まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

思いをいたす

2017年12月23日 | 日記

天皇誕生日である。
陛下は84歳になられたと聞く。
お元気でこの日を迎えらたことはまことに慶賀である。
皇居前は参賀の人で大賑わいだろう。

先日の閣議で「生前退位」が正式に決まった。
すったもんだはあったけれど
ようやく「象徴」の重責から解放されることになって
心からホッとされているのでなかろうか。
恒例の記者会見でも生前退位に至る経緯を振り返りながら
あらためて「みなの努力に深く思いをいたします」と述べておられた。
陛下のこの「思いをいたす」という表現が
私は以前から大好きである。
言葉自体は「考える」「心を向ける」というほどの意味だが
陛下の口からこの言葉を聞くと
なぜか厳粛な気持ちになってその深い思いを斟酌する。
間違っても忖度ではなく「斟酌」である。
まさか口ぐせでもないだろうが
太平洋戦争の激戦地ミンダナオ島を慰霊に訪れられたときも
九州北部豪雨の被災地を慰問されたときも
やはり「深く思いをいたす」という言葉を口にされていた。
国民の心に寄り添うとともに
陛下らしい心のこもったやさしい言葉だなあと思う。

生前退位にいたる議論にはいろいろ言いたいことがある。
今回は「特例法」で決着を見たようだが
政府の右往左往ぶりには本当に呆れてしまった。
陛下自らが象徴としての危機意識を述べられるまで
そもそも退位について誰も何も考えてなかったのではないか?
これだけの高齢化社会を迎えているのに
まったく危機感のないどうしようもない国なのである。
皇室典範の改正はどうするのか?
退位後の呼び名はどうするのか?
私だっていろいろと「思いをいたして」いるのに
まだ何も決まっていない、
とりあえず天皇誕生日である。