鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

Zoo

2008-05-09 08:49:13 | 映画(ホラー)
「Zoo」 2005年
監督:金田龍、安逹正軌、小宮雅哲、水崎淳平、安藤尋

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乙一作品の映像化です♪
短編の一つ一つがリキ入っていて、まさに珠玉♪

ヘンに大きなスポンサーがついて、
ゴチャゴチャ弄くられて物語の原型失くすより、
ちょっとマイナー? くらいがいいのかも?

それにしても…せ、正視できない部分が多々…
あー、グロくも怖くもないですよ。全然。
むしろ、そっち系なら、全然なんともないんですけど。
ただ、弱者が虐げられるタイプの物語は苦手だってだけ。

原作を文字で読む分には、さほど感じなかったのになー…
映像化すると、一層、残酷さが際立ちますね~


冒頭の「カザリとヨーコ」で、理由なく虐待に合うヨーコに
唯一親切にしてくれた婦人が亡くなってしまった時の、ヨーコの絶望。

「SEVEN ROOMS」で、自分を犠牲にして弟を逃がす姉の優しい微笑み。
(原作では、姉は最後に大声で哄笑することになっていて、
 私的には、こっちのほうが好みなのですが)

「SO-far そ・ふぁー」で、自分の父親と母親が互いを罵る言葉を、
涙を流しながら伝え続けなければならない、子供の逃げ場の無い悲しみ。

そういうのがもぉ、正視できないくらい辛かった。


それらでどーんと気分が落ち込んだところで、
アニメ作品の「陽だまりの詩」が来るのが、なんとも救われる感じ(笑)
作画の綺麗さもさることながら、物語もとてもイイ感じで、
せつなくも優しい気持ちにさせてくれる物語でした。

これは原作も良かったけど、映像化して、かなり成功っ♪
オススメですよ。

最後のZooは…んー、原作の時も思ったけれど、
どうしてこれがタイトル作品なのかなー…
他の作品のほうがインパクトある分、どうも印象薄いのねー。

彼の書く作品に、何故いちいち痛みを感じたり、恐怖を感じるかといえば、
同じ状況に出会った時に「耐えられない」と感じる自分がいるから。
そういう意味では、Zooには、私が共感できる痛みも恐怖も無いってだけかも?


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そういえば、てっぺー君主演の「KIDS」も、原作乙一さんなのね(汗)
最初、「超能力者の弟とそれを守る兄」と聞いたときは、
「ナイ○ヘッドか?!」と思っちゃった。

中身は全然違うみたい~。


「口裂け女」

2008-01-30 12:45:05 | 映画(ホラー)

「口裂け女」
監督:白石晃士
出演:佐藤江梨子、加藤晴彦、川合千春、桑名里瑛、他

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記事を書くだけ書いて、そのままアップしてなかったのよね…
ちょっと今、連続でアップしてますよ~。

さてさて。「ノロイ」を作った監督さんです。
ただし、今回は、ノロイの時のようなマニアックな作りではなく、
一応映画としての体裁は取っていますが…
相変わらず、爽やかさやほのぼの感は殆ど無いので注意です。

「幽霊と、イっちゃった人と、どっちが怖いですか?」
…と聞いたら、大抵の人は少し悩むかと思いますが。
この作品は悩む必要はありません。いっつのーぷろぶれーむ!
なにしろ今回の主人公、その両方を兼ね備えておりますです。

イっちゃってる殺人鬼の幽霊! 説得も供養も効果ゼロッ。
まさしく、高枝切りバサミに脚立がセットになったかのような万能感を
ぜひお楽しみください。

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小学校の子供たちに、昔流行ったある噂が再び広がり始めた。
コートを着て、マスクを被った女が子供を浚う。
その女のマスクの下の顔は、口が耳まで裂けている。

そして、その噂に呼応するように、
小学生の子供たちが次々と行方不明になっていく。

教師をしている山下京子は偶然、
生徒の一人が口裂け女に浚われる瞬間を目撃してしまい、
真相を追って、噂を聞き集めるようになる。
そんな京子の前に現れた同僚の松崎昇は、
彼女に一枚の写真を見せるのだった。

