すぎな野原をあるいてゆけば

「おとのくに はるのうた工房」がある

ねこのまくら

2010-10-13 18:14:56 | 短歌
放課後のちいさな箱をかたむけてふるさとの砂鳴らす少年

タカラガイを「ねこのまくら」と呼ぶという あの子の住んでいた岬では

むかしむかし下校途中にじゃぶじゃぶと海にはいったはなしをきいた

隠された虎猫模様しのびあし生きてる貝はゆらゆらあるく

いなくなる猫ならきっと浜にきてじぶんの貝をみつけるだろう

オトメダカラ クロユリダカラ ホシダカラ あのこがくれたはなびらだから

貝殻の手紙は一字空白の( )ひとつをせなかにのせて

真四角の氷山たちがぶつかって水の枕のなかはまっくら

高三になって気づいた校庭の詩碑(詩人って居留守をつかう)

あの子より先に巣立つよ(詩人なら五億年後に帰るんだって)

(「未来」705号 2010.10月)


なんか、久々に投稿しようとしたら、編集画面がかわってるー

タカラガイの方言は、全国にとてもたくさんあるようですが「ねこのまくら」が一番かわいいとおもいます。勝手なランキング

かよっていた高校には高橋新吉の詩碑がありました。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする