鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

外交大使サザンテ

2017-09-30 01:35:05 | フリーゲーム(SF)
「外交大使サザンテ」
1~23話 未完結・先が気になる…
製作者:萩本創八様(旧Mole Waltz・現シニカルとレトリック

=====================================
エポボニオ星にただ一人しか存在しない、外交大使・サザンテ。
私生活はだらしなく、誘惑に弱いダメ人間の彼女だったが、外交手腕はかなりのもの。
普通の人には想像もできない切り口と手管で、一癖も二癖もある他星の種族たちと同盟を結んでいく。


…って感じの、SFビジュアルノベルですー。
DLサイトの初出が…えーと2014年ですか? あれ?これそんな新しかったかな?
サイトに登録したのがその頃ってだけかな?
かなり昔の作品にも関わらず、時々読み返して、やっぱり面白い…と再確認しております。
好きなんですよね、こういうの!!

メインテーマは、星同士の「政治外交」。
こう書くと、かなり難しい話っぽく感じると思いますが、サザンテのキャラや、個性的な種族たちの軽く楽しいかけあいなどのおかげで、かなり「面白とっつきやすい」話になっております。
最初に言っておきますが、この話には地球も地球人も出てきません。
いちおうヒューマノイド型とはいえ、異星人しか出てこないこともあって、グラフィックは大変個性的。

古い歴史を持ち、独特の外交システムとその実績において他の星から一目置かれるエポボニオ。
優れた軍人を輩出する星ホヘニオ。
ホヘニオから逃げ出した犯罪者が作り出したならずものの国カノーバー。
若年期は知能も高く賢者のような話し方をするのに、老成するにつれて幼児言葉になっていくオボンコ。
万時において適当、礼儀作法など二の次・むしろ要らないという、種族全員B型としか思えない星エルモ。
ライオンの姿形をしているのに、穏やかで聡明・菜食主義者のパナ。
コンピュータ関連の技術に優れていながら、口から出るのは悪口雑言ばかりのプルチョッポ。
女が支配し、肉弾戦に特化したアマゾネスの星ザケドス。
女を魔女とする宗教を持ち、20歳になる前に種族の女を虐殺する習慣があることから、周囲の星に忌まれているロックアーリ。
長い寿命を持つがゆえに人口爆発に悩み、他星の領土を狙うペシドリア。

などなどなど… よくもまあ、こんな面白い設定作ったなあ、と思うしかない個性的な種族の数々。
これだけの種族と登場人物が出てくるシナリオにも関わらず、その全員がきちんとプレイヤーに印象付けられて、プレイしていて「これ誰だっけ?」みたいな感覚が全くないのが、まずすごい。
そして、そんな彼らの星ごとの環境・事情・種族の性質などなど、それらをうまく絡み合わせ、双方が納得できるよう調停していく様が、とても見ていて面白いのです。

設定も深く、ちょっとした言葉が、世の真理をついていてニヤリとしてしまうことが多々。
綺麗ごとでは済まない、済ませない部分をしっかり見せながらも、決して醜悪ではない…むしろ…潔い、という言葉が似合う世界観のように思います。

おそらくそれは「正しいかどうか」で物事を計っていないせいかもしれません。
それぞれの星に癖があって、変わったところも良いところもあって。それはこちらにとって時には不都合なことであっても、相手にとっては決して譲れない「正義」。
それは、どちらがどう、という事ではなくて、立場と感覚の「違い」があるってだけのこと…。

一般的には、言い合いや喧嘩を「悪いもの」と受け止めることが多いけれど。
そういう形で幾度も軋轢を繰り返さなければ理解できない関係もある…かもしれない?

未完結であることが惜しいですが…途中まででも、十分読み応えのある作品なのです。
SF好きな方におすすめよー♪

ちなみに私の推しキャラはヘンデルス。かっこいいぞう!ハゲだけど!!
あとシアラーはマジ聖女!






っていうか、現実にサザンテみたいなスーパー外交官がいたらいいのに…
このごろウワサの近所のあの国を、ぜひともなんとかして欲しい…!