そこに写っていたのは、顔に傷こそ無いまでも、
充分にその面影を残す、口裂け女本人の写真だった。

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この映画は…人によっては、全然受付けられないと思う。
何一つ罪の無い小学生くらいの子や、その母親たちが、
何人も怯えながら切り刻まれたり、惨殺されてしまうのだから。

「エクステ」もそうでしたが、子持ちの私としては、
ちっさい子が虐められる場面は見るに耐えません。
残酷なのも怖いのもグロいのも(フィクションである限りは)大好きですが、
それはソレナリに自立している年齢の主人公の話オンリーであって、
子供に限らず老人とか病人とか動物とか、
抵抗できない弱いものがいたぶられるのって大嫌い。

こういうのに慣れちゃった身にとって、おぞましいと言えば、
これくらいおぞましいモノも無いんですが。

グロ度は…画面的にはそんなにバシっと写さないんだけど、見てて
『あ、痛い痛い痛い、痛いから、痛いから!』っていう部分が多いかな。
寸止め、とか、ギリギリで助けが入る、とかいうことは一切無いです!
とにかくザクザクのジャキジャキなので、覚悟して見てね♪うふ。

うーん、それにしても、このラストは…
まさしくホラーの王道、ではあるんだけども。
…つまり、主人公の京子と昇が必死になってやり遂げたことは、
全くもって、効果ゼロの意味ナシ行為だったってことかい?
報われんなぁ…

もっと明るく楽しい猟奇のほうがいいっすよ(どんなんや)


「メイド(冥土)」

2008-01-29 18:08:29 | 映画(ホラー)
「メイド(冥土)」2005年 シンガポール
監督:ケルヴィン・トン
出演:アレッサンドラ・デ・ロッシ、チェン・シュウチェン、ホン・フイファン、ベニー・ソウ

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シンガポールでも映画撮ってるんだ! 
……なんて言ったら失礼か。
でも、今までシンガポールから映画が輸入されたことってあったっけ?

雰囲気はアジアンホラー独特の、アヤしい感じ。
他国の宗教行事って、なんか妙にみんなアヤしく怖く見えるのは何故だろう。
ヨーロッパ圏の教会行事とかもさりげに怖いし。
外国人から見ると、日本人がキュウリやナスで動物作るのも怖く見えてるのかな。

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太陰暦の7月は、死者たちがこの世界に戻ってくる月でもある。
その間、生者は身を慎み、タブーを犯さないよう、気をつけなければならない。

「儀式で燃やした灰を片付けてはならない」
「夜、名前を呼ばれても振り向いてはいけない」
「誰もいない場所で知らない人と話してはいけない」
「泳ぎに行ってはいけない」

難病の弟の薬代を稼ぐため、ある家にメイドとして働きに来た
フィリピンの少女ローサ。
雇い主夫妻は優しく、新しい服を彼女に与えてくれるし、
知能障害を持つ息子アスーンも彼女によく懐いている。
この先暮らしていくのに、何一つ問題はないと思われた。

しかし、彼女は知らず知らずのうちに、太陰暦のタブーを犯してしまい、
それから次々と周囲に気味の悪い出来事が起こり始める。

ある日、街で見知らぬ少女に声をかけられたローサは、
自分の前に勤めていたメイドの少女が行方不明になっていることを知る。
今、自分が着ている服が、かつてはその少女のものであったということも…

屋敷に現れる、赤い服の少女の霊が何者なのかを知ったとき、
ローサに、本当の恐怖が訪れる
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雇われた家は間違いなく中国系。主人公ローサはフィリピン人。
その家の宗教行事は当然わからないので、いろいろやっちゃうわけですが…
映画だけあって、いろいろと要求が無茶すぎる~。
道のど真ん中で迎え火(?)を焚いて、それを踏むなとか。
(道のはじっこでやんなさいって)
道を走っていく霊柩車の影に入るなとか。
(それなら最初から、影のできない真夜中にでも移動すればいいのに)

シンガポールって中国系の国民の多い国なのかなぁ。
その国の常識がわからないってツラいですね。

結局最後は、幽霊よりも生きた人間が怖いってオチになるわけだけど…
うん、まぁ…王道です。

とりあえず、香港でのお盆の様子についての詳しいレポがあったのでリンク。
古い記事ですが、写真入りで読みやすく面白い。

Blog版香港中国熱烈歓迎唯我独尊

「エクステ」

2008-01-28 15:23:32 | 映画(ホラー)

「エクステ」
監督:園子温
出演:栗山千明、大杉漣、佐藤めぐみ、つぐみ、他

公式サイト

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公式サイト開いて、コーヒー吹きそうになりました。
まさに臨毛体験!! ぎゃはははー!

