まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

最後の一葉

2017年12月18日 | 日記

すっり冬枯れた桜の枝に
真っ赤に色づいた葉っぱがたった一枚だけ残っている。
二、三日前にも見たような気がするから
ずいぶん渋太い葉っぱである。

最後の一葉・・・
O・ヘンリーの短編小説を思い出す。
確か小学校の国語の教科書で読んだと思うのだが
ひょっとして記憶違いだろうか。
鼻たれ小僧が感動で体が震えた覚えがある。

売れない酔いどれの老画家が
病気で生きる気力を失った女性画家を励まそうと

渾身の力をふりしぼってアパートのレンガ壁に描いた傑作が
一枚のツタの葉っぱだった。

その鮮烈なイメージが今も目に焼き付いて離れない。
あれから半世紀以上もの歳月が流れて
果たしてわが「感性」は健在だろうかなどと思う。
うーん、自信がない。〈笑〉

柿の実もまだいくつか残っている。
時折、ヒヨドリが飛んで来てせっせと啄んでいるのに
こちらもなかなか渋太い。
やがてはこの柿の実も力尽きて落ちてしまうのだろうが
寒風に必死に耐えている姿はちょっと感動的だ。
今日からまた寒くなるらしい。
二、三日前あたりからずっと鼻水がとまらず
ティッシュを一箱空けてしまった。
鼻たれ小僧は愛嬌があるが鼻水ジジイは情けない。
老体にムチ打って「最後の一葉」をもう一度読んでみようか。
感動しなかったらどうしようかと思う。