桜梅物語

2017-09-28 00:00:54 | フリーゲーム(乙女)
「桜梅物語」
中国宮廷風乙女ADV・後日談はkindleで販売中
制作者:トリアドール様(Toreador)

=================

たまにはヤンデレでもなく、ダークでもない正統派な乙女ゲを!
中国宮廷風…というわけで、皇帝が正室と大勢の側室を持ち、身分制度が厳しく格差が激しく、暗殺が横行し、下々のものの命は羽より軽い…そんな世界観の中で繰り広げられる物語です。

莞国(げんこく)の宮廷の後宮には、大勢の良家の娘たちが集められていた。
その中から、若き皇帝・秀郁(しゅういく)の正室…「国母」を選ぶためである。
そんな候補者の一人の付き人としてやってきた瑞春(すいしゅん)は後宮で働くうち、皇帝本人と、その弟である高苑(こううん)殿下と親しくなっていく。
しかし、正室選びの最中という微妙な時期のこと。その存在は、正室候補たちや、宮廷で国政に関わる人々の不興を買ってしまう。
秀郁や高苑に守られて、なんとか苦難をやり過ごしていく瑞春だったが、やがて、その存在を利用しようと陰で企むものが現れて…?


世界観がきちんと作られているのが良いですね~
前皇帝のありかた、今の国の現状、外の国からの脅威と、内側に潜む脅威。
主人公を守ろうとする皇帝や殿下でさえ、なんでも命令すればできるってわけじゃなく、油断ならない宮廷で隙を見せないよう、常に気を使わざるを得ない…そんな現実っぽい縛りがつくのがいい感じ。
それぞれのルートで「なぜ彼らが今のように育ったか」という過去の要因が詳しく語られるのも、キャラに深みが増していました~

まあ…本気で殺しにかかる暗殺者の刃を、攻撃対象より近くで庇って受けて、一週間でほぼ完治ってのはどうかなーと思いましたが。そこはファンタジーってことで。


さてさて、攻略対象は、皇帝・秀郁と、武人・高苑。
頭脳派と肉体派でうまくカテゴリわけされた二人です。

まずは皇帝・秀郁。
頭良すぎるというか、勘が良すぎるというか。人の本性を見抜く慧眼を持つがゆえに、今まで心安らぐことがなく、瑞春の率直さや裏表のなさを知って惹かれていきます。
陰謀渦巻く宮廷の悪意から、持ち前の狡猾さで瑞春を守ってゆく姿がかっこいい!
ただ、あまりにも毎回、瑞春の危機にタイミングよく表れてくれるので、常に陰で見張りをつけているんじゃないかって疑惑がぬぐえませんw

皇帝と言えば権力の頂点・なんでもできてウハウハなのかと思いきや、なかなか不自由な立場でもあって…特に妻問題に関しては、自由恋愛が許されず、最後まで振り回されました。
結局最終的には力技で解決?してしまいましたけど。
柔らかな物腰でやることはけっこう強引。
こうと決めたら、どんな手段をもってしても実行してしまうところは、まさに絶対権力者!


もう一人は、皇帝の弟にして莞国の兵を率いる高苑。
最初てっきり「こうえん」かと思っていたんですが、正しい読みは「こううん」
武骨で不愛想。絵に描いたような体育会系。
女性に関しては不慣れですが、それ以外では優しく面倒見も良く器用。
互いの足を引っ張ろうとする後宮の女とその子供たちの中で、兄の秀郁とともに協力して生き抜いてきたため、秀郁に対する忠誠心は強く、その武力をもって治世を助けます。

まー、彼は、いちいちやることが可愛いんですよね。
「女が男に気安く触って相手が誤解したらどうする!」ってそれ自分のことだろうw
気さくに冗談を言い合って、瑞春も割と遠慮なくツッコミを入れて、二人で楽しそうにじゃれあうシーンが見ていてほほえましい。
こちらのルートは、街へ出たり、馬車で移動したりと場面の変化のあるシナリオでもあります。
高苑を助けるためなら死体の持ち物を漁ることも辞さない、瑞春の強さと行動力も垣間見られますぞ^^

…しかし、あの状況で「縁談を世話しろ」ってのは…瑞春ちゃんってば挑発的な…;


エンディングは3つ。それぞれのキャラエンドと、どちらとも結ばれないノーマル?エンド。
双方のルートで、兄弟が互いにヤキモチを妬く描写がありますが、二股エンドはありません!
それやったら傾国で粛清されちゃうから!w


