鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

四龍行路

2017-08-30 15:26:49 | フリーゲーム(ホラー)
四龍行路
アツマール・ホラゲトリビュート作品・実はラブストーリー
制作者:cf_u様

=============
以前、グラマラスなゴーレム擬人化ものを作ってた方ですねー
いつも、ちょいと年上の母性的でカッコイイ女性&年下イケメンの組み合わせが魅力的な作者様です。
嗜好性の強いものを作られている印象でしたが、私はけっこう好きだったのねん。
この方の作る女性キャラは、言葉や態度こそ男勝りですが、皆、包容力があって優しい。
それでいて、細やかな心遣いやちょっとした可愛らしさも見せてくれる、素敵な人ばかりなんですよ。
グラフィックも綺麗で装飾的なので、立ち絵見ているだけでも楽しいしね。

ま…男女問わず、女性キャラに、感じのいい笑顔とか、か弱さとか、男より一歩劣る可愛さとかを求める方には…合わないかもしれない…かな?

とりあえず、今作は、そこまで趣味嗜好は偏ってないと思います。
マップも作りこんであって見ごたえあるし、文字入力を使う謎解きシステムも面白い。
中華っぽいようなそうでもないような、世界観も独特。
いろんな意味で印象に残る良作でした。

さて、舞台は、人間と動物と魔物が混在して生きる世界。
道に立ち並ぶ露店には、種族関係なく切り分けられた屍肉が売られ、その最奥には、不吉な噂のある「小路」があるとのこと。
プレイヤーが操作する、名もなき影は、不思議な使命感に囚われて、「小路」の奥深く…魔物の住む屋敷へと、足を踏み入れます。

やることは「鉢植えにエサをやって実を4つ集める」こと。
探索の手を抜かなければ、この「実集め」に苦労することはありません。
順番にフラグを立てて進んでいけば、自動的に手に入るって感じ。

ただ、実だけさっさと4つ集めても、よくわからないエンドにしか行けませんので…
他にできることをいろいろやってみましょう!

特筆すべきは「赤い手帳」の、文字入力システム。
怪しい場所では、コマンド入力で行動を起こすことができます。
くわしくはゲーム中できちんと説明してくれますが、たとえば、蝋燭の炎に「ふく(吹く)」と入力することで、消すことができたりするシステムです。
まあ、おおむね、よく使う動詞ばかりなので、迷うことは…ない、と思う。

(一番迷いそうなのはカレンダーかな?…普通、月が替わった時、どうしますっけ?)


このシステム、実は、最後の最後にも有効です。
なんでここでセーブできるのかな?と思う部分は…素直にセーブしておきませう。
実は、この後の行動でも、若干エンディングが変わったりします。
最後まで気が抜けない!w

ホラー…と思いきや、実は案外普通のラブストーリー。
ぜひプレイヤーの皆様の手で、物語をハッピーエンドに導いてあげてくださいませ。




なんか奥様、最後の方すごい可愛いんですけど。

ストロベリー・ヒル・ホテル

2017-08-28 11:41:51 | フリーゲーム(ホラー)
ストロベリー・ヒル・ホテル
アツマール・ホラゲトリビュート作品・少女最強
制作者:ちvero様

==================

まず目を惹くのは、全て手描き(だよね?)のグラフィック!
ゆるめの絵本みたいなタッチなのに、蟲やら異形のものはしっかり雰囲気出ていて、表現力が凄いっす。絵の上手い人だなぁ~

まずはざっくりあらすじ。

探偵のフィリップスは、富豪の娘リア・ストロベリーからの依頼を受け、ストロベリー・ヒル・ホテルへと足を踏み入れた。
彼女は、死んだ祖父…ホレス・ストロベリーの集めたコレクションの中にある呪われた品を特定し、破壊してほしいのだという。
それがかなった日には、そのコレクションを含む、全ての遺産を報酬として差し出す、と。
呪いなぞ、まったく信じていないフィリップスにとってそれは、オカルトに傾倒した金持ちの妄想・思い込みによるものとしか思えなかった。
適当に話を合わせておけば大金が転がり込む、うまい儲け話だと。

