ファミリーアシスト あすなろ教室(輝く瞳と素敵な笑顔を求めて)

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価値観を手に入れる

2011-05-10 | 育児
 子どもたちの様子を見ていると学級にも慣れ、落ち着いた学校生活を過ごしている子どもになってきています。これは、子どもたちの脳の働きと教師の学級作りの願いの相乗効果による者だと考えることができます。

 脳は常に安心・安全を求めています。

 子どもたちは、年度初め、希望や期待に満ちあふれています。しかし、もう一方では、どんな学級だろう、どんな人がいるのだろうと不安で一杯です。この不安を安心に変えるのが、学級のきまりです。

 きまりに合った行動をすれば、教師からもそして、仲間からも承認されます。その承認が安心につながるのです。年度当初ですから、新しく起きる活動場面がたくさんあります。その一つ一つにきまりが、生まれていきます。そのきまりが生まれる過程も体験しています。
 繰り返し行われるため、きまりが生まれる過程も身に付いていきます。

 つまりこの学級に合った自分の振る舞い方が身に付いていきます。

 この1ヶ月間は、子どもたちにとってそんな振る舞いを身につける機会になったのです。

 振る舞いを揃えるために、振る舞いだけの指導をしているのではありません。教師の価値観も同時に子どもたちに示しています。

例 全員が揃って事が始まる学級
・全員が揃うまで待つ。
・一人でも欠くと悲しい。
・揃わないで始めようとする子は、自分勝手だ。
・揃うまで待てる子は、思いやりのある子だ。
・待とうと声をかける子は優しい子だ。
・早く揃うように声かけをしよう。
・助け合って早く揃うように手伝おう。
・手伝う子は優しい子だ。
などと揃って始めるために教師のもっている価値観を提供しています。
 子どもたちもその行動の意味をこの教師の価値観と照らし合わせながら考ます。そして、繰り返し指導されることで、揃うことについての意味を語り、価値観を語るようになります。
 このようになるまで、「繰り返し」「繰り返し」指導をしていきます。

 教師側から見ると、この徹底にベテラン教師と新米教師の差が現れることにもなります。
 これまでに指導してきたきまりの量や質によって異なってきます。
多くの場面で生かせる共通となるきまりから、ある特定の場面に必要なきまりまで、きまりも様々です。そして、それを一度に要求するか、それとも時間をかけて要求するかによっても仕上がり具合は異なってきます。
 ここにベテラン教師と新米教師の差が現れます。

 徹底が不十分だと学級の仕上がり度も不十分になります。徹底するためにより多くの時間が必要となります。

 1ヶ月を経たこの時期は、この1ヶ月の指導を振り返る時期にもなります。
 「なぜ、あなたは、この時にこんな振る舞いをするの?」と身につけた決まりについて問うと、子どもたちはどんな答えを返してくるでしょう。
 この時、子どもが教師の示した価値観を答えてくるようならば、かなりよい質のある指導をしてきたことがわかります。これならば、子どもの振るまいは消えることなく生き残るでしょう。
 ただこの時、「だって先生がしなさい。」と言ったからと答えてくるようならば、いずれ言わなくなれば消えてしまうことになります。
 振る舞いの裏にある価値観が土台となっているから、行動が安定してきます。また、それを別の行動に広げることもできます。
 ですから、価値観を子どもたちが手に入れたかどうかを振り替えることはとても大きな意味があるのです。

 この時期になると5月病という症状が現れる子どもも出てきます。
子どもたちの人間関係づくりにも大きな影響がありますが、根本には、教師の示したきまりが原因と考えた方がよいでしょう。

・きまりが学級の子どもたちの輪をより強固にするようなきまりになっていないかもしれません。
・きまりを守ることに疲れて、負担感を感じているかもしれません。
・きまりを自分の生活の向上と結びつけていないかもしれません。
・きまりを守ることの意味がわかっていないかもしれません。
・きまりを守ることで仲間から承認される機会が少ないかもしれません。
等様々な原因が考えられますが、教師の一方的な押しつけのきまりになっている恐れがあります。

 いづれにしても、この時期は、子どもたちが手に入れた価値観を見つめ、自分の学級経営を見直す時期になります。
 
 学級目標が動き出す今だからこそ、見直しをしたいと思います。