鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

さようならばと行く方は

2018-07-12 19:51:26 | フリーゲーム(ホラー)
「さようならばと行く方は」
探索ADV・逃げイベントあり
制作者:shizuka様(公式サイト

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嫌われ者の教師・井方に対する、クラスの女子たちの心無い中傷を聞くに堪えず、思わず怒鳴りつけてしまった八辻充。
しかしそれが原因で逆恨みを買い「お祈り様」と呼ばれる呪いにかけられてしまう。
いつの間にか迷い込んだ見知らぬ世界。追ってくる影のような化け物。
同じように呪いにかけられた井方とともに、八辻はその世界から脱出するべく探索を始める。


オープニング数分で、女のイヤなところを容赦なく抉ってきますんで…
そっち側に近い性質を持つ女性には、ちょいと面白くないはじまり方かもしれないかなぁ?
ここは単なる導入であって、決して女子下げの話ではないので、女子の皆様は安心してね!
八辻くんがそこまで「女子苦手」を表するにはそれなりの理由があり、そこが作品上大事なトコだったり^^

主人公は一応、八辻くんですが、主に作中で出てくるのは井方先生と嫁のエピソード。
これがまた、無口で真面目で誠実な井方先生がですね、ひっじょ~!に!イケメンなのですよ!
人に対して媚びることなく、常に己を貫く心の強さがカッコいい。
こんなん、嫁でなくても惚れてまうやろ!!

とはいえ…こうして作品になって、内面を見れば「カッコイイ!」と思うけれど。
実際にリアルな世界で、こういう人を見極めるのは難しそうですね…
嫁は本当に人を見る目があったと思います。
シナリオ後半の姿を見るに、嫁も井方先生と同じくらいカッコイイ女性でした!
同じタイプの人間同士だからこそ惹かれ合ったのかもね~

八辻くんや、嫁のグラが綺麗目なのに比べ、あえて朴訥にした井方先生のグラがいい感じ。
話が進むにつれて、どんどんなぜかイケメンに見えてくるのですよ。人柄マジック!


もう一人の主人公、八辻くんの事情は、やや複雑。
彼は、過去に「お祈り様」がらみのことで、深い後悔を抱えています。
今もトラウマを引きずっている彼にとって、この世界で見る井方の姿はとても眩しいものでした。
…というか、思春期に、素直に憧れを抱ける「カッコいい大人」と出会えるって、すごくレアだし恵まれたことだと思うのよん。
いい意味で、これから生きる「道筋」を身をもって教えてもらった八辻くんは、きっと将来、井方先生に負けないくらいいい男に育ちそうな気がします!


短編ながら、いい話でした~
逃げは何カ所かありますが、難易度は低く、プレイしやすい作品です。
おすすめですよー

ビューティフルメモリーフィルターズ

2018-07-01 00:00:50 | フリーゲーム(ホラー)
「ビューティフルメモリーフィルターズ」
探索ADV・実況者のキモチがわかる(かもしれない)ゲーム
制作者:space debris様(公式サイト

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なんかミもフタもない本音がザクザク出てきて面白いゲームだな!と思ったら…
カラス&ブラック会社のゲーム作った方だったんですねえ。
グラフィックが可愛かったから気付かなかったよ…
でも、言われてみれば、シビアでシニカルな話運びは確かに面影あるかも?

今作の主人公は、何故か異世界に迷い込んでしまったゲーム実況者「テル」。
同じ境遇のホラゲ実況者「ウズ」とともに、そこから脱出すべく、あたりを探索しつつ進んでいくお話です。
普段、二人がやっている「ゲーム」の世界とよく似たシチュと展開。
そこでみつかる、苦しみに満ちた「記憶」は、一体誰のものなのでしょうか?

基本的にはふつーに進んでいけばOK。
途中の謎解きの難しそうなところは、DLファイルにヒント(攻略・EDメモ)が入っていますんで、進めない時はそちらをどうぞ!
エンド分岐も最後のイベントだけで決まるので、謎解きメイン…というよりも、実況者の本音やグチを知るゲーム?といえなくもないかもしれない。

もともと、何かを創作するひとは「受け手」との認識の齟齬に苦しむものだけど。
確かに実況や歌い手さんみたいに「自分自身」を使って表現していくひとは特別大変なのかもねー
字書きや絵師なら、感想も批判も「作品」へのものであって、作者本人へのものではないじゃない?
けれど彼らの場合、何十人~何百人もの「気持ち」を「自分」で受け止めることになってしまうから…

それでもずっと、長く活動してる人って、ほんと凄いと思うわ。

作中の実況者たちは、それぞれに違うプレイスタイルがあって、その対比も面白かったっす。
テルくんは、有名にならなくても、自分のペースで好きな作品を好きに上げていきたいタイプ。
ウズはちょっと野心がありますかね。でも、彼は彼なりのアイデンティティを賭けて実況やってるタイプ。
そして、へりうむは… 
うーん、わからん。彼については、理解の幅を越えております。
いろいろ拗らせちゃったんだな、とは思うけど。
とりあえずわかるのは、彼にとって、実況する「ゲームそのもの」は、あまり重要じゃなさそうだな…ってことだけですかね。