しかし…彼はすぐに思い知ることとなる。
その考えがとても甘いものであったことを…


…というわけで、基本はフィリップスとリアとが、協力しながらコレクションルームを探索していく形になります。

リアちゃんが、非常に冷静かつ頭の良い子で魅力的!
常に不動にしてマイペース!なんとなく大物感がありますね~
この世の常識なんか通用しない存在に対しても、臆せず理屈で責める。
ここまで相手に合わせないホラーの登場人物は初めてです。
まあ、確かに、相手と同じ土俵に上がりさえしなければ負けはないw

というか、この作品世界で一番ちからあるのは、暴力でも超常現象でもなく、言霊なのでしょうね。
理詰めなリアちゃんはある意味、この「場」で最強の存在。
こともなげに怪異たちをいなしていく様は、見ていてとても爽快でした!

対照的にフィリップスは、いちおう主人公のはずなのですが…
いちいち、釣られまくりのノせられまくりな姿がなんとも可愛いらしい人でした。
本人曰く「合理的」なのだそうですが…いやいや多分コレ、単純って言うんじゃない?
なんだかんだと、出てくる異形と普通に仲良くしている姿にニヤニヤしました。
最初に閉じ込められた時の、「あぁー怖い怖い!本気で怖い!」は大爆笑。
順応力があるのは良いことです。

シャレの効いた言い回し、展示物?の異形のものたちと気さくなやりとり、などなど。
とにかくキャラ同士の会話がテンポがよくて面白く、ホラーといいつつも軽快な仕上がり
でした。
こんな美しい手描きグラで、けっこう重めな時代背景と深いテーマを扱っているはずなのに…
プレイ後出てくる感想が「おもろかしい」なのはこれいかに…

出てくる「展示物」たち、みんな魅力的で好きでした。
主人公の相棒?の髑髏くんや、蟲の部屋の吊るされたアレ、蛹の女神もいい。
ある意味人間より、ずっと素直で話が通じる気がするのはなぜだろう?


そうそう、最期の、「杭」の種明かしは、おおっと思いましたね~
プレイヤーはキャラを自分の思い通りに動かしているようでいて、実は作中の存在に誘導されているという意外性。
ゲームシステムを…いや、プレイヤーも全員、物語に組み込んじゃってるメタ設定がイイ!

このゲームがアツマールの新作に表示されたとき…
吸い寄せられるようにクリックしてしまったのは…
もしかしたら、例の「杭」が、そこに表示されていたのかも…

なーんて想像さえ膨らんでしまったりして。


遊び心が適度に混ぜられて、気持よくプレイできるゲームでした。
最終的には、取り込まれた人間に「被害者は出てない」のも後味がいい。
そーですね…映画の「ナイトミュージアム」あたりが好きな人は、すごく好きそうな話?かも?
おすすめですよ~





…そういえば、人形の足って拾ったっきり使ってないんですけど…
これって意味あった? 何かイベント見落としてるかな…?

YourPrison

2017-08-27 08:42:50 | フリーゲーム(ホラー)
YourPrison
アツマール・ホラゲトリビュート作品・過去のトラウマと対決せよ
制作者:吉良(きよ)様(Kiyo Game Storage

===============

とある森の中に、逃げた少女を探しに来たグラッゼ。
少女…リセッタは、精神感応の力を持つ、特殊能力者。
なんとか姿を見つけ、説得しようとしたものの…パニックを起こした彼女の悲鳴とともに、グラッゼは自分の精神空間へと落とされてしまう。
そこで己の過去のトラウマに襲われたグラッゼは、見知らぬ少女…アリシアに助けられ、ともに出口を目指すことになった。
ここから出るには、この世界のどこかにいるリセッタを見つけなければならない。
二人は、リセッタの影を求めて、グラッゼの精神空間を探索してゆく。

難易度はノーマルとハードの二種類!
アクション下手な私は迷わずノーマルを選択しました。
グラッゼのHPが、ハードより高くて、ちょっと余裕があるのかな?
それでも、最後のピエロとの戦闘はけっこう苦労したので、ノーマルでなかったらクリアは難しかったかも…;
アクションに自信の無い方は、素直にノーマルおすすめですぞよ。

