日陰に建てていましたが、なまえ統一記念に(?)公開します![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_en4.gif)
うたう☆クラブ
「短歌研究」誌でほぼ毎月(12月号はお休み)募集があります。(応募は5首まで。)
「出せばとにかく1首は掲載される」&「レッスンを受けたときは途中経過が載ってしまう」というわけで、ずいぶんはずかしいこともありますが、掲載作をならべてみます。
○印はレッスンを受けて改作したもの。
(☆)印は掲載時に扇マークをいただいたもの。
2005.8月号(穂村コーチ)
○おせっかいはもうやめるんだ「山月記」の虎に鏡をさし出すような
↓
「山月記」の虎に鏡をさし出せば肉球は踏むわたしの破片
2005.9月号(加藤コーチ)
真円に近い軌道でまわりたい十九番めの惑星として
距離感が大事タイミングが大事プールの底で歯を折らぬよう
2005.10月号(小島コーチ)
木の笛をふいてください とおくてもきみの呼吸がきこえるように
2005.11月号(栗木コーチ)
○割れたのはなにかにとどいたからだって納得させているしゃぼん玉
↓
割れたのはとどいたしるしあのひとの肩でひかりになるしゃぼん玉
「しゃぼん玉とどいた。」「しゃぼん玉割れた。」風にとけない句点のこして
2006.1月号(穂村コーチ)
○そんな魚見た、って言って一度だけわたしをゆびさしてくれたよね
↓
そんな魚見た、って風の向こうからわたしをゆびさしてくれたよね
2006.3月号(小島コーチ)
あるく速さえんぴつの濃さオリオンの強さでつたえたかったことが
2006.4月号(栗木コーチ)
いつか描くぼくが描く春の粒子を埋めこんである青いパステル(☆)
2006.5月号(穂村コーチ)
かわらないことをぷつぷつたしかめるレンゲの茎の断面は星(☆)
2006.6月号(加藤コーチ)
しゃららんと鎖ひきずる音がして落とした鍵はすぐにひろった
2006.7月号(小島コーチ)
言われたくなかった言葉削除して「ナツノオモイデ」上書き保存
2006.9月号(穂村コーチ)
○うしろから来る口笛を待つために真上の星を星だけを見る
↓
うしろから来る口笛を待つために星の揺れない速度であるく
2006.10月号(加藤コーチ)
二時間に三回傘を忘れた日 たぶんいちばんしあわせだった(☆)
2007.1月号(栗木コーチ)
惑星がひとつすくなくなった夜 飛べない鳥の内臓を煮る(☆)
2007.2月号(穂村コーチ)
分子ひとつの決意はいつも正しくて金平糖の角がふくらむ
2007.3月号(加藤コーチ)
おもいでにあるレコードの溝ぜんぶつないだよりも遠くまで来た
○先生がゆびさきだけでうらがえす「運命」くるり黒い円盤
↓
先生がゆびさきだけでうらがえす ツバメのつばさ色の音盤
2007.4月号(小島コーチ)
レシートの「ショクパンウスギ」で切れる文字みたいに終わる告白ひとつ
2007.5月号(栗木コーチ)
からすうりほどのあかりを孵卵器のなかにのこして夜道へ帰る(☆)
2007.6月号(穂村コーチ)
ひとまわり始祖鳥よりもちぢまった鳩があるいてくるよこちらに(☆)
2007.7月号(加藤コーチ)
忘れたけど。電話ボックスから空はおそらく見えなかったはずです(☆)
2007.9月号(栗木コーチ)
石壁にちらばるアンモナイトたちはぐれたときの距離はそのまま
2007.10月号(穂村コーチ)
「つきあってみませんか」って先生はカニムシ入りの小瓶をくれた
2008.2月号(栗木コーチ)
エコバッグに押し込む葱を「いぬのきもち」「ねこのきもち」がならんでみてる