ちなみに、秀郁と高苑、それぞれの後日譚の小説が、kindleにて販売されています。
…同人誌でもなくBOOTHでもなく、kindle使うって珍しいよね。

両方買ったけど、きちんとボリュームがあって面白かったですよ。
毎回、うまい具合に邪魔が入ってなかなか結婚できない高苑ルートにはニヤニヤw
ゲームでは、半ば強引にまとめた感のあった秀郁ルートは、やはりもう一苦労あって…その後、きちんと納得のエンディングに漕ぎ付けました。

彼らのその後が気になる方は、購入してみてはいかがでしょうか~

ルート ルート ルート

2017-09-27 09:09:03 | フリーゲーム(乙女)
「ルート ルート ルート」
サックリ短編ADV・乙女風味・アソートノベル
制作者:まゆげ様(へもへも

======================

軟禁されて家探しするゲームの作者様のADVですー。
今回は選択肢によって全く違う形に分岐してしまう物語。
一粒で4度美味しいゲームになっております。

道端で久しぶりに会った青年・悟と、主人公の少女・未晴。
二つの選択肢のどれを選ぶかによって、この二人の性格と関係性が、まったく違うものになってしまいます。

正直、下手に語るとネタバレになりすぎてしまうので、細かいことは書けないんですが…
「王道」と思われる普通に乙女な1ルートを除いて、他3ルートは意外性のある仕上がり。
人によっては地雷っぽい雰囲気のものもあるかもしれませんが…残酷描写やスチルはありませんし、全体に表現はマイルドめだと思います。
…この作者様の過去作のうち、シリアスめの…はしばみとか、まい・ルームあたりをプレイできた方なら、おそらく大丈夫。

短かめなシナリオなこともあって、前の話の余韻が残るうちに、別ルートの…似たようで全く違う物語をプレイすることになるのが、良い効果だと思いました。
同じキャラの同じ立ち絵と表情。同じ背景グラフィック。なのに、全然雰囲気が違う。
そのため、プレイしていて「さっきはこうだったのに!?」みたいな若干の混乱が起きるのが、また楽しいっていう。

私はいちばんマトモでハッピーなルートを最初に攻略してしまったので…
さっきまでほんわか幼馴染やってたキャラが、同じ顔のまま、いきなり●●●●になってたり、●●な性格になってたり、主人公が●●●たりするのが面白かった~
とあるルートで弟キャラが出てきたときは、ちょっと「ニヤリ」としてしまいました。
姉大好き弟キャラは作者様の鉄板!


伏字だらけで何が何だかわからない? 
そんなあなたはぜひDLを!
一つ一つ手抜きなく練られた人物描写もさることながら、それをいくつも組み合わせることで、異次元的な効果を産む、構成力の妙をお楽しみくださいませ。


稲葉探偵事件ファイルNO.3

2017-09-26 00:00:14 | フリーゲーム(ホラー)
「稲葉探偵事件ファイルNO.3」
探索ホラーADV・シリーズ完結作
制作者:スイカBAR様(公式サイト

======================

稲葉さんの立ち絵が画面上ギリギリなのが素敵!
No3は、何気に身長差&年齢差カップルだった稲葉さん&ニーナちゃんに目覚める回でした。
今回の見どころは若い時の稲葉お兄さんと、10歳のニーナちゃんのエピソードでございます。意義は認めない(キリッ)

それにしても…ニーナちゃんのご両親、よくまあ「近所の独身成人男性(他人)」に、愛娘を何日も預けようって気になったもんですよね…
よほど普段から親しくて、信頼していた、とか?
でも、それまでニーナちゃん、稲葉さんのこと認識してなかったみたいだけど…;

このころの面倒見の良さと、今の葵ちゃんとのあれこれを見る限り、茜さんの疑いは正しい…ような気がしてならない…?^^;あわわわ;



とある日、帰りが遅いニーナちゃんを心配した稲葉さんが電話をかけてみると、焦った様子のニーナちゃんから、近くの空き家で死体を発見してしまったと告げられます。
その後突然切れて、繋がらなくなった電話に、何事かが起こったと察した稲葉さん。急いでその空き家へと向かいました。
そこは、出会ったばかりの二人がかつて、探検ごっこをした思い出の家…。
昔の思い出をたどりながら、廊下を進んでゆくと、そこには思いがけない血塗れの光景が…!?