シナリオはしっかり纏まって、安定感のある仕上がり。
全体に、あまり遊びのない重めの話ですが、絵の綺麗さとアリシアの性格の良さがいい感じにバランスを取っていて遊びやすいですね~

主人公のグラッゼ…見た目こそ若そうですが「おじさん」とか呼ばれてるところを見ると、そこそこの年齢なのでしょうか?20代後半~30代初めってとこかなぁ。
どうやら、国の正義…警察とかFBIみたいなところに勤めているようで、そこでの仕事のために、リセッタの力を役立てていた様子です。
「正義のためなら多少のことは仕方ない」といった、ちょいと人間味に欠ける感じの彼ですが、その原因となった出来事は、彼の精神世界を旅していく中で明らかになり、自覚され…
同時に、彼の世界に混ざりこんだリセッタの記憶を知ることで、失われた「何か」を取り戻していきますよー。

いやあ、客観性って大事よね!
自分のことって、近すぎて案外見えないものだから。
こんなふうに、外から自分の人生や、行動を見られたら…きっと気付くこと一杯あるんだろうなぁ。

「子供の自分」の想いを解放して、本当の意味で「誰かを守れる大人」になったグラッゼ。
もともとエリートな人だったようだから、これからは、その知恵と力を駆使して、しっかり彼女を護っていってくれることでしょう。
社会正義を守ることも大切だけど、近くにいる誰かの笑顔を守ることも、同じくらい大切…


いやー、私もゲームばっかりしてないで家族サービスしないといかんね…;

救われる日を求めて

2017-08-26 23:33:47 | フリーゲーム(ホラー)
救われる日を求めて
探索謎解きADV・記憶を取り戻し、惨劇を防げ
制作者:液体記憶様

===================

記憶をなくし、見知らぬ部屋で意識を取り戻した主人公は、目の前に現れた不思議な炎に「この世界を出たいなら、二つの石を探せ」と言われ、何が何だかわからないままに探索を開始することになってしまう。
炎が言うには、その世界には、あちこちに「歪み」が存在し、特別なアイテムを使ってそこに触れると、何者かの記憶を垣間見ることができるとのこと。
石を探索していく中で、否応もなく触れてゆく、歪みの中の「誰か」の記憶。
それらは、どうやら、ある一つの事件に関係しているらしいのだが…?


いやあ、それほどボリュームはないはずなのに、なかなかハッピーエンド?トゥルーエンド?に至れなくて苦戦しました!
何が困るって、石を集め終わったあとの世界で、セーブできないのがつらかったー!
ええ、実は、そこからが案外長いんですよ。しかも、エンディング分岐ポイントもここにあったり。
なのでエンドコンプのために一回一回、石を集め終わったところから通しでプレイしなければならないのが……ちょいダルい…かな?

とはいえ、あちこちの歪みで「記憶」を探しつつ、起きた事件のあらまし、お互いの関係性や、一体誰が誰なのか?を推測していく作業は、実に面白かったです。
推理ゲーとかが好きな人は、きっとこのゲームが気に入ると思うな。


さて、ここからはゲーム構成についてと攻略ヒント~
このゲームは大きく、石と記憶探しの前半と、過去回想の後半に分けられます。

たぶん、キーアアイテムの石はね…すぐに見つかると思うんですよね。基本一本道だし。
ただ…炎からは「石を探せ」としか言われないんですが…実はそれだけしかやらないと、何も思い出せないまま終わってしまいます。
石が揃ったら、全ての場所をもう一度探索しなおしてみましょう。
薄暗くてよく見えない場所は、とくに念入りに!

石を手に入れたあと、探索で大切な3つのアイテムを見つけたら、後半の回想へ。
過去に何が起こったのか、実際に見ていきます。
何が一体悪かったのか、どこが問題だったのか。ここでしっかり見極めておきませう。
そして…そのあと、ある条件を満たすと、特別なルートへ…

「記憶」は、全て探してきちんと見て、内容を把握しておきましょう。
どこでその事件は起きたのか。だれがどの部屋にいたのか。
覚えておくと、あとあと役に立ちますよ!


