ビー・ポーレンふた粒提げて川沿いの道をよこぎる春のミツバチ
ナノハナは花の名ではない 堤防をなだれ落ちるきいろきいろきいろ
蜂蜜専門店に、蜂花粉(ビー・ポーレン)も売られていたが。
花粉団子ガラスのなかにぎっしりと(瓶は店ごと消えてしまった)
うつくしくまるめられない日もあるか月は東に巣箱は西に
通学路・死海の匂い・未知の熱 はじめてアスファルトに会った日
雨あがりのナガミヒナゲシには、ホソヒラタアブがよく来る。
こころぼそい手つきの虫はもういちど濡れた雄蕊をかぞえなおした
「イ・ロ・ハ」まで覚えたモールス信号はおぼえることがひみつだったのに
四時半のチャイムが鳴ればここはもうかえりみちっていう場所になる
(「未来」727号 2012.8月)
歌集のなかに、赤土と砂利でできた国道の歌を入れたら、そんな国道はないからこれはファンタジーって言われたことがありますが、60年代の田舎にはあったのよ……![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_shock2.gif)
「アスファルト」というものを見たのはたぶん小学生になってからで、ある日、帰り道が怪しい黒い物質に覆われ始めていて匂いに酔いそうだった、という記憶があります。
ナノハナは花の名ではない 堤防をなだれ落ちるきいろきいろきいろ
蜂蜜専門店に、蜂花粉(ビー・ポーレン)も売られていたが。
花粉団子ガラスのなかにぎっしりと(瓶は店ごと消えてしまった)
うつくしくまるめられない日もあるか月は東に巣箱は西に
通学路・死海の匂い・未知の熱 はじめてアスファルトに会った日
雨あがりのナガミヒナゲシには、ホソヒラタアブがよく来る。
こころぼそい手つきの虫はもういちど濡れた雄蕊をかぞえなおした
「イ・ロ・ハ」まで覚えたモールス信号はおぼえることがひみつだったのに
四時半のチャイムが鳴ればここはもうかえりみちっていう場所になる
(「未来」727号 2012.8月)
歌集のなかに、赤土と砂利でできた国道の歌を入れたら、そんな国道はないからこれはファンタジーって言われたことがありますが、60年代の田舎にはあったのよ……
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_shock2.gif)
「アスファルト」というものを見たのはたぶん小学生になってからで、ある日、帰り道が怪しい黒い物質に覆われ始めていて匂いに酔いそうだった、という記憶があります。