まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

大寒に「雪国」を読む

2020年01月20日 | 日記

今日は24節気の一つ大寒である。
言うまでもなく一年で一番寒い時期と言われている。
最近は暖冬つづきで看板倒れだが
今日から2月の半ばにかけてがまさに寒の極みだ
ついつい身構えてしまう。



メタセコイアの木立が
北風を受けてピュピューと啼いている。
冬の激しい風が木立や竹垣に吹きつけて出す笛のような音を
昔から「虎落笛(もがりぶえ)」と呼ぶ。
言うまでもなく冬の季語である。
北風の強い日はあらゆるものがピューピューと
音を立てているように聞こえる。
昨日は待望の初雪も降ったし冬気分満点のせいか
図書館で懐かしい本を手に取った。



川端康成の「雪国」である。
いつ読んだかはもうすっかり記憶の彼方ではあるけれど
何度も何度も読んだ覚えがある。
日本を代表するノーベル賞作家・川端康成の名作である。

  「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」

冒頭の有名なシーンからすると
おそらく上越国境、今の新潟県あたりの温泉場らしい。
東京に住む小説家の島村と温泉芸者・駒子の
心の交流を描いた美しくも哀切極まりない小説である。
私は駒子の妹分である葉子の可憐で健気な存在に強く心を惹かれ
何度も何度も読んだものである。
小説の中の少女に恋をした初めての経験ではなかろうか。
などと書きながら顔が赤くなってきた。(笑)