ひよりの音楽自己満足

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10.11.27 鬼武みゆきさん

2010-12-04 07:02:16 | ライブレポ Jazz/Fusion
◇ 2010.11.27 横浜野毛DOLPHY
 自然の美しさ・雄大さ、さらには厳しさをも、時に繊細に、時に力強く美しいピアノの調べで聴かせてくれる女性ピアニスト<鬼武みゆきさん>。これまで何度かライブを観に行ってたんですけど、自分の事情でここ1年半ご無沙汰になってしまっていたんですね。なのでそろそろまたライブ観に行きたいなぁ~なんて思っていました。そんな折に11/27に野毛のいつものJAZZスポットでライブがあると知ったんですね。ところがその日は夕方に別の行きたいライブがあったんです。でもそのライブの終演予定時間が19時になっていたので、ひょっとしたら終わってすぐに駆けつけたら間に合うんじゃないかなって、行けたらいいなって思っていました。

 さて当日。夕方から川崎で行われたライブを鑑賞。で、終わったのが19時15分。どちらにしても開演には間に合いそうもないんですけど、最初の1-2曲をあきらめてでも観に行こうと大急ぎで駅へ。幸いバスも電車も順調に行って駅からダッシュして、野毛の会場に着いたのは20時でした。すでに1-2曲終わったところでちょうどMC中でした。今回はピアノ<鬼武みゆきさん>、アコーディオン<佐藤芳明さん>、パーカッション<岩瀬立飛さん>のトリオです。みゆきさん、今回は黒のお衣装で、とってもスレンダーで綺麗なボディラインが際立ち、しかもアクティブな感もあってほんと素敵!

 ほどなく曲がはじまります。アコーディオンの素朴な音色のメロディがゆったりとながれ、ミドルテンポのリズムがはいってピアノもしっとりとしたリフを。まずはピアノのエモーショナルなソロが。続いてピアノの力強いリフからアコーディオンのソロが。みゆきさんは身体を揺らしてパワフルにリフを弾き、そして岩瀬さんが力強いスキャットを。
 「美しい曲でしょ」「海が浮かんでくるような情景的な」ってみゆきさん。

 みゆきさんは先日まで海外からいらしたシンガーソングライターの方と全国ツアーをなされていたそうですが、よく「RとLの発音が違う」って注意されたとか。「Rはゴジラを思い出せ」って。なんかデス声になりそうですけど。次の曲は佐藤さんがSax奏者の川嶋さんとのコラボで作られた曲だそうで、そのタイトルの発音が難しいってことからそんな話題に。「That’s Light!」って佐藤さん、爆笑です。

 曲は「ウィードリーズリーズ」っておっしゃったかな?誰からはじまるのかと思ったら佐藤さんがアコーディオンを叩いてリズムを。そしてアコーディオンのアップテンポのリズミカルで楽しいリフがはじまって、岩瀬さんはカホンを叩いて、みゆきさんは手拍子を。その後ピアノとアコーディオンのテクニカルなユニゾンリフから、アコーディオンが伸びやかにさわやかなフレーズを。そしてみゆきさんと佐藤さんが笑顔で見合ってのアコーディオンとピアノの掛け合いからアコーディオンのリズミカルなソロが。続いてピアノのリズミカルでアグレッシブなソロ、そしてカホンのパワフルなソロが。佐藤さん、それにあわせてヘドバンしてます。
 続いてパーカッションのロングソロ。まずは鈴やベル、シンバルを静かに鳴らして。みゆきさん、楽しそうに見てます。シンバルで静かにミドルテンポのリズムを刻み、そして一転カホンをパワフルに叩きまくって。みゆきさんと佐藤さんは手拍子を。その後ピアノとアコーディオンがミドルテンポでダークでヘヴィなリフを弾き、そしてピアノのパワフルなソロ、アコーディオンのリズミカルなソロと続き、スリリングにダイナミックに展開します。まるで濁流が襲ってくるような凄い迫力です。

 曲が終わると大拍手!「佐藤芳明!」ってみゆきさん。「佐藤さんのアレンジ、素晴らしい!」って絶賛です。佐藤さんは謙遜されてますが。
 ここで恒例の“お客様からお題をいただく”コーナーです。みゆきさんが“お題”をもらって休憩中に作曲し、第2部ですぐ演奏する、と。毎度ながら凄いっす。もうアルバムが3枚くらいできるくらいの曲があるのではないかと。すると、前のほうの男性の方が手をあげて。その方は以前冬に友人とアメリカの東海岸方面に行かれて、海岸で洋風凧を揚げている見かけたそうで。イメージとしては“冬の海”“日本を思い出す”“ノスタルジー”のようで。そしてダイアナ妃追悼のエルトン・ジョンさんの曲のようなイメージだそうですが、あいにく誰もその曲を思い出せなくて。でも「がんばってみます」ってみゆきさん。

