鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

ゲド戦記

2007-08-31 17:19:02 | 映画(アニメ)
「ゲド戦記」もやっと見たー。
第一印象、ツギハギ&ギクシャク。従来の宮崎アニメと似て否なるもの。

うーむ…どうしてわざわざゲドなのかなぁ…
ゲドの原作は読んでませんが、レビュー見る限り全然違うみたいだし、
原作者自身が、映画の出来にトッテモ憤慨してるんでしょ?
ハウルの時からそのケはありましたが、仮にも原作付きと銘を打つならば、
原作の魂をきちんと踏襲するのが、同じ創作者として相手への礼儀かと思います。
変えて良くなる場合も中にはありますが、これはさすがに…
どう見ても、原作に感銘を受けて作りたいと思って作った感じじゃないしぃ

漫画家で「絵は綺麗なのにストーリーが超ヘボ!」という人がマレにいますが、
…それを映画でやった感じ。
ヘンに技術や音楽が良くて、キャストが豪華な分…
逆に物語の杜撰さが目立ってしまったかもー。

…だって、伏線全然無いのよ。
真の名を知ったら相手を支配できる、なんて話、一体どこで出てた?
確かに途中ゲドが魔法について話す部分で、それっぽいことを言っていますが、
それぞれの人間が真名を持ってるとしたら、
ゲドが教えたことなんかは常識として、皆とっくに知っていることなのでは? 
…だって、知ってないと自分の命あやういじゃん!

このへんはどうやら、原作読んでる人にはふつーに通じる部分らしいんだけど…
原作読んでないとわかんない話を映画にするのも好きじゃないなぁ。
しかも、原作の物語を大きく逸脱した挙句にコレっていうのは余計にどうなの?
テナーとゲドの過去エピソードも、わかるようなわからないような
ハンパな会話で終る感じだったし。
全篇通して、説明不足な感が…。想像力で補うにも限界ある~

というか、普通の人が、普通に無理なく映画を見る中で、
その世界や人物像をある程度わかっていけなければ作品として困るでしょう。
見てる側置き去り状態なハナシでは、ひとりよがりと言われても仕方ないっす。
そこで重厚な音楽や静かなシーンで盛り上がられても、こっちは醒めちゃうナ。

そして竜…テルーの竜!!
「親に半殺しにされて道端に捨てられた」って言ってなかったっけ…
冒頭のトモグイしてた竜がまさかそうなのかい?
それとも、竜って人間から生まれてもおかしくないタイプの生き物なの?
(だからぁ、そういうのがわかる伏線がどこにあるのだ!?)
魔法らしい魔法も使わないわりに、魔女扱いされて毛嫌いされてるのも謎。
最初に「うさぎ」に追われてるときも「お前魔女だな?!」って言われてるけど、
お前ら一体どこで見分けてるンだよぅ…

ただ、もしかしたらこの映画、ジブリ作品でさえなければ、
ここまでガッカリしなかったかもナー。
あそこならこのくらい、と、最初からハイレベルのものを期待してしまうしね。

なにがどうしてこうなっちゃったんだろう…という疑問ばかりが残る映画でした。

長男・勤氏はもともと、アニメ畑とは全然エンの無いひとと聞いているし、
多分周囲も本人も、『無理』てのは早くから承知の上だったんじゃないのかな。
それなのに、どこがどーなって、ここまで来てしまったのだろう…


あー、テルーの歌は良かったよ。うん。

the EYE2

2007-08-31 16:35:53 | 映画(ホラー)
「the EYE2」 2004年
監督:パン・ブラザース
出演:スー・チー、ジェッダーボーン・ボンディー、ユージニア・ユアンほか

*****

一作目で、なかなかリアル~な幽霊の姿を見せてくれましたEYEの続編です。
前作は、角膜移植手術で目が見えるようになったと同時に、幽霊まで見えるようになってしまった
女性の物語でしたが、今回の主人公は、自殺未遂と妊娠を機に、幽霊が見えるようになってしまいます。
おまけに、その幽霊たちは何故か皆、執拗に妊婦につきまとい狙っているという…
前作もそうであったように、ラストは恐怖より感動系に近い仕上がりではあるのですが、
こーゆーの見ると、未婚の女性は妊娠するのヤんなるかもしれないよなー、て感じの絵でしたナ。