さて、大笑いの公式サイトとウラハラに、映画の内容はオーソドックス。
『虐げられたものの復讐劇(でもちょっと的ハズレ♪)』でした。

この映画の何が見どころかと言われれば『生理的嫌悪感』でしょうね。
口の中とか皮膚の中、目の中(!)を、髪の毛がざわざわ動き回るシーンは、
なんか見てて体中が痒くなるー。

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横浜港に到着したコンテナの中から見つかった、外国の少女の死体。
コンテナ一杯にみっしりと詰まった髪の毛の中から発見された彼女は、
内臓を全て抜き取られており、おそらく、臓器密売組織の犠牲者と思われた。
そして、一通りの検死を終えた彼女の死体は、安置所にひきとられ…
そのまま、姿を消したのだった。

主人公・優子は、かつて実の姉から虐待を受けていた過去の持ち主。
今は家を出て、友人と一緒に暮らしていたが、
そこに、姉が小さな娘を連れてやってくる。
断りきれずに、嫌々ながらも姪を預かることとなった優子だったが、
姪の身体に残る無数の虐待の痕を見て、
助けてあげたい、という気持ちを強く抱くようになる。

そして、優子が美容師のタマゴとして働く美容室に、
ある日、エクステを売っているという男が現れる。
見た目も異様であり、優子とその姪の髪をじっと見つめる奇妙な男だったが、
扱うエクステはとても上等。美容室で、試しに使った結果も好評だった。

だが、そのエクステを使ったものたちは、何故か次々と、
不可解な死を迎えていく。

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大杉漣が髪フェチの変質者を好演(?)していました。
怖いとかブキミというよりは、見てて笑いしか出てこないんですけどね。
髪の伸び続ける少女死体役の人形は、ちょっとブキミながらも美しい出来栄え。
ホラーのよく似合う栗山千明は、今回は幽霊でも殺人鬼でもなく、
最後まで生き残るヒロイン・優子役です。

美容師さんって、お互いにカットモデルになったりするせいか、
みんな髪の毛をコテコテに加工してる人が多いように思うんですが。
こんな真っ直ぐ黒々ツヤツヤの、未加工100パーセントの長髪では、
客はかえって美容師としての腕に不安を感じるよーな気もします。
(自分で自分のアタマはカットしないだろうけどさ。気分的にネ)

しかし、結局、死体の少女は内臓を奪われたことよりも、
髪の毛切られたことのほうがショックだったんでしょうかねぇ。
死んでも髪の毛だけでなく、目だの口だのからもひたすら毛を生やして、
部屋中を埋め尽くす…ってどんな執念やねん!

とりあえず、今回の犠牲者たちは、何の関係もない人が一部いる他は…
あんまり同情的になれないタイプばかりでしたので、
見ていてこころおきなく楽しめるホラーではありました。

ただ残念だったのは、自分の娘を奴隷のように躾けて虐待していた、
主人公優子の姉とそのオトコが犠牲になるシーンで…
あんまり二人が怯えていないように見えたこと。
こういうタイプの人達には、ぜひとも恐怖に絶叫し、
自分の死を実感し怯えながらの最期を迎えて欲しいものです。
(いや、あくまでフィクションの中の話ですからね)


「ゴースト・ハウス」

2008-01-15 06:17:20 | 映画(ホラー)

「ゴースト・ハウス」2007年アメリカ
監督:ダニー・パン、オキサイド・パン
出演:クリステン・スチュワート、ディラン・マクダーモット、ペネロープ・アン・ミラー
   ジョデル・フェルランド、ジョン・コーベット
   
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この監督、THE EYEの人たちだよね?
あの映画ではアジアンな雰囲気全開&新しい切り口がなかなかステキだったのに、
今回はやたらありがちー。

画像の感じや怖がらせ方は、ジャパホラーに近い感じで見やすいんだけど、
夜中に見終ったあと、すぐに眠れるホラー映画ってどうなんだろう?

