朝は雲って薄暗い灰色の空です。それがいつの間にか強い日差しに変わるのですが、夕方から再び曇り出すため蒸し暑くて堪らぬここ数日です。この反対に昼間は雲が太陽の日差しを遮り、夜は晴れ上がって地表の熱を奪ってくれればいいのに、と恨めしくもなります。この蒸し暑さの不快感のため誰もが苛立つせいなのか、きょうはあちこちで交通事故を見かけました。
もっとも昨日他人事のように語った罰が当たったようで、3区に出掛けた帰り道で自分が接触事故の当事者に。Tan Dinh市場の脇の道をトロトロと走っていると対向車線から大幅にはみ出して2人乗りのバイクが向かって来ました。こちらは10kgほどのA4用紙を運んでいたので急ハンドルで避けるのも憚られ、スピードを緩めただけでした。相手のバイクはそのままのスピードで走り抜けようとし、恐らくハンドルが接触したのだと思います。ガツンという衝撃はあったものの直ぐに止まれる速度でした。振り返って見ると通り過ぎた相手のバイクはハンドルを取られて更に別のバイクと接触して転倒。何とバイクの前輪が外れて何処かへ転がっていったようです。ブラブラと垂れ下がった2本のサスペンションが何とも滑稽でした。
こんなところで時間を奪われるのも勘弁だし、かと言って知らん顔で通り過ぎる卑怯者を受け入れたくもありません。原因は兎も角、相手のほうが怪我も破損も多いわけだし、バイクのスタンドを下して様子を見に行こうと思いました。すると足の甲を打撲したようで歩くと痛みが走ります。あちこちの接触事故でお互いに相手の非をあげつらい罵り合う光景が思い浮かびました。口論になったら100%負けだなー。「凱旋門」のラヴィック先生が逮捕される切欠は事故に遭遇し、被害者の救助をしたからでした。自分は不法滞在の亡命者ではありませんが、公安のご厄介になるのも懲り懲りです。
すると近所の人と思えるお婆さんが僕のところに来て「Thong cam Thong cam」となだめようとします。何でこのお婆さんが僕に同情してくれるのか分かりません。口振りからすると「家の子が迷惑かけてすいません」という感じなのですが、ちょうど自分の家の前で事故を起こしたとも考えられず不思議に思っていると、再びやってきて、また「Thong cam Thong cam」と繰り返し、「ご怒りはご尤もですが、どうぞお引取りください」という仕草でした。その場に残って2人の無謀運転を公安にでも証言されたら困ると考えたのか、あるいは損害賠償を請求しないでくれという意味なのかはわかりません。
多少の後ろめたさは残りましたが、その場を立ち去ることにしました。履いていた左足の皮靴がざっくりと破れていました。サンダル履きでバイクに乗っていたら骨まで達するほどの傷だった可能性もないとは言えません。4年ほど前、サンダル履きでバイクを運転し、交差点で自転車と接触した際に足の小指が自転車のポークに巻き込まれ、深い傷を負ったことがありました。それ以降極力靴を履いてバイクに乗るようにしています。明日は北部に行かねばならず、こんな時に怪我などしたら目も当てられません。
ところがです。この破れた靴を履いて行くわけにはいかず、代わりの靴もありません。こんな時にまた余計な出費かと思うとがっかりです。その上、靴を買いに行く時間も惜しまれます。買い物の楽しみを知らないわけではありませんが、ここで靴を探しても気に入るものが見つかることは期待できないわけで、偶に1区のショーウィンドーでその気にさせられる靴を見ることがあっても、値段が10倍もする輸入品だったりするのがオチです。
今日中に済ませっておかねばならないことは何なのか、明日からの準備はどうするのか、を考える間もなく時間が過ぎていきます。とりあえずハノイ行きの片道航空券だけは手配しなければなりません。幸い昨日、未収残金が回収できたので当面の資金繰りの心配だけは免れました。が、北部に先に行っているNから電話は入らず、痺れを切らしてこちらから電話しても繋がるのは数回に一回。それも電波状況の悪さか、音声を聞き取るのはやっとです。連絡がないのは問題がない証拠、などということはなく、大トラブルの様子。電話をする気力もなく忙殺されてるようでした。「だから言っただろう・・・」との言葉を飲み込み、また明日は空港から憂鬱な気分でローカルバスに揺られるのか、とため息を吐き出しました。