レビューもそうだけど…その活動を通して自分は何をしたいのか、は、すごく大事な気がするよ。
実況を上げる理由は、「その作品を魅力を伝えたい」のか…
それとも「その作品をネタに自分をアピールしたい」のか。
そこを見失うと、へりうむみたいな無間地獄に陥る気がするにゃあ


あ、公式サイトでは、ゲーム内の動画サイト「動画魔倉」関連のブログが置いてあります。
今作でチラっと登場した歌い手さん?や実況者チームたちの対談が見られますよー
てかここは、テルとウズのインタビューもアゲてほしいな!

BMF公式サイトの画面下部にある、ドガマグニュースも楽しい…凝ってるなぁw
「歌わせていただきました」には笑ったw 



面白くも興味深いゲームでした。
実況者が主人公の脱出ゲーム、という言葉にピピっときたかたはぜひプレイどぞー!
















ちなみに、へりうむと誕生日が一緒だった!(爆


五番目の首 -5th HEAD-

2018-06-28 14:43:46 | フリーゲーム(ホラー)
五番目の首 -5th HEAD-
ホラー探索ADV・体を取り換えて進め!
制作者:ひんじゃくごりら様(ひんじゃくごりらのナワバリ

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「なまくびる」で衝撃の世界観を創り出してくれた作者様です。
今回はそこからさらに一歩進んで、なんでもアリすぎる異形たちの世界を垣間見せてくれましたぁ!
あー、面白かった。

主人公は「クチル」と名乗る女性型の異形と「バサシン」(馬刺しん…;)という名前の首のない馬。
ある日森の中で強力な力を持つ同族に出会い、首をもがれて身体を奪われてしまいます。
身体がなければさすがに不便なので取り戻しにいくことになりましたが、後を追ってたどり着いた古城には、同じように体を奪われて、首だけにされて閉じ込められた同族たちが…
クチルは彼女たちの身体とその能力を借りつつ進み、城の中を探索していきます。

主人公は生首で、いろんな異形の身体をとっかえひっかえしながら進む。
…というシュールな物語です。

それぞれの身体には、固有の能力があり、それを使うことで新たな道が拓ける仕組み。
つまりー、新しい身体が手に入るということは、その能力で先に進める場所が必ずどこかにあるってこと。
空を飛べれば縦穴を上下に移動できるし、水に潜れればそこから水路を進んでいける。
飛び道具が使えれば遠くにあるスイッチを入れられますし、ものが押せれば棚の陰にある通路を見つけられる。
いろいろ工夫し、能力を駆使して探索範囲を広げていきましょう。


一応、カテゴリ的にはホラー…ではあるかと思うんですけど。
異形たちの性格がみんなユルユルすぎて、怖いとかそういう感じじゃないんですよね。
結局、彼女ら的には、体を取った取られたとか、そんな重大なことじゃないっぽい?
各所で見られる死にエンドからも、「頭部」そのものが破壊されるとさすがに死ぬようですが、そうでなければ身体は取り換え可能なのかもしれませぬ。

(この死にエンドも、死因によって一つ一つグラフィックが違っていて楽しい)

エンドは一つ。実際にプレイすると「えっ…それで本当にいいの?本当に!?」
という気分になるかもしれませんが、エンドは一つです!
ユルーい異形たちのやりとりを楽しみつつ、最後まで頑張ってみてください。



謎解きで難しいのは…うーん、詰まりそうなのはあそこらへんかね。

「片足つま先立ちなら、トゲの間を移動できるよ」と、
「落ちることができる場所は全て、アカツキの身体で登り降りできるよ」
「登り降りは、基本、その場所からまっすぐ上下。
 降りる位置取りによっては思いがけないところに行けるかも」

前段でも書きましたが、その時の手持ちの身体の特技を使えば、必ず道は拓けます。
セーブポイントはあちこちに多めに配置されているので、いろいろ試してみるとよろしいかと~


血染めのナナ -Bloody 7-

2018-06-17 00:41:15 | フリーゲーム(ホラー)
「血染めのナナ -Bloody 7-」
脱出ホラーADV
制作者:夜雨ドッド様(ドッド工房◆Atelier Dodd

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「Myosotis -ミオソティス」や「Efframai -エフレメイ-」などでお馴染みの作者様です。

当初は「恐怖」に重きを置く演出をなさっていましたが、最近はそれに加えて、ある種の切なさ…物悲しさ、のような複雑な感情を呼び起こす、深みのあるシナリオを作られるようになりましたー。
今回も、調べれば調べるほどにわかる主人公の置かれた現状と、なんともいえない気持になるエンディングは必見ですよー

主人公は、倉庫の奥のような一室で、なんの記憶もなく目覚めた少女。
見知らぬ誰かの通信に導かれながら、「外」への道をたどります。

えー、エンドは3つ。
難易度はそれほど高くないので、サラっとプレイできて、シナリオを堪能できる良作品でした。
最後のパスワードのヒントは左側のクリーチャーがウロウロしている場所の奥にあります。
これは、フラグも何もないただのヒントなので、一度突撃して見てしまえば、もう二周目以降は部屋に入る必要はありませぬ。見た後死んでも、わざわざ見直す必要なはいよー。
最終的にパスは5文字の英単語。
ちなみに「me」は自分のことじゃない!