====
不倫の恋に悩み、旅行先・タイのホテルで服毒自殺を図ったジョーイ。
一命はとりとめたものの、それ以来、彼女は時折不思議な現象に悩むことになる。
勝手に落ちる写真、時折目に写る不気味な人影、電車に飛び込んでいく、実在しない女性の姿。
不倫相手とは連絡も取れず、別れ話を切り出してみても、思うような反応はかえってこない。
そんな中、自分が妊娠していることまで発覚し、ジョーイは一人思い悩む。

一度は中絶を考えたものの、ついに子供を産む決心をしたジョーイ。
しかし、不正出血で病院にかかった折、故障したエレベータの中で、彼女は信じられない光景を見る。
一緒に乗っていた妊婦の出産が突然始まり苦しむ中、生まれようとする赤ん坊を狙うかのように、
死者が現れ、這いよっていったのだ。
どうやら、死者たちは何故か、常に妊婦を付け狙っているようだった。

寺の住職(?)の話では、死者たちは輪廻転生するために、妊婦の傍で機会を伺うのだという。
だとしたら、ジョーイの周囲にしきりに現れる死者…電車に飛び込む姿を見せた女性…は、
一体、どんな因縁のある相手だというのか。

ジョーイは、その正体を探ろうと、出版関係の仕事をしている同僚に頼んで調査を始める。
そうして探り出した女の正体は、なんと、不倫相手、サムの妻だった。
ジョーイが服毒自殺をしようとしていた、まさにその日、サムの妻は電車に飛び込んだのだった。

不倫相手の、自殺した妻。 彼女が自分の子供として転生する機会を伺っている。

ジョーイは、そうはさせまいと、必死の抵抗を始める。
======

見ていて一番気になったもの。サムのあんまりな態度。
何故連絡を絶ったかについて責められると、
「俺は妻をたくさん傷つけた。苦しむのは自分だけでいい。お前まで苦しむことはない」
いや、自分がこれ以上苦しみたくないから、何も言わず連絡もせず愛人捨てたんじゃね?

「ちょっとした過ちがもとで、とりかえしがつかなくなる場合もある。誰が悪いのでもない」
ハァ?…今、ちょっとした過ち、って言いましたか? ちょっとした過ち?!
しかも、誰が悪いんでもないって……いや、一番悪いのアンタですから!!

いちいち回答に誠意というものが全く感じられないサム。うむ、別れて正解だぞジョーイ!

うーん、しかし、当てつけで狂言自殺をしようとしたジョーイや、『後悔させてやるっ!』という
捨て台詞を残して実際に死んでしまった奥さんもけっこうスゴいものがあるだけに、
案外この三角関係、似たもの同士お互い様ってとこなのかもしれません。ルイトモ。
このうちの誰かが『こんな腐れた関係もうヤーメタ』って言ってれば、防げた悲劇ではあるやね。

随所にでて来る幽霊たちは、前作よりもインパクト低め。
亡霊筆頭の奥さんが、妙に生き生きとした姿のため、あんまりオドロオドロしくない。
あ、でも中盤に出てくる、飛び降り自殺をした親子の幽霊はなかなか怖かった。
顔半分ない状態、足が断末魔で痙攣してる状態で、目がグルグル回ってるのがとってもコワー!!

それ以外は怖いシーン無いです。

このシリーズ、一作目のレビュー上げた時点ですでに2は香港で上映済み…3も撮影中だったのに、
どうしてこんなに、日本での流通が遅かったんだろう?
単に、私の行きつけのレンタル屋が怠慢なだけ?
で、EYE3も、もう5月にDVDリリースされてるはずなんだけど…見かけないのよねぇ

ポ○モンの映画

2007-08-19 23:53:48 | 映画(アニメ)
見てきましたよー。

感想:「…製作は円○プロですか?」

なにしろ、タイトルにもなっているDとPは、
最初ッから最後まで理由もなく(?)戦い続けていて、
誰も手出しができず、人間たちは遠くからハラハラと眺めるだけ…
その有様は「ゴ○ラ」とか「ガ○ラ」とかをどこか髣髴とさせます。
「神と呼ばれしポ○モン」なんて二つ名がつくくらいだから、
もうちょっと高等なものかと思ったんですが…
原初の存在=原始的な存在なんでしょうかね?

