すぎな野原をあるいてゆけば

「おとのくに はるのうた工房」がある

阪堺電軌鉄道上町線

2017-01-27 00:33:03 | 短歌
天王寺駅をぐるぐる天王寺駅前駅をみつけられずに

    たまたま乗ったのがモ161形という車両だったと後で知る。

しあわせとしらないうちに真鍮の手すりの金色に触れていた

「乗車口」って左右対称たて書きのまるい書体は扉に透ける

どこへ行くときいているのはだれだろう 降車ボタンはチン、とひと声

からからと記憶(ほんとは無い記憶)日よけの鎧窓のおもたさ

「はまでら」のアクセントってこうなのかわたしはとおくきたひとなのか

    終点は「浜寺駅前駅」。

夕暮れの松の林のほうへゆくカラス うみどり みんな帰ろう

まっくらになったからって松虫という名の駅に降りないままで


(「未来」773号 2016.6月)


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