もっとも昨日他人事のように語った罰が当たったようで、3区に出掛けた帰り道で自分が接触事故の当事者に。Tan Dinh市場の脇の道をトロトロと走っていると対向車線から大幅にはみ出して2人乗りのバイクが向かって来ました。こちらは10kgほどのA4用紙を運んでいたので急ハンドルで避けるのも憚られ、スピードを緩めただけでした。相手のバイクはそのままのスピードで走り抜けようとし、恐らくハンドルが接触したのだと思います。ガツンという衝撃はあったものの直ぐに止まれる速度でした。振り返って見ると通り過ぎた相手のバイクはハンドルを取られて更に別のバイクと接触して転倒。何とバイクの前輪が外れて何処かへ転がっていったようです。ブラブラと垂れ下がった2本のサスペンションが何とも滑稽でした。
こんなところで時間を奪われるのも勘弁だし、かと言って知らん顔で通り過ぎる卑怯者を受け入れたくもありません。原因は兎も角、相手のほうが怪我も破損も多いわけだし、バイクのスタンドを下して様子を見に行こうと思いました。すると足の甲を打撲したようで歩くと痛みが走ります。あちこちの接触事故でお互いに相手の非をあげつらい罵り合う光景が思い浮かびました。口論になったら100%負けだなー。「凱旋門」のラヴィック先生が逮捕される切欠は事故に遭遇し、被害者の救助をしたからでした。自分は不法滞在の亡命者ではありませんが、公安のご厄介になるのも懲り懲りです。
すると近所の人と思えるお婆さんが僕のところに来て「Thong cam Thong cam」となだめようとします。何でこのお婆さんが僕に同情してくれるのか分かりません。口振りからすると「家の子が迷惑かけてすいません」という感じなのですが、ちょうど自分の家の前で事故を起こしたとも考えられず不思議に思っていると、再びやってきて、また「Thong cam Thong cam」と繰り返し、「ご怒りはご尤もですが、どうぞお引取りください」という仕草でした。その場に残って2人の無謀運転を公安にでも証言されたら困ると考えたのか、あるいは損害賠償を請求しないでくれという意味なのかはわかりません。
多少の後ろめたさは残りましたが、その場を立ち去ることにしました。履いていた左足の皮靴がざっくりと破れていました。サンダル履きでバイクに乗っていたら骨まで達するほどの傷だった可能性もないとは言えません。4年ほど前、サンダル履きでバイクを運転し、交差点で自転車と接触した際に足の小指が自転車のポークに巻き込まれ、深い傷を負ったことがありました。それ以降極力靴を履いてバイクに乗るようにしています。明日は北部に行かねばならず、こんな時に怪我などしたら目も当てられません。
ところがです。この破れた靴を履いて行くわけにはいかず、代わりの靴もありません。こんな時にまた余計な出費かと思うとがっかりです。その上、靴を買いに行く時間も惜しまれます。買い物の楽しみを知らないわけではありませんが、ここで靴を探しても気に入るものが見つかることは期待できないわけで、偶に1区のショーウィンドーでその気にさせられる靴を見ることがあっても、値段が10倍もする輸入品だったりするのがオチです。
今日中に済ませっておかねばならないことは何なのか、明日からの準備はどうするのか、を考える間もなく時間が過ぎていきます。とりあえずハノイ行きの片道航空券だけは手配しなければなりません。幸い昨日、未収残金が回収できたので当面の資金繰りの心配だけは免れました。が、北部に先に行っているNから電話は入らず、痺れを切らしてこちらから電話しても繋がるのは数回に一回。それも電波状況の悪さか、音声を聞き取るのはやっとです。連絡がないのは問題がない証拠、などということはなく、大トラブルの様子。電話をする気力もなく忙殺されてるようでした。「だから言っただろう・・・」との言葉を飲み込み、また明日は空港から憂鬱な気分でローカルバスに揺られるのか、とため息を吐き出しました。