対して、いいとこ取りなダーク○イ。
石○浩二が声をやると聞いて、てっきり他のポケ○ンたちと同じように
「ダァァク!ダクダク! ライッ!」
なんて喋るのかと思っていたら、ふつーに人間語喋っていたので少し残念?(笑)

突っ込みはともかく、面白かったですよ~ 画面綺麗だったし。
コドモに安心して見せられる、優良アニメ♪
最近、子供向けといえど映像がチョイ怖かったり、
大人視点のリアルな醒めた展開だったり、
小学校低学年層にはなかなか見せられないものも多くてのう。

正義は勝つ!とか、一生懸命やれば報われる!とか、
そういう綺麗さをきっぱり打ち出してくる「まっとうさ」。

世の中は実際、甘いものでも綺麗なものでもないけれど、
子供のころに、そういうものをちゃんと信じられること、
大人が信じさせてあげられることは、とても大切なことじゃないかと思うので。

「鬘」

2007-08-17 20:57:44 | 映画(ホラー)
「鬘」(かつら)
監督:ウォン・シニョン
出演:チェ・ミンソ、ユ・ソン、

公式ページ

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韓国ホラーだよーん。
全体に貞子っぽい感じ。
ただ、日本のそれと違うのは、被害者との間にキッチリ因縁があることかなー
カツラには縁がなく、何も知らなかったのでちょっと検索したら、人毛だと無茶苦茶高いんだね!
今はもう、人工素材のいいのが出てて、人毛は使わないのかと思ってたヨ。
…だって、人毛って、ちょっと気持ち悪いじゃん。仮にも、人様の体の一部だし。
たとえば、そこらへんの床に抜け落ちた髪の毛とか、風呂場の排水溝にわだかまる黒い塊とか、
そういうのと同じ感覚が抜けないのですよ。
映画の中では、病気で髪が抜けた妹のためだったので、まだ納得できますが、
ファッションのために、好き好んで人毛カツラ買う人の気持ちはわからないな…

====

ジヒョンは、白血病に冒され余命いくばくもない妹の退院を祝い、
長い黒髪の鬘をプレゼントすることにした。
妹のスヒョンは、抗癌剤の影響で髪が抜け落ち、坊主頭になっていたのだ。
眠るときさえ外さないほど、その鬘を気に入ったスヒョンは、表情が明るくなり、
日に日に元気になっていった。
だが、それと同時に、まるで人が変わったかのように振る舞うようになり、
特にジヒョンの元婚約者のギソクに対して、姉を挑発するかのように誘惑的な態度を取り始める。

鬘を貸したジヒョンの友人が、変死体として発見されたこともあり、
スヒョンの変貌の原因が全て、鬘にあるのではないかと感じたジヒョンは、
無理矢理、鬘を取り上げて鋏で切り刻む。
だが、そのショックでスヒョンは倒れ、その後、
入院先の病院からも、忽然と姿を消してしまうのだった。

ジヒョンは鬘の出自を調べるために町で話を聞き、『死者の髪で作った呪いの鬘』の噂にたどり着く。
そして、その噂の元となった今はもう使われていない鬘工場を訪ねるのだった。
鬘に使われた髪の持ち主は誰なのか。そして、ジヒョンとの関係は?

====

ボイスの時も思いましたが、やっぱり少し火サス入ってるかな。火サス(笑)
原因はズバリ、恋愛関係のもつれ!(しかもホモネタあり)
ホラーであっても、韓国ドラマに違いはないのかな、という感じ~。
巻き込まれたカタチのスヒョンは、あのラストを考えるとかなり気の毒…
ええ、見ようと思う人は、心しておいて下さい。…最後が後味悪いから!