エンディングは、私が見ることができたのは4つ。
思い出せなくて繰り返すエンド
思い出したけど冤罪エンド
思い出したけど後悔しているっぽいエンド
過去を書き換えよう!なエンド
でした。

たぶん、誰しもが、一度は思い切りハマるのは冤罪エンド…
これはね…プレイヤーの習性を逆手にとられたって感じです。見事にやられました。
その後、教訓を生かしてプレイして、後悔エンドへ。
さらに、そのエンドのあとはトゥルーへのヒントをくれるので、そのとおりに行動しましょう。


いろんなパターンのエンドを経て、やっと幸せなエンドを迎えられたときは、感無量!でした。
ぜひ皆さんも、プレイして、同じ気持ちを味わってみてくださいな。

クロックワーク

2017-08-25 11:17:21 | フリーゲーム(ホラー)
「クロックワーク」
謎解きADV・サイコホラー・人間ドラマ
制作者:KOUYA様 はな丸様(KOUYA's

====================

さてさて、こちらも洋画見てるっぽいゲームです。
渋くてオヤジがかっこいい!

舞台は第二次世界大戦後のアメリカ・アリゾナ。
かつて、7人の人間が殺された事件のあった、とある館。
そこに招かれた8人の人間と7つの大罪に絡めた殺人…なぜか一人多い招待客。
果たして、招待主の「エンターティナー」は誰なのか。
繰り返される惨劇の果てにたどり着く結末は…?

それぞれの招待客が「七つの大罪」を示しているので、誰がどれ、というのは、割と最初でわかるのですよね。
ただ、最後に残る二人のうちどちらがエンターティナーなのか、プレイヤーにとってもドキドキの展開でありました。

途中、ちょっと戦時中の過激な映像が流れますので、苦手な方は注意したほうがいいかな?


作中のポールは…あのポールがモデルですかね? 
彼の役どころ…行動の動機…「そう命令されたから」という言葉がそれっぽい。
そして最期も…象徴的ですな。

この分だと、他の登場人物にも、何かいろいろ暗喩があるのかもしれないけど…私には知識不足でわからないなぁ。
とりあえず、すごくリアリティのある「人間」が描かれたシナリオでした。
さっさと殺されてしまった強欲と怠惰の人は、見せ場がなくて残念ですが…
他のメンバーはけっこう濃いとこ見せてくれますよー

現実の中にヒーローやヒロインは存在せず、いるのはただ罪人ばかり。
英雄は殺人鬼。被害者は加害者。誇りは他者を傷つけ、無関心は魂を腐らせる。
セピアがかった画面の中に踊る彼らの行く末は…
ぜひ皆さま、ご自分の目で確かめてみてくださいね!

ちょっと昔の洋画が好きな人なら、きっと好きな雰囲気だと思います^^
おすすめですよー



謎解きは…作者様のサイトに攻略が掲載されているので、わからない時はそちらへ。
私は「絵」の謎解きがどうしてもわからなくて頼りました。

アクション難易度は、それほどでもないけれど…頻度が高め?
途中、アマンダのターンのときのみ起こります。
これは…敵もマップをウロウロしてる設定なのかな?とにかくよく遭遇しました。
何マップか引き離す…もしくは、逃げイベBGMがかかっている時にタンスに隠れるとOK。

赤い羊が騒ぐ時

2017-08-24 14:13:35 | フリーゲーム(ホラー)
「赤い羊が騒ぐ時」
ホラーADV・逃げ少々・意外な真実
制作者:ふらt(ふらた)様(制作ブログ

================

凄惨な事件に巻き込まれ、記憶を失った少女が夜ごとに見る悪夢。
たとえ傷つくことになっても本当の記憶を取り戻したい、と願った少女は、悪夢の中で自分を襲い来る存在に立ち向かうことを決意する。

絵柄がどんどん変わっていきますね~
お母さんのセクシーな立ち絵や、ちょっと癖のあるターナーの笑顔など、ただ可愛いだけじゃない…そのキャラの内面まであらわすような、良い立ち絵だと思いました。
以前は、お年寄り系のキャラも書いてらしたし、あえて、年代幅広いキャラクターを使うようにしてらっしゃるのかな?

