ファミリーアシスト あすなろ教室(輝く瞳と素敵な笑顔を求めて)

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質問は後から

2009-07-17 | 育児
 よく「途中で口を挟まないで、最後まで聞いてね。質問は後から受けるから。」と子どもたちに話すことがある。しかし、子どもはすぐにこれができるようになるわけではない。繰り返し、繰り返ししなければ身に付かない。
 話をし始めると、「質問は後からだよ。」と言いながらも、しばらくの間は黙って聞いている子どもが、話の内容に興味をもち、つい大きな声で質問をする子どもに質問に答えてしまうことがある。これがいけない。話をすることに夢中になるとそうなってしまうのだ。つまり、自分の話に酔ってしまっているのだ。自分の話に焦点が当たり、子どもを育てるという視点がどこかに消えてしまう。質問をする子どもが一人ならばいいが大勢になると話し辛くなる。本当は、話し辛くなるから「質問は後からだよ。」と言っているだけだったのかもしれない。子どもは、素直だから、一人の質問をする子がいれば、これは許されるのだと解釈し、「質問した子がいるからわたしも質問してもいいのだ。」と質問をし始める。大勢になるとうるさくて話し辛くなるからまた「質問は後からだよ。」と言う。これでは、なかなか「質問は後から」は、徹底しない。
 子どもたちは、聞きながら考えている。想像しながら聞いている。そして、もっと具体的にイメージしようとしている。そして、わからなくなると質問をしてはっきりさせたくなる。これは自然に行われることだ。質問をするというのは、話を聞いているからできることなのだ。これを「質問はあとから」では、子どもは納得できない。ここは、にこにこしながら、子どもの発言が収まるまで話をするのを止める。黙って話をやめ、静かになったら話すことだけに集中する。「もう話してもいいかな?そのことは後から話すね。」と話して、話をし始める。時には、脱線をすることもある。「あ、同じだ。」「ぼくんちは」などと自分と重ねて話をし始める子どもは、話に乗っているから自分も話したくなるのだ。この話を聞くことも大事になる。話の途中で言った言葉に乗って相づちを打ったり、うなずいたりすることもある。少し子どもも話をする。つぶやきもこれに似ている。教師の話を聞かないと責めるのではなく、話を聞いているから話がしたくなる子もいると解釈し、話す子どもを許容する。言いたいことを言った後の子どもなら、安心して話の続きを聞くことができる。これが子どもとの会話を楽しみながら、話を進めていくことになる。子どもとの会話はまさに、子ども一緒にダンスをするようなものだ。決して自分の思い通りに子どもを動かすわけではなく、子どもと一緒に話をしながら進めていくことになる。話を聞く姿勢を作ることは、技術ではない。会話の楽しさを教えながら、進めていくことになる。つまり、話すことと聞くことは、裏表の関係にあり、一方だけが話して一方だけが聞くのでない。交互に入れ替わりながら、会話が進んでいく。これを学級という集団でしているのだ。だから、他事をしていれば、これは叱る。聞いていなければ、「今話したことを言ってごらん。」と責める。要は1つの話にクラス全員が集中し、会話を楽しむ関係を作るのだ。他事をしている子を見過ごして、静かだからといって話を進めるとしたら、これは間違いだ。会話の中に学級の全員が入っているかという立場から子どもを見ているとしたなら、話の中に入らない子どもを放っておくことはできない。いくら静かにしていても許せないことになる。これは、学級全員で会話を楽しむことが目的であって、静かにすることが目的ではないからだ。「質問は後からにして」という話は、大事な指導の一つではあるが、使い方を間違えると会話が楽しくなくなってしまう。形を整えても心が通い合うことがなければ、楽しくない。子どもとの関係を壊さないで形を整えていくことが大切になる。グループでの話し合いも同様だ。話し方のルールを作って話し合うことも大事だが、会話を楽しむ仲間にしているかどうかがもっと大事になる。会話を楽しむことを目的にすれば、指導していることがこれでよいのかを考え直す機会にもなる。「話したい。」、「話さなければならない。」と教師側の都合だけを考えているとなかなか会話が進まない。今している指導が子どもに合っているかどうかを見極める必要がある。子どもを自分勝手に話をしていると叱った自分を振り返ってみたい。

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