個人的に、意外性があったのはセーブポイント。
えっ、ここなの!?と思ったし、そこで安らぎを感じるナナちゃんに、最初はびっくり。
その理由については、その後見られるいろんな資料で納得できましたが…
なんというか。彼女の存在を考えると、エンディングの後が……一体どういうことになるのか、ちょっと恐ろしい気もしますねぇ。

どんな姿でも、ただ、生きていて欲しい、という愛情ゆえの行動だったんでしょうが……
本当にこれは、解き放って良いものだったのだろうか、と…

とりあえず、この場所から出ることは、彼女にとって第二の生誕。
ここから出て、自由を得て。やっとこの世界に生まれ出たばかりの彼女が、果たしてこの先、どのように成長していくのか…
彼女がこれから「ヒト」として生きて行けるよう、導いてくれる人との出会いがあることを願いましょう~


死体のドットと描写がチョイ細かいので、苦手な方は注意かなぁ。
とはいえ、決して、怖がらせることがメインのゲームではないので…
興味を抱かれた方は、プレイしてみてくださいな。


湖底の童歌

2018-06-16 01:35:56 | フリーゲーム(ホラー)
「湖底の童歌」
探索ADV・民俗学ホラー
制作者:shizuka様(公式サイト

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大学のゼミの一環で、かつて、水害で湖の底深く沈んだ村を調査しにやってきた、国守和真。
「耳が良い」彼は、人ならぬものたちの存在を、音で感じる特技を持っていた。
神社の息子で、和真よりずっと目も耳も効く友人・真代悠也とともに、発掘調査に加わったものの、そこは案の定、見えない存在がひしめく場所で…初日からまんまと家に幽霊を「お持ち帰り」してしまう始末。
その日は、そういったことの対処に詳しい保護者・黒田咲樹のおかげでことなきを得たが、さらにその翌日、どこからともなく響くわらべ歌に導かれるように、和真は、遠い昔…まだこの場所が水に飲みこまれる前の村へと引きこまれてしまう。


というわけでー。久しぶりの正統派ホラー!
うーん。やっぱり考古学や民俗学と、ホラーって相性いいですよねぇ。
今作は、水害で水底にしずんでしまった村を舞台に、そこにまつわる姉妹巫女の無念と後悔とを解き放つ物語となっております。

水底にそのままの姿で沈んだ建物! 廃墟好きならその言葉だけでも超アガっちゃいますね。
高度成長期にはあちこちで作られていたダム。おそらく、そういう場所はいっぱいあったのでは…と思うんですが。日本の建物は木でつくられたものが多いぶん、すぐに朽ちて原型とどめなくなっちゃうのが残念ですねぇ…

さてさて「湖底の童歌」に話を戻して。
探索中は、けっこうドキっとさせる演出があちこち盛り込まれているんですが、思ったほどは恐怖度は高くありません。
出てくる巫女姉妹幽霊は、怖いってより健気で可愛いし…何より、主人公が一人っきりじゃない!っていうのが、すごく心強いんですよ。
このテの探索ゲーは「たった一人」で無人の屋敷をウロウロしなければならないことが多いんですが、このゲームは、主人公の和真以上に霊感のあるキャラが3人、一緒の世界に入ってきてくれています。
…まあ、探索自体は一人でやらなきゃいけないんですが、何かあっても助けてくれそうな人がいるって、それだけで安心。

ただ、探索の仕方によっては…最後にだけ、少々ゾっとする展開が…!
これは、今後の物語への伏線?続編への布石?らしいので、気になる方は、ぜひともチェック!しておきましょう。
屋敷のあちこちで現れる黒い着物の少女を、すべて見るとフラグが立ちますので、がんばってウロウロしませう。

あ、一応、即死イベントが何カ所かあるので、セーブはこまめにするのが無難…
主人公の「耳の良さ」を駆使すると、危ない場所はある程度察することができるかも…?







主人公の和真くんの身の上や、保護者の咲樹さんには、まだまだ語られない秘密がありそうな様子…
果たして、この続きでは、そこに触れてくれるのでしょうか?
続きが楽しみな作品ですー


てか……まさかと思うけど、咲樹さんて…??

