ファミリーアシスト あすなろ教室(輝く瞳と素敵な笑顔を求めて)

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お礼

2009-09-24 | 育児
 感謝の気持ちを込めてお礼をするように子どもたちに伝えることがある。このとき、なぜお礼を言うのか、その理由を説明する。その説明がとても大事だ。
 時々、「そこまでお礼しなければならないの?」と思うことがある。ここにその人なりの価値観が現れてくる。当たり前のことで、お礼をするまでもないと考えれば、お礼をせずに済ませてしまうことがあるからだ。ここには、目には見えない事に関わる人の動きをイメージする想像力が働いている。
 「きっとこんな動きがあったはずだ。」 「この動きが生まれるには、こんな過程がなければ、生まれてこない。」などと人の動きをイメージしている。だから、その動きを作り出した人へのありがたさが感謝という気持ちとなって生まれてくる。
 見えない人の動きだから、気づかないことが多い。子どもならば、なおさらだ。経験が少なく、人の動きが想像できる範囲が限られている。その範囲を広げる営みが子どもに話す「説明」になるのだ。
 だから、「お礼をいいなさい。」だけでは済まされない。子どもがイメージしやすいように丁寧に説明することで、子どもなりに想像しやすくなり、感謝をしなければならないという気持ちも生まれてくる。
 特に、子どもとの関わりを説明しないと「なぜ、お礼をいうのかわからない。」という気持ちが、態度に表れ、無礼な対応になることがある。相手が大人ならば、「まあ、子どもだから仕方ない。」と許されてしまうこともある。しかし、子どもが今後出会うであろう同じような場面で、自ら「ありがとう。」を言えるのは、その説明に納得しているときにしかできない。納得していないと見過ごしてしまうことになる。
 うまくお礼ができなくても、必ずお礼をしなければという気持ちになっていれば、その心は相手に伝わる。ここが大切だ。感謝の気持ちを込めてのお礼だから、感謝の気持ちが伝わることが本意なのだ。うまくお礼をするかどうかということではない。
 守られている存在である子どもは、大人が守ってくれていることが当たり前として映っている。だから、当たり前という感覚があり、なかなか感謝につながらないことが多い。
・「あなたが安全に通学できるのも見守りのために通学路に立って、車の通行に気遣いをしてくれている方々のおかげだよ。」
・「あなたが、健康で元気に学校で生活できるのも、給食の調理員さんがおいしい給食を作ってくれているおかげだよ。」
 こんな言葉を子どもにかけることができる。子どもを育てるいい機会にも関わらず、地域で子どもを育てるのが当たり前だから当然だとか、給食費を払っているから当然だという考えであれば、感謝の気持ちは生まれず、子どもを育てる機会を逃してしまう。
 子どもの心を育てることは、育てる側の考えで決まってしまう。どんな子どもに育てようとしているのかが、この感謝を伝える「お礼」からも見えてくる。