先週の金曜日にマンチェスターに行って以来、いろいろありました。
秋らしい風景の寄せ集め写真は本文とは無関係です。
ハロウィーン(10月31日)の夜、私のまわりでは静かでした。
ニュースでは例年通り家の外の飾りつけに凝る家庭のレポート、「トリック・オア・トリート」にまわる子供たちに雨どいなどの筒をとおしてお菓子をふるまうなどソーシャル・ディスタンシング対応の工夫も紹介されていました。
.....やるところでは、やっていたんですね....。
地域ぐるみで取り組まないと盛り上がらない行事なのです。
イングランドではパンデミック発生以来2度目の国をあげての4週間のロックダウンが今日から始まります。
感染者数の増加はとどまるところを知りません。
どうせやるのなら、専門家のアドバイスを受けて3週間前に踏み切っていれば今頃はだいぶ効果が表れていたはずなのに、という政府批判がしきりです。
4週間でロックダウンあけにこぎつける、あくまでも「目標」なのです。
4週間どころか、悲願のクリスマスまでに平常どおりの生活に戻れる保証もありません。
3月の1回目のロックダウンと同じで経済活動はほぼ停止、「生活必需品」を販売している店に限り営業を許されることになります。
経済活動と感染抑圧をはかりにかけて躊躇していたジョンソン内閣が追い詰められた結果の土壇場の決断です。
感染率に地域差がありイングランド南部など感染者の少ない地域では不公平感をつのらせています。
「北部だけやればいい」「自分たちは慎重に行動しているのになぜ罰を受けなければならないのか」
罰ではなくて、やると決めたら一斉にやらなきゃ。
例えばパブが開いていれば人があつまってウィルスを伝播しあう可能性は否定できないのです。
感染率の高い地域と低い地域の境界線を越えて人が行き来しているわけですし「ここから手前の経済は封鎖」という不公平な措置には意味がありません。
特に希望の星だったTest and Trace (検査追跡)システムがぜんぜん機能していないとわかった今、なおさらです。
「生活必需品」というのはふつう食料、医薬品などのことをいうのですが、もともと定義があいまいです。
10月23日以来、独自に厳格なロックダウンを続けているウェールズは、営業を続けるスーパーマーケットなどでの電化製品、衣料品やおもちゃ、インテリア雑貨などなど....「生活必需品」以外の販売を禁止したので、最初の週には大きな論議の的になりました。
ウェールズのスーパーマーケットでは「生活必需品」以外の売り場には立ち入り禁止のコードン・テープが張り巡らさせています。
スーパーマーケット、テスコで「生活必需品」ではないという理由のため生理用品を売ってもらえなかった女性が抗議して大きなニュースになりました。
テスコは公式に謝罪して「生理用品は生活必需品である」ことを認めました。
そしてウェールズ政府は「生理用品など、薬局で販売されている製品は売ってもかまわない」と公式にコメントしました。
「それなら入浴剤は、化粧品はどうなんだ?薬局で売られているぞ」と言い出す人がいたのは言うまでもありません。
「学校が開いているのにスーパーマーケットで文房具が買えないのはこまる」という人もいました。
(混乱)
抗議のために裸(パンツ一枚)でスーパーマーケットにやってきて、「服が必要だ、売ってくれ」と詰め寄る男性もいたそうです。
クリスマスを前に店を閉めざるを得ない(必需品を売っていない)小規模な商店が不利にならないようにウェールズ政府が気遣った措置だそうです。
スーパーマーケットにショッピングを楽しむために出てくる人たちもいそうですし、本当に不要不急の人の動きをとめようと思えば仕方のないことかもしれません。
ここイングランドでは食品、医薬品など「生活必需品」を売るために営業継続を許可されているスーパーマーケット、薬局などではロックダウン中、基本的には何を売ってもいいことになっています。
ウェールズの厳格なロックダウンが話題になったのは最初のうちだけです。
ここ数週間はアメリカ合衆国の大統領選挙の話題で持ち切りでした。
昨日は終日合衆国の開票速報....