細胞神曲 -Cell of Empireo-

2018-05-30 18:35:02 | フリーゲーム(ホラー)
「細胞神曲 -Cell of Empireo- COMPLETE EDITION【完成版】」
探索ADV・アクションあり・深読みできるゲーム
制作者:鱶尾工業(ふかおこうぎょう)様(公式サイト

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最近、ツイでブツブツ呟いていた細胞神曲、やっとハッピーエンド行きつけましたぁ!
いろいろすばらしすぎて鼻血が出そうです。これはすごい!!


体験版をプレイしたときは、研究所ステージ脱出したら終わりなのかと思っていたんですよね。
しかし、今回の完成版は、そのあと場所を変えてもう1ステージ、さらにそこが終わってもう1ステージ!ルートによっては、さらにもう1ステージ、それでも物足りなくて最後のほうだけもう一度リプレイ!と…なかなかのハイ・ボリュームなゲームになっていました。
こんなにプレイ後に、満足感を感じるゲームはそうそうありませんな~

シナリオも、タイトルどおり科学とカルト宗教が微妙にフュージョンした不思議な感じで、展開に全く予想する隙を与えず、終始プレイヤーをグイグイ引っ張っていく良い仕上がり!
これだけの大風呂敷を広げまくって、それを最終的にまとめあげて、ちゃんと収束できるってすごいっす。

ん? 結局それはどんな話かって…
うーん、そうですね…探偵事務所に勤める頭脳派で華奢なお兄さんが 登場人物みんなに奪い合われるハーレムな話 新興宗教に拉致られて脱出するまでの話。ですかね。

根幹に「神曲」を使っているだけあって、宗教的な比喩表現が多く、敵のセリフや主張が難しい部分がありますが…ま、そこは大体のニュアンスが掴めればOK。
大きな目的としては、もちろん、その場を脱出すること、が一番なんですが…
その合間に『一緒に行動する人たちをどう守るか』と『その宗教では何か行われていたのか』そして『主人公・阿藤くんとその宗教の謎の関わり』を紐解いていくゲームになっております。

がっつり探索・謎解きゲーなのかと思えば、アクション要素・ミニゲー要素もあり、システム的にもメリハリの利いた飽きさせないつくり。

途中の、会話イベントの盛り上げや、戦闘イベントの演出もウマかった!
セリフに合わせて細かく変わるキャラグラの表情や、ドットキャラの信じられないくらい細かい挙動もあいまって、プレイしてて自然と話に引き込まれてしまいました。
てか、マップ上のドットキャラがチラっと横に目線を投げる、とか、しゃがんで相手に手を添える、とか、片膝で座る、とか、ほんと動き細かい。
ドットで「表情豊か」とか感じたの初めてじゃなかろうか。

また、広いマップに配置されたたくさんのオブジェクトは、その殆どに調べたときのコメント文がつけられており…しかもそれが、その時のストーリー進行で細かく変わったりするっていうね!
また、同行しているキャラとの「会話」も、その場その時でないと聞けないものも多くて楽しい。

ちなみに、このテの込み入ったマップが何枚も何枚もあるゲームの場合、通行判定が甘いことも多いんですが、これはそのテの設定ミスがほとんど…いや、ぜんぜんなかった、と思うな。
本棚通って壁が登れるとか、マップの外側歩けるとか…3周しましたが、少なくとも私は気付かなかった。
エンド分岐の細かいフラグ管理もそうですが、総じて、信じられないほど手抜きなく、綿密に…丁寧に作られている印象のゲームでした。

難を言えば、長めの会話イベントが多く、周回プレイするときにちょっとダレるかな~ってとこですね。
特にこのゲームは、クリアデータから引き継いでプレイしないと、到達エンドの記録を引き継いでくれないので。(一応、各チャプターの頭からやりなおせる設計ではあるのですが。その頭に長い会話イベとか入ってるるのが何気に面倒なんだな)
これ、イベントスキップ…あったら嬉しいんだけどなぁ…



さてさて、話を戻して。今作で忘れてならないのが「キャラ自体の魅力」!
主人公の阿藤くん、そして準主役?の信濃くんと磯井くんはもちろん、他の登場人物も全員が、それぞれの正義、それぞれの価値観…それぞれの『譲れないもの』を持っていて、とても個性的でした。
味方だけでなく、敵の皆さんもご同様。残酷で傍迷惑なのに、いろいろ知るにつけ憎めなくなっていきます。

中でも、ちょっとイカれた雰囲気を持つ異色なキャラ、嘉納さんは味のあるキャラでした!
Sルートでの最後の彼は本当にすごかった。
こんなん一生、忘れようったって忘れられない存在になりますわ。

全員憎めない、なんて書くと、誤解されそうですが…べつに「全員、本当はイイヒトだった」って話ではないんです。
むしろ、みんな人間らしい狡さや卑屈さや、弱さや自分勝手さを持って、それを基準に動いている。
正しいとか正しくないとかじゃなく、その時その時の「そうするしかない」選択肢の連なりが、結果的に悲劇になったり、希望となったりしていく様子が、とてもリアルに感じました。
人の為、と書いて偽りと読むのですよ…にんげんだもの!www

なんだかんだと、一番ブレずにまっすぐだったのは警察官のあの人ですかね…
甥っ子は、大物だけどまだ若すぎて、他人を支えるにはちょっとまだ頼りない…ってか頼ったら可哀想な気がするし。
ちなみに、私的には、麗しくて慈しみのある磯井君がお気に入りです。生意気な癖に、背があんまり高くないのもいい!