個人的に、いろんな年代の登場人物がいるほうが、全員がティーンエイジャーで進む話より、説得力とシナリオの幅が増す気がして好みです。

悪夢の中のピエロが怖くていいですね~
キャラの等身が大きいせいか、何かマップが狭く感じて…
すぐに追いつかれるような錯覚があるんですよねぇ。
しかも、捕まった時に、オノをガンガン振り下ろされる、機械的な動きがまた恐怖をそそる。
あ、ちなみに、追い詰められたとき、ダンボールは隠れちゃダメです。
後ろに、もっと広いとこあるでしょ?

全体に、洋画っぽい雰囲気が心に残るゲームでした。
クズ野郎が、本当に何の理由もなくクズだったのもリアルでいい。

さっくり終われますので、興味を持たれた方はぜひどうぞ^^





絶対あの人共犯だと思ってた…;
無関係だったのね…ていうかなんで気付かないかな。

BRAING RAIN

2017-08-24 11:56:44 | フリーゲーム(ホラー)
BRAING RAIN
アツマール・ホラゲトリビュート作品・さっくり脳アクション
制作者:ZZ ZZZ(アレジゴク)様

==============

衝撃のオープニングで始まる物語。
サクっといかれてしまった主人公が、身軽な姿で脱出します。

…オープニングの「いや、いがいと いけるんじゃない!?」がなんとも力抜ける…
うん。いや、いけるもんですね、案外…

ルートは一本道なので、行けそうなところに行って、いろいろやってみればOK!
即死罠や、追ってくる敵?などもいますが、死んでもリトライ可能です。
恐れずに進むんだ!w

多彩なマップに、様々な仕掛けやアクションがあってとても楽しかったです。
「失われた記憶」は…たぶん、集めそこなうひとはそういない、と思うけど、クリアすれば最後の「オマケ」みたいな場所で教えてくれますよー。

全体に物慣れた…というか、余裕を感じる完成度で、プレイしていて安心感があります。
ところどころに入るモノローグや会話も、適度に遊びや茶目っ気があって楽しい。
白と黒で抑えたシンプルな画面に、パキっとした線画のキャラクター?がいい感じ。

完成度が高くてバランスが良くて…素人づくりな気がしない?
そのぶん、ちょっと印象に残りにくい気はするかな…?


「きおく」を読んでいくと、これがどうやら自分一人のものではない、と感じるはず。
そして…ラストバトル直前の「きおく」では、この出来事がなんのためのものだったのか、衝撃の事実が…!
本来、のうみそくんは集めた記憶とともに、ラスボスに吸収されるはず…だったのかな?
だとしたら、あれを倒しちゃって…その先は?
いやいや、それとも最後の「きおく」がいうように、全てはのうみそくんが見る、ただのゆめ、なのでしょうか。

シンプルながら、しっかりしたSF設定の良いシナリオでした!
人それぞれに、いろいろ考察できそうですよね。

あっさりサックリ、のうみそアクション。
シュールな世界観に興味を持たれた方はぜひどうぞ~


触手を売る店

2017-08-24 08:44:59 | フリーゲーム(ホラー)
触手を売る店
アツマール・ホラゲトリビュート作品・アジアンゴシック
制作者:Achamoth

=================

ちょいと昔の中国…上海とか香港とか九龍あたりの、アングラな雰囲気ビシバシのゲームですー。
相変わらず、個性的なものを作ってきますねぇ…

主人公は、一体のロボット。
湖に立つ神木に『人の手の触れたもの』を捧げることで、売り物の「触手」を作るのが仕事です。
原動力の「霊酒」を多く貰えるよう、組み合わせを考えながら触手を育てましょう。


触手のグラフィックが、すごくイイ!
緻密に書き込まれた線画が、ハイセンスな一品です。
手書き風のマップやキャラグラも、個性的で印象に残ります~

放置・育成ゲーといいつつ、できた触手や、材料などのコレクション的な楽しみがあるのも楽しい。
図鑑や台帳を読み込むことで、シナリオについてわかる部分も多いので、ある意味読みゲーでもあるかもしれない?
特に台帳は、読み進めるうちに「これってもしかして…?」という共通点があらわれて、最後に繋がっていく伏線がお見事。
主人公のロボットくん自身は接客しないせいか、接客イベントをあえて作らずに、主人の回想・独白形式にしたのも面白い感じ。