火サスっぽい雰囲気のためか、ホラーとしての恐怖度は低め。
私が一番見ていて「ひょー」と思ったのは、お姉さんの事故のシーンでした。
怖いというより痛いって感じ。
後は、貞子が大丈夫ならOKなレベルです。

見ていてちょっと気になったのは、お姉さんの声についてかな。
さっきも書きましたが、交通事故に遭って、声を失うんですよね。
でも、運良く死ななかった、ていうのはいいとして、
声を失った、というのは作中で必要なことだったんだろうかー。

姉は喋れない。妹は不治の病だなんて、なんてわかりづらいクドい設定だろうかと。
これはもしかして「助けを呼びたいのに、声が出なくて気付いてもらえずハラハラドキドキ」
っていう演出がどこかにあるんだろうかと思ったのだけど、それもナシ(ガクリ)
主人公は、声が出ても出なくても、どっちでも構わない内容だったと思う。

…キンキンした悲鳴がなかったのは、見ていて見やすかったけどねー。


蝋人形の館

2007-08-14 10:30:33 | 映画(ホラー)
「蝋人形の館」
監督:ジャウム・コレット・セラ
出演:エリシャ・カスバート、チャド・マイケル・マーレイ、パリス・ヒルトン他

公式ページ
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以前から気になっていたコレですが、行きつけのレンタル屋では、
タイミングが悪くて、なかなか借りられませんでした。
今回、実家に帰ったら兄が買ってあったので(笑)、見てきましたよー。

幽霊系ではなく、猟奇殺人ホラー。
グロ度は…どうなんだろう。それほど凄い死に方では無いと思うけど…
生きながら溶けた蝋を吹き付けられて蝋人形化されてしまう
(見えないけど多分全身大火傷)のは、映像としてグロい部類に入るのでしょうか?
たいした流血も無く、私感覚では「このくらいがちょうどいいかな?」ってレベル。

物語は、リメイク作品らしい、お約束かつレトロちっくな作り。
私の世代のホラーファンなら、怖いながらもどこか懐かしい印象を感じるかもしれない。
でも、話は古くとも、最近の映像技術の進歩も加わって、なかなか見応えある出来と思うー。
ことに脱出間際のシーンがね! 全部蝋作りの建物が溶け崩れていく様子は圧巻。
しかし、こういうのって、日光では溶けないものなのかな? 
夏とか、建物ごとヘニョりそうな気も。

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カーリーとその恋人ウェイド、ペイジとその恋人ブレイク、
カーリーの兄のニックとその友人ドールトンの6人は、
大学フットボールの試合を見るため、2台の車でスタジアムを目指していた。
途中、森でテントを張り、1泊することとなった6人だったが、
どこからともなくたちこめる悪臭や、無言で彼らを見つめる不気味なトラックとの
いざこざで、どこか後味の悪い夜となる。
翌朝、車の一台が故障していることに気付き、6人は二手に分かれることになった。
ウェイドとカーリーは、車の修理をするために、近くにある町へ。
ニック、ドールトン、ペイジ、ブレイクは、一足先にフットボールの試合へ…

そして、ウェイドとカーリーがたどり着いた町は、小奇麗ではあったが、
街中にはまるで人影がなく、ガソリンスタンドにも店員の姿はない。
音楽の音に惹かれて教会へ向かうと、そこは葬儀の真っ最中。
そこにいた男こそがスタンドの店主だったらしく、
事情を聞いた男は、今は葬儀の最中だから、30分ほどしてから
ガソリンスタンドに来て欲しいと二人に告げる。

手持ち無沙汰な二人は、やがて、町の中でひときわ目立つ大きな建物…
蝋人形館へと足を向けるのだった。

====

死体を塗りこめた蝋人形だけが住む町、というのは大仕掛けで楽しい~
教会で葬式に参列する人々も、映画館でスクリーンに見入る人々も、
時折カーテン越しに外を覗くのも、すべて、蝋人形(死体入り)。

登場人物の中では、オニイちゃんがとっても頼りになります。
最初は粗暴な印象ですが、結局のところ、それが全ていい方向に繋がるんですね。
ともかく、キャンプしていた時に、彼が車に対して石を投げていなければ、
カーリーはどこに逃げ出す間もなく、第二の犠牲者になっていたことでしょう。
まっさきに犠牲になった彼氏より、ずっと魅力的ィ。

色々と最近ウワサになっていたパリス・ヒルトンですが、さほど出番はありません。
最初から最後まで彼氏とイチャイチャしつつ、最後は殺されるだけの役です。
つか、せっかくの綺麗どころなのだから、彼女の蝋人形を見たかった
…などと考えてしまうのはアレでしょうか。

いくら天才でも、手作りで一晩にいくつも蝋人形を仕上げるのは、時間的にムリ!
というのはわかるんだけどさー。
登場人物でちゃんと(?)蝋人形化されたのが主人公のカレシ一人だからな…
『これだけ登場人物がいるんだから、一人、また一人と人形化した友人を見つけていくのか?』
とか期待していただけに、とりあえず皆、殺しただけで終ってしまったのが少し残念。