エンド分岐は…えーと、Sと、A~Eだから…6種? いや、Sのあとのハッピーエンドがあるから7種?
あと、途中死亡のバッドエンドが10個くらい…あるのかな。
これはコンプ関係ないんで、あんまりしっかり見てないんだけども。

このうち、私はE、B、S、そしてハッピーエンドをクリアしています。
分岐フラグが、何気ない会話だったり行動だったりで、とてもわかりにくいです。
また、フラグが立ってすぐに話が分岐するのではなく、その先のチャプターに入ってから、手に入る持ち物が違ったり…イベントの会話が違ったり…という微妙な差異がカギとなるので、攻略を作者様が出してくれるまでは…ほんと迷走してました。
下位エンドの分岐条件の『仲間が何人死んでるか』というのは、すぐにわかる部分だったんですが…上位エンドの条件が見えなくてね…
もう5章6章は、総ざらい・総チェックで何度やりなおしたかわかんない。
クリア自体は3回ですが、そのあたりのチャプターは10回以上往復してるぞい。

で、結局、何が悪かったかって…「手に入れた文書を、アイテム欄から見直す」という一手順が抜けていたせいだったという!
二周目では、中身知ってるからついつい見忘れてたというオソロシイ罠!w

とりあえずこのレビュー書いたら、下位エンドを埋めていこうと思います。
EやBを見た印象だと、それぞれの下位エンドもまた一味違うものになっていそうで楽しみですねぇ。


あとは…アクション難易度?
…うーん。後半がけっこうアクション目白押しなんですよね。
ただ、大体「覚えゲー」だと思うので、得意な人はなんてことない…のかも、しれない?

私がすごく苦戦したのは、蛇淵戦の『柳庇うバージョン』ですが…
これ、結果的に庇わなくてもよさそうな流れ?
てっきり、ここで柳を庇いきらないとSエンドに行けないのかと思ったら、そうでもなさそう。
(というか、庇いきらなくても、その後ちゃんとSエンドに行けました)
とりあえず自分が生き抜けるよう頑張りましょう。

あと、後半の、上から降ってくるツララを避けるやつ!
落ちてくるパターンは画面下部であらかじめ教えてくれるし、それも毎回決まった順序で繰り返すので…
対策としては、覚えて避ける!しかないんですが…
まあ、皆さん大体予想がつくとおり、すっトロい私は苦労しましたよー

ここ、連続してアクションイベントがある部分で、リトライはあっても途中セーブはなく。
一度手を付けたらやりきる!しかない仕様となっておりますwww
アクション下手な同志たちよ! 頑張れ、マジ頑張れ!


シナリオ・グラフィック・ゲーム性…そのすべてが見どころ!みたいな贅沢な作品でした。
まだプレイしてない人は、ぜひとも!一度プレイしてみるべき^^w
激しくおすすめですよー!









「あなたを拘束します」からの会話の流れ…ものすごく妄想がはかどりました。
阿藤さんから離れろ!と刺さってくる信濃、そして横から力づくでかっさらう宇津木まで美味しい!
絶対にこれ…狙ってますよね! …狙ってますよ、ね!! (大事なことなので二度ry)

嘉納さんといい、宇津木といい…いろんなカップリングで薄い本ができそうなゲームでもありました。
そっち系が好きなら、さらにさらに、別な楽しみ方がありそうですぜ奥さん!

満月の夜に

2018-05-21 14:15:39 | フリーゲーム(ホラー)
「満月の夜に」
探索ADV・真エンドはバッドエンド
制作者:鷹羽旦様(猫又は夜に鳴く

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キャラに魅力のある、しっとりしたホラーゲーム「愛霊の贄」シリーズ、そして、全てを振り切った面白さを追求した「やり☆クエ」の作者様ですね~

今回は学校モノの正統派ホラー!
そして、ちょっぴりせつない恋愛を絡めてくる作風も健在です。
「満月の夜に幽霊が出る」という噂の学校に、夜、友人と待ち合わせてやってきた美月ちゃん。
気が付けば、学校に閉じ込められ、そこには不気味な幽霊たちが次々と…
同じように学校に閉じ込められた謎のお兄さんと一緒に、なんとか学校を出られるよう、探索していきましょう。

ところどころに入る実写画面が効果的!
これ、いい使い方ですね… 
このゲームは全体に感動的な雰囲気の作品ですが、本当に恐怖オンリーの作品で使ってくれたら面白そうな効果だなぁ
特に花束の子のところ、すごい怖くて良かった!!^^;
(幽霊さんそのものは、とても性格のいい子なんですが…絵面がめっちゃ怖いんですよ;)

攻略面では…まあ、普通に探索していけばいいゲームなんですが。
フラグが立たなければ必要なアイテムを見つけられなかったり、手に入れられなかったりする仕様です。
一応、調べた時には、フラグが立ってなくても「〇〇が入ってる」的なことは言ってくれるので、アヤしいところは記憶するなりメモを取るなりしておくといいかもね?

