GOVAP便り

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魚養殖は儲かるのか

2008-04-19 22:02:52 | 農業・食品
ドル・レートは何故かベトナム・ドンに対して16.000ドンを回復し、週末のベトコンバンクでは16,110ドン。そのためか養殖魚(Ca Tra)の輸出価格は、やっと上昇し、冷凍工場へ売却する魚の出荷価格も14,000ドンを回復して15,000ドンを超えつつあるようです。

それに連れて水産輸出会社の株も多少回復の兆しは見せているものの、どうにも悲しいほど低迷を続けているのがアンザン省水産輸出入会社(AGF)です。ベトナム株価全体が急落したとは言え、AGF(アジフィッシュ)は昨年5月の高値13万ドンから奈落の底へ。昨日の株価は3.59万ドンでこの一年間に半値どころか27.6%になってしまいました。それでも外国人保有率制限の49%一杯まで外国人に買われている状況は変わりません。前年度比で資産額は倍近くになっているのに1割以上の減益ですから評価が落ちて当然ではありますが。他の水産銘柄も軒並み株価収益率は10倍以下のお買い得価格です。

と、いうことはメコンデルタの水産輸出会社には将来性がない、ということなのでしょうか?昨年の養殖Tra魚輸出は10億ドル。今年は12億ドルに達する見込みだそうです。水産物輸出は、原油、繊維・衣料、履物に告ぐ輸出金額で、農産物輸出総額は原油を上回ります。その中で特にこの間の伸び率が高いのがメコンデルタを中心とするTra魚の養殖輸出。天然水産資源は減少するばかりですから養殖によってしか水産品の増加は困難です。

5年前の統計では養殖比率は数量べースで35%ほどしか占めてませんでしたが、以降毎年20%増大したとするとこの比率は昨年にも50%を超えたのではないでしょうか。Tra魚の養殖は約6ヶ月。その間、餌を与え続けねばならないため資金を必要とする経営です。出荷魚1kg当たり必要とされる飼料は約2kg。しかも加工工場に売られた魚は半分がアラとなり製品となるフィレは1/2の500g。資源効率から言えば1/4。

飼料原料も60%~90%の比率で輸入品が使われているようですから、水産品輸出を増やすためには輸入も増大します。主な飼料原料は、大豆粕、魚粉、骨肉粉、米ぬか、キャッサバ、プリメックス、アミノ酸など。飼料工場でペレット状に加工されます。この飼料原料価格は国際価格ですから、この間の値上がりが激しく利益を圧縮する要因となっています。

従ってベトナム通貨に対するドル・レートが戻ったくらいでは済まない状況であることは間違いありません。一方で輸出先数量はBSE問題の牛肉離れ以降の状況下で日々増大を続け、日本、北米、EUに続きロシア、南米へと市場を拡大しています。





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