鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

Pocket Mirror 日本語訳ver

2017-10-29 23:23:26 | フリーゲーム(ホラー)
Pocket Mirror 日本語訳ver
謎解きゴシックホラーADV・周回前提(おかわり4杯)
制作者:Astral Shift様(Pocket Mirror team
翻訳者:ぬりかべ様(ブロマガ

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やっとのことでPortraitsを100%にできました!
イチからやりなおして4周回は、さすがに長かった…
リアルもいろいろ忙しくて、ここ一週間はこれしかプレイできませんでしたぞよ。
しかし、これだけやってもまだ、音楽のほうは二つ見つけられてないのであった…


英語が得意じゃないので、外国の方のゲームって、ふだん殆どプレイしないんですが…
こうして、手間暇かけて翻訳され、紹介して貰えるような作品は、やっぱりクオリティが凄いですね!
グラフィック、マップ、演出…どれをとっても素晴らしかったです。
作っていただいた作者様たちはもちろん、翻訳&日本語版の公開をしてくれたぬりかべ様には、感謝しかありませぬぅ!

さてポケットミラー。ざっくりあらすじを言いますと、記憶を失って見知らぬ部屋に倒れていた少女が、唯一の持ち物&自分自身の手掛かりである『金色のポケットミラー』を握りしめて、不思議な世界を彷徨う話、でございます。

作中では「名前」が重要なファクターとなっており、主人公の少女は、自分の名前…自分自身のアイデンティティを求めて進んでいく感じ。
ただ、言葉の壁もあってか、シナリオけっこう難解め…かな?
手紙や書物で、起きた出来事は大体こうかな?ってわかるんだけど…「これだ!」っていう答えは、言葉では語られない。
なので、シナリオの解釈については、プレイヤーに色々委ねる部分が多い印象でした。
ネイティブな人なら、もしかしたらグラフィックや細かな言い回しで、もっと深いところまでわかるのかなぁ;誰かくわしく解説してくださいエ口イ人orz

エンディングはバッド除いて4種。
3つは、作中で、章ごとに出てくるキャラそれぞれから貰える、キーアイテムの数で分岐。
何も持ってないか(最初から持ってるのと、通路に落ちてるアレは除く)半端に持ってるか、全部持ってるかの3ルート。
そして、その「全部持ってるルート」の最後でさらに分岐。

この4種のいずれかのエンディングを迎えると、キャラ紹介やスチル一覧、音楽一覧が見られるようになりまする。
た・だ・し。これらのオマケ要素は、エンディングを迎えたデータを引き継いで周回しないと、100%にできません。
例えば、まずエンド3スチルを見て、分岐前セーブからやりなおしてエンド2のスチルを見たとしても…エンド2の代わりに、さっき見たはずのエンド3が空白になるだけで、結局両方は埋まらないということだね。
オマケ含めた完全攻略を目指すなら、データを引き継ぎつつ最初から繰り返して4周するしかないのだよ…フフ…

ちなみに、あっちこっちで手に入る「パンプキンチャーム」は、一周終わったあと出てくるオマケ要素を開放するのに使います。
多分、1周150個?くらいは手に入ると思うんですが…これだと数が足りないので、全部解放したかったら二周は必須とお思いくだされ。

続いてざっとキャラ語り…
規約を見る限り、原作者さんはネタバレを禁じていない…(と思う)けど。
まあ、ゲームはオチが命!だと思うので…ちょっとボカして書いていきますね。


さてさて、最初の章は、エグリット&フレータ。
高飛車な人形の女王&我儘プリンセスです。
フレータは本当に、我儘な小さい子って感じのキャラで…プレイしてて疲れました…
この負けず嫌い、実は私も子供のころそういう子供だったので、あーわかるわかる、と思うとともに、見ていてとてもいたたまれない…恥ずかしい気分になってしまった。
この子の声優さん、癇癪を起す直前の「うううう~!!」という焦れた声のイラっと感が実にうまくて演技派なり。
エグリットは、フレータが出てくるまでと出てきた後とでは、ちょっと印象が違うキャラです。
晩餐会の席上で手に入る錆びた鍵、それで入れる部屋の中の状況がけっこう謎。
フレッタと出会う前のあのシーンもアレだったし…
エグリットは現状にかなり限界を感じていたようなので、その表れ…なんでしょうかね?


次はハーパイ。穏やかな見た目ながら、中身はなかなか強靭かつ誇り高い女騎士。
名前がちょっと、日本人には馴染みのない発音で読みにくいっすね…
攻略するのに、とても手間がかかったキャラです。
実はエンド分岐に関わるのはHolowに入ってからの選択肢だけ、なのですが…
最初の頃はそんなこと知らないから、この子の章は、本当に何回も最初からやりなおしました。
周回数としては4回ですが、こういう細かい「やりなおし」含めると、フレータ〜ハーパイ辺りまではもう何十回プレイしたかわからないっす…
ちなみに、この子は「主人公に頼られる」ことこそが存在理由なので、彼女が大丈夫と言ったら信じて任せるのが正解。