今回は推理…というよりは、ホラー探索に特化したゲームになってます。
推理部分は特にプレイヤーが考える部分はありませんが、そこまでの行動のフラグでエンドが分岐していきます。
エンド数が全部で7つと多いので、それっぽい選択肢の前には、しっかりセーブデータを残しておきましょう~

いやー、何がいいって、カエデちゃんがいい味出してました!
くう…オープニングの稲葉&葵といい、過去の稲葉&ニーナといい…
どうしてこう、お兄ちゃんと幼女を全面に打ち出したシナリオなのでしょうか!
終始、弱いところを突かれまくりでした。

イケメンなのに怖がりでヘタレな稲葉探偵と、明るく無邪気な幼女幽霊のカエデちゃんの、ところどころに入る漫才みたいな会話が面白かったです。
…カエデちゃんがいなかったら、稲葉さん、きっとこの屋敷の探索、ろくにできなかったのでは…;


攻略に関しては、公式サイトで出してくれていますので、わからなければそちらへどうぞ!
細かい分岐ポイントはいくつかあるのですが、トゥルーエンドへの大雑把な条件としては「日記を全て探す」ことと、ニーナちゃんは二階へ向かわせる、です。

日記は、全ての部屋をくまなく探すと良いかも。一度探索したら入れなくなる部屋には気をつけましょう。セーブポイントはあちこちに、多めに設置してくれているので、探索前には必ずセーブのこと。
また、最初の逃げイベ前に探索した部屋を忘れないこと…私は初回、逃げイベントでスルーした部屋を探し損ねてバッドエンドになりました。


さて、このNo.3で、稲葉探偵シリーズは最後の作品ということです…
回を重ねるにつれ、グラフィックもシナリオもシステムも、目に見えて上手になっていったシリーズだけに、何かとても残念ですね。
稲葉さんのロリコン疑惑の真実も気になるし(←w)、播磨さんはきっとこの先、メインキャストになってくれるものと思っていたのに~;
愛着のあるキャラの作品が完結しちゃうのは、いつも寂しい。

…稲葉シリーズが終わって、また別なものをつくられるのでしょうか?
それとも、合作なさっていた皆さんの、スケジューリングが難しくなってきたのでしょうか。
いずれにしても、またいつか、他作品などで、お見掛けできると良いですねぇ…


ソルシエール年代記「騎士と魔導士編」

2017-09-25 13:43:45 | フリーゲーム(ファンタジー)
ソルシエール年代記・騎士と魔導士編
長編RPG・リメイク作品
制作者:イシル様

================

フォルティスの所属する騎士団は、ある日突然団長から、全員が魔導士とペアを組んで行動せよ、という命令を下された。
一般的に、魔導士とは、人間には使えない怪しげな「魔力」を操る「人間以下の存在」とされており、人々に忌み嫌われる存在である。
フォルティスもまた、そんな、魔導士嫌いを表明するものの一人であった。

彼にあてがわれた魔導士は「ナンバー308」を名乗る少女。傭兵魔導士として配属された彼ら・彼女らは騎士に絶対服従するよう躾けられており、命令に逆らうことはない。
最初は308に対して冷たい態度をとっていたフォルティスだったが、ともに仕事をこなしていくうちに、やがて、今まで当然とされてきた魔導士への非道な扱いについて疑問を抱くようになってゆく。

犯罪を犯し、殺人事件を起こす魔導士たちの動機はなんなのか。
それに対して、主の命令とあれば仲間殺しも辞さない「傭兵魔導士」たちに課された運命とは?



「ウィザード308」のリメイク版ですね~
MVになってより画面が美しくなりました。
キャラグラフィックも整って、綺麗になったり可愛くなったり。
ミレイヤちゃんはより癒し系になりましたぞ!
…主人に絶対服従で、敬語の様づけで話しかけてくる、物腰柔らかく優しい天然少女。
多くの男性プレイヤーを魅了してくれそうなヒロインでございます。

フォルティスはあんまり変わらないかな?ちょっと優しくなった?
いっしょに行動する親友ハイラムもイイ人になったし。
最初から魔導士に全く差別意識を持たない、アルスのキャラも良かったです。

