バクストン Buxton、続きです。
前回記事です☟
ピークディストリクトの古い町、バクストンで堪能したヒツジの匂いと暑苦しい羊毛イベント(夏にやる!)
パビリオン・ガーデンズと、パビリオン、オペラハウスと並ぶ、ランドマーク的観光スポットは...
バクストン・クレセント Buxton Crescent !
その名のとおり 半円(cresent )形の、1780年から1789年にかけて建設された、ジョージアン建築の最高傑作のひとつです。
鉱泉を飲み、ぬるい鉱泉に浸かる「鉱泉療法」が流行した18世紀、湯治を理由に長逗留して社交を楽しむ上流階級の宿泊、社交施設でした。
その後、鉱泉療法が廃れ、上流階級の足が遠のいた20世紀初頭以後は地元のもてあまし建築に位置付けが急落し、100年近くのあいだボロッちくさびれるー方。
...1951年には保存指定最高ランク( Glade I listed Building )に指定され、取り壊しもできなくなり倒壊防止の応急修復措置を施されつつ哀しい姿をさらし続けていました。
2003年に宝くじ地方振興基金 The National Lottery Comunity Fund の資金援助で修復作業が始まるも予算の破綻その他の事情で難航し、実に17年の歳月と、とんでもない費用をかけて大修復が完了しました。
パンデミックのさなか、2020年に5つ星の超高級スパー・ホテルとして開業しました。
通りかかったこの時、ゲインズボローの絵画に出てくるようなジョージアン・スタイルの時代衣装をまとったモデルの「素人撮影会」のような謎のイベントが進行中でした。
参加者は本格的なカメラ持参で、予告されていた企画のようです。が、帰宅後、検索してもこのイベントに関する記述は見当たりませんでしたし、参加者がたったの10人程度...
時代衣装に興味を持つ人たちには思えないおじさんがほとんど...昔、日本でやっていた「水着(ビキニ)撮影会」みたいなものだったりして...いや、違う!
衣装は本格的でカメラマンのポーズの注文にこたえるモデルも(駆り出されたホテルの従業員などではなく)プロのようです。
修復にまつわるいきさつを含め、クレセントについて調べて詳しく書いた以前の記事2本のリンクです☟
かつての温泉町、おなじみのバクストンのパンデミックのさなかに修復が完成した建築史上の大傑作クレセント
今に残る湯の町の歴史、三日月の裏まで手抜きナシ、大改修後のバクストンの名物建築をすみずみまで堪能
クレセントの正面向かいには、鉱泉をくみ出し鉱泉浴を施す「パンプ・ルーム Pump Room 」があります。古いモザイクタイル張りの浴槽が残っています。(1894年建造、第二級保存指定)
現在はカフェやギフトショップもある観光案内所です。
その横の、これまた人だかりがしているのが...
Saint Ann's Well (聖アンナの泉)。
日に100万リットル以上湧出する、マグネシウムを多く含む天然のミネラル水(鉱水)「バクストン・ウォーター Buxton Water 」がいつでも汲める慈善の井戸!
欧州には、中世以来、町が住人に無料の水を提供する 共同井戸/給水所 public water fauntain が多数ありましたが、水道の普及により需要がなくなり現在では観光目的以外の多くは撤廃されているようです。
この給水施設はいまだに健在!なばかりではなく需要大で大人気!!
たいてい誰かがブロンズのライオンの口からじょぼじょぼと吐き出されるバクストン・ウォーターを持参の空き瓶に詰めています。
この地下あたりにある源泉が古代ローマ人に発見されて以来、2,000年間この場所で汲み続けられてきたバクストン・ウォーター、常温27℃のぬるま湯です。中世の頃は地中から温かい水が湧くのが神秘的な現象だったようです。
16世紀に「全国の鉱泉はすべての人が無料で汲めるようにすべし」という法案が議会で通って以来、万病に効くとされた鉱泉が鉱泉療法を受ける余裕のないー般庶民でも自由に飲めるシステムです。
1,992年からバクストン・ウォーターを瓶詰めにして販売するすべての権利を独占するネスレィ社 Nestle も意義を唱えることができません。(バクストン・ウォーターは英国中のスーパーマーケットやコンビニエンスストアで広く販売されています)
それにしてもこの人たちは、つめすぎでは?こんなに持って帰ってどうするのでしょうか。運びやすいように段ボール箱まで持ってきてるし!そばに停めた左側に立つ女性のクルマのトランクには20本ぐらいの4リットル瓶がぎっしりと並んでいました。
...飲むんじゃない?と思われるでしょうが、こんなにたくさん飲みきる前にくさりませんか?まさか沐浴でもするんじゃ...
