GOVAP便り

プノンペンからモンドルキリに、その前はTAY NINH省--AN GING省--HCM市GO VAP

午前9時の太陽

2007-04-25 01:45:04 | 交通
ダナンに2泊し、月曜日の夜サイゴンに戻りました。6日間閉切っていた部屋の中は熱せられた空気が淀み、こういう時は一人暮らしが恨めしく思えます。この季節、ダナンもまた日中の日差しの強さの割には気温は低めでホテルのエアコンを付けずにも済むほどでした。ダナンのパシフィック・ホテルはまだ改装工事が終わらず、同じダナン・ツーリスト系列のVINAFAホテルは満室。仕方なく初日は、TRAN PHU通り60番地の新しいミニ・ホテルに泊まりました。一泊220Kドンで70Kドンばかり予算オーバーですが、部屋にもADSLのケーブルが引かれているし、ベッドの硬さも清潔感も申し分ありません。しかし、月曜日の夜便しかサイゴンに戻るチケットが取れず、夕方のチェックアウトにすると半日分の料金加算で、しかも半日料金は半額ではなく、70%という納得できないものだったので、2泊目はVINAFAホテルで交渉し、1.5泊190Kドンで泊めてもらいました。

ハノイ以外の北部ではADSLの設置されたホテルはまだ経験したことがなく、ホテルの電話回線から繋いでましたから、その点ダナンはホテル料金も同程度なのに便利でした。が、VNNのメールサーバーが相変わらずの不調で、しかもハードディスクの壊れかけたノートPCが遂に立ち上がらなくなってしまう始末。XPの英語版を持ち歩いて東アジア言語をインストールすれば良いのでしょうが、出掛ける前にそこまで気が回らず、ホテルに置いてあるPCではメールどころか日本語サイトも読めません。せいぜい開幕不調だったマリナーズ、イチローの試合結果を確認するくらいしか英語サイトを開く気力は起きませんでした。

最近はベトナムのニュースも日本語で読めるものが増えたため、ベトナム語のニュースを読まずに済ませたりもするようになってしまいました。便利さを享受することによって人は日々能力を退化させ、歩く代わりにフィットネスジムに通ったりするように商品化されたサービスの購入によってしか能力の回復ができないかのような社会になりつつあるようです。便利さを拒否することが困難になるにつれ、「義務教育」の持つ意味も変わってくるように思えます。便利ではない環境が学校の中には必要であって、その意味ではIT教育というのは愚の骨頂と言うべきなのかも。人間生活のあらゆる領域が商品化されていく状況の行く末は人間の家畜化みたいなもので、コンビニ弁当などは家畜の餌に有害なものすらあるようです。

今朝はゆっくり寝坊を決め込みました。家を出る時の太陽は高く、ウンザリしながらふと「午前9時、10時の太陽のように・・・」という言葉を思い出しました。毛沢東語録の「青年論」だったでしょうか。映画「パッチギ」の中にも出てきましたが。広い中国の何処のどの季節の太陽のことなのでしょう。毛沢東はサイゴンの4月の太陽を見たことがないに違いないと確信しました。
サイゴンに戻り、会う人毎に「北部や中部は涼しくてねー」などと言いふらしていたわけですが、新聞を開くと中北部の「VINHで42度」との記事がありました。何のことはない、結局のところ自分の感想も像の尻尾を撫ぜてきただけのことなのかも知れません。