すぎな野原をあるいてゆけば

「おとのくに はるのうた工房」がある

クロボシトビハムシ

2020-08-14 09:41:41 | 短歌
    クロボシトビハムシ

coletoの芯を歌の途中で替えたのはだれにも届かなくていいこと
サンカンシオン、フランス語風につぶやいて手すりの虫を見に行きましょう
アスリートみたいな腿を鍵として虫の名前をつきとめるまで
     跳躍器の名を知る。
跳ぶための力をためてモーリック器官セピアに鎮まる日暮れ

(「未来」821号 2020.6月)




    恵解山古墳公園

できるだけ人から遠く樹にちかく古墳の丘をのぼってゆこう
石段をすこし離れてクマザサの斜面にけものみち(ひとのみち)
朝顔形埴輪は春の夕暮れの空にひらいたままでさびしい
蓋型埴輪の蓋にとまった虫をみるぼくを遠くでみているだれか
埴輪には夕陽のさしこむ窓がありアメリカフウロひっそり育つ

(「未来」822号 2020.7月)
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