後ろのこんもりした緑の丘は、1811年に造園のその名も、スロープス the Slopes (坂)という「景観公園 landscape gardens」です。しかも第二級景観保存指定公園 Grade II Listed Landscape Park!
St. Ann's Cliff (聖アンナの崖)とも呼ばれる自然の丘陵の利用、バクストンの地形を生かした特徴ある庭園です。
すぐ前のクレセントからの景観を考慮した、町の喧騒を遮蔽する目的のデザインだそうです。
見晴らしが最高、小道をたどって丘の上の古いマーケットのあるエリアに出られます。
今回昼食を食べたカフェの席がスロープスの反対側に面していました。
ついでに、サラダの量がすごかったベーコンとブリーチーズのサンドイッチの写真のご披露
4年前の記事からの転載、中腹の戦没者慰霊塔のある見晴し台から眺めたクレセント写真です。町をかこむピークディストリクトの山並みの眺望が絶景!
同じく鉱泉の湧く古代ローマ人が建設したイングランド南西部の世界的に有名な観光地、バース Bath みたいな「町ぐるみ世界遺産」ではないのでショボい景観も目にしてしまうのはご愛嬌ですが、国選の保存指定建築であふれ返った石造りの街並みが素晴らしいバクストンです。
バクストン起点の丘陵地帯の山岳ハイキング、丘の上の古いパブなども含めストックポート日報で実に30回近くもバクストンについて取り上げています。
日曜日に撮った、これもこれも...
この写真☟に写るすべての建造物も...
すべて保存指定建築です(いずれもII級)。他にも多数...
前を通っただけの...
Devonshire Royal Hospital として知られる、長く病院として使われていたこの、デボンシャー・ドーム Devonshire Domeは、ー級上の、第二級特級(*星つき)指定。世界最大の支えなしで自立するドームだそうです!(議論の余地ありの記述多数)
クレセントの宿泊客のウマを120頭まで収容する車庫付きの厩舎+同行の召し使いたちの宿泊施設だったそうです。現在はダービーシャー大学の福利厚生施設として使われていて、公的資金をつかって修復したため一般公開されています。
壮大なドームの内観は必見!私は35年前、サビれてガラ~ンとして声がよく響く病院だった頃と、20年前、大学に摂収されたばかりの修復直後に入ったことがあります。2度目は夫の提案で大学所有の「振り子の原理」の実験設備を小さかった子供たちに見せに行きました。
駅とデボンシャー・ドームはマーケットのある丘とは反対側の、町を見下ろす丘の上にあります。
日曜日はたびたび電車のキャンセルがある、不都合な英国の鉄道!
私たちは乗るつもりだった毎時2本発のマンチェスター行きの電車がキャンセルされたことを知り1時間帰宅を繰り上げました。
観光穴場スポット紹介として、ストックポート日報の多数のバクストン記事から厳選☟
ついに見た!念願のリトルマーメイド、これがまさかの自然科学郷土博物館の展示品、ウケねらいか?天下のグロ物件
日本と比べてて
自分達の 良き昔を 懐かしむ
英国の方が 落ち着きが 有りますね
英国だって米国のトランプにじゅうぶん右往左往しています。あと、イスラエルとかウクライナとか。
自国の移民問題もやっかいです。
>浅井さんへ... への返信
楽しい事だけを お書きに 成ってるとは
考えずに 失礼を 申し上げました
広島は 外人さんだらけ で
ユニクロの 安めの GU の 紙袋が
外人さんの 表示ですと 言うほど
混んでます
いいえ、お気になさらずに。
日本に帰って気がつきました。ユニクロはかつてほど安いブランドではありませんね。GUが若年むき安ブランド部門を創設したためでしょう。学生時代からユニクロを愛用していた第一世代が年の功で収入も上がり以前より服にお金をかけられるようになったので、経営側は強気!で値上げ...というビジネス記事を読みました。
また、欧米ではユニクロはおしゃれな高級ブランド扱いです。値段も高いですし。
マンチェスターのユニクロで、日本にいた時買いそびれた(と言うか、日本にいた時は別に欲しくなかった)日よけ帽を倍近くの値段で買いました!
円安もあるのでしょうがすっごく損した気分です。愛用しているのでもとはとっています。
日本で買いあさる外国人観光客の気持ちはよくわかります。
ユニクロ と GU が 多いですよ