シナリオも、前作からぐっと世界観を掘り下げて、それぞれの性格や「そうなってしまった事情や原因」にも触れ、より深みのある話になりました。
…大勢人が死ぬシナリオではあるにもかかわらず、全体の印象としては明るく正しいゲームだと感じますね。
研究所あたりの話なんて、その気になれば、もっと残酷で、忌まわしい感じになってもおかしくない内容なのですが…
それに直で関わった人たちがみんな前向き、に感じるって言うか。
たぶん、それに関わって死んでいったウィルのご両親も、フォルティスのお父さんも…無念ではあったかもしれないけど、誰かを恨んだり憎んだりはしていないように…思える?
むしろ「この遺志を誰かに伝えたい、この先を頼みたい」という未来への気持ちしか見えない。
そして、それは今作で、きちんと彼らの息子たちに正しく引き継がれていくわけで。

不幸を不幸のままでは終わらせない、希望と底力のあるシナリオだったと思います。
最後まで、楽しく、気持ちよくプレイできました!
文句なしで全年齢におすすめできる、良作でしたよ~

今作は「ソルシエール年代記」という一つの大きなシリーズの一作、ということで、謎の全ては解かれません。
アクジャとチビ悪魔(?)の彼との関係とか。アクセサリ屋さんが誰かとか…
そのあたりは、今後の続編で語られるのかなぁ?たぶん。
続編が、誰の視点の話なのかはわかりませんが、できれば、今作のキャラたち…
フォルティスやミレイヤのその後の姿が見たいものですね~



さてさて、最後は戦闘システムについて。

技や魔法は、敵を倒して貰えるAPを使って、覚えていく形です。
レベルアップしても勝手に覚えてはくれないので注意!
で、これを全員が全部覚えようとすると、案外戦闘数がかさむんですよね…

私は最初の方で技と魔法をある程度覚えさせてからシナリオを進めていったので、全攻略までの所要時間は12時間近くかかりましたざんす。
ただ、雑魚戦いっぱいしたせいか、お金や装備では一切不自由しませんでしたし、戦闘面もそう苦労はしなかったな…
ちなみに、クリア時のレベルはフォルティスが31。他は22~30前後でバラバラ。

ボス敵のHPが若干多く感じますかね~
ただ、回復のタイミングは十分とれるので、難易度は高くない。
HPとMPの残量に注意して、しっかり回復しておけば苦戦はしないはず?


あ、そうだ。アクセサリ屋さんは、後半は遭えなくなってしまいますので注意のこと。
マスターガードSやTPストッカーなどは、作れるときに作っておきましょう~
マスターガードSを全員分作ると、毒針とびりびり目玉がガンガン消費されてしまうので、その二つは心掛けて多めに狩っておくといいかも!





ところどころ出てくるフォルティスとミレイヤの微笑ましい一幕がなんともくすぐったいw
しかも、それを生暖かく見守る周囲の様子が見ていて楽しかったです。
「俺はお前が羨ましい!」というアルスのセリフに笑う笑うww
君も可愛い魔導士の彼女を探すがよいw

そしてミラーシャちゃん…いつの間にあの人とそういう関係に!?


FACTORY NIGHTMARE

2017-09-22 09:43:00 | フリーゲーム(ファンタジー)
FACTORY NIGHTMARE
探索脱出ADV・初音ミク&鏡音リン
制作者:れとろ様(twitter

==================

キャラは有名ボーカロイドの二人を使用していますが、シナリオ&設定はオリジナル。
廃墟になった工場に入り込んだミクちゃんとリンちゃんが、力を合わせて脱出しますー。

基本は、同じ建物の中をバラバラに行動する二人の視点を、交互にプレイしていく感じ。
入り組んだマップをうまーく構成して、二人のキャラを重ならないように動かしていくのが凄い。
互いの行動が影響したり、知らずに助け合ったり。ちょっとの時間差ですれ違ったり。
また、進んでいくと、二人以外の存在や行動もチラチラ垣間見えてくるのも面白い作り。
謎解きもさほど難易度は高くなく、楽しくプレイできました。

このゲーム機みたいな頭部のロボット、前作(あたまの隅に追いやって)にも出てきてましたね。
こちらのゲームも、面白かった覚えがあります。
謎解きや世界観にも近いものがあるので、前作が好みだった方は今作もお気に召すはず!