2008.3月号(穂村コーチ)
「地下道でうたってるひとみたいだ」と言われたたぶん帽子のせいで
2008.4月号(加藤コーチ)
○冷えきったアドバルーンが揺れている たまごのなかはこんなにひろい
↓
黄身色のアドバルーンが揺れている ひろびろ冷えてゆく大気圏
きみが来る10時の方は見ないまま市民ひろばの日時計になる(☆)
2008.5月号(小島コーチ)
うらがわに鳥の巣がある信号の青いひかりにたちどまる朝
2008.6月号(栗木コーチ)
彗星のあたまってこの色ですか よごれた雪のうさぎをなでる
2008.7月号(穂村コーチ)
質問をゆるします、って昼までにあと二回言うための冷水(☆)
2008.8月号(加藤コーチ)
○照明がななめに染めるゆうやけの砂漠のような帽子のへこみ
↓
足首がさらさらしずむゆうやけの砂漠のような帽子のへこみ
ハモニカをつつみこんでる手のかたち影絵の鳥がうまれるまえの
2008.10月号(栗木コーチ)
きみの手の海をふくんだ蜻蛉玉とんぼのめだまどっちがとおい(☆)
2008.11月号(穂村コーチ)
飛んでいる?飛ばされている?ぽろぽろと線路におりてゆくシジミチョウ
2009.1月号(加藤コーチ)
マヨネーズ10000㎏で満たされたタンクローリー月見て跳ねる(☆)
2009.4月号(穂村コーチ)
○中指のさきにちいさな三日月がひらき「ました。」と打つとき痛い
↓
過去形を打つとき痛い 中指の先にちいさな三日月ひらく
2009.5月号(加藤コーチ)
コンビニに羽衣あられ置く街をさがしてうごく雲間のひかり
2009.7月号(栗木コーチ)
えんぴつの先が子犬の鼻みたい まるくなったらやさしいてがみ(初のうたう☆クラブ賞いただきました)
2009.9月号(加藤コーチ)
トビウオのうろこははがれやすいから五月の海はさりさりひかる(☆)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_en4.gif)
うたう☆クラブ
「短歌研究」誌でほぼ毎月(12月号はお休み)募集があります。(応募は5首まで。)
「出せばとにかく1首は掲載される」&「レッスンを受けたときは途中経過が載ってしまう」というわけで、ずいぶんはずかしいこともありますが、掲載作をならべてみます。
○印はレッスンを受けて改作したもの。
(☆)印は掲載時に扇マークをいただいたもの。
2005.8月号(穂村コーチ)
○おせっかいはもうやめるんだ「山月記」の虎に鏡をさし出すような
↓
「山月記」の虎に鏡をさし出せば肉球は踏むわたしの破片
2005.9月号(加藤コーチ)
真円に近い軌道でまわりたい十九番めの惑星として
距離感が大事タイミングが大事プールの底で歯を折らぬよう
2005.10月号(小島コーチ)
木の笛をふいてください とおくてもきみの呼吸がきこえるように
2005.11月号(栗木コーチ)
○割れたのはなにかにとどいたからだって納得させているしゃぼん玉
↓
割れたのはとどいたしるしあのひとの肩でひかりになるしゃぼん玉
「しゃぼん玉とどいた。」「しゃぼん玉割れた。」風にとけない句点のこして
2006.1月号(穂村コーチ)
○そんな魚見た、って言って一度だけわたしをゆびさしてくれたよね
↓
そんな魚見た、って風の向こうからわたしをゆびさしてくれたよね
2006.3月号(小島コーチ)
あるく速さえんぴつの濃さオリオンの強さでつたえたかったことが
2006.4月号(栗木コーチ)
いつか描くぼくが描く春の粒子を埋めこんである青いパステル(☆)
2006.5月号(穂村コーチ)
かわらないことをぷつぷつたしかめるレンゲの茎の断面は星(☆)