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アメリカの片田舎の古い空き家に、シカゴから引っ越してきたソロモン一家。
長女のジェスが引き起こした交通事故が原因で、家族仲はギクシャクしていたが、
再び新しい場所でやりなおそうと、両親は必死だった。
そのため、喋れない息子ベンが時折見せる不思議な行動も、
ジェスが経験する気味の悪い出来事も、全て気のせいや反抗心として片付けてしまう。

地下室に現れる女、壁から染み出してくる女、部屋を這い回る少年。
彼らは、かつて、この家で起こった悲惨な出来事に関係していた。

隙を見て襲い来る悪霊に、思い余ったジェスは、地元の高校生ボビーに助けを求めるが、
そこに待っていたものは、悪霊ではなかった。
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今、記事を書くために検索して、ジョデルちゃんが出てたのを知りました。
どうやら、過去にその家で殺された少年役だったらしい。
確かに、男の子にしては随分カワイイな、とは思ったんだけど、
あれがジョデルちゃんだったのかぁ~(汗)アップで見たのに気付かなかった~

グロ度は低め。殺された人が自分の無念を伝えるために(?)
無関係な人間相手に姿を現していろいろアピールしてくる、という王道な話です。
いつも思うけど、怖がらせる相手を間違ってるよキミ達…

ただ、すごくグロいとか怖いとかが無いかわりに、
いきなり『ワッ』とくるビックリ効果がそこかしこに。
しかしそれも、兄貴に言わせると
「最初は驚くけど、二回目以降はなんともないから見る気しない映画」
だそうで…確かにそうかもなー。

意味ありげにそれぞれの場所に出てくる幽霊たちは、もしかして、
そこに死体が隠されているってことなのかな?
娘は地下、母親は壁、息子は納屋?
メイキングでは、地下から死体が出てくるシーンがあるのだそうだけど、
本編ではカットされてたみたい。

それにしても、向こうの人って、すごく小さい子でも一人で寝かせるよね。
幽霊見たとか言って怖がってるときくらい、皆一緒に寝たらどうかと思うんだけど。
あと、死体が出てきた家にそのまま住み続けるのってどうなの?

…アメリカンホラーには珍しく、薄味な映画でした。
メインディッシュには物足りないけど、ちょっと恐怖を摘みたい時にはいいかも?

ハンニバル・ライジング

2008-01-13 03:08:47 | 映画(ホラー)

「ハンニバル・ライジング」
監督:ピーター・ウェーバー
出演:ギャスパー・ウリエル、コン・リー、リス・エヴァンズ他

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若レクターを見ましたよ~♪

ざっと説明いたしますと。
子供の頃…戦時中に、餓えた軍人に妹を喰われたトラウマで、
半分壊れてしまったお兄ちゃんが、大人になってから復讐を企てるお話。
正義の殺人鬼ここにあり! て感じかなー。

殺人シーンは確かに惨殺なんですが…うーん…あんまり…
これは一体、どこのカテゴリに入るのか悩むー。
なんちゅーか、これはホラーというよりは、戦争被害に遭って人格変わった、
可哀相な人の話じゃないですかい。

若いだけあって、今作のレクターはまだ人間ぽいです。
そしていろいろな面でアマい。
殺すことと喰うことに、そこそこ快感を見出してるわりに、
「妹の復讐」という大義名分を必要としているところが特に。
そこにこだわるから、最後に足元を掬われるのさ~

…ていうか、本当は、「殺すの楽しい」んだよね?
どう見ても、すっげタノシそうだもんな~(笑)

妹の存在は、レクターにとっては自らの異常性を見出す切欠であり、
また、それへの言い訳であり、免罪符であろうと。
だからこそ、最後にその「言い訳」を突き崩されたとき、
彼はホンモノの怪物になったのかもしれない…ね。