さて、レビューを見ると、この映画はお色気描写もひとつのウリだったようなのですが…
私自身はオンナなせいか、特に気がつきませんでしたねぇ。
それそのもの!ってシーンがあるわけでなし。
「主人公がタンクトップでノーブラだ!しかも巨乳だ!」って言っても、別になぁ。
パリスのセクシーダンス場面も、ちゃんと隠すとこは隠してるしなぁ…
…これで喜ぶのは中学生くらいまで、という感じかなー…

や、とりあえず面白かったですよ~
ジャパホラーは、最近、ラストシーン見ても「どうなったのコレ?」って話が多かったから、
ここまでクッキリとした殺人鬼が出てくる話が爽快に感じました。
わかりやすいやね。


「どろろ」

2007-08-04 01:20:53 | 映画(邦画)
「どろろ」
監督:塩田明彦
出演:妻夫木聡、柴咲コウ、中井貴一ほか

公式ページ
***
この映画については、エー? ツマブキにシバサキコウ? と、
キャスト見ただけで半分ヒいていました。
でも、最近すっかり「原作つきは期待せず見ろ」という、自分的解決法を身につけた私。
今回も、全く期待せず見て…

あら…案外…面白い、かも。

舞台・時代設定を、日本に限定しなかったことが、かえって良かったんじゃないかなぁ。
最初見たとき流れる音楽に「…何故ラテンのリズム?」と呆然としてしまいましたが、
後になると、その雰囲気がチープな西部劇みたいでなんかいい感じ。
百鬼丸を助けた医者が、どう考えても錬金術師になってるのには笑った。
うんうん、いくら異世界とはいっても、医者にどうにかできるシロモノではないやね。

ここまできっぱり設定を変えてしまったその度胸には拍手!
これ…そのまま原作を踏襲して作ってたら、オシマイだったんじゃないかと。

=====
父親である醍醐景光が、魔と契約したその代償として、
身体の48箇所を奪われて産まれてきた赤子。
「それ」は実の母の手によって川に流され、呪医師である寿海に拾われる。
寿海の技術により、死者より作られた身体の部品を身にまとい、成長した若者は、
人間の身体をとりもどすため、腕に仕込んだ二振りの刀を武器に、
倒すべき魔物を求めて旅を続けていた。
魔物を切り伏せ、粉砕するその刀の銘は…百鬼丸。

旅の途中で、若者は、男の成りで泥棒稼業を営む少女と出会う。
自分の名を「どろろ」と決め、若者に「百鬼丸」と勝手に名づけたその少女は、
彼の腕に仕込まれた名刀「百鬼丸」を狙い、彼の旅に同行する。
=====

キャストについては…最初はやっぱり違和感あったかなぁ。
俺は男だ!って言い張っても、どこから見ても女じゃん…
うん、でも、柴咲コウは男演技を頑張ってたよ。
…と、いうか、この人こんなに綺麗なのに、どうしてこんな無骨な役ばかりを…

ツマブキくんに関しては…今まで、他の映画の役どころの影響で、彼にはどこか
「コドモ」っぽいイメージを持ってたんだけど…今回は何気にカッコ良かった。
まあ、いつもは好青年でふにゃっと笑ってるような役が多いのに、
百鬼丸はほとんど笑わない根暗な役だしね。余計に新鮮だったな(笑)


さて、私の愛する魔物たちですが(笑)
最初に出てきたナイスバディちゃんは、
カニになったらそれまでのセクスィーさの欠片もなくて残念。
胸元だけ人間のまま残すとか、顔の下半分…唇のあたりだけ美女っぽく残すとか、
そういう姿のほうが薄気味悪くて良かったのに。

巨大赤ん坊。 お願いだからもう少し色調を落としてください。
あの鮮やかな肌色は作り物バレバレです。
部分的に、腐肉のように緑とか紫っぽくするとか、血管を浮かせてみるとか!
あと、まばたきさせるとか、表情を変えるとか、少しうごうご動かしてやると、
俄然リアルっぽくなると思うんですが。