「拾い物」に残された残留思念も、集めていくうち、それぞれの持ち主の物語が見えてきますよ!
彼らが最終的にどうなったのかは、後半に、おのおの一つだけ拾える「拾い物」の説明を読むと明らかに。
結局あちこちに出てくる「薬屋さん」はこの店主だったのかな…?
まあ表向き、「触手屋さん」だとアヤシすぎるか…

総じて、一つのゲームの中に、店主や「拾い物」の人たち、少女、そしてロボットの彼の一生が詰め込まれた、内容の濃い一品でした。
作業としては、ひたすら触手作るだけなのだけど。
その陰にある物語をプレイヤー自身が集め、知ろうとすることで深みを増すゲームです。


ゲームは全体に2部構成。
最初はひたすら触手を作って店主に渡し、霊酒を貯めつつシナリオを進める前半と、
そのあと、貯めた零酒を使って新たな木を育てる後半。

最初、後半をプレイしていて、いつまでたっても木に変化がないのに焦ったんですが…
作者様のコメントにあった「エンドは一つ」の文字を見て「ん?もしかして、これずっと変わらないんじゃね?」と。
その後、唯一できる行動をしましたら、無事エンディングを迎えることができました。

それまでの陰惨っぷりがウソのような幸せなエンドに大満足です~
天使ちゃん可愛いなぁ。


多くの犠牲と多くの痛み苦しみを糧に、泥の中で生まれた幸せな触手。
果たしてこれは、幸福な結末なのか、それとも…自らの「手札」を増やすための、邪神の呪いの一環なのか。
阿片の傍らで見る夢のような、どこか残酷で幻想的な世界観を、ぜひお楽しみください~




できれば触手が100パーセントになってから記事書きたかったんですが…
どうも新しいのが出てこなくって。
なんとなく、数値的には3つくらい足りない気がしてるんですが。はて?
これ、どういう組み合わせでできるんだろう?

うちは「蓮」が一杯出てくるんですが、逆に「魚」が出づらく、苦労しましたー。
「蝶」に「魚」の合わせはかなり後までできなかったな…

グロ肉たんたん

2017-08-22 14:39:19 | フリーゲーム(ホラー)
グロ肉たんたん
アツマール・ホラゲトリビュート作品・餌付けゲー
制作者:アンチベルフェタン様

==================

気付いた時には、自分に関する記憶は全て失われていた。
そこは、殺風景で小さな小屋の中。
そして目の前には、両手首を戒められた若い娘が、男の手から肉を与えられている光景が…
男は、あなたにこう言う。この娘…かずらに肉を与えて世話をせよ、と。


と、そんな感じで。
ゾンビが彷徨う島の中を、かずらちゃんに与える肉を求めてさまよう探索アクションゲーです!

拘束された女の子に、手ずからお肉を食べさせる…という、ちょいと趣味的な展開は、好きな人にはたまるまい!
また、ここの食べさせるところの、キャラの動きや目線が…細かくて、とっても凝ってるんですよね~^^;

肉はコンビニやスーパー、個人の民家の冷蔵庫など、あちこちで見つかりますが、包丁を手に入れると、道端で死んでいるブタなどからも切り取ることができるようになります。
肉を集める人間は主人公一人ではないらしく、その中には、一緒に島に来たらしい友人の姿も…?

ひたすら食べさせて、肉レベル?をマックスまであげるとエンディング。
このエンディングを見るのは、そう難しくないと思いますー。
こちらを見ると、かずらちゃんが何者なのか…はわかると思うんですが。
でも、やっぱりちょっと、謎が残りますよね??

