GOVAP便り

プノンペンからモンドルキリに、その前はTAY NINH省--AN GING省--HCM市GO VAP

受験渋滞

2008-07-09 01:51:33 | 社会
朝7時から8時の間が通勤バイクのラッシュ・アワー。9時半に目を覚ました今日は渋滞の心配もない筈と思っていたところ、Trung Son通りなどは今まで以上の大渋滞で自動車の隙間をかき分けながら自分もまた我先にと急ぐ必要もないのに先を急ぎました。クラクションを鳴らし続けバイクの群れを蹴散らすが如く走る暴走「サイゴン・バス」は60年年代日本のダンプよりも凶暴で、これが公共交通機関であるとは信じ難いものがあります。

2ヶ月ほど前のQuang Trung通りで反対車線にミンチ肉が散乱し、その隣に覆いを被せた遺体とバイクが横たわっていました。サンダルを履いた女性の足とカワサキMAXのバイクでした。事故後間もない時間のようでしたが相手車両が止まっていないところを見ると、路線バスに轢かれたのかも知れません。

などと思いだしたのは、きょうも路線バスがバイクと接し、転倒したバイクがペンキの缶を転がしているところを通り掛かったからです。バスの前を横切ろうとしたバイクが無謀だったのか、バスが傲慢な運転をしたからかは分かりません。しかしどちらにしても恐るべき「人命の耐えられない軽さ」。バスからは車掌が降りてきて転倒したバイクの運転者には声も掛けず目も合わせず、接触部分のバスの車体の傷の程度を確認してさっさと走り去りました。

あちこちの道路で下水道工事が行われているため至る所渋滞するのはこの時期仕方ないとは思いつつ、こうして9時過ぎの太陽に照らされて喧騒の中を走って辿り着くと、冷房の効いた場所で煙草を吸いながらアイスコーヒーでも飲まねば一日が始まりません。

新聞に目をやると「きょう、大学入試第2次手続き日」とありました。1次分が全土で60万人。今回はそれより少ないと思うのですが、これがきょうの渋滞の原因だったようです。

インフレ

2008-07-08 05:16:11 | 社会
アジア通貨危機再来の可能性を指摘した「ファイナンシャル・タイムス」の記事が日経ONlineに掲載されていました。アジア各国のインフレの中でも特にベトナムの物価上昇率25.2%はずば抜けた数値でグラフの枠をはみ出しています。昨年のベトナム株ブームから一転して2008年は「ベトナム発通貨危機」が語られるほどの状況に直面。特に6月は非公式のベトナム援助国中期CGミーティングのサパで開催や、訪米したズン首相がグリーンスパン前FRB議長と会談したことが報道され、経済情勢に鈍感な自分にも「ひょっとすると・・・」と感じさせるものがありました。

6月の統計が発表され、貿易入超額が5月の28.5億ドルから1.3億ドルに減少し、物価上昇率は5月3.91%から2.2%となるなど抑制政策の効果が語られるようになり、心理的には6月下旬からはこうしたマクロ経済の危機感は薄らいだかの印象があります。その間、幾つかの公共プロジェクトの中止が発表され、6月から発行予定だったプラスチック製運転免許証への切り替えも費用が調達できずに延期となりました。

しかし個別企業の資金不足は、そのお陰で苦しくなる一方の状況が続きます。輸出入企業へのExinBankによるドル貸付(利率8.4%)が発表されたり、水産加工会社への農業銀行による貸付が報じられたりもしていますが、政府の公共プロジェクト抑制は国内的要因のインフレには効果があるとしても輸入原料の値上がりには抗することはできず、家畜飼料価格は今年に入って9回目の値上げ。

食品価格が更に値上がりして消費者の生活を圧迫するのか、あるいは農家が経営を破綻させるのかの何れか迫ることになりそうです。

農業省は2日、上半期の農林水産業の出荷額が931,000億ドン(約5.820億円)(対前年比+4.6%)で「大きな勝利」と発表しました。寒冷化による北部冬春米の不足にも拘らず昨年より100万トン多い収穫ですから、それはそう表現することも間違いではないのかも知れませんが、軽々しく「勝利」を口にする左翼体質というか、日本の政治家が選挙に勝って無邪気に万歳を叫ぶ姿なども連想させられてがっくりしました。

農産物をはじめ、輸出貿易の急成長に依拠した経済建設の今日のあり方が農業国でありながら国際価格の変動に翻弄され農村の疲弊を招いているばかりかインフレによる危機的状況を招いてしまっていることは確かです。かつて一度は計画経済を志向した経験があるとは思えぬ無計画性の氾濫は数多く、市場原理に突き動かされて右往左往。

成長のスピードを落としてインフレを抑制する。調整されるべきことはそれだけなのでしょうか。農業省はベトナム農業の未来についてどのようなビジョンを画いているのでしょう。

事故原因最終報告

2008-07-05 05:29:29 | 社会
日本外務省のプレスリリースに「カントー橋崩落事故に関するベトナム国家事故調査委員会最終報告について」が掲載されていました。(ベトナム公表資料(仮訳)を別添)という実に有意義なものです。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/h20/7/1181267_912.html