(民主党のジョー・バイデン候補の勝利が予想される水曜日の午後にこの記事を書いています)
世界中がよその国なのに開票速報に夢中になるアメリカ合衆国って興味深い国ですね。
バイデン候補はトランプ現首相より常識と品があり、トランプ現首相よりはずーっと適役だと思えるので応援しているのですが合衆国の多くの「反トランプ派」の人々と同じで、はっきり言ってトランプじゃなかったら誰でもいい、という程度の思い入れです。
選挙運動中にインタビューされるアメリカの有権者の熱心さがとにかく興味深いです。
「絶対にトランプでないとダメだ」というトランプ信奉者と「絶対にトランプはダメだ」というリベラル派、両極の人々がそれぞれ決して歩み寄ることのないアメリカはブレクジット賛成派、反対派に2分したほんの少し前のイギリスのようです。
中間派はいないのかな?
「どうでもいい/興味ない」人は一定数いるはずですが。
ああ、ブレクシット議論は決行が決定した現在も少しも落ち着いていません。
コロナウィルスのパンデミック騒ぎでどこかに飛んでしまったみたいですが。
マンチェスター・ロイヤル・インファーマリー MRI (総合病院)で、夫が手術を受け1晩どまりで帰宅しました。
夫の手術、入退院、その後の経過でバタバタしていました。
手術そのものは順調でしたが、退院後、経過に少し問題があり近所の診療所に血液検査を受けに行きました。(結果待ちです)
例によって患者以外の病院内の立ち入りは厳禁、手術当日の早朝、タクシーで病院に向かう夫を家から送り出しました。
付き添い不可の病院は家族への連絡を欠かさない段取りになっているのに誰も何も言ってこず、直通連絡先は電話が不通、不安でした。
朝10時に始まる手術に待機するため7時15分に病院到着が必須、にもかかわらず、やっぱり前の晩の入院はかないません。
(コロナウィルスのパンデミック以前からイギリスではめったなことでは患者を入院させないのです)
再度登場、イギリスの医療制度について書いたずいぶん前の記事のリンクです。☟
イギリスの医療制度...日本と違い選択肢がほぼ皆無、すべての人が恩恵にあずかれる世界に誇る無料医療制度
不都合、不手際はありましたが夫の生まれて初めての入院は快適だったそうです。
スタッフは親切で、ベジタリアン対応ディナーにデザート、チーズ各種にクラッカーの夜食がでて、設備も清潔で機能的、コロナ対策も万全で大満足だったそうです。
そのうえ入院費は無料です。
同じ日に同じ症状で手術を受けた同室の患者はパンデミック発生とほぼ同時期に発症、急を要する手術ではないので8か月も待機したそうなのです。
夫は通院を初めてたったの2か月で手術をうけられました。
ラッキーです!
担当の先生が手術まで毎週血液検査や点滴を受けさせる病院側の負担も考慮に入れて早期の手術の必要性を説き「緊急度に応じた順番キメ委員会」を納得させてくれたそうです。
通常の入院病棟なのに医療機関全体のコロナ患者受け入れプレッシャーが大きく、ベッドなどの備品を隔離病棟に振り分ける準備が入院患者の見ている前ですすんでいたそうです。
問題なのは、同じ国家医療制度の下にあって、地元ストックポートの病院や登録している診療所の登録医(GP)と連携した退院後のフォローが一切なかったことです。手術の翌朝9時前に退院というのもせっかちです。
日本では当たり前だという「セカンドオピニオン」は習慣化していないし、医師や病院も原則として選べないイギリスでは、よーぽっどのことがない限り医療サービスにクレームをつけることはない、のだそうです(夫談)
それほど国家医療サービス(NHS)への信頼は厚く、機関やサービスやスタッフに対する好感度は高いのです。
夫の不調の連絡を受けてすぐに対応してくれたGPは患者である夫に代わって医療システムの不備に「不服申し立て」をすると言っていました。
生後4か月の子ネコのティブは今週の金曜日に去勢手術を受けます。
同じ週に夫と飼いネコが外科手術......
