すぎな野原をあるいてゆけば

「おとのくに はるのうた工房」がある

イラクサの進化

2010-11-08 16:09:42 | 短歌

駅前でケーナがうたい(コンドルは)電車はたかいところにとまる

ふりむけばすぐ乗り込めるその位置に銀河が停まるプラットホーム

路線探索乗換案内イラクサが進化している公園までの

そららちゃんたわわちゃん(みあげてごらん)どんな塔にもいるラプンツェル

カラムシは虫ではなくて群れているフクラスズメは鳥ではなくて

さなぎ!ってきれいな指で掘りだした純ちゃん 蝉は蛹化しないよ

こんなにも近づきすぎたクマゼミの眼にはいくつのわたしが映る

高速をのぞきこむ水銀灯の真似がじょうずな白いひとたち

八雲立つ(アメリカオニアザミの綿毛)このフェンスから空へあふれた

踏切の向こうはとおい みえているものはカンサイタンポポですか



(「未来」706号 2010.11月)


奈良公園あたりのイラクサは進化してトゲをふやしている(鹿にたべられにくいように)、という話はほんとかどうかわからないけど、聞いたとき時間の感覚がぐらぐらしました。
いつからそこにいたんだろう、鹿。


※そららちゃんは梅田のスカイビル・たわわちゃんは京都タワーにいます。
※さなぎの歌は夏に京都であった若い人たちとの歌会に出したもの。若者にはわからないであろう戸川純ちゃんへの歌。つっこみを入れていますが「蛹化の女」は好きです。
コメント (2)
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