 第1部最後の曲は「ランゲージ」。岩瀬さんがトライアングルをアップテンポでリズミカルに叩いて、そこにピアノが加わって。岩瀬さん、なぜか佐藤さんの足元を見て笑ってます。そしてアコーディオンがはいってピアノとユニゾンでリズミカルなリフを。岩瀬さんはカホンを叩いてパワフルなリズムを。まずはアコーディオンの身体を揺すってのアグレッシブなソロが。ソロが終わるとみゆきさんが「佐藤芳明!」って、大拍手です。続いてはピアノのリズミカルなソロも。終盤めっちゃ盛り上がるもだんだんと静かになって。そして再び盛り上がってFin。
 曲が終わると大拍手!「佐藤芳明!」「岩瀬立飛!」「鬼武みゆきでした。どうもありがとうございました」ってみゆきさんが挨拶を。もちろん大拍手です。「ちょっと休憩します」って第1部終了です。時計を見ると20時43分でした。休憩中はみゆきさん、ずっとピアノに向かって作曲に専念です。

 21時15分頃、みゆきさんと佐藤さんがステージに戻って。岩瀬さんはカウンターのところで待機です。「大変お待たせいたしました。第2部を始めたいと思います」ってみゆきさん。最初に“お題”をいただいて休憩中に作った曲を演奏されるようです。イメージのキーワードから「ヨーロッパの白黒映画のような」「フランス的な暗い感じ」で考えたそうで、ピアノとアコーディオンのみでの演奏です。
 ピアノの哀愁ただようしっとりとしたフレーズからゆったりとはじまり、アコーディオンの素朴な音色がゆったりとながれて。まずはピアノの叙情的なソロ、続いてアコーディオンの哀愁たっぷりのソロが。終盤ではピアノもアコーディオンも力強い音色で盛り上がっていって、ラストはゆったりとしっとりとFin。

 「いかがでした?」ってみゆきさんがお題を出された方に。すると「CDにしてください」って、好評です。「シンプルなメロディを作ったんですけど・・・佐藤さん、素晴らしい!」ってみゆきさん、佐藤さんの曲中のインプロを絶賛です。そして「そのまま佐藤さんのソロにいっちゃおうか」って。
 ここで佐藤さんのソロコーナーです。アコーディオンの場合はJAZZ界ではなかなか参考になる方がいないんだそうで。でもアルトSAX等は音域が近いそうで。で、管楽器の場合はピアノやギターと違って“単旋律”。ここでアコーディオンソロを和音を入れない単旋律のみでやってみるそうで、「上手くいったらおなぐさみということで」って。
 アップテンポのリズミカルでテクニカルなリフからはじまります。緩急織り交ぜて表現豊かに聴かせてくれます。さらには“ネコふんじゃった”や“枯れ葉”のフレーズも折り込んで楽しませてくれ、そしてラストはハイテンポで弾きまくって、徐々にゆったりと。
 「佐藤芳明!」ってみゆきさん、大拍手大歓声です。「思わず和音弾きそうになった」って佐藤さん。「素晴らしい!」ってみゆきさん、絶賛です。

 「ちょっと早いけどクリスマスソングを」ってはじまった曲は「サンタが町にやってくる」。まず佐藤さんが「きよしこの夜」のフレーズを弾いて。皆さん聴き入っていると「誰か助けて」って佐藤さん、爆笑です。そしてピアノとパーカッションが加わって合いの手を入れて。そして本来の曲に入ります。ピアノのリズミカルなリフとアップテンポのカホンのリズムにのってアコーディオンがリズミカルにメロディを奏でて。跳ねるようなとっても楽しい曲調です。まずはピアノのパワフルなソロが。そしてアコーディオンのソロですが、再び「きよしこの夜」のフレーズをちょこっと弾いてそしてアグレッシブなソロへ。めっちゃ盛り上がってそしてパーカッションとアコーディオンの掛け合いですが、佐藤さんは弾かずにボディを叩いたりこすったりとパーカッションバトルになって。みゆきさんは譜面をバタバタさせて参戦です。そして佐藤さんが「ワン、ツー、せーの!」って合図して曲に戻ってアップテンポの楽しいメロディがながれて、ラストはだんだん静かになってテンポダウンしてFin。

 次は佐藤さんのオリジナル曲で「Luna Got To Do」っておっしゃったかな?“陽が昇る前に”という沐浴をテーマした曲だそうで。ピアノのゆったりとしたリフから始まって、アコーディオンが哀愁ただようしっとりとしたメロディを奏でて。ワルツリズムのロマンティックな曲調です。中盤ではだんだん盛り上がってそしてパワフルなパーカッションをバックにアコーディオンソロが。終盤ではアコーディオンがしっとりとしたリフを。曲が終わると「佐藤芳明!」ってみゆきさん、大拍手です。