3人目はリゼット。罪と罰とそれに対する怒りを一手に引き受ける、貧乏籤な役割です。
キャラのビジュアルは、一番キレイな子のように思えます。教会のマップも美しかった!
彼女の章は、一番ホラーらしく、逃げイベントが豊富!
最後のほうの逃げはコツを掴むまでが大変でした。
逃げ先に敵が出てきたらUターン、さらにそっちからも敵が出てきたら再度Uターン、なのですが。
先に出てきた敵が追ってきたとき、引き離しきれずに次の出現ポイントまで戻りますと…先に出たほうの敵は消えてくれずに、挟まれて死にますぞ。

最後はエンジェル。金色の天使。見た目は主人公の2Pカラー。
彼女のステージを見て「アレはそういうことだったのか!」と気づかされる演出が秀逸でした。
一度エンディングを見て、周回のためにやりなおすと…実は、あちこち不自然な部分があったのに気付くと思います。
例えば最初の部屋とビー玉は、それぞれが、その後出会うキャラに対応していますが…一つ、足りませんよね。
彼女の持つレガリア、金の一滴は…本来はどうあるべきものだったんでしょうか…


印象に残るのは、出てくるキャラがみんな主人公ちゃんに言葉がキツい、ということかな。
「そんなつもりじゃないって、どんなつもりだったの」「それはどういう意味ですか」「あなたはなんなの」「どうする気なの」とか言われ続けて、どうしてそうなったのか、理由を説明しようとすると「言い訳すんな」とか言われてしまうという;
これはたぶん、翻訳した文章だと、どうしても日本語よりキツめの言い回しになっちゃうってことだろうけど…主人公ちゃんの態度がわりと、物事をはっきり言わずに「わたし別にそんなつもりじゃ…」と濁しまくったり、とりあえずその場を収めるために「ごめんなさい、もうしないわ」とか謝っちゃう、日本人的なタイプだったので…余計に何かこう、来るものがあるといえばありました。

話が進んで、主人公の立場と彼女たちの出自を知れば、この当たりの強さも超納得なんですが…
プレイしながら何度「お前らまず人の話を聞け!」と思ったことかw

ちなみに私のお気に入りはリゼットです。
暴走はしてましたが、彼女は彼女なりに、主人公ちゃんを救おうとしていたんですよねん。


攻略面で詰まりそうなのは…
ハーパイのエンド分岐選択肢、でしょうか。
基本はハーパイに従順に、ですね。
その前段階で、彼女に素直に従うとバッドエンドまっしぐらなのが何気に罠で、ついつい自立した選択肢を選びたくなりますが…ハーパイにとって、それは「お前は必要ない」と言われているも同然のこと。
上階で床にハマって怪我をしているハーパイと出会ったら、そこから先は彼女を尊重してあげましょう。

あとは、個人的にすごく難しかったのは笛!
BGMと同じにすればいい、と攻略には書いてあるんですが…正直、正解の音を聞いても「BGMと同じ」だとは思えなかったのです。私ってば音感無さ杉か;

最後のステンドグラスのマップの逃げは、何気に難しくて、いつも何回かやりなおします。
ルートは右、左、真ん中で!

ちなみに私が攻略の参考にした海外のウォークスルー。「13 Years of Dreaming
もちろん全部英語ですけど…大丈夫、ブラウザの翻訳機能はこういう時のためにある!

その他の注意点としては…
ファイル名の文字化けについては、DLサイトでも対処が明記されていますが、実は私、ファイル名をコピったときに、後ろに空白一文字余分につけてしまって動きませんでした。
ツイでのボヤきに反応して教えてくださった方のおかげで、今回無事プレイできましたが…
普段プログラムに触らないやる専さんはお気をつけくださいまし。

あと、素晴らしいビジュアルのゲームですので、システムもけっこう重いです。
特に後半のリゼット~エンジェルあたりのマップでは、自動イベントやらエフェクトやらてんこもりで、アクション要素も多いため、マップ切り替え時に読み込みが間に合わず、落ちることが多々ありました。
セーブはこまめに、マップ移動時は極力走らないことをおすすめします。

マップが凝ってて美しく、ボリュームもあってやりがいがありました。
日本人に好まれそうなグラフィックなので、美少女キャラ好きな人には特に良いかも!
お勧めですよ~






意味ありげにちょこちょこ出てくる「弟」と「人形」が気になりますねぇ…
弟はもしかしたら次作への伏線かなぁ…
不思議な少年のグラが、なんとなく弟に似てるような気もしたんだけど、そこは単に書き分けの問題?

そもそも、この状況…どこからが少年の思惑だったんでしょ?
フレータやハーパイやリゼットが生まれてきたのは、少年の意図したことだったのでしょうか…
それとも、主人公の自己防衛本能だったのでしょうか…?
少なくとも、この作品の時点で、少年はまだ「報酬」を受け取ってはいないようだけど、
ネコがネズミをいたぶるように、時期を見計らって遊んでいた可能性も捨てきれないし…?

それに、ワックスレコード、最後の一個は誰のもの? 

こういう曖昧な部分の残るゲームは、考察が熱くて面白いことが多いので、ぜひともいろんな人にプレイして、語ってほしいっすね…

殺し屋神社

2017-10-24 12:28:33 | フリーゲーム(ファンタジー)
「殺し屋神社」
長編神様RPG・個性的な面々
制作者:プハリコ様(日本の神様でツクってみた

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普通~圧勝を行き来しながらクリアまで15時間!
いや、画面つけっぱで買い物に出かけたりもしてたので、実際はもっと短い時間で終われるとは思いますが…ボリュームのあるゲームでした。

内容を一言で言えば「とある女子高生が、初詣に行ったら神様に「依人」として選ばれて、一年間の契約?で、人の負の感情から生まれる『人喰い』という化け物と戦うことになる」お話です。
一年は12か月…ほぼ月イチのペースでイベントが起こるので、イベントシナリオ数はざっと10以上!
それぞれに、けっこう入り組んだダンジョンマップがあるわけですから…
それだけでも凄いと思うでしょ?

