すぎな野原をあるいてゆけば

「おとのくに はるのうた工房」がある

7月のうた

2010-07-09 15:34:07 | 短歌
結社のひと月は速い……気がする。
あすは歌会ですっ



水面をゆくオリオンの右肩はあのときすでに傷だったのか

見たいのは夕日なんです この大きな星にのっけた椅子をずらして

ボールペンの球はとじこめられたまま自転/公転 旅に出ました

蔓の字が夢にもみえて野葡萄のまだあるはずの路地をたずねる

古文書をおよぎまわった紙魚たちの鱗きらきらあたらしい文字

起きてたら書けないような線ばかり午後二時半のルーズリーフに

知っている鳩としらない鳩がいて広場をすすむはやさがおなじ

真夜中のノート売場にまだなにも書かれていない扉は積もる

下駄じゃないものをかくしている箱へうちよせられた校庭の砂

稲妻のかたちをとじこめた石を両手でつつむ これは鉱脈


(「未来」702号 2010.7月)



タイトル、考えるべきだな。
今月はそれほど「7月」の必然性なし(笑)
コメント (4)
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