 次の曲は「センセーション」。アコーディオンとピアノのアップテンポのパワフルなリフからはじまり、岩瀬さんは手拍子で。そしてピアノの躍動感あふれるリズミカルなリフにのって岩瀬さんがスキャットを。その後ピアノのパワフルなソロ、そしてアコーディオンのリズミカルなソロと続き、ピアノとアコーディオンの掛け合いも。パワフルに盛り上がったあと、パーカッションのカホンソロが。佐藤さんが横からシンバルを叩いてます。ソロが終わると「岩瀬立飛!」ってみゆきさん、大拍手大歓声です。その後ピアノはゆったりとしっとりとしたリフを奏で、さらにみゆきさんはスキャットも。岩瀬さんもスキャットに加わってとてもドラマティックな感じに。ラストは一転アップテンポのパワフルでスリリングな展開になって。曲が終わると「岩瀬立飛!」「佐藤芳明!」ってみゆきさん、大拍手です。

 「次が最後の曲になりました」ってみゆきさん。ここでまずはライブのインフォを。続いて物販のCDの宣伝を。佐藤さんはサルガヴォと2枚目のソロアルバムを持ってきているそうで。そのソロアルバムのタイトルが「ハンサム」だそうです。「佐藤さんがハンサムだから?」ってみゆきさんが尋ねると首を振って否定されて、「“2枚目”だから」って。爆笑です。一部わからないお客さんがいらしたので、みゆきさんが説明を。「ひねってますね」ってみゆきさん。「そのままですよ」って佐藤さん。たしかにそのままですね。こういうセンス、好きだなぁ。

 「このトリオまたやりたいね」ってみゆきさん。お客さん大拍手です。「ほんと?来てね!」って。そして本編最後の曲「ウーマン」へ。ピアノのしっとりとしたリフからはじまって、パーカッションが鈴を鳴らして。そしてホイッスルを鳴らしたあと、岩瀬さんはピアノのボディを叩いたり、ピアノ線をはじいたり。佐藤さんはシンバルを叩いてます。その後ピアノがたおやかなメロディを奏で、アコーディオンが素朴なフレーズを。そして徐々に盛り上がって、岩瀬さんがスキャットを。中盤ではアコーディオンのほのぼのした感じのソロ、そしてピアノがたおやかなメロディを奏でて。終盤ではドラマティックに盛り上がって、そしてゆったりとFin。

 曲が終わると大拍手大歓声!「ありがとうございました!」「パーカッション、岩瀬立飛!」「アコーディオン、佐藤芳明!」「ピアノ、鬼武みゆきでした」って、大拍手です。そしてメンバーの皆さんは楽屋へ行こうとしますが、場内はもちろんアンコールを求める手拍子が鳴り響いてます。するとみゆきさん「ありがとうございます。すぐやらせていただきます」って大拍手!

 オーラスは「Good Luck」。曲をはじめようとするとアコーディオンからピーって音が。「失礼!Good Luck!」って佐藤さん、爆笑!あらためて。ピアノのしっとりとしたフレーズからはじまって、岩瀬さんがトライアングルでリズムを鳴らして。そしてピアノがゆったりと美しいメロディを奏で、アコーディオンが力強いリフを弾き、岩瀬さんがスキャットを。中盤ではミドルテンポのリズムをバックにアコーディオンのしっとりとした感じのソロ、続いてピアノの力強くエモーショナルなソロが。その後ピアノの力強いリフをバックにアコーディオンがほのぼのとした感じのメロディを奏で、終盤ではゆったりとしっとりとしたピアノリフがながれるも、再び盛り上がってドラマティックにFin。
 曲が終わると大拍手大歓声!「ありがとうございました!」「岩瀬立飛!」「佐藤芳明!」「鬼武みゆきでした」って、大拍手です。そして拍手歓声のなかメンバーの皆さんはお辞儀をして楽屋へ。時計を見ると22時20分。1時間ちょいの第2部でした。佐藤さんのアルバムが欲しかったんですけど、今回はあきらめて自分はすぐ駅へ向かって。

 1年半ぶりの鬼武みゆきさんのライブ、ほんと素敵でした。観に行って良かったっす。時に繊細に美しく、時にパワフルにリズミカルに表現豊かに演奏される楽曲、聴き応えありましたね。さらにはメンバーの皆さん常に笑顔で楽しそうにされて、茶目っ気もあって、とっても楽しいライブでした。このトリオのライブもまたぜひ観に行きたいっす。