そして…このゲームはですね、「登場人物もメッチャ多い!」のです。
何?イベントシナリオ多けりゃ当たり前? 違ーう!パーティキャラが多いんですよ!!
仲間キャラは…最終的にはえーと…主人公含めて20人?
その時期によって入れ替えは若干ありますが、大体5人~10人くらいはぞろぞろ連れ歩いてる感じ。
そしてもちろん、操作キャラだけでなく、他にイベントキャラやNPCキャラも大勢いるわけで~

キャラグラも敵グラもマップチップもエフェクトや音楽も、デフォ素材を全力で使いました!ってくらい凄い種類使っていて、なかなか壮観なゲームでした。
しかし、そのぶんシステムはやたら重いんですけどね…;
作り手さんが、とても楽しんで作ってるな~というワクワク感が伝わってくる、良いゲームだと感じました。
人数は多いけれど、それぞれ個性的なキャラばかりで印象に残りやすいし、主人公の子のツッコミも鋭くて会話が楽しい。
デフォ顔なので、表情の変化がないのだけは、ちょっと惜しいけど…
これ、話に合わせて表情を変えられたら、もっと生き生きした感じになると思うな~


しかし、日本神話ってこんなに神様いたのね…これ誰だっけ?みたいな神様もけっこういたわ…
コヤネくんとフトダマくんはわからなかった…
ちなみにコヤネくんは、性能良くてお気に入りです。
彼は中盤のダンジョンで強い武器が手に入る&デフォが全員攻撃なため、雑魚戦で必須の存在でした。
ワカヒルメちゃんも全員攻撃なんですが、イマイチ攻撃力あがらないのん。


ゲームシステムについては…普通にRPGですね。
あ、難易度設定は、できれば圧勝はやめたほうがいい…。
よほど戦闘苦手か、長時間かかるRPGはムリ!って人でない限り、普通か簡単のほうが楽しいと思います。

圧勝だと、通常戦闘は実行連打で即終わってしまうし、ボスでさえ2ターンくらいで沈めてしまう。
相性も属性も何もあったもんじゃないってゲームになってしまうのよ。
もちろん、キャラを変更する必要もないので、物理の強いメンバーに固定されてしまうから、いろんなキャラと武器のある意味がまるでなくなってしまうし。

まあ…オプションで難易度はいつでも変更できるので、レベ上げやお金稼ぎのときだけ圧勝に変える…というのが無難…?
あ、あとマップで迷ってなかなか出られない時とか便利かも?
中盤のマップはけっこう込み入った作りだったので、なかなか出られないし雑魚は無限沸きするしで、最後は圧勝に変えてクリアしちゃった覚えがw


全体に、シナリオに癖もなく、RPG初心者さんにもお勧めできる長編ゲームでした。
「殺し屋」などと物騒なタイトルですが、内容はあんしんの全年齢。
一つ一つのシナリオも、人の「負の感情」をテーマにしていながら、落としどころはとてもマトモで良い感じにまとまっております。

シナリオ上、何人かの犠牲は出てしまいますが…
基本的に、後味の良い前向きなシナリオですので、ブラックな話が苦手な方もぜひどうぞ~



ぼくの帰る町

2017-10-21 00:06:56 | フリーゲーム(ノベル)
「ぼくの帰る町」
ノベル・アメリカ映画風・スタンドバイミー
制作者:長根様(ナガネギ舎

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学校でも家でも苛められ、いつも殴られているマック。
学校が長い夏休みに入ったその日も締めくくりとばかりに殴られて、ついに我慢の限界に達した彼は、誰もいなくなった後、「あいつらなんて殺してやる!」と口にする。
そこへ、ふいに現れた少年セオドアは、軽い口調でマックを宥めたあと、その殺人計画に自分も協力すると申し出た。
そこにどんな思惑があるのか、なんのためなのか…本心を見せないセオドアのペースに巻き込まれるようにして、マックは穴だらけの殺人計画を練り直し、準備を進めてゆく。



水彩っぽい塗りの、美麗なグラフィックで語られるのは、アメリカの田舎町?を舞台にした、少年たちの青春物語。
この方の前作も、少年同士の友情をテーマにしたものを作られていて、それも雰囲気がかなり良かったんですよね。
スタンド・バイ・ミーの雰囲気が好きな方なら、きっとこの作者さんのゲームは好みだと思うな。

淡い色彩のグラフィックはふわふわして現実感がなく、彼らの「計画」すらもどこか架空のもののよう。
なんとなく、この物語自体が誰かの過去の回想か、思い出のようにも見えて、どこかノスタルジック。
シナリオそのものは「殺人計画」に沿って進んでいくんですが、セオドアとマックの少年らしい会話や、アメリカンなジョークを交えた軽口が心地よく、ハートフルな仕上がりです。

いや、子供の世界って過酷だわあ…自分の力で生きていけないうちは、与えられた環境にしがみついて順応して、必死に大人になるしかない。
そして、マックとセオドアは、ちょうどティーンエイジャーにさしかかる年頃で、ただ泣いているだけの子供ではなく、さりとて、自分でなんでも決められる大人でもなく。
まだまだ「作りかけ」の心と体でなんとか現状を変えようとあがく姿が、時に強く頼もしく…また時には哀しくも見えました。

最終的に、彼らが現実と、どうカタをつけていくのか…
その答えは、皆さんが自分の目で確かめてみてくださいな。



なにしろ、物語は夏休みの…ほんの短いインターバルの中の出来事です。
この休暇が終われば、もしかしたら、また打ち伏せられて絶望するときもあるのかもしれない。
けれど、それを一緒に受け止められる誰かが、そばにいてくれるなら…もしかしたら?