一度エンディングを迎えてから、おまけ部屋で制作者さんと会話すると、ハッピーエンドへのルートが拓けます。
選択肢を選んだあと、タイトルに戻って「最初から」を選んでみてね^^

…また、このハッピーエンドを見たあとに、最後のおまけシナリオアイテムが手に入るはず…なのですが…これは私、まだ見つかってません。
ミクちゃんでしか手に入らないらしいので、ハッピーエンドのあと、もう一周してみたんだけど。
ここだ!と思っていたところにはモノがなく…;ど、どこなんだ…;

もう一つの、ホラーテイストのおまけは、なかなか怖くて面白かったですよー^^w
ホラー好きさんは、ぜひとも探して見てみることをおすすめします♪


都市探究会

2017-09-21 23:50:15 | フリーゲーム(その他)
「都市探究会」
推理ADV・幽霊よりも怖いもの
制作者:裏束様(暁ーDAY BREAK

=================
先だって紹介した「ヒトミサキ」の作者様の前作です。
村雨ほどのサバイバル色はありませんが、こちらも良品の推理アドベンチャーなのでご紹介。

他作品もそうですが、この作者様のゲームは、主人公の性格や考え方、行動、環境がやたらリアルなんですよね。
こちらは舞台が大学であり、主人公はその学生ということで、身近に感じる方々も多いのではないでしょーか?

というわけで、主人公は、大学に入ったばかりの人見知りな青年・九条くん。
「自分から声をかけなきゃ誰とも親しくなれない」のが大学生…ということで、いまだに親しい人がいない現状に、ちょっぴり焦り気味です。
ぼっち克服のために部活かサークルかに入ろうと思ったものの…運動部や音楽系は、初心者がついていける気がしないので、無難で少人数の文科系を狙ってみることにしました。
(ほらね、すでにこの辺りの思考がリアルでしょ?)
そんな九条くんの目に留まったのが、部員が3人しかいない「都市研究会」
まずは見学してから、というつもりで部室に行ったはずなのに、部長の濃いキャラとその場の雰囲気に流されて、いつの間にやら入部することになってしまいます。

「都市研究会」…それは半ば「オカルト研究会」に近い活動内容のサークルであり、入部にあたっては「試験」があるとのこと。
九条くんは、部長に言われるがまま、他の二人の新入部員とともにさっそく、とある、いわくつきの廃屋への肝試しへと向かいました。
しかし、そこでは思いがけない出来事が…??


一応、幽霊(らしきもの)は出てくるんですけど。そっちはぜんぜん怖くない。
…まー、実際…ちょっとそこらへんにお化けがいたからって、やつら、肉体的に直で危害を加えてくるわけではないので。
(精神的に怖がらせて追い詰めるとか、一瞬の判断力を鈍らせることはあるにせよ)
むしろ本当に怖いのは、物理的に干渉できる肉体を持つ、生きた人間のほうなのですよね。

最初の「肝試し」をきっかけにして、ドミノ倒しみたいに波及・連鎖していく殺意がなんとも面白い構成の物語でした。
最後までリアリティを追及して終わるのかと思ったら、ちょっぴりファンタジックな要素が「救い」として用意されていたのも良い。
そして、それこそがラストへの伏線になっているのが、なんともせつないお話でした。

途中、最初の結末を迎えたあとの「IF」の話がリアルすぎて泣けた…
そう、一つの悲劇を防いだからって、結果がいいものになるとは限らないっていう…
しかも「一番マシな結果」に伴う犠牲が…自分自身って;

物語においては「主人公」は中心であり不可侵ですが、リアルにおいては特別な個人は存在しない…「自分の視点」では主人公である自分自身も、他人から見ればただのモブにすぎないのだと。
そう思い知らされるような展開に、ヒヤっと背筋が寒くなりました。

ほかにも、登場人物たちの性格設定、話し方、感情の表し方などなど。
あー、こういう人いるよね、とか。こういうことあるよね、とか思える部分が多く、プレイしていて遊びごたえがありましたよん。


推理を楽しみつつ…「人間観察」も楽しめる、良ゲームだと思います。
興味のある方はぜひどうぞー^^


THE OBJECT

2017-09-19 13:46:23 | フリーゲーム(ホラー)
THE OBJECT
探索ゲー・アタッチメント異形頭・私は誰?
制作者:チュアブル様

====================

気が付いたら見知らぬ場所にいて、首がなかった!
脳がないせいか記憶もなく、自分が誰かもわからない。
仕方ないので首の代わりにいろんなモノをつけかえて(←!)あたりを探索してみよう!