「蝶のブローチ」を完成させてイベントを進めると、さらにキーとなるアイテムが手に入ります。
それをなんとかしてエンディングを迎えると、おまけのバッドエンドへ!

…いやあ…このブローチのカケラ、二つしか見つからなくててこずりましたよ…
後で思えばちゃんとヒントはあったんですけど…目で見えるものだけに惑わされちゃいました。
じっくり二周して、やっと三周目で気付いたぞよ……orz
教室名のパネルさえ画面でハッキリわかるのに、まさかそっちの文字が目に見えないとは思わないじゃないか…;

重要ヒントは「日直」です。
一見なにもなさそーに見えてもしっかり探索の手を抜いてはなりません。

…見つかった時は『ここかぁ~!!』と叫びましたね。ええ。


幽霊はたくさん出てくるんですが、全員『心残りはあっても悪意はない』ので、プレイしていて気持のよいゲームでした。
最後は…バッド…ではあるんだけど、ある意味ハッピーエンドともいえる?

ちなみに、バッドのおまけで手に入る不思議な本で、各幽霊?の設定が見られます。
…ここがね、案外……あんまり悪い話じゃない、のよ。
ブローチの子はまあ、死んじゃってるんで、さすがにアレなんだけど、それ以外の人たちは…
いや、まあ、この辺りは各自で実際に確かめてみて?
これを見た後は、出てくる幽霊たちを見る目が変わりますよ~

とても優しく、静かで綺麗なホラゲーでした。
おすすめです。

ギャロウズ横丁の羊たち

2018-05-20 00:37:23 | フリーゲーム(ホラー)
「ギャロウズ横丁の羊たち」
探索ADV・時間制限厳しめ
制作者:なしのもの様(思考実験N

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面白そう!とは思っていたものの、最初の何回かのVerupで続けざまにバグに逢い、修正が落ち着くまで~と寝かせてあったゲームです。
…自由度が高く、イベントも多く、複雑なフラグ管理が必要なゲームだったので多少のバグが出るのは仕方ないのですが…一筋縄でいかないボリューム・難易度のものだけに、繰り返し詰むと、さすがにやる気が……;

その後、詳しくゲームのデータやイベントを調査してくれていた攻略サイト様の助けなども得まして、無事に全てのエンドをクリアできました。
この調査力すごすぎ!!


えーと、ざっくりあらすじを言うと…

自殺するつもりで森に入ったレイチェルという少女が、羊と人外のものとが住む「ギャロウズ横丁」に迷い込み、そこで一週間過ごす話、です。
ギャロウズ横丁には人間は踏み込んではならず、一週間以内にバスの乗車券を6枚集めて出て行かなければ、処刑されてしまう運命。はたしてレイチェルは、無事、ここを出て人間の世界に帰れるのでしょうか…?

って感じの話です。

なんとなーく日々を過ごしていると、あっという間に処刑エンドになってしまうお約束~
ま、そもそもレイチェルは自殺をするために森に入ったわけですから…別にどっちでも結果は同じ、といえばそうなんですけど。
目の前にクエストをぶらさげられれば、クリアせずにいられないのがゲーマー魂。
とりあえず、あたりをうろついて情報を集めるところからはじめてみましょうか…

エンドは5つ。4つの下位エンドは、どれも仄暗くて後味が悪いものが多いのですが、一番良いエンドは、住人の一人の意外な事実が発覚し、心温まる仕上がりとなってます。
結局のとこ人が救われるのは「自分が正しいかどうか」ではなくて「自分の味方になってくれる誰か」がいるかどうか、なんでしょうねぇ…

トゥルー?の最後で、レイチェルちゃんに銃を構える勇気を与えたのは、他でもない彼の存在でした。
ギャロウズ横丁に、レイチェルちゃんが来ることは二度とない…のでしょうが、二人の友情は、きっとその後の彼女の心の支えとなるのでしょう。

他の住人達の事情が、家の中の新聞記事や日記からチラチラほの見えるのも、興味深かったです。
もし私がこの横丁にいたとしたら、一体何屋になるんだろうなぁ。


さて、続きは攻略面について~
難易度は高め! 自由度が高い分、複雑な手順が要求されます。
そして、その手順をこなすのに、いちいち時間制限があるのがきつーい!