セオドアとマックの友情に幸あれ。
とても、読後感の良い物語でした。お勧めですよ~



バラの懐抱

2017-10-20 02:00:03 | フリーゲーム(ホラー)
「バラの懐抱」
探索ADV・ホラー風味ダークファンタジー
制作者:有井様(episteMIL

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2か月くらい前に公開されていたゲームなんですが、当時はトゥルーエンドにたどり着けませんで…
今回、再DL&再プレイでやっと完全攻略できました!スッキリ!


ロドは、友人のルレースと義弟のレウィンとともに、子供のころ住んでいた家のあたりを散策しようとやってきました。
お気に入りだったバラ園や、噴水。深くきれいな湖。
ルレースと子供の頃の思い出を語りながら歩くうち、レウィンがふと、奥に続く小道を見つけ、その奥はどうなっているのか見たい、と言い出します。
細い道を奥へと進んでいくと、そこには、朽ち果てた大きなお屋敷が…。
人の屋敷に勝手に入るわけにはいきません。
もう帰ろうと、来た道を引き返した3人でしたが、いつの間にか、道は塞がれ通れなくなっており帰ることができなくなっていました。
3人は、仕方なく先ほどの屋敷へと戻ることにしました。
そこに住む人たちに、帰り道を尋ねるために…


一言で言えば、バラだらけの屋敷を探索して、帰り道を探すゲーム、です。
バラ頭の執事さんがインパクトありますねぇ。
前回プレイしたときは、謎解きはちょっと難しめに感じたのですが、今回はバージョンが上がってヒントが多くなったため、かなり難易度が下がりました。

とはいえ…トゥルーに行くためのフラグアイテム、ガラスのバラの最後のパーツは、やはり見つけるのが難しかったです。
今回も結局、公式でヒントを見てやっと見つけられました。
以前はこれが見つからなくて、アナザーエンドしか見られなかったんですよね…;
しかし、アナザーエンドはある意味、とてもホラーらしいホラーなエンディングなので、好きな方はぜひとも見てみることをお勧めします。



主人公のロドは、ちょっと特徴的な、たどたどしい喋り方をする女の子。
すべてのエンディングを見る限り「ヤンデレホイホイ」な星のもとに生まれた人かと思われます。可哀想に!
家族関係のトラウマで誰にも頼れず、「変化」を異常に嫌う臆病さを持っていましたが、義弟レウィンのおかげで、やや状況は良くなってきているようです。

義弟・レウィン…いずれ一線越えてしまいそうな危うさを持つシスコン。
義理の関係で血のつながりはないから、たぶんそれでも問題はない…と思われる。
ロドの前ではイイコにしていますし、その知恵と肉親の情でロドの支えとなっていきますが…
裏で見せる執着はかなりのもの。
それが暴走した結果、バッドエンドの一つに繋がってしまいます。
いろいろ考え合わせると、トゥルーエンドもある意味、先行きがとても怖く感じてしまうのは私だけでしょうか…

友人・ルレース…美人で気立ても良く、皆に好かれる人気者。そして本作のラスボス。
途中の蜘蛛のシーンで「あれ?この人…?」と感じた違和感は、アナザーエンドで「やっぱり!」に変わります。
明るく可愛く、罪の意識もなく、さらっと悪事を働くパラノイア傾向な人。
アナザーエンドは、他のエンドでは語られない真実がわかりますので、一度は見てみると良いかも。
…というか、何もしてないのに、そこにいただけでいきなり惨殺された蜘蛛カワイソス;


謎解きに詰まらなければ数時間でクリアできる、手ごろなボリュームの作品です。
絵も整っていて、バラの絡まる廃墟なマップも綺麗。
まだプレイしていないかたは、ぜひプレイしてみてくださいね~




個人的には、執事さんたちの人間バージョンの顔が見たかった気がする…
きっと全員が、イケメンに違いないと思うの!!

