルタイムで家の中をウロウロしています。
それに気が付かれないように動くのが案外面倒くさい…
Easyだと怪物の視界が狭く、間に障害物があったり、同じ部屋でも遠くにいると見つかりません。
うまく動いてやりすごしませう。

ちなみにパスコードとなる数字は、新しくスタートするたびにランダムで変わるようです。
二回目以降も探索は手抜きできないよん。


今まではひたすら「恐怖」に特化したものを作られる印象だった作者様ですが、今回はなんともいえない、複雑な後味を残す仕上がりでした。
作中に残されたたくさんの写真とその日付は、そのまま、その家に刻まれた多くの時間をあらわし、かつてそこにあったはずの家族の笑顔や暮らしを彷彿とさせます。

そして今、そこを徘徊するのは、薄気味悪い怪物と記憶を失った少女。
人気のない部屋に響くのは時計の音と、怪物が遠くのドアを開け閉めする音のみ。


自分的にも身近な話であるとともに、つい先日、似たような境遇の同僚が色々耐えかね、問題を他所に任せたばかりでしたので、何かクるものがありました。
ラストがやるせない。

あんまり語るとネタバレになってしまうので、この先は実際にプレイして確かめてみてくださいね。
ごく短い作品ながら、心に残る良作でした。





長く生きるって、ひと昔前は、おめでたいことだったんだけどなぁ…

木陰のアンチクリスト

2017-02-21 19:21:51 | フリーゲーム(ファンタジー)
「木陰のアンチクリスト」 RPG脱出・魔女と弟子と聖職者
製作者:鍵虫様(嫌気性ネオテニー

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「クドリャフカ」の方の新作ですー。

今回の主人公は「魔女と弟子」
モンスターの徘徊する森に閉じ込められた魔女を、その弟子が助けてともに脱出する話です。
果たしてこの「森」はいったいなんなのか。何故主人公の魔女は、ここに連れてこられたのか。
可愛らしい弟子と、飄々とした師匠の微笑ましい会話の陰に垣間見える真実は、物語が進むにつれて明らかに…


…というわけで、最初は何が何だかわからない状態でスタートし、師匠とチコリちゃんの絡みに癒されながらプレイしていきます。
やがて話が進んでいくうちに、世界観やら「魔女」の位置づけやらが色々わかってきますが、ふとした断片に、チコリちゃんの過去を知り、師匠を慕う気持ちを知り、「無貌の魔女」の無貌たる所以を知り…

そして…知ってしまったがゆえに、ラストが非常にせつなく感じてしまう、という。

クドリャフカと同様に、今回も「こうあるのが正しい」という正解のない物語…答えの出ない物語でした。
設定の厳しさと裏腹に、チコリちゃん自身は幸せそうなのが救いと言えば救いかなぁ。


や~それにしても、今回は、戦闘が厳しかった!!
ゆるめモード&MP回復&敵のステ自動表示、と、もうこれでもかってくらい甘い設定にしていてさえ、ラスボスは一筋縄では倒せませんでした。
……これ、ふつうモードだったら絶対にクリアできなかったな…

今作の特徴として、まず、レベルアップはありません。
一部アイテムでHPが多少底上げできるものの…効果は微々たるものなので、主に装備品の組み合わせが、戦闘の肝になります。
そもそも、装備できるアイテムの数が少ない上に、装備アイテムの性能も一方向に特化しているものが多いんですよね。
なので、何を優先し何を捨てるか、常にプレイヤーは考えさせられることになります。
物理・魔法・防御・スピード、の何を一番に考えるか。どんな状態異常を一番防ぎたいのか。
全ステあげられるアイテムは一応あるんですが、そんなに数値としては強くないし…全状態異常を防ぐ「リボン」のような便利なアイテムはないのですー
各々のボスや敵の攻撃に合わせて、一応カスタマイズの方向性はボンヤリあるものの…「これが正解!」という組み合わせがあるわけでもなく。
何を選ぼうとも、常に一定のリスクを負いつつ進んでいく感じは、ある意味リアルで心もとない。

ちなみに私は火力重視型なので、基本は、攻撃力(魔力)アップ&紙防御でいきました。
…回復タイミングを見誤って全滅すること多々でしたにゃ~

一応、ステージごとに謎解きやパズルチックな要素もあるのですが、そんなに難しくありません。
サクっと解いて、ボーナスPtsを貰っちゃいましょう。

204に眠る

2017-02-20 02:39:31 | フリーゲーム(ホラー)
「204に眠る」 ホラー探索脱出・まさかの歩数制限
制作者:sIVA様(公式サイト

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メグミが自分の部屋で夢から目覚めとき、家には誰もいませんでした。
あたりは薄暗く、お父さんもお母さんも、飼い猫のシーも、どこへ行ってしまったのかわかりません。
あまりの静けさに耐えられなくなって外へ出ても、そこには無人の町が広がるばかり。
一体なぜ誰もいないのか。自分にそっくりな、不気味な少女「ユウ」は何者なのか。
謎を解き、進んだ先にある真実を探しましょう。



