すぎな野原をあるいてゆけば

「おとのくに はるのうた工房」がある

どれが「はじめて」?

2009-10-22 17:52:35 | すぎな日記
「短歌研究」11月号に、10首連作とみじかいエッセイを載せていただいています。「初めて出会った短歌」というテーマで、(私以外は若い)みなさんがいろんなうたをあげているのがすごくおもしろいのでぜひ見てください。

しかし……この「初めて」の定義、むずかしかった……。

★厳密に「はじめて」だったら、幼稚園の時から愛読している植物図鑑に出ていた「せりなずなごぎょうはこべら……」の春の七草のうた。

★小学生になってから読んだ「講談社少年少女日本文学全集24・現代日本詩歌名作集」。これをランダムに読んでいたのがたぶん私の詩歌の原点だけど「短歌」「俳句」のところはあまり読んでなかった(笑)~その中でなぜか伊藤左千夫の「うからやからみなにがしやりてひとりおる水づくいおりに鳴くきりぎりす」という歌を覚えてよく呪文のように唱えていました。「きりぎりすが鳴いてる」ってこと以外、どこで切るかも意味もわからなかったのになんでだろう。たぶんぱっと開いたときに見やすい位置にあったからです。ああ、今さら気づいたけど「水漬く庵」か!!これは。「みづくい檻」っていうのがあってそこにきりぎりすが入ってるのかと思ってた……。

★百人一首も小学生の頃、純粋にお正月の勝負のために覚えました。

★自分で選んで買った「はじめて」だったら中学の時~寺山修司「海を知らぬ……」。(ただし「歌集」ではなく、新書館フォアレディースの一冊です。←たぶん40~50代女子にしかわからない。)その前に図書館で借りてすきだったのは白秋「桐の花」。

これだけ脈絡ない感じだったので、結局引用したのは、こどものとき「短歌」と気づかずに読んでいた宮澤賢治の童話の中の(鹿がうたっている)うたです。テーマとか作者の人生とかまったく考えない年頃に賢治のことばに出会えてほんまによかった、と思います。


ところで、去年スターバックスのHPで連載されていた穂村弘さんのエッセイが本になるそうですよ。
わーい。

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ああ、でもサイン会はやっぱり東京なのね……



コメント (2)
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