今回の報告の提出は、既に先月予め報道されていたもので、「日本側の了承も得ている」と書かれてました。それだけに外務省も準備万端で早々にホームページにUPできたのでしょうか。

報告では「通常の設計では予測困難な不等沈下」が事故原因とされ、設計ミス遅ではなく、また手抜き工事等が原因でもない、との内容です。

「設計段階で予測困難」な現象が起きて事故が発生した場合は責任を免れる-というのが建築設計の世界にあるとは知りませんでした。

「ベトナム側に賄賂か PCI、ODAで数千万円」との記事を見たのは先月末のことです。「日本企業を潤し腐敗した対象国の役人を肥え太らせ政治家の利権を拡大する」とのイメージを払拭するに足る「正義の実現」を果たしてこの報告書の中からどれだけ汲み取ることができるのでしょうか。問題発生の真実の解明こそが「正義の実現」の第一歩であり、死刑執行を正当化するために使われるべき言葉ではないと思います。

この事故原因とされるものは、はたして事故犠牲者に失望と困惑をもたらす内容ではないと言えるものなのでしょうか。

米作への転換を急ぐ

2008-07-03 03:09:47 | 農業・食品
昨日、信号待ちの間に新聞を買おうと2000ドン札を手渡すと「今日から3000ドン」と言われ、半信半疑で新聞に目を落とすと2.700ドンと印刷されてました。1300ドンから1800ドンに値上げされたのは今年の3月だったと思います。それがたった4ヶ月で再び値上げで僅か半年足らずで2倍というわけです。

そのせいかどうか、いつもは8時には早々と売り切れる近所の立ち売りの店も今朝寝坊して9時過ぎに通り掛かるとまだ売れ残っていました。「何がバブル崩壊だ」と思ってしまう広告の厚さも、きょうはやけに薄くなり、この調子で物価上昇が続けばやはり・・・などと一瞬感じたりも。

その新聞の一面にはこの写真がデカデカと載り、
Khi nông dân đổ xô đi... trồng lúa とのタイトル。

メコンデルタの「農民がどっと米作に押し寄せる」というような意味だと思います。写真はティエンザン省で夏秋米を植えるために カユプテ=cajuput(tràm)の木を切り倒している農民。カユプテのみならず、パイナップルや砂糖黍畑、エビ田なども幾つかの省では数万ヘクタールの規模で米作へ転換しているのだとか。

今年のベトナムの米生産量は3,700万トンで450万トンの輸出が計画されているようですが、この駆け込み田植えで予想を上回るかも知れません。しかしここ10年ほどの間に、コーヒーが儲かると言ってはコーヒーに殺到して翌年は過剰生産で没落だとか、砂糖黍価格が安いから転作して翌年は製糖工場が原料不足などという記事ばかりだったようにも思います。

国際価格の変動に翻弄されるベトナム農業との印象を受けますが、それが年々激しくなっているのでは、と思わせる記事です。

VNインデックス400回復

2008-07-02 02:24:22 | 天気
この1年間のグラフを見る限り何処が回復なのかと思ってしまいますが、9日間小幅続落の東証とは対照的にこの間ベトナムインデックスは小幅続伸で1割ほど戻し、やっと400を超えました。

昨年10月の高値より3分の1も下げたわけですからこの1割も数字としては取るに足らない微々たるものではありますが、8ヶ月続いた下落相場。ようやくにして泥沼から抜け出せるのではないかとの期待もチラホラ。

こんなことを言ってしまうと途端に明日から下げに転じるってこともありそうで、きょうも「今年の6月は雨が少なかったから暑くて堪らん」と話していたところ、夕方5時過ぎからの雨に濡れて帰ることとなり、夜の11時を過ぎてもまだ止みません。

株価が持ち直すとしてもこのインフレと高金利で企業収益は望むべくもなく、少なくとも今年1年は殆どの会社が資金繰りに追われる毎日が続きそうです。

第2四半期の業績が公表されるのは8月になってのことと思いますが、各水産会社の第1四半期の財務諸表を見ると既にこの期間に各社短期借入金が大幅に増えていました。水産会社の中で最も株価の高いナムベト水産ですら売上げ7000億ドンに対しその間の短期借入金増加額は6000億ドン。それすらも使い果たして第2四半期は養殖魚を買い入れる資金にも事欠いたわけですから4~6月3ヶ月の数字に期待できるものはありません。

売上げの85%以上の借り入れを行い、しかも年利20%を超える高金利ですから生き延びる道は返済を急ぐか、仕入原価を圧縮する以外にありません。養殖魚農家はコスト以下での値段で売らねばならず、しかも支払いは先延ばしの上、分割払いが増えているようです。

養殖農家が破産し、或いは新たな稚魚の買い入れを養殖を見合わせれば加工工場は原料の不足に直面することになるわけですが、養殖期間は約7ヶ月。今を何とか乗り切ろうと無理を重ねれば来年に跳ね返って来ることになります。

幾分株価が上昇したとは言え、一株当たり純資産(BPS)より安い株価はまだ多く、その筆頭がアンザン水産輸出入会社(AGF)でBPS 48,480ドンに対し今日の株価は 31,200ドン。昨年の高値は108,000ドンでした。