Angelic Syndrome

2017-10-19 12:17:15 | フリーゲーム(ファンタジー)
「Angelic Syndrome」
探索ADV・ダークファンタジー
制作者:花房夜空様(花房夜空の活動記録所

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爆発的に世界流行した奇病「翼腕症候群」。
腕に羽が生え、全身に広がり、最終的には精神に異常をきたすこの病は、たった12日間で人類を滅亡寸前まで追い込んだ。
その後、発病した患者を一か所に集め、感染を防ぐことでなんとか平和を取り戻したものの、効果的な治療は見つからないまま、時は流れて…
1800年後のいま、珍しい「白い羽」を持つ少女アンジェルが、隔離施設…通称「鳥籠」へと、足を踏み入れたところから、物語は始まる。


アツマールで先に公開されていたゲームですので、そっちでプレイ済みの方も多いかも?
私もそちらでエンド1とエンド3(かな?)のみ見ておりましたが…その後、DL版も作っていただけたので、改めて再プレイしてみました!
優しい絵柄で描かれる、優しいお兄ちゃんと可愛い少女の組み合わせが、とても可愛らしい一品です。
エンディングは4種…かな?
シナリオ上、必要ない人物やマップはさっくり割愛してある作りなので、次に行く場所やルートには一切悩まずに済むゲームです。
それっぽい選択肢を選んで、要所要所でしっかりセーブしていけば、一番良いエンドを見るのは難しくない…んじゃないかな。

むしろ私の場合、下位エンドを見るのに苦労しましたですよ。
後半、なくしたかと思ったらアッサリ見つかるあのアイテム…あれを持っているかいないかで分岐するらしいんですよね。
で。そのフラグとなる選択肢はかなり前半にあるっぽい。
戻ってプレイするのが面倒ってひとは『それを見つけて渡してくれるアレ』に話しかけずに進むと良いかも。

少々設定的に残酷な部分、そして一部ルートには血みどろな描写もありますが…
主人公のアンジェルがそれらを覆してしまうほど天使な性格だったり、彼女を守るハカナがとても「マトモ」な感覚を持っていたりで、全体の印象はそう陰惨には感じません。
ホラー苦手な人でもきっと大丈夫!!

や、それにしても1800年とは…!スケールの大きい物語ですねぇ…
また「鳥籠」も本来は、とても広く、収容人数の大きい施設のようなので、できればもっとモブや寄り道ルートで「翼腕症候群」にまつわる歴史や人々に関わるエピソードを見たかった気がします。
彼らの中では、ハカナの立ち位置は相当微妙だったはずだし、そこらへんの描写があったら、「友人」であるバーテンの彼の貴重性や性格の良さ…も、もっと伝わる気がする。



最後の塔の上のシーン…
あれ?いない?と一瞬思ったんですが、それこそが演出なんですね。
1800年は…そりゃあ、保たないよな…と思うとともに、そんな状態で縛り付けられていたのか…と、ちょっと気の毒になってしまいましたっす。


一番いいエンドの、最後の桜並木のシーンが非常にキレイ。
ぜひとも、そこを目指して、アンジェルとハカナを導いてあげてくださいな~

不死の探査録

2017-10-17 10:12:00 | フリーゲーム(ホラー)
「不死の探査録」
短編探索ADV・和製クトゥルフ
制作者:アワラギ様 (あ行。)

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死神にとりつかれた探偵、イサカのもとには、不思議な依頼ばかりが舞い込んできます。
そして今日もまた、魚によく似た風貌の老夫婦がやってきました。
依頼は、30年前に行方不明になった人を探して欲しい、とのこと。
果たしてイサカは無事、依頼を達成できるのでしょうか…


ちょっとだけクトゥルフ?の匂いのする探偵ADV、「不死の調査録」の続編です~
前作もそうでしたが、リアルっぽい半異形の絵が、相変わらずピカイチ☆ですね。
ここまで説得力のあるインスマウス面はそう見かけません。モデルは鯉かな?

前作も、印象的なグラフィックがとても気になってはいたのですが、入ってる話がどれも短すぎて物足りなかったんですよね…
今回は一つの仕事にテーマに絞って、アクション要素や、ちょっとした謎解き?のある、攻め姿勢のゲームに仕上がっております。

独特の雰囲気。言葉は通じるのに、根本的な「何か」が違う違和感。
親しみのある態度なのに、なんともいえず、どこかが不快。
原作クトゥルフとはまた違うものの、見事に「和製クトゥルフ」の世界を作り上げていると思います。
若干、異神と言うよりはその眷属に…+妖怪っぽい感じが混ざってる気がするかな…
とりあえず、人間じゃなくても「なあなあ」で受け入れて、ご近所付き合いしながら暮らしてる感じは、とっても日本っぽいと思う。

シナリオ的には、ちょいと粗さが目立ちますが、この空気感はすごいですね~
最後の「狭間」の発想も、いかにも、別次元の謎解きっぽい感じが良かったっす。

ていうか、最後のアレは……なかなか気付けない、よね。
見た時に、あれ?背景サイズ間違ってね? とか、何かチラっと見えたな、とは思ったんですが……
単純に、何かグラフィックのサイズミスとか、バグかなーとか思ってたし…
まさかそこが仕掛けだったなんて!

どうしても「優良」エンドに行けない方は、作者様のサイトに攻略がありますので参考にどうぞ!

