ファミリーアシスト あすなろ教室(輝く瞳と素敵な笑顔を求めて)

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柱時計の振り子のように

2013-01-21 | 教育
 柱時計の振り子がゆっくりと揺れているのを見ていると時間が経つのを忘れてしまいます。
 振り子の振れ幅は一定で、時間の流れと共に動いています。

 私たちの毎日の生活は、こんな穏やかな動きではありません。
ある時には、大きく揺れ、ある時は小さく揺れます。

 自分の価値観が強く表れるときには、大きな揺れになり、あまり価値観を出さないときには揺れ幅が小さくなります。

 つまり、自分の価値観を認められた時には、右に大きく触れ、とても嬉しくなったり、相手に好感を持ったりすることになります。逆に自分の価値観を否定された時には、左に大きく触れ、とても辛い思いになったり、相手に嫌悪感を感じたりということになります。

 こだわりが少ないときには、揺れ幅が小さくなり、あまり人の評価が気にならず、相手を受け入れることができ、特に心が躍ることもありません。

 揺れが大きい時には、かなり多くのエネルギーを使うことになります。それは、自分を守る必要があるからです。

 価値観は、自分ではありませんが、自分が大切にしているものだからこそ、失いたくないのです。
 それを作り上げるために、時間をかけ、かなりの努力をしてきたかもしれません。また、その価値観を大事にすることで自らを成長させてきたと感じているかもしれません。
 ですから、それを失うことに抵抗したくなります。反発をしてでも守ろうとします。
 どうあがいてもなくなるわけではないので、そんな所にエネルギーを使う必要は本当はないのですが・・・・。

 また、本当に使いたいエネルギーは、自分を守るためのものではないように思います。
(私は、新たな自分を作り出すためにエネルギーを使いたいと思います。)

 自分を守るためのエネルギーは極力少なくしたいものです。

 人それぞれ自分の生き方をもっています。自分の価値観は、自分が作り上げてきたものであり、他人とは無関係です。
 人がどのように評価しようと、その人の人生とは異なるために一緒にすることはできません。また、人の評価に合わせることが自分ではありません。

 互いに相手の価値観を尊重するところから、互いに補い合い、支え合う関係ができる方が友好的で、一緒にいて楽しくなります。

 ひょっとすると、相手と同じようにしたいと思う自分のエゴが、異質なものを嫌うのかもしれません。そして、自分の価値観を強要しているのかもしれません。

 同じであれば、安心できます。同じであれば、自分を守ることにエネルギーを使わないですみます。

 子どもを育てる時に、自分の価値観と似ている子どもであれば、安心していられます。そして、別の事にエネルギーを回すことができます。

 互いに認め合う集団を作るといいながら、どこかで自分の価値観と似ている子どもを育てようとしているのかもしれません。

 子どもたちの世界は子どもたちが作るものですが、教師が出しゃばって作ってやるなどと思うから余計なエネルギーを使うことになるのかもしれません。
 子ども自身が気づき、変えたいと思うところまで引き上げられないから、エネルギーを使って強引に気づかせているのかもしれません。

 教師がエネルギーを出せば、子どもは教師の方を見ることになります。それは、子どもが自分に危険が襲いかかってくるかもしれないと感じるからです。そこに多くのエネルギーを費やしているのが今の私たちかもしれません。

 異質なものを受け入れるためには、自分の価値観は一旦脇において見ていくことになります。

 一旦脇に自分を置いたときに、自分の成長があります。

 つまり、どのように受け入れることができるのか、考える機会が増えます。どの視点に立てば受け入れられるのかを考えることができます。どうしてそのような価値観を手に入れたのか、探ろうとすることもできます。


 そして、異質な価値観を手に入れざるを得なかった相手を理解し、受け入れることができたならば、同じように自分も、同様にこの価値観を手に入れざるを得なかったと、自分を受け入れることもできます。

 誰もが同じように価値観を作り上げていることに気づくでしょう。

 子どもは、価値観を作り出すために多くの失敗を体験します。その失敗を避けているうちは、価値観を自らの力で手に入れることはできません。教師の示す価値観は借り物です。自分で体験しなければ、自分の価値観は手に入りません。


 もし、柱時計の振り子の揺れが大きく揺れたり、小さく揺れたりしていたら、きっと落ち着いて見ていることはできないでしょう。

 安定して揺れているからじっと見ていられるのかもしれません。
 
 子どもたちは、教師の揺れを見ています。その揺れ幅が安定していれば、安心していられます。そして、その揺れ幅が安定していれば、教師を見なくてもいいのです。常に自分の中に揺れ幅のイメージができているので、それを気にする必要がありません。

 その時、子どもたちは、自分らしく生きることができます。教師の顔色を気にせず、自分らしくいられるのです。

 時を刻む柱時計は、まさに私たち教師のあり方を示していてくれるのかもしれません。

 こちらを見てほしいと思って、教師がエネルギーを使っているうちは、子どもは安心して自分を表出することは、できません。
 これも振り子のようです。教師が出れば、子どもは出られません。教師が引っ込めば、子どもは出てきます。(右に大きく触れるときには、教師が大きく出ています。左に大きく触れれば、子どもが大きく出ています。)

 私は、子どもが安心して、自分らしさを表出できるためのエネルギーの使い方をしたいと思います。

 そして、柱時計の振り子のように揺れ幅を一定にし、穏やかな自分であり続けたいと思います。
 
 柱時計を見つめながら、自分を見つめる機会ができました。