須永博士美術館スタッフブログ

熊本県阿蘇郡小国町にある、須永博士美術館。スタッフ佐藤から様々な情報をお伝えします。

沖縄の詩 

2020年06月23日 | スタッフより

6月23日は、「慰霊の日」

このブログでも、毎年書かせていただいていますが、私が「6月23日は慰霊の日」ということを知ったのは2006年 それまでは、今から75年前の沖縄でどのようなことが起きていたのか、なぜ6月23日が「慰霊の日」で、東京で良まれ育った私がこれまで知ることがなかったのかわかりませんでした。

須永博士の旅に同行し、沖縄へ毎年行くたびに、沖縄の方々から教わり、沖縄が抱えてきている想いを教わり、そのたびに平和の大切さを感じます。

 

また今日、ここで書く前に・・・この映像を見ました。

https://www.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/common/moviepopup_l.html

↑NHK特集 沖縄戦と太平洋戦争

 

今年に入ってからも、普天間基地での出来事、つい先日の嘉手納基地での出来事、こちらでは新聞に小さな記事が載るくらいですが、そこに住む方々がどん想いをされているのか・・・

今も、75年前に太平洋戦争が終結した日と言われていますが、沖縄の方々にとって終わってなんかいないですね。

おととし須永博士が講演に行ったのは、普天間基地とフェンス1枚で境になっている普天間第二小学校さん。

本当に、「このフェンスだけ?」と驚きました。

 

2018年11月沖縄の旅 総集編その1 - 須永博士美術館スタッフブログ

今回の沖縄行きは、今年の春にご連絡いただいていました。普天間基地に隣接する普天間第二小学校さんの創立50周年記念に、ぜひ講演会をしてほしいと...

2018年11月沖縄の旅 総集編その1 - 須永博士美術館スタッフブログ

 

↑写真は、普天間第二小学校の屋上から。

この工程の向こうが普天間基地です。

そうそう、

須永博士が書いた沖縄の詩、1986年発行の「青春まっしぐら」にもあります。

今から45年前に沖縄で書いた詩です。

 

 

 

ハイビスカス

それは本当に赤い美しい花です

南の熱い国の花だからでしょうか

それとも乙女たちの流した

赤い血がそうさせるのでしょうか

いま姫百合の塔の前に

わたしは立っています

千羽づるがそなえられています

百合の花がたむけられています

乙女たち名前が石碑に

きざまれています

日の前には大きなほら穴があります

追いつめられ

たどりついたこの場所で

ある者はくちびるをかんで

ある者は抱きあい さしちがえて

生命を絶ったそうです

なにを考えて

なにを未来にのぞんで

なにを信じて

この世を去っていったのでしょう

未練はなかったでしょうか

こわくはなかったでしょうか

これが自分の運命と

あきらめることが出来たのでしょうか

一度はアメリカの地であった沖縄も

日本に復帰しました

青い空もすきとおった海も

さとうきび畑も昔のようになりました

でもわたしは思うのです

いままで長い旅をして

自分の心になにかをうけとめてきて

心から感ずることといえば

無味乾燥

そんな世の中がくるのではないかと

いうことなのです

人とのつながりもしらじらしく

求めて行った自然もつくりごと

開発という名で

すべてが壊されて行くようです

みんななくなって行きます

心を打つものが消されて行きます

いまやっと日本に帰った沖縄さえもが

汚されて行くようです

無垢のままの姿を求めているのに

あたりまえの姿でいてほしいのに

なにもかもがありきたりになろうと

しているのです

どうしようもないことだと

あきらめてしまっては

生きることさえつまらない時代が

くるように思えるのです

なんとかしなくては

このままでは

いまわたしは

太平洋戦争の激戦地

沖縄の地に立ち

姫百合の塔をみつめ

ひとり心につぶやいています」

 

45年前というと、1975年 沖縄が返還された1972年から3年後ですね。

その時に須永博士が見た沖縄、そして日本は、どう見えたのでしょうか…

このままじゃいけない、という思いが、この詩を読んで感じました。

45年前「開発という名で壊されていく」と思った日本は、戦後今の日本を作ってきて、須永博士が当時感じたことと今…どう違って、どう同じでしょうね・・

また、ファックスで聞いてみようかな。

 

沖縄で、激しい地上戦が行われ、20万人もの命が奪われた約3か月にわたる戦い

犠牲になられた方へのご冥福を祈り、命が残り、つないできてくださった方への敬意表します

これからも、平和の大切さも学んでゆかなければ・・・

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