去勢はイギリスのレスキュー・キャット(アダプションセンターから斡旋されてもらわれてきたネコ)にとって成人式のような儀式といえるでしょうか。
その後もう一回予防接種を受ければアダプションセンターの手を離れ、私たちが飼い主として責任を負います。
そしてネコは外出も許されます。
本人はそんなことも知らずに子ネコらしくバタバタ家の中を走り回ったり母ネコにちょっかいを出しておこられたりしています。
秋らしい風景の寄せ集め写真は本文とは無関係です。
ハロウィーン(10月31日)の夜、私のまわりでは静かでした。
ニュースでは例年通り家の外の飾りつけに凝る家庭のレポート、「トリック・オア・トリート」にまわる子供たちに雨どいなどの筒をとおしてお菓子をふるまうなどソーシャル・ディスタンシング対応の工夫も紹介されていました。
.....やるところでは、やっていたんですね....。
地域ぐるみで取り組まないと盛り上がらない行事なのです。
イングランドではパンデミック発生以来2度目の国をあげての4週間のロックダウンが今日から始まります。
感染者数の増加はとどまるところを知りません。
どうせやるのなら、専門家のアドバイスを受けて3週間前に踏み切っていれば今頃はだいぶ効果が表れていたはずなのに、という政府批判がしきりです。
4週間でロックダウンあけにこぎつける、あくまでも「目標」なのです。
4週間どころか、悲願のクリスマスまでに平常どおりの生活に戻れる保証もありません。
3月の1回目のロックダウンと同じで経済活動はほぼ停止、「生活必需品」を販売している店に限り営業を許されることになります。
経済活動と感染抑圧をはかりにかけて躊躇していたジョンソン内閣が追い詰められた結果の土壇場の決断です。
感染率に地域差がありイングランド南部など感染者の少ない地域では不公平感をつのらせています。
「北部だけやればいい」「自分たちは慎重に行動しているのになぜ罰を受けなければならないのか」
罰ではなくて、やると決めたら一斉にやらなきゃ。
例えばパブが開いていれば人があつまってウィルスを伝播しあう可能性は否定できないのです。
感染率の高い地域と低い地域の境界線を越えて人が行き来しているわけですし「ここから手前の経済は封鎖」という不公平な措置には意味がありません。
特に希望の星だったTest and Trace (検査追跡)システムがぜんぜん機能していないとわかった今、なおさらです。
「生活必需品」というのはふつう食料、医薬品などのことをいうのですが、もともと定義があいまいです。
10月23日以来、独自に厳格なロックダウンを続けているウェールズは、営業を続けるスーパーマーケットなどでの電化製品、衣料品やおもちゃ、インテリア雑貨などなど....「生活必需品」以外の販売を禁止したので、最初の週には大きな論議の的になりました。
ウェールズのスーパーマーケットでは「生活必需品」以外の売り場には立ち入り禁止のコードン・テープが張り巡らさせています。
スーパーマーケット、テスコで「生活必需品」ではないという理由のため生理用品を売ってもらえなかった女性が抗議して大きなニュースになりました。
テスコは公式に謝罪して「生理用品は生活必需品である」ことを認めました。
そしてウェールズ政府は「生理用品など、薬局で販売されている製品は売ってもかまわない」と公式にコメントしました。
「それなら入浴剤は、化粧品はどうなんだ?薬局で売られているぞ」と言い出す人がいたのは言うまでもありません。
「学校が開いているのにスーパーマーケットで文房具が買えないのはこまる」という人もいました。
(混乱)
抗議のために裸(パンツ一枚)でスーパーマーケットにやってきて、「服が必要だ、売ってくれ」と詰め寄る男性もいたそうです。
クリスマスを前に店を閉めざるを得ない(必需品を売っていない)小規模な商店が不利にならないようにウェールズ政府が気遣った措置だそうです。
スーパーマーケットにショッピングを楽しむために出てくる人たちもいそうですし、本当に不要不急の人の動きをとめようと思えば仕方のないことかもしれません。
ここイングランドでは食品、医薬品など「生活必需品」を売るために営業継続を許可されているスーパーマーケット、薬局などではロックダウン中、基本的には何を売ってもいいことになっています。
ウェールズの厳格なロックダウンが話題になったのは最初のうちだけです。
ここ数週間はアメリカ合衆国の大統領選挙の話題で持ち切りでした。
昨日は終日合衆国の開票速報....