あと、カエルおばさんの虫取りは、虫の絵が切り替わる時に前回と同じ絵が出る場合があり、獲れてるのか獲れてないのかわかりにくい時があります。待たずにどんどんクリックしていきましょう。



「くとぅるふふたぐん!」とか「いあいあ」とか全然言わせてないのに「異界」を感じさせてくれる良ゲームでした。
今後に期待ですー

魔法使いと悪魔の仲介人

2017-10-16 21:57:10 | フリーゲーム(BL)
「魔法使いと悪魔の仲介人」
探索ADV・BLだけど女主人公
制作者:楽園楼亭様(塔の上

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高額な借金のカタに連れていかれた父親を救うため、働くことになったリカ。
てっとりばやくお金を稼ぐため、高額な賃金でいかにも怪しい「魔法屋」という店で働くことにしました。
しかし、そこで依頼されたのは店番でもなんでもなく、「店主の弟の悩みを解決する」こと。
さっそく弟である魔法使い・ディーネのもとに行き話を聞くと、どうやら、とある人物に結婚を迫られて困っているらしいのですが…

……というわけで、基本は「イケメンで有能な王子(男)に言い寄られて困っている魔法使い(男)を助ける」ことがメインクエストになりまする。
BLジャンルでありながら、主人公は女性。しかも、男×男の仲を取り持つ存在という、異色なゲームです。
ある意味、BL本でカップルの相談に乗る女友達、みたいな立ち位置でしょうかね?
傍観夢話にもちと近い…か?

リカのセリフに出てくる選択肢が多種多彩で個性的。
ついつい面白さを追求してしまいそうになります。

また、出てくる王子×魔法使いがまた、いいキャラしてるんですよね。
おっとり天然ドジっ子属性の魔法使いに、俺様有能イケメン、かつ一途な王子。
最初のディーネの依頼は「王子に諦めさせること」なわけですが…
話が進んで事情がぼんやり見えてくると、むしろ応援しないと!って気分になってしまう不思議。

最初、トゥルーのフラグがなかなか見つけられずに苦労したので、作者様のブログで攻略を紐解きつつ、やっと行きつけた時には感動しました。
…というかね…魔法屋でバイトすることを選んでしまうと、このフラグを見つけない限り、最終的には全てバッドなのですよね。

トゥルーを見るためには、とにかくディーネのもとへはこまめに通って会話を!
そして、一見関係なさそうな森の中も、たまには巡回してみましょう。


システム面では…ボリュームのわりに難しいゲームだった、ように思います。
ノーヒントだと、ひたすら歩き回らされる。

もともと私がプレイしたのは初期の1.0だったので、バグも多かったんですが…
次に何をすればいいのか、最終的にどうなるのがいいのか…そういった目安がつきにくいシナリオだったため、終始、行動に迷うところがありました。

というか…ADVだけど、『敵と戦えて経験値も貰えちゃう』んですよね。
しかも、主人公は、防具は装備できるのに、武器は一切装備できないっていう。
レベルの概念があるのに、お金で武器防具購入する必要があるのに、決して雑魚戦が必要な「RPG」ではない……という、どうにも不思議な印象のゲームだと思いました。

特に、最後の方の、レベ上げ専用モンスターとの戦闘は…イベント戦なら、一回でカンストしてもいいような気もするのですが…何度でも戦闘できる仕様だったり。
ついついレベルカンストまで繰り返し戦っちゃったよ。

これは、もしかしたら、当初はRPGとして設計されたゲームだったのかも…なんて?
随所に、RPGの要素を残したままADV化されてる気がしなくもない…?


ともあれ、斬新なシナリオと、魅力的な会話&キャラクターが楽しい一品でした。
今回はディーネとリリのエピソードだけで終わってしまいましたが、もっと多くのクエストで、アルクや猫とも絡みたかった気がします。
トゥルーでは「またよろしく」みたいな台詞があったように思うので、もしかしたら続編なども考えていたりするのでしょうか…?

…あのお父さんだと、どうせまた色々やらかしそうですし。
リカちゃんにはまたぜひ魔法屋で働いてもらって、いろんなBLカップルの揉め事を解決してあげて欲しいです~


ЯPG(アールピージー)

2017-10-12 00:33:42 | フリーゲーム(ファンタジー)
「ЯPG(アールピージー)」
ファンタジーADV・欝系シナリオ
制作者:岸井田 剛様(痛み分け

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「魔王を倒しに行く」と言ったきり、行方知れずになってしまったカイン。
その弟・ケイトは、兄を探すため…そして魔王を倒すため、自分も勇者として旅立ちます。
幼馴染のニーナや弓使いのニコ、魔法使いのレイヴン、剣士のハオの協力を得て、ついに魔王の城の近くの街へたどり着いたケイトは、果たして魔王を倒し、生きて戻れるのでしょうか…


とりあえず、バージョン1.0で、4人分のトゥルーとバッドを回収しましたー。
初期バージョンでは、エンディングの判定にちょっとバグがあったものの、最新バージョンでは修正されているようです。

さてさて、本ゲーム、作者様コメントにも書かれているように、やや欝設定。
タイトルと「勇者が魔王を倒す」という、まさしくRPG的な設定にも関わらず、救いのない感じの展開が多く、人を選ぶシナリオとなっております。
…ま、うちを覗きにきてくれる人なら、ほぼ大丈夫なレベルだと思うんだけど。
目の前で罪もない人がいきなり死ぬ、みたいなシーンがあるので、苦手な人は注意ですぞ。

ただ、残酷展開もアリとは言いながら、キャラ同士はみんな仲良く和気あいあいと会話するし、トゥルーエンドはそれぞれ、未来を感じるいい話にまとまってるので、それほど闇深いわけでもない…?
まあ、個人的にはバッドもなかなか存在感のあるエンドで、好きでしたけど。
惜しいことに、バッドエンドは、スチルが入らないんですよね。
ニコのバッドとか、ぜひとも絵入りで見たかったぁ。