そして、名前も服も剣道もご先祖の鎧の祀り方も、すべてにおいて、
「外人の誤解に満ちたナンチャッテ日本」という感じの、レディ・ムラサキ。
彼女の性格は一途で凛々しくて好きなんだけど、これで見ると、日本文化そのものが、
泥臭くて凶暴で原始的な印象に見えちゃうのがな~。

とりあえず、あのキモノは無いだろう。
鎧をあんな怪しい部屋に祀って拝んでみたりもしないだろう。日本人は。

そのムラサキは、終盤に、色仕掛け込みでレクターを止めるシーンがあるのですが…
どう見ても「妹を取るの?私を取るの?!」と迫ってるように見えてしかたない(笑)
結局ハンニバルが「復讐は諦められない」とムラサキを振ってしまうのを見て
思わず画面を見つつ、「このシスコンめが」とか呟いてしまいましたよ。


リーピング

2007-12-07 10:40:49 | 映画(ホラー)
「リーピング」
監督:スティーブン・ホプキンス
出演:ヒラリー・スワンク、デビッド・モリシー、アナソフィア・ロブ他

公式サイト (激重)

****

イナゴ少女現る! という、
ホラーだかギャグだか判らん煽りを付けられていた割には、
けっこう面白く見られました。

何がいいって、ねぇ。

「イナゴ少女・ローレンが、超!美 少 女!」

だということでしょう!!
アップで見たときの、ちょっとキツめの大きな目が綺麗でね~
CGで作ったキャラかこれは? と思われるような美しさなのです。

ローレン見るだけでも価値あるぞ! なんて言ったら問題か?(笑)

そもそも、リーピングを見たいと思わせたのは、
虫だの蛇だのに集られたローレンの、DVDジャケットでした。
これがまた、印象的で~ ホラーの癖に綺麗な印象だったんだわ。
魅力的なジャケットだと思う~
フェノミナからこっち、昆虫と美少女っていうのはお決まりの線なのかな?

しかし、この子と、「チャーリーとチョコレート工場」でのガム少女が、
同一人物だなんて信じられないー。

えーと…ああ、そう、内容はね(笑)

====

以前、宣教師として、家族とともに未開の村へ行った、牧師のキャサリン。
彼女はそこで最愛の夫と娘を、悲惨な状況で亡くして以来、信仰を捨て去り、
科学で神の奇跡を否定する研究によって、大学の教授の地位を得ていた。
そんな彼女のもとへ、ある日、一人の男…ダグが訪れる。

ヘイブンという郊外の田舎町で、少年が一人、不思議な死を迎えて以来、
川は血の色に染まり、不思議な現象が続いているというのだ。
村人たちは、それを、森に住む悪魔崇拝者の少女の仕業であるとし、
怒りを募らせているのだと。

同じ年頃の娘をかつて失った経験を持つキャサリンは、その話に興味を惹かれ、
ダグと共に、調査のためヘイブンに向かう。

血の色に染まる川に浮かぶカエルの死体。蝿の大量発生、狂ったように暴れる家畜。
まるで聖書の災厄になぞらえるように起こる現象の数々。
『悪魔は神の御業を模倣する。神の手となって、悪魔の少女を滅ぼせ』という
昔の同僚の牧師の言葉に、キャサリンは迷う。

果たして少女…ローレンは、本当に悪魔なのか。

=====

物語としては、すごく単純。 わかりやすい伏線だし。
最後の最後に、ちょっとモニョる部分を持ってくるのも、
ホラーとしてのお約束っ!
それでも見てしまうのは、やっぱり「災厄」の画像の迫力かな。
あとはローレンの美少…(もういいって)

グロ度低めでーす。
ミイラ化した遺体とか、デキモノだらけの死体とか出るけど、
そんなに「うわーーー(汗)」って感じではない。
ミイラ以外は、そんなマジマジ写さないし…

まぁ、半分は宗教映画みたいなもんだからねぇ。
類似作=「コンスタンティン」みたいな印象。
向こうの映画のホラーって、宗教絡めた物語が多いよね。
やっぱり、悪霊とか悪魔を出すと、神も出さないわけにはいかないのか?