鯖目…杉本哲太はともかく、土屋アンナの声が非常に素敵でした。
なので余計に、正体現してからの「吊ってま~す」というアクションが悲しい。
蛾は一直線に飛ばないでしょう…いくらなんでも…

中盤でひたすら殺される雑魚敵は、能面付き大木のビジュアルが好きです。
カラス天狗はショボい。
それにしても、どうして香港のワイヤーアクションなの?
チープな効果を狙うとしても、これがベストだったとは思えないな。

そんなわけで魔物に関しては、怖いとか不気味というより
「ヲイヲイ」と突っ込み満載の仕上がり。
これは、故意に「あまり怖くしない方向で」やってるのかのう。
とりあえず続編が出るらしいので、次からはもう少し、そのへんお金かけて作ってほすぃ。


ラストの醍醐父は、個人的に、もっと悪党にして欲しかったあぁーーーー。
なんでこんなイイ人になってるの?!
最後の魔物も魔物。そんな口先だけの約束に騙されてるんじゃないよっていう…(汗)

「動物園の鳥」

2007-08-01 06:55:19 | 本(小説)
「動物園の鳥」坂木司
東京創元社 創元クライム・クラブ

****

図書館で借りてきたー。
例によって例のごとく、「鳥」の一字でたまたま手に取ったってだけなんだけど(笑)
で、内容はといえば「桜井京介」を彷彿とするタイプのミステリ(?)小説。
そしてなんとシリーズ三作目にして、シリーズ完結編(汗)
(シリーズ前作は『青空の卵』『仔羊の巣』)
シリーズもので初めて読む本が完結編だなんて、私はなんという邪道な真似を…(ガクリ)

====
ひきこもりの探偵・鳥井真一と、それを支える友人、坂木司のもとに、
過去の事件でかかわりを持った木村栄三郎が、友人高田安次郎を伴い、相談事を持ち掛けてきた。
高田がボランティアとして働いている動物園で続けざまに起きる、野良猫の不審な怪我。
それを気にかけ悲しむ、周囲の人間関係から浮いた存在の若い女性ボランティア。
その謎をとくために、二人は動物園へと向かう。
そこで再会したのは、奇しくも、かつて、鳥井の引き篭もる原因を作った存在だった。
====

さて、ミステリ…とはいうものの、別に殺人事件が起こるわけじゃなくて、
日常の中の謎解きを通してみた、人間観察というか、心理分析本に近い感じ。
あ、最初に「桜井京介」と言ったのは、探偵役の鳥井くんと桜井のキャラが近い感じだからであって、
物語のつくりや何かが似てるってわけじゃないっす。
あと…似てるのは多分、作者のイメェジ。
わざわざ男文体であとがきを書く篠田さんと、どっか似た匂いがするのよ。
司という、作者と同じ名前をつけられたキャラは、物語の中では男性ですが…
…えーと、書いてるのは女性…なのかな? 多分?

こう書くと偏見かもしれませんが。
男性は、ここまで人の感じ方考え方をセンチメンタルに分析しないと思います。
んー、いや、心理分析的なものを書く方も、もちろんいますが…視点がなんか違うんだな。
「黄泉がえり」を書いたSF作家の梶尾さんも、男性にしては叙情的な物語を書きますが、
やはり、女性の感性とはどこか違うし。
あと、出てくる女性キャラが妙にみんな強くて凛々しくて媚びないところ?
(…こんなこと書いて、モロに男性だったらどうしよう)

物語は、読みやすくて、それなりに面白かったですよ。
ああでも、物語・人物像がいささか甘めなので、リアリストな人には向かない。
あと、ミステリと思って読んではいけない。多分物足りなく感じると思う。
主人公を取り巻く人たちは皆、妙に冷静で客観的で善良でお利口で、
全員が主人公と鳥井をとても大事に考えていて…
舞台は全て、彼らのために誂えられた優しい揺りかごって感じ。

物語の「コーヒーに砂糖おおさじ3杯」的な甘さは、いろんなレビューで叩かれているのだけど。
確かに読んで「こりゃ無いよな」と思う反面…
ひきこもりの人が本当に望んでいるのは、こういう環境なのかなぁ、と思ってしまう。
優しく受け入れてくれるひとたちと、慰めと。
それは、あまりにもご都合主義の楽園とわたしたちの目に映るとしても、
ある種の傷ついた人たちにとっては、そういった無条件の愛情の中で自分の存在を肯定することが、
世の中のいろんなことに立ち向かう力を得るために必要な基盤にもなるわけでー。

うん、まぁ、そんなようなことを考えていました。

しかし、なにしろシリーズ最後の作品を先に読んじゃったからなぁ。
案外、前ニ作を先に読んでれば、これが自然な流れに感じられるのかな。

ぼくなつ3・おかわり2杯目!