基本は、狙ったキャラと一緒に過ごして会話して、そこからトゥルーエンドとバッドに分岐する、恋愛ゲーと同じ方式です。
選択肢は…たぶん、見れば、どっちを選べばいいかはわかるんじゃないかな。
問題はむしろ、最後の魔王城の選択肢…「助ける/助けない」と「何を大事に思い何を捨てるか」だと思います。
これは一度エンディングを迎えるとオープンされるおまけ部屋で、ヒントを出してくれますよ!
(ただし…1.0は一部間違いがありました。ニコの正解は「金」ではなく「夢」でしたのでよろしく)

ニーナ・ルートは、おそらく、一番「真エンド」に近いと思われるエンドでした。
ある意味、このゲームの世界の根底に関わる人物。
最初から、何かこう…胡散臭い言動が目立つと思っていたんですが、ルートに入ると、その理由が開かされます。
このゲームの中では、元凶にして、一番の悲劇の人。

ニコ・ルートは、バッドが印象に残りました。
一応、相手は選んでいるようなので…見ようによってはグッドエンド?にも感じるバッドエンド。
こんな存在なら、退治する必要なさそう。皆に感謝もされそう。
いずれはそれが、魔王の「負」を拭い去る日が来るかもしれない。

レイヴン・ルートは、義兄弟ルートですねぇ。
いつもケイトを見ていて「そこ危ない」とか世話を焼くお兄ちゃん。
まー…失った人の代わり、なのだろうけど。
ちょっとケイトを好きすぎて危ない感じがなくもない??

ハオ・ルートのトゥルーは唯一の大団円エンド。
とはいえ、オマケ部屋の情報によると、誰も死なずに終わるってわけではないようですが。
主人公同様、「闇」を持たない唯一のキャラです。ただ、それが災いして、バッドでは心折れてしまいますが…

4人それぞれ、面白いシナリオ&エンディングでした。しかし!個人的にはここにもう一つ…
誰のルートにも入らない、第五のルートで、カインを出して欲しかった…
作中やおまけ部屋では、カインの持っていた闇もチラチラ出てきていたので、何か勿体ないなって。
ニーナにしてもニコにしても、ケイトに家族や仲間みたいな気持ちで接していて、恋愛はほぼ絡まない物語なんですが、カインだけはちょっと違ってるんですよね。
闇落ちした彼とニーナ、ケイトの会話を、ちょっと見てみたかった…



えーと、あとは…そう、基本は探索ゲーなんですが、何カ所か逃げイベが入ってるんですよね。
敵の足が速いので、基本、逃げまくっても引き離せません。むしろ徐々に距離を詰められてアウト。
なので、重要なのは「スタートダッシュ」と「嵌め」です。

敵は最短距離でこちらを追ってきますので、地形の凹凸に引っ掛けて嵌めることが可能です。
ただ、そのためには、ある程度距離があることが不可欠なので…とにかく、イベントと同時に素早くダッシュしていきましょう。

トゥルーエンドのルートでは、必ず、最後に魔王との逃げイベが入るんですが…距離も長く曲がり角も多い道なので、ここはマトモに逃げるとけっこう大変。
最初にある程度距離を取れると、途中で勝手に別な道に嵌ってくれるので、かなり楽になると思いますよ。


あとハマりそうなとこあったかな…んー…
遊びたいあの子は、前もって外のマップをすみずみまで調べないと、生き延びるための選択肢が出てこない。
ネズミのパスワードは、正解不正解に関わらず、3回チャレンジすれば開く(ver1.0の場合)
勇者の名前の刻まれた石碑は4つ全部調べること…
クリスタルの階は、勇者の像を調べたときにニーナが大丈夫って言ってくれると、さいごのカギが手に入るフラグ…
トゥルーエンドは長いイベントのあと、ノンセーブで逃げイベ入りますので、事前セーブを忘れずに。
…ってとこですかね。


共通部分が多いので、4人全員分コンプしようと思うと多少作業感はありますが…
一度クリアして手順がわかってさえいれば、一周20分くらいで回れます。
絶望耐性のある方に、特におすすめですー











てっきり、最後のあの金髪…お兄ちゃんなのかと思ってました。
いつ「コロシテ…コロシテ…」って言うかと身構えてたりw
(でも、顔が同じだったら、あれだけガチで相対して弟が気付かないわけないっか…)

棺の中の花嫁

2017-10-11 20:59:48 | フリーゲーム(ホラー)
「棺の中の花嫁」
謎解きゲー・真相は二周目に
制作者:遠坂陽様(Starry Night

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『難易度やや高な謎解きゲー』のESCAPEの作者様ですな…
最近はRPGやアドベンチャーなども手掛けていましたが、本気度の高い謎解きは健在です。
(アドベンチャーの『廻る世界』も、なんだかんだと謎解き要素の強い…フラグ探しが難しいゲームでしたよ…;)

えー、基本は、ひたすら謎を解いて次の部屋に進む! シンプルなゲームです。
このテの謎解きゲーは、いったん思考の罠に嵌ると抜け出せないので、詰む時は完全に詰むのですが。
今回はそれほどボリュームもなく(←問題数が少な目)で、ヒントの有無も選べますので、そう難しくはない…ような…気がする?
(というか、過去作のESCAPEが難しすぎるんですよねw あれを基準に考えると、これは十分簡単)