とりあえず見所は、ローレンの美(←まだ言うか~)


******

追記~
こちらのレビュが無茶苦茶面白かったので、さりげにリンク。
読んで笑え!!

「すきなものだけでいいです」リーピング

他の映画のレビュもすごく楽しかった~。
しかも、けっこうホラー好きそうです。レンタルする時参考にしよ!

ローズレッド

2007-11-27 14:43:23 | 映画(ホラー)
「ローズレッド」
監督:クレイグ・R・バクスレー
出演:ナンシー・トラヴィス、マット・キースラー、キンバリー・J・ブラウン他
公式サイト

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映画ではありません。アメリカのテレビドラマで3回放送モノとして作られたものです。
脚本・製作総指揮は、私の大好きなスティーブン・キング。

内容はどこか「シャイニング」を彷彿とするような幽霊屋敷もの。
モデルになった邸宅は、アメリカでも有名な「ウィンチェスター・ミステリー・ハウス」
ウィンチェスター銃で財を成した一族の未亡人が、霊能者に言われるがまま、
生涯ひたすら意味の無い増築を繰り返した屋敷です。

どこにも続いていない階段、巧妙に隠された出入り口、開いても壁しかないドア、など…
忍者屋敷かビックリハウスか、というような不思議な屋敷なのでした。
…とはいえ、こちらはローズ・レッドと違い、
見学者が行方不明になったりはしていない筈ですが(笑)

私がウィンチェスターハウスを知ったのは、昔よく売っていた15センチくらいの小冊子。
「世界の不思議事件」とか「世界の幽霊事件」とかタイトルのついたヤツで…
多分小学校高学年…か…中学入ったばかりくらいに読んだんだったかなー

…だからぁ、子供の頃からずっとそういう趣味なんですよ。ええ。仕方ないでしょ。

で、メリーセレスト号事件とか、
重力異常で立ってるだけでナナメってしまう不思議な場所とか、
ロズウェル事件とか、フォックス姉妹の話なんかが載っていた、そこに、
ウィンチェスターハウスの話も載っていたのでした。
悪霊に慄く婦人が、自分を守るため、霊能者の言葉に従って、ひたすら増築した屋敷。
夜毎、繰り返される交霊会と、悪霊を惑わすために増殖する、意味の無い部屋や廊下…

子供心に、すごくそそられましたね~(ため息)
地震で倒壊してしまった部分もあり、見学できる場所は限られているようですが、
いつか一度、行ってみたいものです。


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数々の変死者と行方不明者を生み、長く放置され荒れ果てた幽霊屋敷「ローズレッド」。

超常現象研究家であり、かねてから、自分の研究が世間に理解されないことに
苛立ちを感じていたジョイスは、恋人であるスティーヴの力を借りて、
ローズレッドの調査に乗り出す。
同行するのは、それぞれが特別な能力を持つ霊能者たち。
中でも、自閉症の少女アニーの持つちからは、群を抜いていた。

今は住むものもなく、人間のエネルギーを得ることができずに
永い眠りについているローズレッドに、超能力者たちのちからで、もう一度命を吹き込む。
そして、なんとしても、超常現象がこの世に存在する証拠を掴むことこそが、
ジョイスの目的だったのだ。

屋敷は長い眠りから目覚め、様々な怪異を引き起こす。
やがて、一人、また一人と犠牲になっていく仲間たち。
だが、半ば取り憑かれたようになっているジョイスは、屋敷を出ることを許そうとしない。

******

見やすいです。そんなに血塗れでもないし、幽霊もあんまり怖くない。
好みに合うというか、肌に合うというのか、こういうの好み~(ニヤ)
もともと廃屋好きだしね。
そこに祟りと因縁と幽霊つきといったらもぉ(笑)

キングの作品らしく、純粋ホラーというよりはサイキックがかった内容でした。
ただ、惜しむらくは、それぞれが個性的な能力を持つ超能力者たちが、
結局たいした活躍もせずに、犠牲になっていくこと。
唯一印象に残った、やたら現実的で頼りになったニックが、
途中で死んでしまった時は「…勿体ない(?)」と思ってしまった(笑)
いや、この人カッコいいんだわ。ちょっと皮肉屋で。

