すぎな野原をあるいてゆけば

「おとのくに はるのうた工房」がある

窓から歌を

2017-01-27 00:30:58 | 短歌
八時半のパンとパンとに挟まれて左のひとのほうが甘そう

「右袖にアオバハゴロモとまってます」言えないままで向日町駅

     乗車駅不明のアオバハゴロモは降りていった。

あたたかいものは入っていないのに膝にのせたらねむたい鞄

     きょうは直翅目をみるという意識で川沿いを歩く(と、見えてくる。)

葛の葉の窓から歌を(邯鄲の)夢のながさにふるえるうたを

近寄ってわたしの影でのみこんだ バッタとバッタの影をいっしょに

そこにいることはわかっているんだと葉裏のコバネイナゴに告げる

まちがえたわけではなくてほんとうに今日咲きたくて秋の菜の花


(「未来」769号 2016.2月)



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