アイテムも、使い道に迷うようなものは無いし。
ふつーに使えそうなところに、ふつーに使えばOKっす。

ただ、今回は、ヒントのない謎解き以外の部分に鬼畜な仕様が…
後半の矢印通路、どうやってクリアしたのか自分でもわからなかったんですよね…;
今回、作者様サイトを見て、罠のときはビミョ~にグラフィックが違っていたと知りました。
これは…アハ体験すぎる……orz


一周目でノーマルエンドを迎えると、物語の本当の姿が見える、真相ルートが開きます。
謎解きは全て解かれた状態で、ヒナタくんの語りを聞きつつ進むだけ、ではあるのですが…
終わった後、プレイヤーが謎の罪悪感を抱くエンディングになっております。

察しの良い方は、もしかしたら一周目からある程度予測がつく…かな?
気になった方はDLどうぞ^^
謎解きが好きな方におすすめですよー


ゾンビーデ☆バンビーナ

2017-10-10 14:57:20 | フリーゲーム(ホラー)
「ゾンビーデ☆バンビーナ」
ガンアクション・色企画参加作品・すべてにおいてハイセンス
制作者:POPO様(公式サイト

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初公開から二か月弱…今更ですかね?(^^;
公開当初から「面白い!」「凄い!」と話題だったゲームなので、既にプレイ済みの方も多かろうと思いますが、遅ればせながらレビューです。


ある日突然、空から落ちてきた隕石。
それに触れた人間が、いきなりゾンビ化したことで、町はパニックに陥った。
最初の隕石騒ぎの渦中に立ち合い、その現場からなんとか逃げ出した少女・ラーラは、その後、武器を求めて入った、とあるマンションの一室でゾンビに襲われてしまう。
危ないところを救ってくれたのは、隣の部屋に住む男…マークだった。
ゾンビ化した人間を治すための「イエローハッピーワクチン」を求めて、ラーラとマークは、ゾンビの徘徊する街を探索してゆく。


ていうか、実はプレイするまで「雨色ビスケット」「きらきら星の道しるべ」の人だと気づきませんでした。
絵柄を見れば確かにそうなのだけど…今まで、ファンタジー系の作品しか見たことなかったから、方向性が違いすぎて…
言われてみると、YOUが大勢の敵を相手にするシーンとか、ああーw、みたいな気になるね~

全体的な印象は、軽くてチープ。
それでいてお洒落でROCKで可愛くて、ちょいセクシーなシナリオが魅力的。
そのままの雰囲気で終わるのかと思ったら、最後は思いがけず、かなりシリアスで…
この、恋心が絡むせつなさは、確かに過去作の面影があるかも。

ただ、今作は、過去作ほどにはウェットじゃない…気がする?
シナリオ上、ラーラちゃんが故意に、あの人への態度を変えてるせいもあるだろうけど…
軽めの微工口のシーンを多めにして、シリアス恋愛っぽい描写を抑え目にしたのは正解でしたね~
「起きた出来事」だけを見せて、あまり心理描写や「語り」が入らない、さらっとした作りは、海外のアクション映画風でカッコいい。
荒廃したマップの雰囲気にも合ってるし、男性にも女性にも受け入れられる、バランスの良いシナリオだったのじゃないかと思います。

主人公のラーラちゃん、ギャルギャルしい見た目と喋りですが、中身は一途で勇敢な女の子です。
ある意味男の夢?っぽい作りのキャラでありながら、女性から見ても可愛く見えるのは貴重。

マークは当初、ゾンビが苦手で戦うことができないヘタレくんでしたが、作中のとあるイベントを経て、男らしく変わっていきます。
随所で見せてくれる思春期っぽい姿がなんとも可愛い。鼻血吹きすぎww

そして…最後にもう一人。
見た目も行動も不条理なギャグ要員みたいな扱いで、シナリオ的には、いてもいなくても関係なさそうな立ち位置でしたが…彼こそが、実は影の主人公!w
この作者様のゲームの中では、ある意味必須なキャラともいえましょう。
彼はたぶん…何もかも承知で、ラーラちゃんたちを手助けするために同行していた、のでしょうねぇ…?
感動的な最後の最後のシーン…彼はいろんな意味ですべてをさらっていきました。
もう尻しか思い出せない。


他にも、イベント時の演出や場面転換、合間に差しはさまれる音楽や、タイトル&エンディングの楽曲などなど…
全てにおいて、とてもハイセンスな一品でした!
それでいて、ゲームの肝ともいえるガンアクションも手抜きなく、アクションが得意でも下手でもクリアできるように調整されていて、プレイしていて時間を忘れるゲームでしたよん。

武器はハンドガン・ショットガン・ランチャー・ナイフ・クロスボウなど。
これらは途中で拾えるアイテムで、5段階まで強化が可能なのですが…
強化素材には限りがあるので、全ての武器を強化しきることはできないようです。
全部を中途半端に上げてしまうと後々大変なので、一~二種類に絞って強化すると良いかも?
(私は最初にハンドガンとショットガンを半端に上げてしまったので、後半、クロスボウを最後まで上げきれませんでした)
腕に覚えのある方なら「ナイフのみ」で縛りプレイしてみるのも楽しいかもね~


アクション苦手だし~…とプレイを避けてしまっている方々、勿体ないですぞ。
EASYなら簡単なので、ぜひぜひ、どうぞ!
温泉あたりで戦って、薬をたんまり作っておけば、ラスボスもゴリ押しで大丈夫^^b