いやー、何が難しかったって、いくつか要因はありますが…
「羊に話しかけすぎてはいけない」という縛りが、まずひとつ。
…謎解きADVでは、モブとの会話は重要なヒント要因だというのに、そこにあえて縛りを入れてくるとはなんたるマゾゲーか…;
結果、とりあえずセーブして、羊全員に話しかけ、ヒントを貰ったらロードして、今度は話しかけずにやりなおす…という、つらい下積み調査が必要になってしまうのでーす。

もう一つは、住人たちのスケジュールが、曜日・時間ごとに決まっており、それにこちらの行動も左右される…ということです。
定められた期日はたった一週間しかないわけですから。
イベントを起こすタイミング、住人にモノを渡すタイミング、話しかけるタイミングetc…
一つ逃すと、あとあとまで全部スケジュールが押せ押せになってしまうのが、なんともオソロシイ。

あー、今日はもう間に合わないから明日行こう!と思った店が、次の日は休みだったりさ!!
先にイベント起こしてしまったら、その日はもうその店にあるはずのアイテムを取りに入れなかったりさ!
ちょっとした行動順で、たやすく日にちをロストしてしまう。
いや、予定が遅れるだけならまだしも、行動を誤ると完全に「間に合わなくなる」イベントもありますからね!
(朝、鳴る電話のイベント、ウサギのイベント、雨の日にジョウロに水をくむイベント、は、一つ間違うとその先すべて消失します)

重要なのは、まずは起こるイベントや、住人の動きをしっかり把握し、主人公の行動を緻密にスケジューリングすること。
そこで初めてトゥルー?攻略への道が拓けるのですよ。
「主人公をいかに無駄なく動かすか」が鍵のゲームといえましょう。

実際は、これらの解析や確認作業は、いくつかある下位エンドを迎えつつ、繰り返しプレイする中でわかってくることなんだろうし、作者さんもそこを想定して作ってるのだと思いますが。
…やはり、何回も同じ作業をするのは、人間飽きてくるわけです。

それに、イベントの手順も、けっこう何日かかけてクリアする、複雑なものが多くてね。
初日の手順を一つ抜かしたがために、3日目のイベントに間に合わなくてやりなおしー
みたいなことも普通にあるゲームなので…
目に見えない実質のプレイ時間…やりなおしの回数・時間がかなり多いイメージでした。

ほんと!スケジューリングが非常に大切。
自力でやるなら、メモ必須だと思います。
それが面倒な場合…? 最初に書きましたが、検索で攻略サイトがありますんで…
ただねぇ。ここも、各曜日の全員の動きやデータ、各イベント個別の攻略法が書かれているだけなので、どっちみち、その日の何時に何をするか、というスケジュールは自分で組まなきゃなりません。
そこは諦めて頑張ってくださいな。

ちなみに乗車券は、要領よく回れば最初の3日間で揃えられます。
ただ。トゥルー?エンドに必要な「水の壜」を全部揃えようと思うと、けっこうギリギリまでかかる…
…まあ、このギリギリ具合が、このテのゲームが好きな人にはたまらないかもしれませんが…
ゆるゲーマーの私としては、もう少し時間に余裕が欲しいところですね…

路地から路地への移動は片道20分。店に入って10分経過、店から出て10分経過。
フラフラしてると、あっという間に時間が進んでいってしまいます。
ここなぁ。せめて半分の、10分&5分の経過時間にしてくれたら、ぐんと難易度下がるんですがねぇ…;

ちなみに、それぞれのキャラのイベントを全てこなし、それぞれの店のスケジュールを埋めると、おまけ画面で彼らのプロフィールが見られるようになります。
ゲーム内で使うキャラグラフィックは下半身が切れてますんで、全身像はたぶんここでしか見られないんじゃないかな?
興味のあるかたはこちらもコンプしてみると良いかもしれません^^


手間はかかりますが、非常によく練られた、複雑なゲーム性を持つ、良ADVでした。
シナリオもいいし、異形のキャラグラフィックもリアルでいい雰囲気!
さすがにもう、目に余るバグはない…と思われるので、まだ未プレイの方はぜひどうぞ!

其の線を越えて

2018-05-18 16:56:21 | フリーゲーム(ホラー)
「其の線を越えて」
謎解きADV・逃げあり・ちょっぴりBL
制作者:ニグラム様(なつの遊技場

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主人公の田武良トモくんは、家の事情で一人暮らしをしている高校一年生。
成績も悪くはなく、趣味で作っているゲーム実況動画の評判も上々で、傍から見ると充実した生活を過ごしてように見える彼が…実際は生きている意味を感じられず、毎晩の悪夢に悩まされながら日々暮らしていることを、誰も知らない…


というわけで、過去のいろんな出来事のせいで精神的に不安定なトモくんをどうにかするゲームです。

エンドは8つ…あるらしいですが、6つしかまだ見られていません。
とりあえず一番いいエンド&オマケエピソードは見られたので先にレビューをば。

最初、フーン仲の良かった女の子が亡くなったせいか~と思って話を進めて行ったら、それ以外にも不幸に次ぐ不幸で、すっかりトモくんが不憫になりました。
家族にちぃと「難あり」の場合、代わりに友達関係に居場所を求めてしまうのはよくあることで。
それが全部一度に壊れちゃったら、病んでも仕方ないかもですねぇ…