幽霊屋敷とサイキック、といえば、名作「シャイニング」。
「女子供には厳しくしなければいけません。罰しておやりなさい」と
父親をそそのかす「オーバールックホテル」が男性視点を示すのにくらべ、

今回は屋敷に半ば取り憑かれてしまう役も、カギとなる超能力を持つ子供も女性。
屋敷の「魂」とも言える、夫人も女性。
「ローズレッドは、昔から、女性がお好みのようです」と作品中でも語られる通り、
今回の幽霊屋敷はすごく、女性っぽい感じ。
いろんな意味で、このニ作品は対極であるように感じました。

キングファンなら、見るべきです。
…そうそう、一枚目のディスクでは、キング自身もチョイ役で出演していますよ。


…しかし、見た瞬間『福田官房…』とか考えてしまったのは、
…一体誰のせいでしょうかねぇ(チラ)



28日後…

2007-11-17 09:20:20 | 映画(ホラー)
「28日後…」
監督:ダニー・ボイル
出演:キリアン・マーフィ、ナオミ・ハリス、ミーガン・バーンズほか

公式サイト

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古今東西、ゾンビものといえば、ゆったりのんびりギクシャク動作が基本!ですが
この作品の中のゾンビ(というか、謎のウィルスに感染して凶暴化してしまった人間)は、
ものすごく機敏です。ケダモノ並の運動神経です。
獲物を求め、目を血走らせて全力疾走する姿は、なかなか怖いものがあります(笑)

とはいえ、登場人物はあんまり切迫しておらず、途中で妙にほのぼのした親子愛があったり、
親子で平原を疾走する馬をみんなで眺めてみたりと、
『これって…ホラー、なの、か?』と疑問符が頭を過ぎる部分も。

とりあえず、全力疾走で半死人から逃げる、ていうのは斬新だと思うナ。
これに出てくる感染者は、一応殺せば死ぬんだけど、
もしも、本物のゾンビ(脳をどーにかしないと死なない)がこのスピードで動き始めたら最凶!
超ダッシュする高速ゾンビ! これは怖いぞー、わくわくするぞー。

…誰か、そういう映画作ってくれないかね…

*****

とある研究機関に侵入した動物愛護団体によって解き放たれた、実験体である一頭の猿。
その身体は『凶暴化』ウィルスによって汚染されていたのだ。
自ら助けた猿に噛み付かれた女性活動家は、一瞬後に、凶暴な獣となって仲間に襲い掛かり始める。

血液によって感染し、その数十秒後には、人間としての理性も意識も失って、
ただ、肉を貪る本能のみの怪物と成り果てる恐ろしいウィルス。
それが国中に広がるまで、さほどの時間はかからなかった。
そして28日後。
病院のベッドの上で意識を取り戻したジム…
仕事の途中、交通事故に遭った後の記憶の無い彼…が見たのは、
人気の無い、ゴーストタウンと化した都市だった。

わけがわからず、人影を求めて教会に立ち寄ると、
そこには、ぐったりと横たわる無数の人々がいた。
その姿に安心したジムは、奥の部屋の神父に対してよびかける。
しかし…神父は、ギクシャクと動きながら、彼に牙をむき出した!!

同じ生存者であるセリーナに救われたジムは、一緒に行動するうち、
電飾に彩られたマンションの一室でフランク親子と出会い、
そこにあったラジオから聞こえてくる声に耳を傾ける。
軍隊がまだ活動しており、病気の謎は解明された、という放送…
ジム達は一縷の望みをかけて、声に導かれるまま、マンチェスターを目指す。

*****

主人公のジム…すごいナヨっとした、見るからに弱っちーぃ体つきで、
最初は襲われても、ろくろく反撃もできずに悲鳴あげるだけだったのよ。

マンションの長い階段で感染者に追われるシーンでも、
走って登りきる体力が無くて、前を走るセリーナ(女性)に向かって
「待ってくリェー!置いていかないでくリェー!」と超情けない声を上げていたのに…

…最後のほうの、超人っぷりは一体どうしたことでしょうか?!