カラダが本体・頭はオマケ、な「クビナシ」と呼ばれる妖怪?が主人公の脱出ゲームです。
本を読むときは「辞書の頭」モノに火をつけるときは「炎の頭」モノに電気を通したいときは「電球の頭」と…いろいろアタッチメントを変えつつ、いろいろ探っていきましょう。

頭をつけかえて謎を解いていくのが、なんともいえずユーモラスに感じますが…
あちこちの残る血の痕から見ても、どうやらこの家では、何か惨いことが行われた様子…?


探索の度合いによってエンディングが若干変わります。
果たして、皆様は真実にたどり着くことができるでしょうかー^^

エンディングはある程度予想がつく展開ではありますが、頭をとりかえて進む、っていう発想が面白かったっす。

さっくり終われて楽しかったのでおすすめ~

ヒトミサキ

2017-09-19 00:57:25 | フリーゲーム(その他)
「ヒトミサキ」
推理ゲー・過去の事件の謎を暴け
制作者:裏束様(暁ーDAY BREAK

=================
ん?どっかで見たキャラとどっかで見たエピソードが出てきた…と思ったら、作者様は「村雨」の人だったんですね。
今作も村雨同様、人死にはたくさん出てくるんですが、オカルト要素は一切ない、推理ゲーとなっております。


両親を火事で亡くし、ただ一人の肉親である叔母を頼りに、子供のころ住んでいた村に戻ってきたタクミ。
叔母に厄介者扱いされながらも、行く場所もなく耐えていたある日…
幼馴染が遊びに来てタクミが目を離した、ほんの数十分のうちに、叔母は何者かに殺されてしまう。
そして、その死体のそばには、以前、この村で起きた殺人事件を関連付けるような置手紙が…

一年前に起きた「犬養一家惨殺事件」。
そのころには、もちろんタクミはこの村にはおらず、まったく無関係であるはずだった。
しかしその日から、タクミの周囲では、不審な事件が起こり始める。
巻き込まれる幼馴染の少女、あまりに続く怪事件に、もしやタクミが犯人ではないかと疑う警察。
犯人の狙いは何なのか? 一年前の事件との関係はなんなのか?

昔仲がよかった幼馴染や、わざわざタクミの危機に来てくれた、前の学校の友人たちとともに、タクミは自分にかかった疑いを晴らすため、事件の真相を追ってゆく。


一難去ればまた一難。次々と降りかかる事件を、タクミくんの持ち前の落ち着きと頭脳を持って解決していくゲームですー
基本は「聞き込み捜査」。
村の人たちに話を聞いて、捜査する人間の行動を追い、どこへ行けばいいか、最終的にどこにいるのか、を絞り込んでゆく形。
聞き込み情報が足りなかったり、最終的に行く場所を間違ったりするとアウト!
でもまあ、そう多くの選択肢があるわけでもないので…直前セーブさえ怠らなければ、特に苦労はしないはず?

プレイしてくれるとわかるのですが、シナリオがとても複雑です。
1年前の惨劇、タクミが来るきっかけとなった火事、叔母の殺人事件、誘拐失踪事件、ストーカー被害…
いくつもの登場人物の思惑がからみあい、本来は違う根を持つはずの事件が、関連して起こっていくのが面白いな~と思いました。

ちなみに、タクミくんと行動をともにしてくれる、高校の友人二人は、村雨の登場人物です。
そちらもプレイしがいのあるミステリー&サスペンスですので、あわせてお勧め^^





実は、あまりにも村人達が親切で優しすぎるので…
最初「これって村ぐるみの犯罪なんじゃないか。優しい顔で主人公を陥れるつもりなのでは…?」
などと疑ってしまいましたぞよ。
…親切すぎてアヤしいと感じる、とか……私の人柄の卑しさが丸見えですな!w

シキヨク-夢魅テルは夢見てる(第七話「4年前の事件」)

2017-09-18 10:16:54 | フリーゲーム(ゲームマガジン)
「シキヨク-夢魅テルは夢見てる(第七話 4年前の事件)」
電ファミニコゲームマガジン・連載ADV
制作者:アイムシアン様(ImCyan

====================
若テルがイケメン!若テルがイケメン!
大事なことなので何度でも言います。若テルがイケメン!