2007-08-01 05:49:15 | 商業ゲーム(コンシューマ)

というわけで、3周目に突入しています。
どんだけ好きなんだお前は! という皆の呆れ顔が目に浮かぶ…

とりあえず、おかわり1杯目までは、お茶漬けのCMの如く(笑)
かっ込んでしまいましたが、今度は少しゆったりのんびり、
味わっていこうかと思います。
ていうか、あまりにも頑張りすぎて、エンドパターン一種しか見れてない(汗)

さて、2周目にてほぼ、イベントや採集系アイテムもコンプしまして、
あらためて全体を見てみた再感想。

画面・マップの広がり・遊びのバリエーションは3のほうがスゴい。
でも、シナリオ的には、ぼくなつ2のほうが良かったかも?

3はそもそも、登場人物が少ないですからね~
2では、親戚の家が旅館を経営してただけあって、
そこにやってくる旅人との出会いがありました。
毎日こまめに話かけると、それぞれの人生ドラマもなんとなく見えてきたりして。
んーと…17~18人くらいいたかな? 登場人物。
もちろん、毎日全員と話してるヒマもそう無いから、1回遊んだくらいでは、
全部の人の事情はわからない。で、そこが知りたくて何回かプレイしてみたり。

対して3では登場人物は…10人…くらい? 前作の約半分のボリューム。
それはそれで、のんびりまったりプレイできていいといえばいいんだけど。
何回もプレイすることで『より深く知ることができる』オモシロさが
なくなっちゃったなぁ、と。
ただ、これは私がもともとシナリオ重視タイプのプレイヤーだから
持つ感想かもしれないな。

登場人物を少なくするなら、ボクちゃんから聞きたい話題を選べるように、
選択肢方式の会話も良いのじゃないか、などと思ってみたり。
選択肢によって、その後の会話の流れも変われば、いろいろ面白いなぁ。
親しくなったら、もすこし突っ込んだ話も聞けるとか。
礼くんの家の事情とか、勇人の姉ちゃんがどんな人かとか…

そこをあまり見せずに、プレイヤーの想像力に任せてしまうっていう今の作りも、
『世の中の何もかもを知ることはできない』っていう現実味があるんだけどね~



そうそう、前にチラ書きしたけど、羊蹄行ってきたんだわ。
水汲みついでに、真狩の羊蹄山自然公園へ。
このへんの湧き水といえば、京極のふきだし公園のほうが有名なんですが、
真狩にも名水があるのですよ。
ふきだし公園ほど、周囲がきちんと整備されてはいないのだけどね~
私はまだ行ったことはないのだけど、ニセコのほうにも「甘露」と呼ばれる
湧き水があるんだとか。

で、羊蹄山自然公園にも始めて行ったんですが、すごい山が近い!
見上げればそこにそびえるヤマ!
我が家の子鬼は、木に6cmくらいのミヤマがくっついているのをみつけ、
捕まえてご満悦。
行ったの昼過ぎだったのにね。ラッキーでした。
小型ながら、アオカナブンもいましたよ。初めて実物見たけど綺麗なモンだね~

草原にはコドモが遊べる遊具もあって、ここなら1日遊ばせられる
(親は寝てられる)て感じかな。
ゴミは持ちかえりだけど、一応、自動販売機もありました。
ウィンドウに並ぶジュースの横で蜘蛛が巣を作ってたけどさ(笑)
森林学習館にいるオジサンたちも、気さくに色々教えてくれて良かったよん。

唯一冷や汗をかいたのは、林道の中で超つきまとわれたスズメバチ。
私が網を杖がわりに振りながら歩いていたのが悪かったのか、
近くをぶんぶん飛ばれて怖かったー。
いちおう林道歩いてれば大丈夫! という油断は禁物ですよ皆さん。
あんまりスズメバチが近くを飛ぶときは、来た道を戻る勇気も必要かも!