正規の軍小隊を相手取ったテロ活動の鮮やかさといったら…
しかも、ゾンビに襲われる軍人(悪党)を窓から覗き見て「ニヤ」とか微笑んでみたりして、
おいおいおい~君、性格変わってるぞ~?!

この間、テレビで「バイオハザード・アポカリプス」を見たこともあって、
『実は特異免疫体質で、ウィルスに感染しても凶暴化せず、超人になったとか?』
なんて、半ば本気で考えてしまったよ(無いっての)

ホラー要素はたいして怖くないけれど…
私にとって一番怖いのは、女日照りでケダモノ化してしまった軍人の皆様、でしょうか。
命を脅かされる状況になると、そっち方面の欲望が強くなってしまう、というのは
どっかで聞いたことがあるんですけど…
(生存本能が、とりあえず自分の遺伝子を残そうとする…らしい?)

あれは無いわ。
ていうか、殺されて当然だぞ、お前ら~



神の左手 悪魔の右手

2007-11-01 12:49:54 | 映画(ホラー)
「神の左手 悪魔の右手」
監督:金子修介
原作:楳図かずお
出演:渋谷飛鳥、小林翼、前田愛、清水萌々子、紗綾、田口トモロヲほか

楳図かずお オフィシャル・ホームページ

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これは良かったよ!! 面白かった!!
内容は、かなーり血がドバドバのスプラッタですがね~
犠牲になるのは美少女ばっか!という趣味的な部分もアレですがね~(笑)

ドキドキ感、犠牲者の殺し方、見せ方、ともに良かったぞ~
原作も相当古いはずだけど…アレンジが上手いのか、古臭さは感じない。
というか、アレンジ次第で今でも通用する、ちゃんとした原作だってことかもね。
楳図かずお、さすがはホラー漫画界の重鎮よのう♪

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少年ソウは、他人の悪意を夢で感じることができる、という特殊な能力を持つ小学生。
ある日、ソウは姉のイズミに、自分自身の死を予知したことを告げる。
やがて、夢の中で、何者かが見知らぬ少女を惨殺する「悪意」を感じたソウは、
殺される少女に同一化するあまり、同じように、喉を突き破られて瀕死の重症を負ってしまう。

ソウを助けるために、「悪意」の源である場所を探そうとするイズミ。
しかし、警察は、イズミの『自然とソウの喉が裂けた』という証言を信じられず、
イズミを重要参考人として、捜査を始めようとしていた。

手がかりは、元気なころのソウが言った言葉。
広い家に、歩けないように足を折られて閉じ込められた、可愛そうな少女を救うこと。
それだけがソウを救う方法だと信じ、イズミはソウの夢に導かれるように、とある町に向かう。

そのころ、人里離れた場所にある広い洋館では、足の悪い少女がベッドの上で、
優しい父親に、手作りの絵本を読み聞かせて貰っていた。
最後は常に、残酷な結末をむかえる数々の物語。
それでも、少女は笑顔で、次の物語を早くとせがむ…

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殺人鬼役の田口トモロヲ!! すごい!
目とか声とかが、一瞬で寒気を感じるような感じに変わってしまうところとか、
演技がうまいーー。
絵本の朗読も、最後の「殺されてしまいましたとさ」という部分だけ、
妙に凄みが効いているとことか、危険かつ魅力的な殺人鬼でございました。

画像は、残酷は残酷なんですが…
飛び散る血飛沫はピンクの赤インク、生首はもろマネキンと、故意に嘘っぽい部分を演出。
そのへんが、いかにも楳図氏の書いた、お目目キラキラの原作っぽい雰囲気で、
不自然な感じがありません。
作り物っぽくしてるのに、何故か物語にハマってる…というのはなんか不思議。上手だね。

原作の雰囲気が好きだった人はとりあえず必見。
主人公はソウではなく姉のイズミだし、舞台は現実&夢がない交ぜになった世界という差はあれど、
すごく良い出来だったと思うー。


関係ないけど、モモちゃん役の子の芸名が『モエモエ子』なのがなんか気になる(笑)