絵がほんわりしていて、すごく可愛い♪ そして、それに合わせたかのように、声も可愛い^^
最初、単純に「自分の家からの脱出」系なのかと思ったら、どんどん場所が切り替わっていって、いい意味で予想を裏切られました。
自宅→商店街→学校→公園→〇〇と移り変わるステージは、それぞれがしっかり作られていて探索し甲斐がありますぞ~
しかし、それゆえに、このテのゲームをやり慣れている人ほど、ハマりそうなのが「歩数制限」。
リドミにも書いてありますが、一定の歩数を越してはいけないらしい。
各ステージでアイテムやイベント探して歩きまわされるうえ、そこそこ逃げもあるゲームで、これはなかなかツラい設定です。特に学校と、最後の建物のマップは部屋数も多くて複雑なつくり。
公園マップの曲がりくねった道には苦笑しかないっす…
(公園の下半分は意味のないマップ。重要なのは遊具のあるあたりと、次のマップに抜ける上部の道のみ。曲がりくねった道はわざわざ辿る必要はありません)

ちなみに、私の場合、各ステージ最初にセーブ・一度全て探索して手順を確認・ロードして無駄なく攻略、を繰り返し、最後に204号室に入るころで4600歩弱ってとこ?
どのくらい歩いたらバッドなのかな~と、その後、204に入る直前のセーブデータから公園を歩き回ってみましたが、1万歩越えでもちゃんと良いエンディングを迎えられてしまいました。
うーん…案外余裕あるのかな? 一体、何歩がデッドラインなんだろう…
そもそも、越えたら即バッドなのか、それとも最後まで行きついてから別なエンドになってしまうのか。
…まあ、どっちにしても、何も知らずにひっかかったら超ショックなことは間違いないっすね;

シナリオを考えれば、歩数制限…というか、時間制限がつくのは「ナルホド!」な設定だとは思うんですが…
しかし、これだけ凝ったマップなのに、思うように探索できないのはじれったいような気になりますねぇ。
全てとはいかなくても、主要なオブジェクトにはきちんと説明文をつけてくれていることだし…探索ゲーム好きなら、これ全部調べて読んで、あますところなくこの世界を堪能したいよね。


ちょっとわかりにくいかな、と思ったのは、最後のマップで、汚れを拭いて現れる「地図に見える絵」。
特別なしるしがついてるわけじゃないので、どこに注目すればいいのかちと悩みました。
これ、よくよく見ると、二つに分かれたっぽい部屋が…?


MARRIAGE OF DEATH

2017-02-18 23:38:37 | フリーゲーム(乙女)
「MARRIAGE OF DEATH」 乙女?・虫は食べものではありません
制作者:シナリオ 凡崎 川豆様 キャラグラ・スクリプト まとこ様(KARANKO RIC)

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超有名企業の令嬢・毒島花凛はあまりの奇行っぷりに高校退学になって以来、コネで就いた仕事も続かず、栄光のニート生活を送る日々。
しかし、あまりの自堕落さに父親はある日とうとう、最後通告を言い渡した。
「結婚しろ」と。
居心地のいい実家を出ることなど考えられない花凛。だが、厳しく過激な父には逆らえない。というか逆らったら殺される。
必死に考えた挙句、花凛の出した結論は…「婚約者を殺してしまおう」だった。


しょっぱなから、かなりトバした会話で話が進んでいきますが…
4種どのエンドも、結局はハッピーエンドだっていう。
ある意味「逃げられない感」は多少あるにしろ、こういう設定で進めて最後は「ちょっといい話」で締められるってすごいことだわ。

最初は一番「オカシイ人」扱いの花凛ちゃんが実はすごく純粋で純情だったり、隠された過去や設定があったり、いろいろ意外性のあるシナリオが楽しいです。
ルートによっては、一部会話が大変アダルティですが、あまりにも明け透けなので、逆になんとも感じないタイプの展開。むしろ面白すぎる。

…まとこ様の絵を見ると、ついつい「…いつヤンデレ来るんだろう」などと期待 …いえ構えてしまいますが、今回はシナリオが別の方のせいか←w 全体に爽やかな仕上がりでした。
まぁ…婚約者の秋桐くんは、切欠があれば一気にヤンデレ化しそうな気もしますが…;

なんだかんだと懐の深い秋桐くんと、普通じゃないけど純粋な花凛ちゃんには、末永く爆発してほしいと願ってやみません。


Elysion

2017-02-17 00:01:45 | フリーゲーム(ホラー)
「Elysion」 脱出ADV・お兄ちゃんと幼女
制作者:界さけ様(公式サイト

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バイオハザード系の、謎の施設脱出ADVです。
主人公は記憶を失った幼い少女。
ふと気が付いて部屋を出ると、そこは血にまみれてメチャクチャになった建物の中でした。
歩き回るうち、自分の名前が「マルタ」であると知ることができたものの、突然、異常な姿の少女に襲われて地下階へと逃げ込むことに…

導入は、ハード・ホラーサスペンス系だったのですが、いつの間にやら、素敵なお兄ちゃんを実の弟と幼女が取り合う話になっていました。うむ、好み。イイネ!!←w
シナリオはほぼ一本道です。
分岐も、大体見ればわかるというか…予測のつきやすい選択肢なので、迷うことはないはず。

一つ難を言えば、迷路が…地図を見ても何が何だか一目でわからないことですね…;
ただ、やはりここもほぼ一本道で、道を間違えると大体すぐ死ぬので、選択前にセーブしながら進めば大丈夫。


トゥルーエンドに行きついても、いろんな意味で「この先どうしよう」という感じの終わり方ではあるんですが…
マルタの「希望を失いたくない」というセリフが効いていて、不思議とプレイ後の印象は爽やか。
たとえご都合主義と言われようとも、3人には、この先幸せな未来を掴んで欲しいな、と思いました~


後日追記:初回版は2月末で公開停止されております。
     3月末にリメイク版が公開予定だそうですよ~
     どう変わるのか楽しみ!