すぎな野原をあるいてゆけば

「おとのくに はるのうた工房」がある

ニワゼキショウの橋

2017-01-27 00:34:11 | 短歌
野茨ののぞきこむ川くらい水そこにいるのにみえないものを

いまはないおおきな桐の記憶だけうかんで雲になる駐車場

それぞれの仕事はつづく一枚の田に耕運機・しずかなカラス

      ニワゼキショウが咲く橋、と覚えているので。

車道へとはみだしながら花は咲く 橋の名前はいつも忘れる

傘をいつひらくかきめられないままでバスに乗りこむかわいた傘と

花びらのみえない花のあかるさをクスノキいつまでもみあげる樹



(「未来」775号 2016.8月)


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