ひよりの音楽自己満足

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田端貞一さん

2009-04-15 06:55:36 | 70's J-Rock
 70年代の名盤がゾクゾク再発されておりますが、今回はジャズ界5大ドラマーのひとり、<田畑貞一氏>が1970年に発表したアルバム「田畑貞一とグルーヴィ6 / スマッシュ・イン・ザ・ロック」です。バックメンバーがなんとギターに成毛先生、オルガンに柳田ヒロさん、ベースに寺川正興さんという超強力布陣で、その他数曲ピアノに今田勝さん、バスクラリネットに鈴木重男さん、そしてアルバムの最初と最後にかっちょいいナレーションを聴かせてくれるのがあの小林克也さんです。
 さっそく聴いてみると・・・てっきり軽めのジャズかと思いきや、とんでもない!全編に渡って成毛先生のオーバードライブの効いためっちゃハードなギター、柳田さんの歪んだヘヴィ・オルガン、そして寺川さんのうねるベース、といったバリバリのハードロックサウンドで驚いてしまいました。それに迫力のある田畑氏のジャズドラム!多くの曲にドラムソロが収録されていてドラマーのリーダーアルバムという印象は強いですけど、バックメンバーのサウンドが強力なので、ハードロックvsジャズドラム、といった感じでしょうか。ちょっと気になったのは、ドラムの音がなにかエフェクトでもかけたのか、変った音になってますね。ま、いいか。
 曲は、プレスリー氏の「トラブル」「ラブミーテンダー」「GIブルース」、ZEPの「モビーディック」、フレディ・キング氏の「ハイダウェイ」といったカヴァーが5曲。もちろんどれも成毛先生の編曲によるバージョンです。その他、成毛先生の「エンドライス」、柳田さんの「スマッシュ」「ヒズ・サラッド・ディス」、そしてムッシュかまやつ氏の「ムッシュK」、全9曲です。ヴォーカルはないので、「トラブル」ではバスクラが歌メロを吹き、「ラブミーテンダー」では成毛先生が歌メロを情感たっぷりのギターで聴かせてくれます。
 ハイライトはやはりドラマーのアルバムということもあり、「モビーディック」でしょうか。本家ボンゾ氏の重爆ドラムとは反対のジャズ的解釈でのソロを叩いています。
 オリジナル曲ではバックメンバー3人のめちゃめちゃ弾きまくりインプロビゼーション合戦で、それプラス田畑氏のドラムソロ、といった感じでしょうか。メンバーのアドリブ合戦はあの<フード・ブレイン>と同じような感覚ですね。ジャズドラマーのリーダーアルバムとはとても思えないくらいハードです。この時代の“なんでもアリ”の自由さの象徴でしょうか。
 田畑氏は当時こう語っていたそうです。
「日本ではどうしてジャンル分けしたがるんだろう。ジャズでもロックでも、何でもいいんではないか。要は“いい音楽”“いい演奏”なら、お互いに満足できるはずなんだけどなぁ・・・」と。おっしゃる通りですね。ロックだ、ジャズだ、ではなく、ジャンルがどうこうではなくて、“良いものは良い” ですね。