2006.6月号(加藤コーチ)
しゃららんと鎖ひきずる音がして落とした鍵はすぐにひろった
2006.7月号(小島コーチ)
言われたくなかった言葉削除して「ナツノオモイデ」上書き保存
2006.9月号(穂村コーチ)
○うしろから来る口笛を待つために真上の星を星だけを見る
↓
うしろから来る口笛を待つために星の揺れない速度であるく
2006.10月号(加藤コーチ)
二時間に三回傘を忘れた日 たぶんいちばんしあわせだった(☆)
2007.1月号(栗木コーチ)
惑星がひとつすくなくなった夜 飛べない鳥の内臓を煮る(☆)
2007.2月号(穂村コーチ)
分子ひとつの決意はいつも正しくて金平糖の角がふくらむ
2007.3月号(加藤コーチ)
おもいでにあるレコードの溝ぜんぶつないだよりも遠くまで来た
○先生がゆびさきだけでうらがえす「運命」くるり黒い円盤
↓
先生がゆびさきだけでうらがえす ツバメのつばさ色の音盤
2007.4月号(小島コーチ)
レシートの「ショクパンウスギ」で切れる文字みたいに終わる告白ひとつ
2007.5月号(栗木コーチ)
からすうりほどのあかりを孵卵器のなかにのこして夜道へ帰る(☆)
2007.6月号(穂村コーチ)
ひとまわり始祖鳥よりもちぢまった鳩があるいてくるよこちらに(☆)
2007.7月号(加藤コーチ)
忘れたけど。電話ボックスから空はおそらく見えなかったはずです(☆)
2007.9月号(栗木コーチ)
石壁にちらばるアンモナイトたちはぐれたときの距離はそのまま
2007.10月号(穂村コーチ)
「つきあってみませんか」って先生はカニムシ入りの小瓶をくれた
2008.2月号(栗木コーチ)
エコバッグに押し込む葱を「いぬのきもち」「ねこのきもち」がならんでみてる
2008.3月号(穂村コーチ)
「地下道でうたってるひとみたいだ」と言われたたぶん帽子のせいで
2008.4月号(加藤コーチ)
○冷えきったアドバルーンが揺れている たまごのなかはこんなにひろい
↓
黄身色のアドバルーンが揺れている ひろびろ冷えてゆく大気圏
きみが来る10時の方は見ないまま市民ひろばの日時計になる(☆)
2008.5月号(小島コーチ)
うらがわに鳥の巣がある信号の青いひかりにたちどまる朝
2008.6月号(栗木コーチ)
彗星のあたまってこの色ですか よごれた雪のうさぎをなでる
2008.7月号(穂村コーチ)
質問をゆるします、って昼までにあと二回言うための冷水(☆)
2008.8月号(加藤コーチ)
○照明がななめに染めるゆうやけの砂漠のような帽子のへこみ
↓
足首がさらさらしずむゆうやけの砂漠のような帽子のへこみ
ハモニカをつつみこんでる手のかたち影絵の鳥がうまれるまえの
2008.10月号(栗木コーチ)
きみの手の海をふくんだ蜻蛉玉とんぼのめだまどっちがとおい(☆)
2008.11月号(穂村コーチ)
飛んでいる?飛ばされている?ぽろぽろと線路におりてゆくシジミチョウ
2009.1月号(加藤コーチ)
マヨネーズ10000㎏で満たされたタンクローリー月見て跳ねる(☆)
2009.4月号(穂村コーチ)
○中指のさきにちいさな三日月がひらき「ました。」と打つとき痛い
↓
過去形を打つとき痛い 中指の先にちいさな三日月ひらく
2009.5月号(加藤コーチ)
コンビニに羽衣あられ置く街をさがしてうごく雲間のひかり
2009.7月号(栗木コーチ)
えんぴつの先が子犬の鼻みたい まるくなったらやさしいてがみ(初のうたう☆クラブ賞いただきました)
2009.9月号(加藤コーチ)
トビウオのうろこははがれやすいから五月の海はさりさりひかる(☆)