すぎな野原をあるいてゆけば

「おとのくに はるのうた工房」がある

オトシブミ

2012-11-03 17:40:20 | 短歌
寝袋はうまく巻けない 日光を吸った手紙と思ってみても

寝袋を入れる袋を七月の雲はいつでもはみだしてばかり

ゆあがりのゆびさきの湯気まっしろな蛾の口吻がなんども触れる

バスタオルの端っこ持って天花粉まみれの自分をころころ巻いた

落とさないタイプのオトシブミだからおちてないけどひろうゆりかご

目覚めれば手紙のなかにいるとしてそこにあかりは透けていますか

蛹にもまっくろな眼が(ほんとうは開けちゃいけない手紙をあけて)

   羽化したヒメゴマダラオトシブミを林にかえした。

飴色の脚をTシャツから外す あなたのおかあさんじゃないから

オトシブミ飛んでエノキの幼木がみあげる空にエノキはいない



(「未来」729号 2012.10月)




10月号から笹公人さん・黒瀬珂瀾さんの選歌欄ができて、注目を集めた「未来」です。この号から、京都の三月書房さんにも置いていただくことになりました。関西のみなさん、よろしくね。(京都の運び屋より)

わたしは「ニューアトランティスopera」という欄の、いまのところ末っ子の場所にいます。すみっこで超マイペースに、3か月連続昆虫シリーズを展開しているところ

特に昆虫派というわけじゃなくて、クマムシから熊まで(←これ、たしかどこかの大学の研究室のキャッチフレーズだった)、もちろん植物もずーっとみているのですが、今年の夏はこんなかんじでした。つるつるすべすべのオトシブミも見てみたいんだけど、とりあえず行動範囲内で会えたのは、ごつごつタイプのこの子たち(ヒメゴマダラオトシブミ)だけでした。
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さなぎの数えかた

2012-11-03 17:32:36 | すぎな日記
短歌研究11月号に「さなぎの数えかた」10首を載せていただきました。

80周年の特集テーマ「歌と私」というのがあまりに壮大なので(?)終盤ちょっと失速(当社比)している気もしますが、みていただけたらうれしいです。
コメント (4)
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