とりあえず、一緒に実況をやってる友人・颯太くんがいい味出してます!
トゥルーだと随所でトモくんに絡んでくるエピがあるんですが、これ絶対、颯太くんのほうからも矢印出てる!!
颯太君の家は家族多くて狭そうだし、もういっそトモの家で二人で暮らせば良いと思います。
ちなみに、クラスメートの隣の席の子もなんとなーくアヤしく見えてしまうのは、私の心が濁っているせいでしょうか…?w

また、事故死しちゃった女の子は、ヲタクあるあるな容姿と口調。
トモくんがちょっと女性的で可愛いタイプなせいか、こちらもとてもお似合いに見えました。
最後の方で出てきたときのセリフがとてもカッコ良くてイイ!

キャラグラフィックもキレイで良いですね。
トモくんの髪型(寝るときはピンはずしてる!)とか服装とか、表情とかポーズとか…颯太くんのメガネとか、その場その場に合わせて種類がやたら多く、細かく作られてて見応えがありました。
ときどき入る一枚絵もいい。桜莉ちゃんも可愛かったけど、最後の、颯太とトモくんが二人でいる構図が幸せ~!


謎解きや探索は、ほぼ一本道なので迷いません。
全てのオブジェクトを調べ、できることをすべてやりましょう。
5×5のライツアウトは、たぶんヒントが無ければ最難問。
私は解き方を調べて自力で解いちゃったあとにヒントがあるのに気付いて…ガックリでしたorz

途中にいくつか、トモが「死にたい」か「生きたい」かの選択肢が出ますが、これは多分、エンディングのフラグなのかな…
とりあえず「全死にたい」と「全生きたい」だけプレイしましたが…
「全死にたい」だと、親戚のオニイサンが出てくるシーンで、二択のどっちを選んでも死にエンド。「全生きたい」だと、どっちかの選択肢で生き延びてシナリオが進行します。

ちなみに、一周目では、良いエンドに必要なフラグを立てられない仕様なので~
がんばって二周しませう!!


さて、アクション下手にとって気になる、逃げの難易度は…やや難しめ!
まー…これは、とにかく道を覚えて走る! 以外に攻略方法はないと思います。
キャラがしっかり上下左右に向きを変えて動く移動方式のため、何度も向きを変えると、それだけでタイムロスして追いつかれてしまいまする。
進路変更はくれぐれも最低限で!


今作は、BLとホラーが好きな方なら二度美味しい話かと思います。
興味を覚えた方はぜひプレイして、トモくんを幸せにしてあげてくださいな。


キョウキドリップ

2018-05-07 14:14:03 | フリーゲーム(ホラー)
「キョウキドリップ」
会話するADV・暴かれるのは人か自分か
制作者:旨味まづ様(丸得基地

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記憶を失い、謎の施設の中で目を覚ました主人公。
そこに半ば閉じ込められて暮らしているのは、まだ若い少年少女ばかり。
どこかワケアリな彼らの「正体」を暴いて、自分自身が何者なのかをつきとめよう。


ZENOの作者様ですね~。同じように近未来的なSF要素を盛り込みつつも、今作は、マップ探索より「会話」を重視&特化したADVゲームとなっております。
6人いるキャラにいろいろ話しかけて、新たな話題を増やしつつ交流を深めていくと…
ここがどんな場所なのか、なぜ彼らがここで暮らしているのか、見えてくるかもしれません…


エンディングは4種類。
探索不足エンドのほか、最後の二つの選択肢で分岐する二種と、トゥルーで四種類。

全体の設定がちょっとボンヤリしていて、話を掴み切れない部分はあるんですが…
「会話」でそれぞれのキャラと仲良くなる様子や、ガンガン容赦なく増える会話のバリエーションが楽しいゲームでした。
最初は感じの悪いキャラも、話していくうちに、可愛く憎めない面を見せてくれるのがなんともいえず。
私が好きなのは天才の青い彼! 面倒くさいけどいい人。

ただ、あれだけ大量の、凝った会話のほとんどが、物語の主筋にはほとんど影響しない…のが、ちょっと心残りではあるかな~
仲良くなる相手や、仲裁の有無によって、さらに違うエンドがあってもいいかも?と思ったけど…
まあ、トゥルーエンドがアレだと思えば、誰との会話がどうこうってのは、些末なことかもしれない、ね?

何が正気で何が狂気か?
狂っているのは自分か相手か、それとも世界か?
裏の裏はオモテであるように、狂気に狂気をかけ合わせればそれは正気?

うーん…大体そんな感じの話ってことでいいんでしょうかね…
そもそも、主人公には本来どんな役割を期待されていたのか…そして、それに関わるあの子の立ち位置や、気持ちや、行動理由…を、もう少し補完してくれると嬉しいかもしれない。


「繰り返し」みたいなエンドも一部ありますが、その場合、寮のメンバーは総入れ替えになるんだろうか?



人との会話が苦にならない方(?)におすすめします。