(民主党のジョー・バイデン候補の勝利が予想される水曜日の午後にこの記事を書いています)
世界中がよその国なのに開票速報に夢中になるアメリカ合衆国って興味深い国ですね。
バイデン候補はトランプ現首相より常識と品があり、トランプ現首相よりはずーっと適役だと思えるので応援しているのですが合衆国の多くの「反トランプ派」の人々と同じで、はっきり言ってトランプじゃなかったら誰でもいい、という程度の思い入れです。
選挙運動中にインタビューされるアメリカの有権者の熱心さがとにかく興味深いです。
「絶対にトランプでないとダメだ」というトランプ信奉者と「絶対にトランプはダメだ」というリベラル派、両極の人々がそれぞれ決して歩み寄ることのないアメリカはブレクジット賛成派、反対派に2分したほんの少し前のイギリスのようです。
中間派はいないのかな?
「どうでもいい/興味ない」人は一定数いるはずですが。
ああ、ブレクシット議論は決行が決定した現在も少しも落ち着いていません。
コロナウィルスのパンデミック騒ぎでどこかに飛んでしまったみたいですが。
マンチェスター・ロイヤル・インファーマリー MRI (総合病院)で、夫が手術を受け1晩どまりで帰宅しました。
夫の手術、入退院、その後の経過でバタバタしていました。
手術そのものは順調でしたが、退院後、経過に少し問題があり近所の診療所に血液検査を受けに行きました。(結果待ちです)
例によって患者以外の病院内の立ち入りは厳禁、手術当日の早朝、タクシーで病院に向かう夫を家から送り出しました。
付き添い不可の病院は家族への連絡を欠かさない段取りになっているのに誰も何も言ってこず、直通連絡先は電話が不通、不安でした。
朝10時に始まる手術に待機するため7時15分に病院到着が必須、にもかかわらず、やっぱり前の晩の入院はかないません。
(コロナウィルスのパンデミック以前からイギリスではめったなことでは患者を入院させないのです)
再度登場、イギリスの医療制度について書いたずいぶん前の記事のリンクです。☟
イギリスの医療制度...日本と違い選択肢がほぼ皆無、すべての人が恩恵にあずかれる世界に誇る無料医療制度
不都合、不手際はありましたが夫の生まれて初めての入院は快適だったそうです。
スタッフは親切で、ベジタリアン対応ディナーにデザート、チーズ各種にクラッカーの夜食がでて、設備も清潔で機能的、コロナ対策も万全で大満足だったそうです。
そのうえ入院費は無料です。
同じ日に同じ症状で手術を受けた同室の患者はパンデミック発生とほぼ同時期に発症、急を要する手術ではないので8か月も待機したそうなのです。
夫は通院を初めてたったの2か月で手術をうけられました。
ラッキーです!
担当の先生が手術まで毎週血液検査や点滴を受けさせる病院側の負担も考慮に入れて早期の手術の必要性を説き「緊急度に応じた順番キメ委員会」を納得させてくれたそうです。
通常の入院病棟なのに医療機関全体のコロナ患者受け入れプレッシャーが大きく、ベッドなどの備品を隔離病棟に振り分ける準備が入院患者の見ている前ですすんでいたそうです。
問題なのは、同じ国家医療制度の下にあって、地元ストックポートの病院や登録している診療所の登録医(GP)と連携した退院後のフォローが一切なかったことです。手術の翌朝9時前に退院というのもせっかちです。
日本では当たり前だという「セカンドオピニオン」は習慣化していないし、医師や病院も原則として選べないイギリスでは、よーぽっどのことがない限り医療サービスにクレームをつけることはない、のだそうです(夫談)
それほど国家医療サービス(NHS)への信頼は厚く、機関やサービスやスタッフに対する好感度は高いのです。
夫の不調の連絡を受けてすぐに対応してくれたGPは患者である夫に代わって医療システムの不備に「不服申し立て」をすると言っていました。
生後4か月の子ネコのティブは今週の金曜日に去勢手術を受けます。
同じ週に夫と飼いネコが外科手術......
去勢はイギリスのレスキュー・キャット(アダプションセンターから斡旋されてもらわれてきたネコ)にとって成人式のような儀式といえるでしょうか。
その後もう一回予防接種を受ければアダプションセンターの手を離れ、私たちが飼い主として責任を負います。
そしてネコは外出も許されます。
本人はそんなことも知らずに子ネコらしくバタバタ家の中を走り回ったり母ネコにちょっかいを出しておこられたりしています。