GOVAP便り

プノンペンからモンドルキリに、その前はTAY NINH省--AN GING省--HCM市GO VAP

パキスタンの洪水と中国の干ばつ

2011-09-17 02:29:00 | 農業・食品
年末までのコメ価格の高騰の可能性について、ベトナム食糧協会会長がベトナムエコノミー紙のインタビューに、国際価格の高騰は現在の需給関係からすれば問題ないが、気象状況が複雑なため予測は難しいとの旨、答えていました。

農産物輸出価格の上昇は輸出企業や輸出作物を生産している農民に利益をもたらすことになるとは言え、国内価格への影響を通してインフレを更に押し上げる要因ともなるわけで、タイに次ぐ世界第2位のコメ輸出国となったベトナムにとっては関心の強い問題となっているようです。

タイの洪水では34県に被害が及び、政府の洪水対策と被害への政府補償に関して不満と抗議の声があがっていると伝えられています。
http://www.bangkokpost.com/learning/learning-from-news/256865/floods-farmers-angry-crocodiles-happy



パキスタンでは死者1700人、被災者2000万人と言われる昨年の北西部の洪水に引き続き、今年の洪水では南部で少なくても死者233人、550万人が被災しSindh provinceでは80%の換金農作物、約180万ヘクタールが被害を受けたとのことです。
http://edition.cnn.com/2011/WORLD/asiapcf/09/14/pakistan.flooding/index.html



一方中国では南西部の6月からの干ばつが深刻で、貴州省では過去60年間で最悪の干ばつとなり2150万人が影響を受け、700万の人間と300万頭の牛が飲料水不足に直面しているとのこと。
http://edition.cnn.com/2011/WORLD/asiapcf/09/13/china.drought/index.html

南西部5省の干ばつ被害全体では5000万人に影響し1600万人の飲料水が不足しているとされています。被災耕地は623万ヘクタールに及び、中国全耕地の5.7%になる計算です。中国の一地方だからそれでも食糧需給に特に問題はない、などと言えるのでしょうが、日本の耕地面積が430万ヘクタールですから、その1.45倍、またはベトナムの全耕地と同程度の面積です。