昔は毎年この時期になると各家庭ではお雛様を出して飾った・・・
田舎のひな祭りは月遅れに4月3日からだったが・・
早く飾るのは、良縁に恵まれると言って・・3月中頃からでも飾る家があった・・
女の子が多かった我が家でもお雛様が飾られたが・・・
今のような段飾りのお雛様ではない・・・
浜田の長浜で作られた、「長浜人形」と言われる土人形だった・・
一応は男雛、女雛が主流だったが・・時には5月人形の金太郎、や武者人形も一緒に飾られていたものである・・・
男雛、女雛は・・首から上が組み立て式になっていたり・・両腕や刀や扇子も組み立てだったので・・長い間には組み立て部分が痛んだり無くなったりし残っていないが・・一体型の官女や浦島太郎などは今でも我が家には4~5体は残っている・・・
今は、長浜人形と言っても知らない人が多い・・・
土人形なので塗りが剥げたり、手が欠けたりと痛みも早かったようである・・
ある時、地区の神社裏の大杉の根元を見たら・・沢山の傷んだ長浜人形が野ざらしで積み重ねてあった・・・
家庭で持て余して処分されたもののようである・・・
長浜人形は・・博多人形師の流れを汲んだ人形のようである・・・
あれほど各家庭で愛されていた長浜人形だが・・・
今、どうなっているのだろう・・・?
田舎から娘さんの姿が消えたように・・長浜人形の美しい姿はもう見ることもかなわなくなった・・・