島中をしっかり探索していくと、もともと島に会った「いぬみこ祭り」についての情報や、製薬会社についての話なんかがチラホラ…?
とある人とのイベントを進めることで、今まで入れなかった場所に入れるようになることも。

ちなみに、かずらちゃんの肉レベルのMAXは5レベル。
お肉マックスなエンディングはいつでも見られますし、大量に集めた肉を、まとめて一気にあげることも可能です。
最後の選択で、両方のエンドを見ることができますので、分岐がとっても楽でした~

アクション難易度は…うーん、易しめ…?
というか、このゲーム…デッドエンドがないのです。

死んでも、いくらでもリトライ…というか復活可能なので、逃げるのが難しい箇所は死にながらでも突き進める…;
ある意味、アクション下手な私にはうれしい設定でした。
ちなみに、自販機などで貰えるHPアップアイテムで底上げすると、死ににくくもなりますので、活用しませう。


二つのエンドは、それぞれに、魅力があるエンドなので、ぜひ両方見てくださいな。
最初、お肉エンドを見たあとは、真相エンドのほうが「良い」エンドなのかな…と思ったのだけど、実際に見たら…最後のかずらちゃんの独白で泣きそうになってしまったよ。
自分じゃどうしようもない運命に翻弄されたのは、彼女も同じ、なんだよね…

さてさて…この島で起きた「真実」を知ったあと…
皆様の選ぶ道は…はたしてどちらでしょうか?

興味を持たれた方はぜひどうぞ~





道端のアレから、肉を削いで集める作業が好き。ぞりぞり。

妖怪ふんどし女

2017-08-21 15:34:44 | フリーゲーム(ホラー)
妖怪ふんどし女
アツマール・ホラゲトリビュート作品・車椅子体感ADV
制作者:山田太郎義貞様

====================

ケモノノケンサの作者さんですね~
以前から、いろんな意味で、自分に正直なものを創る方だなぁと思っていたのですが…
今回のこれは…凄いですよ! 
いつも通りのフェチな要素も盛り込みつつ、とても手の込んだ良作品に仕上がっております。

グラフィックこそ、ちょいと女性にはプレイしにくいかもしれませんが、中身はどうしてどうして、マップ構成もゲームボリュームもかなりのものなので、食わず嫌いは勿体ない!
みなさま、ぜひともプレイしてみてくださいね~


主人公は、両足を失った車椅子の青年。
ある日、自宅にいると、いきなり停電が起きて周囲が真っ暗になってしまう。
慌ててあたりを探索するうち、今度はなぜか突然、きわどい恰好をした女に襲われることに。
何が何だかわからないまま、家を出て助けを呼ぼうとする主人公。
けれど、ハンデのある体では、障害物一つよけられず、鍵もなかなか探せない。
謎の「ふんどし女」は何者なのか。主人公は無事逃げられるのか。


こうしてあらすじ書いてみても…なんちゅーか謎だらけな話ですね。
ですが、探索するうちに、主人公の身の上が明らかになってくると、いろいろ腑に落ちると思います。
暗闇に浮かび上がる、空っぽの食卓とその周囲に設置された3つのアイテムは、とても印象に残りました。主人公の孤独や悲しみが表現された、いい演出でした。

しかも、こういう身体状況なので、家から出たら終わるゲームなのかと思ったら…外に出てもまだ続きあった~!
道理で白い石が全然見つからないと思った…
自宅→屋外の森→他人の家→防空壕→〇〇の家、と、次々変わっていくマップ。
どこまで行くんだろう?とこっちが不安になるくらい、あちこち行きますのでお覚悟を。


さて、今作一番の特徴は「車椅子移動」と「腹ばい移動」
それぞれ、目の高さが違うため、見えるものとできることに差があり、この二種の状態を使い分けることで、より複雑なゲーム構成となっております。

基本は探索して、鍵を探して移動範囲を広げていく感じ。
探索に関しては、難易度を下げる設定のオンオフを最初に聞かれます。
オンにしておくと「調べることのできる場所」が文字で表示されますので、楽になりますよ。

気になるアクション難易度は…
私がほぼ死なずにクリアできたので、わりと甘目!
最初は、どこに逃げていいのかわからなくて悩みました…。
ここ、単純に、階下に下りて開いたクロゼットに隠れればいいだけだったんですが。
最初に探索したとき、そっちはドアで塞がれて開かないのを確認していたので、行っても無駄だと思い込んでいたんですよね。

最後の敵は、動きが単調で遅いので、ゆっくり落ち着いて隙を狙いましょう。
個人的には、部屋の右下あたりが、狭くて壁に当てやすい気がする?


最後に主人公が「思いとどまる」あたりの描写、良かったです。
なんだかんだ言って、感動ものの話でした!
興味を持った方はプレイどぞ~