刺萵苣の名を突き止めてあるきだす道のゆくさきざきにトゲチシャ
あそこにもひとりひとりで立っている夏草 ぼくの背丈を超えて
スズガヤでにじむ視界をよこぎった鳥はおおきな生き物だった
あれは影だったのですか六月のそれきり見ないクロガケジグモ
ユーミンにうたってもらうことねってヒメジョオン先輩は言うんだ
やりすごすことは得意、とおちてゆくナガミヒナゲシ夏の眠りに
ヒメムカシヨモギの群れのてっぺんはむかしむかしの光に透ける
(「未来」776号 2016.9月)
あそこにもひとりひとりで立っている夏草 ぼくの背丈を超えて
スズガヤでにじむ視界をよこぎった鳥はおおきな生き物だった
あれは影だったのですか六月のそれきり見ないクロガケジグモ
ユーミンにうたってもらうことねってヒメジョオン先輩は言うんだ
やりすごすことは得意、とおちてゆくナガミヒナゲシ夏の眠りに
ヒメムカシヨモギの群れのてっぺんはむかしむかしの光に透ける
(「未来」776号 2016.9月)