しかも、二人はカテゴリが違っていて、今テルは「残念な天然イケメン」なのに、若テルはミステリアスでクールなキャラクター……一粒で二度美味しい!
え?なんのことって? プレイしてみればわかりますw(丸投げ)

えー、今回は、大きくシナリオが動く前の伏線回…っぽい話でした。
雰囲気で言えば「ざわ…ざわ…」って感じ?

「シキヨクの呪い」普通に考えれば確かに作中で言われる「色欲の呪い」と考えてしまいますが…
あえて、こうもってくるってことは、違う漢字を当てるってことですよね。
うーん。あれ、確かもともとは「死期欲」でしたっけ?…死期を欲する…呪い? 
なんか字だけだと、どういう呪いかピンとこないですね。
ここは、この先の種明かしを楽しみに待つとしましょうか~

チェリーちゃんが語る、過去の回想シーンでは、4年前の、いまとはキャラの違うチェリーちゃんの様子やキラ先輩との出会い、「シザーガール」との関係…そして、当時、巻き込まれた夢の中で、意外な人物との邂逅を果たしていたこと…などが語られます。

相変わらずキャラグラがすごい。
若チェリーちゃんはビジュアル系のイケメンでした;
基本の顔は一緒なのに、微妙に若く見えるってすごいわぁ。
ていうかチェリーちゃんの本名、ゲーマーな私にはモンスターの方しか思い浮かびませんでしたが何か。
鳳我でオーガ。龍我でリューガ。
鳳と龍か……なんちゅーか、程好くDQNネームなのが「らしい」雰囲気!

キラ先輩も、過去の顔はちょっと幼げで可愛い。
しかし、この人、本当に中身は漢ですよね…;
ゴチャゴチャものを考えないっていうか…場当たり的というか…
とりあえず彼(彼女?)の食生活が心配です。

今回の話のおかげで、シザーガール事件のとき、チェリーちゃんが見せた表情の謎が解けました。
結局、当時から4年間、シザーガールはずっとあのままだったってことですね…
今までは「無事逃げることができてめでたしめでたし」みたいな感覚だったのですが、思えば根本的には何も解決してないんだな~と、今回、思い知らされました。
たとえ何年たとうとも、油断すれば、同じ死者の夢に再び引きずり込まれる可能性はあるんだなって。
(そういえば、テルくんが高校に行けなくなったのも、そういう理由だったよね!)

時間とともに、どんどん床が抜けていく部屋を歩くかような…
回を重ねるにつれデッドゾーンが増えるばかりのシキヨクの世界。
果たしてテルくんは生き延びていけるのでしょうか…

失われた過去に何があったのか。
死んだと思われていた美々子ママは、一体どこへ消えたのか?
そして、ルナちゃんの存在そのものも、何か揺らぎ始めて…?
いや~、どうなるのか、楽しみですね!

夢魅の一族は、もともと、夢に入るだけの力しかないけれど。
でも…今のテルくんの周囲には、一癖も二癖もある心強い(?)味方(?)が大勢いますから~
案外どうにかなるんじゃないか?って気になってしまう。
自分で夢を創れる力を持つニナあたりは、いい感じに活躍できそうだけどね~


今回は、途中に「名刺集め」というサブクエストがあったりします。
毎回毎回、新しいものを盛り込んでくるのはさすが~
個人的には、ルナ&ルナネコの名刺もほしかったかも。
「お兄ちゃん…ルナも自分の名刺欲しいな♡」とか言ったら、作ってもらえないかしら…

ちなみに、この名刺集めのせいで、私はまんまとチェリーちゃんにお掃除されました。
っていうか、みんな絶対にここ、はめられたでしょ??私だけじゃないよね!?



最後のルナちゃん…怖いことも怖いんですが、何かこう…思いやり?心配?慈愛?のような雰囲気も感じられる、微妙な演出が良かったです。
彼女はテルくんの失われた時間を知っているようですね…
なんとなく、なんとなく…だけど、こうかな?っていう予感は、しますね…

赤い糸は呪いなんですよ